ディケンズの名作小説を原作にしたディズニーアニメ。第56回アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた。監督はバーニー・マティンソン、製作総指揮は『おしゃれキャット』のドン・B・テータム。
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』 作品情報
- 製作年:1983年
- 上映時間:108分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:バーニー・マティンソン
- キャスト:アラン・ヤング、ウェイン・オルウィン、クラレンス・ナッシュ etc…
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』のあらすじを紹介します。
意地の悪いケチな老人スクルージ。彼はある銀行を経営している大金持ちだ。かつてマーレイという男と銀行を共同経営していたが、マーレイの死により単独経営中。書記としてクラチットという青年を雇い、安い賃金で働かせていた。クリスマスイヴの日、クラチットからクリスマスパーティの誘いを受けたことに激怒したスクルージは、その日の夜に不思議な体験をする。マーレイの幽霊が寝床に現れ、不吉な予言を残し、3人の精霊がスクルージを訪ねてくることを告げて去る。目を覚ましたスクルージの元に現れた精霊はスクルージを過去に連れて行き、若き日のスクルージの事を思い出させる。2番目の精霊は現在、3番目の精霊は未来へスクルージを誘い、彼は改心する。
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
『クリスマス・キャロル』の映画化作品の中ではナンバーワン
最も有名な小説の一つである『クリスマス・キャロル』。しかしながら、映画化作品はほとんどダメダメです。元が中編小説ですから、長尺にするとダレる。オリジナル要素を入れようとすると失敗してしまうんですね。しかし、本作はアニメの利点を活かした映画化作品なので、他作よりもスマートにまとまっています。お話は面白いんだから、どう再現するかが大事。魅力あふれるおなじみのキャラクターたちが『クリスマス・キャロル』の物語をなぞっていくのですから、もうそれだけでやったぜ大成功、といった感じ。実際、ジョン・ラセターがスタッフに参加しているなど、短編アニメとはいえ力が入っていますからね。
子供向けにしたのが成功
元の話は哲学的なお話なんですよね。ひねくれたジジイが過去、現在、未来を目撃し、その中で改心していくんですけど、精霊の発言に思想が結構左右されている。神の手が加わっているというのが、ちょっと面倒なんです。ここを子供向けにアレンジしたことが成功した要因でしょう。悲惨な現実を見せるのではなく、スクルージという人物の憎めない点を見せていき、元の姿に戻っていく。明快ですよね。
映画『ミッキーのクリスマスキャロル』 まとめ
クリスマスにおすすめの映画を選ぶ時に、どうしても『クリスマス・キャロル』を原作にした映画をランクインさせたかったんです。大傑作ですから。しかし、映画化作品はどれもこれも……。本作は原作のエッセンスはあるけれど、厳しい面は排除しているので完璧な映画化とはいえません。まあ、その点が良いんですけどね。クリスマス・キャロル物ではダントツに良い出来ですから、ぜひ観てもらいたいです。若き日のジョン・ラセターは、スクルージが1番目の精霊に連れて行かれるシーンなどを担当しています。お気に入りのシーンだそうですから、そこにも注目してみてください。古い映画を観るときは、物語や俳優だけに注目するのではなく、たとえば今や巨匠になった助監督や名スタッフなどに注目してみるのも楽しいですよ。
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