あのカールじいさんが帰ってきた!少年と共に不思議な冒険を遂げたカールじいさんが今度は女性とデートをする。長年恋愛と疎遠になっていたカールじいさんは右往左往。甘酸っぱくて愛おしい、良質なヒューマンドラマが誕生。
映画『カールじいさんのデート』の作品情報
- タイトル
- カールじいさんのデート
- 原題
- Carl’s Date
- 製作年
- 2023年
- 日本公開日
- 2023年8月4日(金)
- 上映時間
- 7分
- ジャンル
- アニメ
ヒューマンドラマ - 監督
- ボブ・ピーターソン
- 脚本
- ボブ・ピーターソン
- 製作
- キム・コリンズ
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- エドワード・アズナー
ボブ・ピーターソン - 製作国
- アメリカ
- 配給
- ディズニー
映画『カールじいさんのデート』の作品概要
14年ぶりに『カールじいさん』シリーズに新作が誕生した。オリジナルでカール役を演じたエドワード・オズナーは惜しまれつつも2021年に死去。本作では新たなカールの声優がお披露目となる。スピンオフ作品が作られるほどの人気を博したダグも勿論登場。再びカールを救う救世主として描かれる。果たしてカールの新しい出会いは上手くいくのか。様々な人との優しい繋がりに溢れた心揺さぶられるアニメーション作品。そして、本作は『マイ・エレメント』との2本立て。実は、ピクサーが短編アニメーションを同時上映するのは実に5年ぶりのこととなる。一粒で2度美味しい、是非劇場に足を運ぼう。
映画『カールじいさんのデート』の予告動画
映画『カールじいさんのデート』の登場人物(キャスト)
- カール(エドワード・アズナー)
- 妻に先立たれた孤独な老人。渋々ながら女性とデートすることとなる。
- ダグ(ボブ・ピーターソン)
- 機械によって人と話すことができる犬。カールのデートをサポートする。
映画『カールじいさんのデート』のあらすじ(ネタバレなし)
最愛の妻を亡くした老人、カール。とある少年との出会いによって再び未来に目を向けられるようになったカール。妻が亡くなって久しいカールは、知人にとある女性とデートすることを勧められる。抵抗感を示すカールだったが、渋々デートを了承することになる。しかし、長年妻のみを愛してきたカールは、今時の出会いや異性との付き合い方が分からない。困り果てたカールの前を助けたのが、以前からカールと顔見知りである犬のダグ。『人と話すことができる』という不思議な機械をつけたダグは、困り果てたカールに『犬でもできる友達の作り方』講座を始めるのだった。
映画『カールじいさんのデート』の感想・評価
人と知り合うことの大切さ
本シリーズの共通するメッセージを挙げるのであれば、『人と繋がることの大切さ』というものではないだろうか。1作目では妻の死をきっかけに周囲との交流を避けてきた老人が、少年と1匹の犬との出会いによって立ち直っていく姿を描いている。固まり身動きの取れなくなってしまっていた老人の心を温かく溶かしていくその交流は、多くの人の涙を誘った。そして、本作で描かれる繋がりは、未知の人との出会い。未知の人や環境は何かと怖いもの。しかし、そこで恐れることなく踏み出すことが、新しい未来へと繋がっていく。勿論、従来のキャラクターであるダグとの繋がりも健在。今ある繋がりを大切にすることも勿論重要であるが、世界は広く目を向ければ新たな出会いがいくつでも広がっている。本作を見て、誰かと交流してみよう。
マイ・エレメント
前述したように、最新作は本作『マイ・エレメント』と2作同時上映となる。エレメントとは、日本語で言う元素のこと。火、土、風、水のエレメント達が暮らすエレメント・シティが舞台の本作では、可愛らしくデフォルメ化されたエレメント達が楽しめる。穏やかなその街だが、たった一つだけルールが存在した。それは、『他のエレメントとは関わらない』。しかし、火のエレメントのエンバーは、ある日ウェイドという水のエレメントと出会いを果たす。そして、彼との交流によって少しずつ気持ちの変化が訪れて…?折角映画館に足を運ぶのであれば、最新作だけでなくこちらも存分に楽しみたいところ。
大人気キャラクター、ダグ
『カールじいさん』シリーズの主人公は、タイトルからも分かるようにカール。しかし、このシリーズには欠かせないもう1人の大人気キャラクターがいる。それこそが犬のダグである。前作から登場したダグはその可愛らしい外見と逞しさ、愛嬌が多くの視聴者の頃を掴み、それからダグを主役とした短編作品が2本も制作されたほど。勿論、本作でもダグは登場。戸惑うカールを助ける心強い存在として描かれる。最早、ダグとカールは一蓮托生、相棒と言える存在だろう。しかし、そんなダグとの物語も今作でとうとう完結。これまでのシリーズを全て追ってきた人にこそ心揺さぶられる作品に仕上がっている。
映画『カールじいさんのデート』の公開前に見ておきたい映画
カールじいさんの空飛ぶ家
第67回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞・作曲賞を受賞した名作。最愛の女性エリーと出会ったカールは、穏やかな毎日を送っていた。2人は共に様々な経験をし、共に穏やかに歳を重ねていった。2人はいずれ伝説の滝と呼ばれる『パラダイス・フォール』に赴くという約束を交わす。しかし、様々な不幸が重なりその夢は中々叶うことはなかった。年齢を重ね、とうとうパラダイス・フォールへのチケットを手に入れたカール。しかし、長年の夢を成就させる矢先、エリーが病に倒れてしまう。さらに、再開発のためカールは家から立ち退きを命じられてしまう。カールはエリーと共に過ごした大切な家を守るべく、1人その場に残り戦い続けていた。そんな中、カールの前に1人の少年と1匹の犬が現れる。
詳細 カールじいさんの空飛ぶ家
怪盗グルーのミニオン危機一発
いくつになっても恋をすることは素晴らしい。最新作も本作も、そのことを改めて視聴者に教えてくれる。最新作同様スピンオフ作品がいくつも制作されるほどの人気を誇るアニメーション映画である『怪盗グルー』シリーズの第2作目。本作では、主人公であり3姉妹に出会うまで人間との交流を殆ど絶っていたグルーが恋に落ちる。怪盗グルーの年齢は明らかになっていないものの、凡そ50歳代ではないかとファンの間で推測されている。怪盗グルーの前に現れるのはルーシー・ワイルド。彼女はとある極秘組織の一員で、グルーの悪党としての知識を借りたいのだと言う。一度心を開けば、世界は無限に広がっていく。
トイ・ストーリー・オブ・テラー!
最新作を、たかだか短編映画と侮ってはいないだろうか。確かに短編映画時間が制限されている分、物語を広げづらいことも事実。しかし、裏を返せばテンポよく最後まで観客を飽きさせることなく楽しませることができるという大きなメリットが存在するのだ。本作も、そんな名作短編映画の一つ。題材となっているのはタイトルからも分かるように、ディズニーが誇る名作『トイ・ストーリー』。実は『トイ・ストーリー』はこれまで数多くの短編作品を発表しており、本作はその内の一作。紆余曲折を経てボニーのおもちゃとなったウッディ達。彼らは移動中の車でホラー映画を楽しんでいた。そんな中、車のタイヤが急にパンクしてしまい、彼らは一夜を一軒のモーテルで明かすこととなる…。
映画『カールじいさんのデート』の評判・口コミ・レビュー
カールじいさんのデート
続編でもありエピローグとも取れる全体的にしんみりしてて良かった。マイ・エレメント同様一歩を踏み出すドラマなのだがカールの可愛らしさと不安が入り混じるのでただ笑えるでは終わらない作りも良かった。こんなにしんみりした短編初めてかも。 pic.twitter.com/o4y0NbY92A— 通りすがりの伊賀栗 (@FFFFigaguri) August 4, 2023
『カールじいさんのデート』
「マイ・エレメント』と同時上映。カール役の声優エドワード・アズナーと飯塚昭三が亡くなり、本作が遺作となった背景も相まって、たった10分足らずの短編に目頭が熱くなる。「お前は私の永遠の恋人」心温まる台詞。ついつい吹き替えも見たくなってしまう。 pic.twitter.com/i55ThZunRu— こうへい (@ykohei1104) August 6, 2023
「カールじいさんのデート」鑑賞。「マイ・エレメント」同時上映作品。カールじいさんシリーズのエピローグとも取れるような短編。2人の会話がコントのようで笑える箇所もありつつ、終始どこか物悲しさが漂う。愛犬と共に、時に励まされながら歩み続けるカールは、もう止まることはないのだと思った。 pic.twitter.com/4o3ivgS560
— Bonn (@Bonn102) August 5, 2023
映画『カールじいさんのデート』のまとめ
完璧なエンディングを迎えた前作、『カールじいさんの空飛ぶ家』。その完成度の高さは、作品が総なめにしてきた名だたる賞の数々を見れば分かることだろう。記憶にも記録に残り続ける名作は、是非輝いたままでいて欲しいもの。正式な続編となる本作が、ただの蛇足とならないことを願いたい。本作で監督を務めるのは、オリジナルである『カールじいさんの空飛ぶ家』でも共同監督を担当していたボブ・ピーターソン。まさに、これ以上にシリーズを理解している者はいないという人物。人一倍愛着があるであろうシリーズを、見事にスクリーンに復活させてくれるはず。
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