映画『大好きだから』の概要:チン・イヒョンはプロポーズの決行当日に事故に遭ってしまう。目を覚ますと、他人の体に乗り移っていた。しかも、自分自身に関する記憶を失っていた。イヒョンはひょんなことから知り合ったスカリーと「自分」を探すことにした。
映画『大好きだから』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、ラブストーリー
監督:チュ・ジホン
キャスト:チャ・テヒョン、キム・ユジョン、イム・ジュファン、キム・ユネ etc
映画『大好きだから』の登場人物(キャスト)
- チン・イヒョン(チャ・テヒョン)
- 音楽家。オーディションの審査員も行っている。プロポーズの決行当日に事故に遭い、他人の体に乗り移ってしまう。明るく陽気な性格。
- チャン・スイ(キム・ユジョン)
- 高校生。通称スカリー。マリの友人。ひょんなことからイヒョンの事情を知り、彼の手助けを行う。
- ヒョンギョン(ソ・ヒョンジン)
- 美しい歌声を持っているが、舞台恐怖症のためオーディションに失敗してばかりいた。イヒョンに出会ったことで前向きになる。イヒョンの恋人。
映画『大好きだから』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『大好きだから』のあらすじ【起】
チン・イヒョンは恋人のヒョンギョンに会いに行きプロポーズしようと思っていたが、指輪をうっかり忘れてしまう。取りに帰ろうと引き返したところで事故に遭った。イヒョンが目を覚ますと、別人の姿だった。キム・マリという少女の体に乗り移っていた。
イヒョンは現状を受け止めきれず混乱した。しかも、マリが持っていた妊娠検査薬から、彼女が妊娠中であることが発覚する。友人のスカリーはマリの様子がおかしいことに気づき、話を聞いた。イヒョンはマリの体に乗り移っていることを説明するが、本当の自分に関する全てのことを忘れてしまっていた。スカリーはイヒョンの話を信じる振りをしながらも、妊娠のショックで現実逃避をしているだけだと思った。
イヒョンは路上で歌っている女性を見て、ヒョンギョンの名前を思い出す。ヒョンギョンもギターを弾いていたことがあったのだ。だが、イヒョンが思い出したのは名前だけで、自分とどんな関わりがあるのか分からなかった。
イヒョンはマリの家に帰り、彼女の部屋でエコー写真を見つける。その写真の裏には、マリの手書きのメッセージが書かれており、出産を心待ちにしていることが分かった。イヒョンにはマリの気持ちが理解できなかった。
イヒョンは高校に行くが、真面目に授業を受ける気にはならなかった。1人で屋上にいると、男子生徒のヨセブが声をかけてきた。ヨセブがマリの恋人で、お腹の子の父親だった。ヨセブは高校生にも関わらずマリのことを深く愛し、働いてお腹の子を育てようとしていた。しかし、イヒョンは高校生である彼らの将来を考え、中絶することを勝手に決めてしまう。病院で注射を打たれる瞬間、頭が痛くなった。ヨセブがマリを抱き締めてキスをすると、イヒョンはどこかにいなくなりマリの意識が戻った。
映画『大好きだから』のあらすじ【承】
イヒョンが次に乗り移ったのは、悪徳刑事であるパクの体だった。パクの家に帰ると、妻と子供のジョンミンが眠っていた。お腹が空いたイヒョンが冷蔵庫を漁っていると、ジョンミンが起きてきてシリアルを入れてくれた。そして、ジョンミンの話から、離婚をする予定であることが分かった。
イヒョンが目を覚ますと、妻と手錠で繋がれていた。ジョンミンの仕業だった。しかも、ジョンミンが鍵を持って幼稚園に行ってしまったため、外すことができなかった。夫婦仲は冷え切っており、メールで会話をしていた。そんな状態で、ジョンミンに会いに行かなければいけなくなる。
イヒョンはジョンミンに会いに行く途中、スカリーの姿を見かける。追いかけようとして、空いていたマンホールから落下してしまう。妻は足を挫いてしまい、閉所恐怖症のため怖がっていた。イヒョンは恐怖症という言葉を聞き、舞台恐怖症であるヒョンギョンのことを思い出す。
イヒョンは妻を背負って移動した。妻の話から、パクが酷い男であることが分かった。パクは出産のときにも病院に行かず、妻は独りで出産を行ったのだ。だが、パクは妻に対して愛情がないわけではなく、2人が出会った思い出の写真を持ち歩いていた。ただ、素直になることができなかったのだ。イヒョンはパクの代わりに、妻に今までのことを謝罪した。その時、下水が流れてきた。妻は死を覚悟し、パクに今までのことを謝罪してキスをした。その後、パク夫妻は無事に救助された。妻はパクの看病を行った。
映画『大好きだから』のあらすじ【転】
イヒョンが次に乗り移ったのは、マリの担任のアンだった。アンの携帯に、「会いたい」とダインという女性からメッセージが入った。スカリーに勧められ、イヒョンはダインに会いに行くことにした。すると、やぼったくて太っているアンに釣り合わないほど、美人な女性がやってきた。
ダインはアンの大学時代の後輩だった。ダインの話によると、アンはダインにプロポーズしたことがあった。イヒョンはダインに誘われ、部屋でお酒を飲むことになった。美しい女性とベッドを共にできることに浮かれていると、頭が痛くなった。頭痛が治まった後部屋に戻ると、ダインは眠ってしまっていた。イヒョンはダインの鞄から出ていた書類を見て、教材を売るために会いに来たのだと悟る。
次の朝、イヒョンは何も言わず、ダインに朝食を作った。ダインはアン(イヒョン)の優しさに触れ、教材を売り歩いていることを告白した。そして、自分は汚れてしまったのだと語った。イヒョンはダインに何も言うことができず、席を立った。振り向いたときに、ダインにキスをされる。
次に、イヒョンは施設で暮らしている、ガプスンという名の老婆に乗り移った。ガプスンの傍には初老の男性がいた。その男性の名はチュノで、ガプスンの初恋の相手だった。イヒョンはチュノにキスをすればガプスンの体から抜け出せると思い試してみるが、効果はなかった。
イヒョンはスカリーに連絡を取り、会いに来てもらった。そして、自分のことで思い出したことを話した。イヒョンは音楽家で、オーディションの審査員をしていた。スカリーは審査員の情報を集めることにした。その結果、入院しているイヒョンの元まで辿り着く。
映画『大好きだから』の結末・ラスト(ネタバレ)
イヒョンは施設から出ようとするが、職員達に止められてしまう。そこで、チュノに頼んで施設を抜け出すことにした。だが、移動している最中に、チュノが具合を悪くしてしまう。駆けつけた子供達に話を聞き、チュノはガプスンの夫であることが判明する。夫は初恋の相手であるチュノではなかった。認知症を患っていたガプスンが、夫のことを忘れチュノの名前で呼んでいたのだ。夫はかつてガプスンからチュノへの手紙を託されたことがあったのだが、ガプスンを愛するあまり渡さなかった。そのことを後悔して、別の名で呼ばれることに耐えていた。
イヒョンは夫に会いに行き、夫だと分かることを伝えた。夫は涙を流しながら喜び、手紙のことを謝罪した。イヒョンは今まで傷つけていたことを謝罪し、手にキスをした。その後、夫は亡くなった。イヒョンがいなくなった後のガプスンも夫のことを思い出し、遺影を見ながら涙した。
イヒョンは自分を見舞いに来た友人のチャニョンの体に乗り移った。イヒョンはベッドに寝かされている自分の姿を見て激しく動揺する。実は、今までイヒョンが乗り移っていた者達は、事故の現場に偶然居合わせた者達だった。
イヒョンはスカリーにいとこの振りをさせ、ヒョンギョンのために編曲したユ・ジェハの『愛しているから』の楽譜を届けさせた。その際、スカリーは偶然見つけていた婚約指輪を一緒に渡した。
ヒョンギョンは婚約指輪を嵌め、オーディションに参加することを決意する。話を聞いたイヒョンは喜び、演奏をすることにした。実は、オーディションに参加するとき、自分が演奏をすると約束していたのだ。だが、チャニョンの体にイヒョンが乗り移っていることに気づいていないため、ヒョンギョンは複雑な思いを抱く。
オーディション当日。ヒョンギョンは舞台を見ながら不安そうにしていた。イヒョンはそんなヒョンギョンに声をかけた。ヒョンギョンはチャニョンからイヒョンの気配を感じ、勇気づけられる。審査員の前で、ユ・ジェハの『愛しているから』を歌った。
スカリーはコンサートに足を運んだ。そこには、ガプスンの姿、出産しソウル大に合格したマリの姿、ラブラブなアンとダインの姿、家族で仲良く過ごしているパク刑事の姿、チャニョンの姿があった。ヒョンギョンは舞台に立ち、イヒョン作詞作曲の歌を歌った。イヒョンはスカリーの隣の客席に座り、その歌声を聞いていた。
映画『大好きだから』の感想・評価・レビュー
まさに、笑いあり涙ありの映画で、テンポも良く最後まで飽きずに見られた作品だった。イヒョンが乗り移った後の皆の演技がコミカルで、とにかくおもしろかった。最後はハッピーエンドで、ヒョンギョンの歌を皆で聞いている場面も素敵だった。家族愛だったり夫婦愛だったり、様々な愛の形が描かれているのが良かった。普段韓国映画はあまり見ないという人にもお勧めしたい。疲れて荒んでいるときに見ると、心が和むような温かな作品だった。(MIHOシネマ編集部)
彼女にプロポーズすると決心するも交通事故、それ以来他人に乗り移れるようになり、人々を結ぶキューピットとして奮闘する男の物語。コメディが強くドタバタで進むのかなと思いきや、人物一人一人のドラマも良くできています。老夫婦の話が一番印象的でした。認知症のお婆さん(奥さん)がお爺さん(旦那さん)を初恋の人と勘違い。お爺さんに乗り移って初恋の人を演じる姿は、面白いけども切なさもあります。飽きてきそうなタイミングで違う体に切り替わるので、話1つの長さもちょうどいいです。スッキリ笑って追われる良い映画でした。(男性 20代)
韓国映画によくある身体が入れ替わってしまう展開。作品の雰囲気に入り込めていれば面白いのですが、リアリティの無さすぎる展開だと何が面白いのだろうと疑問に感じてしまいますよね。
今作の場合は笑いの要素が強めで、主人公のキャラクターも陽気で明るいので楽しい気持ちで見られると思います。笑わせたかと思えば、ほろりと感動させるようなシーンもあり想像以上に盛りだくさんの内容でした。
ラストはものすごくほっこりして優しい気持ちになれるでしょう。(女性 30代)
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