この記事では、映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:アニメ、サスペンス
監督:こだま兼嗣
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、堀川りょう etc
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』の登場人物(キャスト)
- 江戸川コナン(高山みなみ)
- 本当の姿は、高校生探偵である工藤新一。黒の組織に飲まされた謎の薬によって、身体が小学生へと戻ってしまった。頭脳はそのままで、小五郎の家に居候しながら黒の組織を追っている。
- 毛利蘭(山崎和佳奈)
- 小五郎の娘で、新一の幼馴染。突然姿を晦ましてしまった新一のことを、長年思い続けている。空手の有段者であり、怒らせると怖い人物。
- 毛利小五郎(神谷明)
- 毛利探偵事務所を営む探偵。その実力はからっきしだが、コナンが小五郎の代わりに事件を解決するため、眠りの小五郎として一躍有名になった。
- 服部平次(堀川りょう)
- 東の工藤、西の服部と評されるほど有名な、高校生探偵。コナンの正体を知る数少ない人物。幼馴染の和葉とは微妙な関係性。
- 遠山和葉(宮村優子)
- 平次の幼馴染。平次のことを長年想っているが、中々気持ちが伝わらずにいる。合気道の実力者で、ピンチの平次を救う。
- 西条大河(鈴置洋孝)
- 盗賊団『源氏蛍』のメンバー。その中でも第二位の実力者で、武蔵野弁慶の名を持つ。自分が一番の源義経となるべく、他のメンバーを殺害していく。
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』のあらすじ【起】
東京、大阪、京都の日本においても主要都市と言える三箇所で、翁の仮面を被った謎の人物に、立て続けに5人もの人物が殺害されるという恐ろしい事件が起きた。そして、その犯人は、彼らの所持していた『義経記』を持ち去っていったのだった。
被害者にはとある共通点があった。彼らは全員、古美術を専門とする窃盗団、『源氏蛍』のメンバーだったのだ。この事件に注目したのが、工藤新一と同じく高校生探偵と名高い服部平次だった。平次はこの事件を解決するため京都へと向かう。
京都は、平次にとって縁深い場所でもあった。まだ彼が幼い頃、平次は京都にある、とある寺で見かけた女の子に初恋をしたのだ。平次はその時彼女が落とした小さい水晶玉を、今でも大事に保管していた。初恋に想いを寄せる平次を、幼馴染である遠山和葉は複雑な気持ちで見守っていた。彼女は長い間、平次に恋心を抱いていたのである。一方、コナンが居候する毛利探偵事務所にも、とある依頼が持ち寄られていた。

映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』のあらすじ【承】
その依頼人は京都にある山王寺の住職で、小五郎は娘の蘭、居候のコナン、そして、蘭の友人である園子を連れて京都へと向かうことになる。そして、京都に到着した小五郎達に、住職は早速依頼内容を話し始めるのだった。山王寺では12年に一度、代々伝わる秘仏を開帳するしきたりがあるのだが、その秘仏は8年前に盗まれていた。しかし、今になって、盗まれたその秘仏のありかを指し示す暗号が送られてきたのだ。
コナンはかつてその秘仏を盗んだ犯人が源氏蛍であることを知ると、弁慶にゆかりのある地を順に巡っていくのだった。すると、同じく源氏蛍に関する事件を追っていた平次と偶然出会い、彼らは行動を共にすることになる。
しかし、彼らが鞍馬山を訪れた時だった。なんと、平次が何者かに矢で狙われたのである。すんでのところでそれを回避し、彼らは急いで犯人を追うものの、あと一歩のところで取り逃がしてしまう。そして、その日新たな殺人が起こる。殺されたのは、またもや源氏蛍のメンバーだった。
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』のあらすじ【転】
和葉を連れて一度大阪へと帰ろうとする平次。しかし、そんな時だった。再び、鞍馬山で平次を襲った犯人が彼の前に姿を現したのだ。その犯人は平次に木刀を渡し、平次はそれに応える。平次は剣道部に所属しており、剣の腕前には自信があったのだ。しかし、相手はそんな平次をも上回っていた。合気道の達人である和葉の助けもあり、なんとか平次は助かったものの、その際平次は負傷してしまう。
このまま引き下がれなくなった負けず嫌いの平次は、再び京都へと戻り、コナンと事件解決のために動き始めるのだった。しかし、そんな時、平次の元に一本の電話が入る。それは犯人からのもので、なんと、犯人は和葉を人質に取ったという。平次は和葉奪還に向かおうとするが、件の怪我が悪化し倒れてしまうのだった。しかし、その夜更け、犯人と和葉の前に平次は現れた。そして、平次はそこで謎解きを始める。今回の一連の事件の犯人は、源氏蛍のNO.2、『武蔵野弁慶』こと西条大河だった。
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』の結末・ラスト(ネタバレ)
源氏蛍のリーダーであった『源義経』が、ある日自らの死期を悟り、隠した秘仏を見つけた者に次の源義経の座を譲るという遺言を残したのである。西条は、自らこそが義経となるべく、邪魔になる他のメンバーを次々と殺していたのである。そして、平次がかつて拾った水晶こそが、その秘仏の一部だったのだ。
西条は平次に切り掛かり、その勢いで平次が被っていた帽子が落ちた。すると、なんと帽子の下の顔は、平次ではなく工藤新一だったのだ。実は、倒れた平次に代わり、新一は灰原哀から一時的に元の体に戻る方法を聞き出し、こうして和葉を助けるべくやってきたのだ。
しかし、剣術の使えない新一はすぐに追い詰められてしまう。そんな時、西条の部下が突如として西条に牙を剥く。それは、平次が扮装した姿だったのだ。そして、再び小さくなったコナンのサポートを受け、なんと平次は勝利を収めるのだった。無事に事件は解決、秘仏も見つけ出し、山王寺に無事戻された。そして、平次はあの時見かけた初恋の相手が、実は和葉であったことを知るのだった。
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
新一と蘭、平次と和葉、どちらも進展しそうで現状維持なのがもどかしい気もするし、言葉に出しての明確な進展はなくても、お互いに好意を持って信頼している、今のままでいてほしい気もします。特に平次の「やっと会えた」のセリフが現状で良いような気持ちにさせます。
事件のほうは、長年仲間をまとめて来たリーダーが、弁慶(西条)の性格を見抜けなかったのか、見抜いた上で解散を目論んで遺言を遺したのかが謎です。(女性 40代)
個人的に近年の劇場版は内容がつまらないものが多いと思っているのですが、久しぶりにいくつか過去作を鑑賞したところ、以前の劇場版のレベルの高さを痛感しました。その中でもこの作品は、舞台が京都であること・事件の内容・登場人物などがとても好きで何度見ても楽しめます。今見るとCGのクオリティが少し残念ではありますが、京都の通り名の歌が使用されていたり、観光名所や神社仏閣などがたくさん映り京都がとても魅力的に描かれているところも好きな点です。
劇場版ごとにアレンジが変わるメインテーマも、今作は鼓の音が入るなど和風な演出になっていて素敵なので今までの作品と聞き比べてみるのも面白いと思います。(女性 20代)
桜の咲く季節、東京、大阪、京都の3箇所で5人の男が殺される。5人の共通点は仏像や美術品の窃盗を繰り返す盗賊団「源氏蛍」のメンバーだということ。警視庁の目暮警部と大阪府警、京都府警の合同捜査が始まる。
この作品の舞台は京都。作中で描かれる京都の街並みが本当に綺麗です。そして、コナンと言えば、倉木麻衣の曲。作品の世界観と見事にマッチしていてなんともいえない儚くて、美しい雰囲気を醸し出しています。
この作品を観て京都の路の覚え方の歌を知りました。少し謎を感じる京都という場所へ行きたくなりますね。(女性 30代)
コナンの劇場版の中でも一番好きな作品です。京都が舞台ということで、実際にある京都の神社仏閣、鴨川などが描かれ京都に住んでいる者としては、とても嬉しくワクワクしました。犯行の鍵となる「義経記」ということで全体的に和風の雰囲気で作り込まれていて、とても面白かったです。コナン君と平治のコンビも凸凹で可愛くて、ほっこりしました。今回は平治と和葉ちゃんメインで進んで行き、2人の仲が少しだけ進展するのが良かったです。蘭姉ちゃん、和葉ちゃん、園子の女性陣が揃っていて3人で京都探索してガールズトークするところも楽しかったです。(女性 30代)
京都という舞台を存分に生かしたストーリーは非常に凝っており、終始日本らしさ漂う世界観は他のコナン映画の中でも独特の雰囲気があって印象的だ。
個人的には平次が大好きなので、コナンとの息の合ったコンビぶりや、かっこいいアクションシーンなど、主役ばりの活躍が見られて大満足だった。初恋の彼女が結局和葉だったというのがなんとも彼らしくて好き。
倉木麻衣が歌う主題歌も作品の雰囲気にぴったりとあっており素晴らしい。(女性 30代)
平次と和葉の関係性に胸キュンしっぱなしの作品でした!特にラスト、平次が和葉を助けたシーンでは思わず涙。コナンも安定の頭脳で事件を解決してくれるけど、今回はどちらかというと平次が主役のような感じがして新鮮でした。京都を舞台にした和風ミステリーの雰囲気も素敵で、背景の描写も見応えがありました。(10代 女性)
歴史的背景を絡めたストーリーがとても秀逸で、久しぶりに「推理アニメ映画」を観たという満足感がありました。源義経の秘宝や平家の末裔といった題材を、コナンらしくスマートにまとめた構成が良かったです。平次の活躍が特に光っていて、終盤のアクションシーンも迫力があり、シリーズ屈指の完成度。(30代 男性)
京都という街の情緒と、推理の重厚さが絶妙にマッチしていた一作でした。平次と和葉の関係に進展が見られたのが嬉しかったし、事件そのものもミステリーとしてのレベルが高く、最後まで犯人の動機に納得感がありました。主役交代のような空気もありましたが、それがまた新鮮でよかったと思います。(20代 女性)
久々にコナン映画でゾクッとする展開を味わいました。源義経の伝説という重みのある題材をベースに、平次の人間味や和葉への想いが見事に描かれていて感動。何より、平次が和葉を守る姿が男前すぎて惚れ直しました。コナンよりも平次が主役の印象が強いですが、違った視点で楽しめる良作です。(40代 男性)
和葉ちゃんが可愛すぎるし、平次とのやり取りがキュンポイント満載!歴史と恋愛、そして推理がちょうどよく混ざった構成で、最後まで飽きずに観られました。京都の風景も丁寧に描かれていて、旅情も楽しめるのが素敵です。女子としては平次が和葉を助けるシーンはたまらなかったです!(20代 女性)
映画『名探偵コナン 迷宮の十字路』を見た人におすすめの映画5選
名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)
この映画を一言で表すと?
海と宝と陰謀が交錯する、アクション満載の海外コナン劇場版!
どんな話?
舞台はシンガポール。怪盗キッドと京極真が登場し、伝説のブルーサファイアを巡る壮大な事件が巻き起こる。コナンはパスポートなしで潜入し、謎と戦いに巻き込まれる展開がスリリングに描かれる。
ここがおすすめ!
京極真と怪盗キッドの華麗なアクションが見どころで、特に肉弾戦の迫力はシリーズ随一。異国の雰囲気や豪華な映像美も魅力。『迷宮の十字路』のようにキャラ同士の関係性と事件のスケール感を両立させた快作です。
名探偵コナン 世紀末の魔術師
この映画を一言で表すと?
ロマノフ王朝の秘宝を巡る、歴史×ミステリー×怪盗劇の傑作。
どんな話?
怪盗キッドからの予告状をきっかけに、コナンたちはロシアの秘宝・インペリアルイースターエッグを巡る事件に巻き込まれる。過去と現在が交差する中で、真実に迫るスリリングな展開が展開される。
ここがおすすめ!
歴史的背景を巧みに織り込んだ構成は、『迷宮の十字路』と同様に知的好奇心を刺激。キッドの登場によりスリルと華やかさが加わり、ミステリーとしても非常に完成度が高い一本です。
金田一少年の事件簿 上海魚人伝説
この映画を一言で表すと?
異国の地で繰り広げられる、呪いと愛が絡む金田一ミステリー。
どんな話?
金田一が訪れた上海で、「魚人伝説」にまつわる殺人事件が発生。現地の歴史や伝承が事件の鍵を握る中、金田一は真相を暴くため奔走する。哀しい真実が浮かび上がる終盤は圧巻。
ここがおすすめ!
歴史や文化とリンクしたミステリーの構造は、『迷宮の十字路』に通じる魅力。異国の雰囲気と緊張感のある展開、そして犯人の動機に深みがあり、ただの推理物にとどまらない良作です。
劇場版 名探偵コナン から紅の恋歌
この映画を一言で表すと?
和歌と恋と爆破が交差する、平次×和葉推し必見の恋愛ミステリー。
どんな話?
百人一首大会を襲う爆破事件を巡り、コナンと平次が京都で再び捜査。競技かるたの女王・紅葉も登場し、和葉との恋の火花が散る中、事件の核心に迫るストーリーが展開される。
ここがおすすめ!
京都が舞台である点や平次と和葉の恋模様の進展など、『迷宮の十字路』と共通点が多く、ファンにはたまらない作品。映像も美しく、和の要素が映えるシーンは必見です。
バケモノの子
この映画を一言で表すと?
異世界で出会った「親子」が織りなす、成長と絆の物語。
どんな話?
現実世界からバケモノの世界に迷い込んだ少年・九太が、荒くれ者のバケモノ・熊徹と出会い、成長していく物語。両者の衝突や絆が、やがて互いを大きく変えていく。
ここがおすすめ!
人間関係の機微や成長のドラマが丁寧に描かれており、『迷宮の十字路』のように人と人とのつながりが物語の軸になっている点が共通。アクションや感動シーンも充実した名作です。
みんなの感想・レビュー
今作はなんといっても服部平次と遠山和葉がメインの映画で、2人のファンにはたまらない作品になりました。平次がバイクを乗りこなし、剣術で犯人と戦う姿はアクション映画さながらですし、和葉が平次のそばで手まり唄を歌うシーンは心に響きます。原作者の青山剛昌も”いい”とお気に入りの名シーンです。それでなくても予告の時点で今作のキーワードとして挙げられていた手まり唄。私も初めて聞きましたが、その可愛らしい曲調と中身の濃さに驚き自然と覚えてしまいました。今でも京都の街並みを見るとこの唄を思い出してしまいます。この映画には実際にある観光名所がたくさん出てくるので、この作品を基に京都めぐりをするファンも多いそうです。
残念なことに、この第7作品目でこだま兼嗣監督はシリーズを降板してしまいました。好みはもちろん様々ですが、こだま監督が作り上げた7作品の人気は衰えることなく現代にも伝わっていくと思います。そして今作は初めて映画の中でコナンが新一に戻ったり、冒頭の作品解説がデジタルアニメ化するなど、様々な意味で記念すべき作品です。
①どうやって平次の声を出していた?
新一の姿に戻ったあと、平次に変装して犯人の元へ向かったコナン。口調はお世辞にも流暢な関西弁とは言えず、ところどころ不自然でしたが、その声は平次のものでした。しかし帽子を飛ばされて正体がバレた途端、新一の声に戻っています。手品のようなこのカラクリは、新一が手首に蝶ネクタイ型変声機を仕込ませていたのです。なので終始帽子のつばを持ちながら犯人を追い詰めるという、少し不自然な体勢になっています。顔が見えてバレないようにしているのもあるでしょう。
②平次の初恋相手
エンディング直前、「やっと会えたっちゅうわけか…」と青山剛昌の原画で描かれる名シーンがあります。平次の初恋は千賀鈴ではなく、和葉でした。
③ラストの円海への怒り
千賀鈴が手を合わせたことで、彼女の父親が円海であると判明し怒りを露わにする小五郎たち。この怒りは、最初からそれを教えてくれればトンチンカンな推理をしなくて済んだこと、こんな可愛い娘がいたという嫉妬、あたりが原因かと思われます。
④名前に数字が…
桜正造こと伊勢三郎が殺されたことで、小五郎は自分の名前に五が入っているから次に狙われるのでは…と推理します。ふざけているのではなく、これは劇場版第2作目「14番目の標的」と同じ発想なのです。ファンには嬉しい演出となっています。