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映画『僕の大事なコレクション』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『僕の大事なコレクション』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『僕の大事なコレクション』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『僕の大事なコレクション』の結末までのストーリー
  • 『僕の大事なコレクション』を見た感想・レビュー
  • 『僕の大事なコレクション』を見た人におすすめの映画5選

映画『僕の大事なコレクション』の作品情報

僕の大事なコレクション

製作年:2005年
上映時間:105分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:リーヴ・シュレイバー
キャスト:イライジャ・ウッド、ユージン・ハッツ、ボリス・レスキン、ラリッサ・ローレット etc

映画『僕の大事なコレクション』の登場人物(キャスト)

ジョナサン・フォア(イライジャ・ウッド)
ユダヤ人の青年で、幼い頃から家族にまつわる品物を収集してきた。ウクライナを逃れてきた祖父のルーツを探る旅に出る。
アレックス(ユージン・ハッツ)
ウクライナ人の若者でアメリカ文化に染まっている。通訳としてジョナサンの旅に同行することになり、自らのルーツも発見する。
バルク(ボリス・レスキン)
アレックスの祖父。目が悪い振りをして、盲導犬役の愛犬を飼っている。ユダヤ人への虐殺を生き残り、ユダヤ人であることを捨てた過去を背負っている。

映画『僕の大事なコレクション』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『僕の大事なコレクション』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『僕の大事なコレクション』のあらすじ【起】

ジョナサンは病床にある祖母から祖父の写真を渡される。写真には若き日の祖父とアウグスチーネという女性が写っていた。ジョナサンは女性が誰なのかを尋ねようとするが、祖母は目を閉じてしまう。ジョナサンは幼い頃から家族の持ち物を何でも収集する癖があった。ジョナサンは、かつて祖父から収集した琥珀のネックレスが写真の女性が身に付けているものと同じであることに気付く。

ウクライナに暮らすアレックスは父から、祖父のルーツを探るためにウクライナにやって来るジョナサンの案内をするように命じられる。そして、父はバルクに車の運転役を頼む。バルクは目が悪いと自分で思い込んでおり、盲導犬役の愛犬もいつも連れ添っていた。バルクは渋々ながら引き受ける

アレックスとバルクは愛犬を連れて、ジョナサンを駅まで迎えに行く。ジョナサンは犬が怖いために車に乗ることを嫌がるが、バルクは有無を言わさずジョナサンを愛犬と一緒に後部座席に乗せる。3人の旅が始まり、ジョナサンは家族の物を集めていることをアレックスに説明するが、アレックスにはジョナサンの収集癖が不可解でならない。

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映画『僕の大事なコレクション』のあらすじ【承】

ホテルに着いた3人は夕食を取ることにする。ジョナサンがベジタリアンだと知り、アレックス達は肉を食べないことに驚く。仕方なくジャガイモを注文するが、ジョナサンはそれを床に落としてしまう。バルクはそれを拾って皆で分ける。ジョナサンはそれを食べずにビニール袋に入れて収集する。ジョナサンはアレックス達に旅の目的を説明する。ユダヤ人が迫害されていた戦前のウクライナで、祖父はアウグスチーネのお陰で生き延びたのだ。その夜、バルクはアレックスにアウグスチーネ探しを手伝ってあげようと言う。

翌朝、3人は旅を再開する。途中で工事現場の作業員に道を尋ねるが、作業員はジョナサンの祖父の村がどこにあるか知らなかった。アレックスは車に戻ろうとするが、愛犬がその場から動こうとしなかったので叱りつける、それを見ていたバルクはアレックスのことを怒って殴る。3人は無言のまま旅を続け、バルクは野原の真ん中にトーチカを見付けて車を止める。トーチカの周辺には砲弾など戦時のものが残されていた。バルクは、ウクライナでユダヤ人が殺された戦時のことを思い出す。その夜は、3人で野宿をすることになる。

映画『僕の大事なコレクション』のあらすじ【転】

翌朝になり、3人は車での移動を再開する。祖父はひまわり畑の前で車を止め、アレックスに道を尋ねるように指示する。アレックスは畑の真ん中に建つ一軒家まで行き、そこにいた老女に話しかける。そして、アレックスがジョナサンの祖父の写真を見せると、老女はそれに反応する。

老女もジョナサン同様に収集癖があり、家の中は物が詰められた箱で溢れていた。老女はジョナサンの祖父のことを知っており、アウグスチーネが自分の妹でジョナサンの祖父と結婚していたことを明らかにする。老女は村には本を読めないのに図書館で沢山の本を借りていた男がいたことを話す。それを聞いたバルクは老女と2人きりにしてほしいと頼む。

話を終えたバルクは、老女の案内でジョナサンの祖父の村に向かう。しかし、村があった場所はただの野原で、慰霊碑があるだけだった。慰霊碑には1000人以上のユダヤ人がナチスによって殺されたことが記されていた。老女はナチスがユダヤ教の聖典を地面に起き、皆につばを吐かせたことを語り出す。しかし、老女の父はナチスの命令に従わなかった。ナチスはアウグスチーネを殺すと脅したが、それでも父は拒み続けたという。

映画『僕の大事なコレクション』の結末・ラスト(ネタバレ)

バルクは、ユダヤ人が一列に並ばされて銃を撃たれた情景を思い出す。列の中には若きバルクもいた。バルクは運良く生き残り、ダビデの星が刻まれた上着を捨ててその場を歩き去った。老女が話していた図書館の男とは他ならぬバルクのことだった。

老女は、ジョナサンの祖父が家族のために生活の基盤を築こうと一足先にアメリカに渡っていたために生き延びたと説明する。ジョナサンは琥珀のネックレスを老女に渡し、老女はアウグスチーネの形見の指輪をジョナサンに渡す。老女はバルクに戦争が終わったのかと尋ね、バルクは終わったと答える。

3人は帰路に就くが、途中のホテルでバルクは自殺をしてしまう。浴槽で死んでいたバルクを発見したアレックスは満足そうな死に顔であること見て取る。そして、自らの死と共に過去を葬り去りたかったのではないかと推し量る。アレックスはジョナサンを駅まで送り届ける。ジョナサンは祖父が身に付けていたダビデの星のネックレスをアレックスに渡す。そして、アメリカに帰国したジョナサンは、祖父の墓参りをする。

映画『僕の大事なコレクション』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ちょっとオフビートな乗りが楽しいロードムービーだが、扱っているテーマはいたって真面目だ。かつてウクライナに大勢のユダヤ人がおり、第2次世界大戦時の迫害を逃れた歴史を知っていると、この映画の深みが増すことだろう。ただバルクを巡る物語は説明不足に感じた。自分の出身の村でありながら何も語らずに案内役となるのはあまりにも不自然だ。もしかしたら、その辺は原作小説を読んだ方が明確な説明を得られるのかもしれない。(MIHOシネマ編集部)


最初は変わったロードムービーだなと思って観ていたら、思いのほか重厚なテーマに驚かされた。個性的すぎる通訳アレックスのキャラが楽しくて、笑いながら観ていたのに、終盤では一転して胸に突き刺さるような静けさが訪れる。この映画は“記憶を探す旅”でありながら、“記憶から逃れられない旅”でもあると感じた。(30代 女性)


『僕の大事なコレクション』は、映像詩のような美しさと風刺の効いたユーモアが共存する作品でした。初監督のリーヴ・シュレイバーのセンスがとにかく素晴らしい。光や風景の切り取り方に詩情があり、ジョナサンとアレックス、祖父の3人の関係性がどんどん変化していく様がとても自然。旅の終わりに、僕も何か大事なものを見つけた気がした。(40代 男性)


本棚にあるような“想い出”を、ひとつずつ整理するような映画だった。戦争と家族、沈黙と記憶、コレクションとはつまり人生そのものなのだと気づかされました。エリヤ・ウッド演じるジョナサンの無表情の奥にある優しさがとても印象的。小さなユーモアに救われつつ、ラストは涙なしには見られなかったです。(50代 女性)


一見風変わりなロードムービーだけど、実は深い人間ドラマと歴史の影が重なり合っていて、想像以上に心を揺さぶられる作品でした。個人的にはアレックスの視点がすごく良かった。彼自身の変化が物語に深みを加えていて、終盤での彼の表情が忘れられません。静かに余韻が残る、優しくて切ない映画です。(30代 男性)


“笑えるのに切ない”とはまさにこの作品。アレックスの破天荒なキャラと英語の珍訳ぶりに爆笑しつつも、旅が進むほどに変化していく空気に胸を打たれました。特に、祖父の過去が明かされるシーンでは、ユーモアと哀しみの落差に心が震えた。人生の意味やアイデンティティについて静かに語る名作だと思います。(20代 女性)


戦争の記憶という重いテーマを、決して説教臭くならず、ユニークなキャラクターを通じて描いている点に感銘を受けました。祖父の沈黙が物語後半で大きな意味を持つ展開は、本当に胸に響いた。視覚的にも美しいし、ナレーションやセリフの言い回しも独特で詩的。何度でも見返したくなる映画です。(40代 女性)


ロードムービーであり、記憶を辿るヒューマンドラマであり、反戦映画でもある。ジャンルで一言にくくれない映画だけど、観終わって感じたのは「人の痛みを知ることの尊さ」。言葉が通じなくても、文化が違っても、つながれる瞬間があるという希望に満ちたメッセージがありました。静かで力強い作品です。(50代 男性)


アレックスと祖父、ジョナサンの不思議なトリオによる旅の様子がどこかシュールで、観ていて引き込まれました。後半に進むにつれて物語のトーンが一気に変わり、命の重さ、記憶の重みがずっしりと心に残ります。笑って、泣いて、考えさせられる。そのすべてが丁寧に詰まった作品です。(10代 女性)


原作の独特な語り口をどう映像化するのかと思っていたけれど、まさかここまで美しく仕上がっているとは。細部の演出やカットが詩的で、観ていて何度もスクリーンショットを撮りたくなるほどでした。戦争の影を描きながらも、個人の希望や赦しにフォーカスしているのが印象的。観終わった後に心が澄んだ気持ちになれる映画です。(20代 男性)

映画『僕の大事なコレクション』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『僕の大事なコレクション』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

リトル・ミス・サンシャイン

この映画を一言で表すと?

家族のドタバタ旅が心を照らす、ユーモアと感動のロードムービー!

どんな話?

美少女コンテストを目指す少女と、その夢を応援する個性派家族がオンボロバンで旅をする物語。笑いと涙が交錯する道中で、バラバラだった家族の心が少しずつひとつになっていきます。

ここがおすすめ!

“人生うまくいかなくても大丈夫”と教えてくれる優しい映画。ユーモラスな登場人物たちが抱える葛藤に共感し、旅の終わりには温かい余韻が残ります。『僕の大事なコレクション』のように、笑いと哀しみのバランスが絶妙な作品です。

キートンの大列車追跡

この映画を一言で表すと?

サイレント映画界の巨匠が贈る、心躍るノンストップ・ロードアドベンチャー!

どんな話?

南北戦争時代を舞台に、愛する人と機関車を取り戻すため奮闘する機関士の物語。驚異的なアクションとユーモアを交え、サイレント映画ながら現在でも楽しめる不朽の名作です。

ここがおすすめ!

旅の中で少しずつ変化していく主人公の姿が印象的。映像の美しさやタイミングの妙に思わず笑みがこぼれます。『僕の大事なコレクション』のように、ひと味違うロードムービーを求めている方にぴったり。

サウルの息子

この映画を一言で表すと?

アウシュビッツの地獄を“主観”で体感する、衝撃と静寂の傑作。

どんな話?

アウシュビッツ収容所で“ゾンダーコマンド”として働くユダヤ人・サウルが、息子と思しき遺体を埋葬するため奔走する1日を描いた重厚なヒューマンドラマ。手持ちカメラでの主観描写が特徴です。

ここがおすすめ!

ホロコーストという歴史を体感的に見せる表現が圧巻。視覚よりも“音”で訴えかけてくる構成に鳥肌が立ちます。『僕の大事なコレクション』が内包する記憶と歴史へのまなざしと共鳴する1本。

グランド・ブダペスト・ホテル

この映画を一言で表すと?

色彩とユーモアで包んだ、戦争と喪失のファンタジック群像劇!

どんな話?

栄華を誇ったホテルのコンシェルジュと見習いベルボーイが、殺人事件に巻き込まれながらも友情を育む姿を、かつてのヨーロッパ情勢と重ねて描く絵本のような物語。

ここがおすすめ!

ユーモラスな語り口ながら、時代の混乱と人々の喪失を感じさせる余韻が深い。美術やカメラワークも見応えがあり、『僕の大事なコレクション』同様に“美しさの中にある哀しみ”を丁寧に描いています。

ペルセポリス

この映画を一言で表すと?

少女の視点から革命を語る、モノクロなのに心揺さぶるアニメ映画!

どんな話?

イラン革命の混乱の中で育った少女マルジが、自由を求めて生きる過程を、自伝的視点から描いたアニメーション作品。ユーモアと批評精神に満ちた濃密な成長物語です。

ここがおすすめ!

モノクロの手描きアニメが美しく、シンプルな表現に込められた感情の豊かさに心打たれます。『僕の大事なコレクション』が持つ記憶・文化・アイデンティティといったテーマと見事に呼応する映画です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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