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映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』の概要:『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』(原題:Comme un chef)は、パリの三ツ星レストランのシェフと若手料理人が協力して店を守ろうと奮闘する姿を描いたコメディ映画。

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 作品情報

シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:84分
  • ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:ダニエル・コーエン
  • キャスト:ジャン・レノ、ミカエル・ユーン、ラファエル・アゴゲ、ジュリアン・ボワッスリエ etc

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 あらすじ【起・承】

料理人のジャッキー・ボノは、天才的な料理の才能の持ち主だが、料理に対して並々ならぬこだわりを持っているため、働く店のスタイルを受け入れられずことごとくクビになっていた。その末に、出産を控えた恋人・ベアトリスのためにも安定した収入を得るため、老人ホームのペンキ職人になる。
だが、ここでもジャッキーは厨房に入り浸り、料理人と仲良くなって自分の好きな料理を彼らに指導する。

一方、パリの有名三ツ星レストランである「カルゴ・ラガルド」のシェフ、アレクサンドル・ラガルドは店のオーナーと対立していた。ラガルドはフランス料理の伝統を重んじるが、オーナーは現代らしい刺激ある新たなフランス料理を求めていた。ラガルドは春の新作の開発にも行き詰まっていた。三ツ星から一つでもランクが下がればクビになってしまうのだ。

そんな時、ラガルドはジャッキーと出会う。ジャッキーはラガルドを尊敬しており、彼の作った料理を暗記するほどだった。ジャッキーが再現したスープに驚いたラガルドは、ジャッキーを自身の右腕として雇う。
だが、ここは有名店。雇われたと言っても研修中は給料をもらえないので、ジャッキーはベアトリスには職を替えたことを話していない。

スーシェフとして働き始めたジャッキーは、見事な才能を発揮するが、ラガルドと対立することも少なくない。しかしジャッキーの舌に間違いはなく、2人の信頼関係は揺らぐことがない。
今度店にやってくる審査員は刺戟的な料理を好むらしい。2人は、オーナーが「カルゴ・ラガルド」のシェフに据えようとしている人物の店に行き、科学を使った刺戟的な料理がどんなものかを偵察する。

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映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 結末・ラスト(ネタバレ)

ジャッキーはラガルドの店に行っても相変わらず老人ホームの料理人に指導していた。というのも、老人ホームの入居者たちがジャッキーの料理を気に入ったためだった。ちょうどビデオ通話でやり取りしている最中、老人ホームにベアトリスが訪ねてくる。ジャッキーが嘘をついていたと知ったベアトリスは怒り、実家に帰ってしまう。
ジャッキーはベアトリスに謝るため、ラガルドを連れて彼女の実家近くのレストランに向かう。ベアトリスの機嫌は直らなかったが、彼女の両親は「ジャッキーはいい相手じゃないか」となだめる。

審査前日まで、ジャッキーとラガルドは新作の試作を作り、苦労の末完成させる。
だが、審査当日はラガルドの娘の論文発表会だった。今まで三ツ星を守るために必死だったラガルドは娘にかまうこともできなかったが、今回は店をジャッキーに任せることを決める。

当日、店はオーナーの嫌がらせで食材を仕入れておらず、ジャッキーや料理人たちは途方に暮れるが、老人ホームの厨房の面々も協力し、近くの市場で手に入る食材を買って料理を完成させる。

ジャッキーの料理は審査員を喜ばせ、絶賛される。これには、ラガルドをクビにする口実ができると思っていたオーナーも驚く。
新作を絶賛するたくさんの客の前にラガルドが現れると、新作はジャッキーの力によるものであると話し、この場で彼に店を任せると宣言する。
無給の料理人から有名店のシェフになったジャッキーは、出産を終えたベアトリスの元に駆け付ける。ラガルドが気をきかせて用意してくれた指輪を手に彼女にプロポーズすると、2人はようやく仲直りをした。

その後、引退したラガルドはジャッキーと共にテレビの料理番組に出演していた。相変わらず細かい所で対立する2人はこの日も言い合いになり、番組はなかなか終わりそうにない。

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

料理よりもコメディ寄り

三ツ星レストランの舞台裏というからには、厨房で繰り広げられる壮絶な料理人たちの奮闘ぶりやおいしそうな料理の数々を見ることができるのかと思いきや、ラガルドとジャッキーがお互いに刺激され、変化する姿をメインに描かれている。
そして、コメディ要素がかなり多いのが特徴である。映画の中で、ラガルドの才能が行き詰ったことが一番の問題として描かれる。オーナーは刺戟的な分子料理(科学を使った奇抜な料理)を求めているが、ラガルドは伝統にこだわるあまり、新しい料理を生み出せなくなった自分に気付くのである。
フランス料理の伝統を重んじるのは当たり前じゃないかと思うが、映画の中に登場する分子料理がさも当然のように描かれるのには驚く。ジャッキーとラガルドか偵察した店はとにかく奇抜で、一般的な分子料理ともかけ離れた、これが料理といえるのかというものばかりが登場する。それに合わせて2人が日本の着物を着て滑稽な変装をするものだから、コメディらしさが特に際立っていた場面だった。

ジャン・レノとミカエル・ユーン

ジャッキーを演じたミカエル・ユーンは日本ではあまり有名ではないが、フランスのコメディアンだそうだ。さすがコメディのセンスは抜群で、レストランをいい意味で引っ掻き回すジャッキーにはピッタリの役者だったように思う。
そしてラガルドを演じたジャン・レノは、誰もが知る有名俳優である。あまりコメディ作品に出演している印象はないが、日本ではTOYOTAのCMでのドラえもんでおなじみ。映画ではハードボイルドでかっこいいイメージがあるが、それとはあまりにもかけ離れたドラえもんのイメージのおかげで、この映画でのコントのようなやりとりも自然と受け入れられた。


この映画を観るまで「分子料理」というものを知らなかったのですが、かなりインパクトがありますね。伝統料理のほうが美味しそう、と思ってしまいました。

ジャン・レノの存在感が大きく、上品なコメディといった感じです。無名の天才料理人ジャッキーのキャラクターはちょっと苦手でした。料理に対する情熱やこだわり、才能があるのは分かるけれど、周りを顧みないところが気になってあまり共感できなかったです。
どちらかというとジャン・レノ演じるラガルドを応援する気持ちで観ていました。
ジャッキーの妻やラガルドの娘など女性陣が美しくて包容力もあり、素敵でした。(女性 40代)


良い意味でコントのような一本。
舞台の三つ星レストランはちょっとした「こんなレストランは嫌だ」だし、ジャッキーについても「こんな料理人は嫌だ」だ。アレクサンドルとジャッキーが変装して他店に乗り込むあたりはむしろその勇気をたたえたいほど。しかしこれはフランス映画だからだろうか、下品になりすぎることがない。パリやヌヴェールの街は美しく、ジャン・レノの「我々のイメージするフランス人中年男性」が恋をする件も妙な説得力があり楽しい。普段フランス映画を観ない人にも良いかも。(男性 40代)


フランス料理の世界では、一皿一皿がそのシェフによる「芸術作品」とされていて写真を撮ることを禁止しているレストランもあるのだとか。そんな厳しくて伝統ある世界をユーモアたっぷりに描いた今作は、見る人の心を暖かくしてくれる作品でしょう。
料理をテーマにした作品が大好きなので沢山見ていますが、今作はかなり「フランス映画」らしい要素が多く料理でも物語でも楽しませてくれました。
伝統的な料理も、現代的な新しい料理も作る人の心が何よりも大切なんだなと感じました。(女性 30代)

映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』 まとめ

映画は85分と短いが、テンポ良く進むので楽しめた。ジャン・レノとミカエル・ユーンのコンビは息が合っていてとても良かったので、続編があってもいいなあと思った。
ジャッキーとラガルドが変装してライバル店に踏み込む場面は見どころの一つだろう。なぜかちょんまげに袴という出で立ちのジャン・レノと、鬘と白塗り、そして着物という出で立ちのミカエル・ユーン。日本人が見れば、現代にはあり得ない姿だと分かるのでその滑稽さが面白いが、海外の人がこれを見るとどう感じるのか気になるところだ。

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