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映画『スターリンの葬送狂騒曲』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の概要:旧ソ連の最高指導者であったスターリンが急逝した。官僚たちは葬儀の準備を行いつつ、密かに勢力争いを展開。台頭したのは第一書記と秘密警察の最高責任者。2人は勢力を奪い合いながら、粛々と葬儀を行う。随所に笑いが散りばめられた勢力争いを描いている。

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映画『スターリンの葬送狂騒曲』の作品情報

スターリンの葬送狂騒曲

製作年:2017年
上映時間:107分
ジャンル:コメディ
監督:アーマンド・イアヌッチ
キャスト:スティーヴ・ブシェミ、サイモン・ラッセル・ビール、パディ・コンシダイン、ルパート・フレンド etc

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の登場人物(キャスト)

フルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)
モスクワ党委員会、第一書記。言葉を巧みに操ることで、ベリヤに一目置かれている。スターリンを支持し、新体制を築こうとするベリヤを敵視。陥れようと画策する。
ベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)
スターリンの秘密警察、NKVD警備隊、最高責任者。NKVDの操作術に関してはかなり有能。密かにフルシチョフを敵視している。新体制を築こうと画策。
ワシーリー(ルパート・フレンド)
スターリンの道楽息子。父親の威光を借り学が足りない上に横柄で横暴。父親に対する愛情は深く官僚たちを罵る場面もあるが、裏表がなく口が軽い。
ジューコフ(ジェイソン・アイザックス)
ソビエト軍最高司令官で元帥を務めている。右眉から頬にかけて傷痕がある。軍人らしくかなり威圧的で、部下からの信頼も厚い。フルシチョフの策略に嬉々として賛同する。
マリヤ(オルガ・キュリレンコ)
スターリンの独裁主義に堂々と反抗するピアニスト。秘密警察によって家族を蔑ろにされ憤っていたが、囚人解放によるベリヤの意見に賛同する。
モロトフ(マイケル・ペイリン)
外務大臣。歌姫であった妻を裏切り者として逮捕され、スターリンの粛清リストにも名前が挙げられていた。公正な人物だが、悪知恵にかけては素晴らしく才能がある。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のあらすじ【起】

1953年、モスクワ。20年に渡り、スターリンの秘密警察(NKVD)が恐怖支配を行っていた。敵としてリストに載った者は粛清される。それは、一重にスターリンの匙加減でもあった。
その日の夜もNKVDが出動し騒然とする一方、ラジオ生放送のクラシック音楽が気に入り、録音が欲しいとラジオ局ディレクターへ直接、連絡を入れたスターリン。ラジオ局では生放送を録音していなかったことに気付き、大慌てで体裁を整えた。

ところが、その日の夜。スターリンは録音レコードを受け取ってすぐ、倒れてしまう。ドアの守衛をしていたNKVD隊員は倒れる音を聞いていたが、勝手に部屋に入って処刑されたくないので中に入らず。翌朝、メイドが訪れるまでスターリンは放置されることに。

発見が遅れたのはスターリンが恐怖政治を敷いていたからだ。
長閑な朝、スターリンの別荘へ急な呼び出しで訪れたNKVD警備隊、最高責任者のベリヤ。昏倒し排尿も垂れ流しとなったスターリンを前に中央委員会を招集し、書類の始末を行う。そこへスターリンの補佐役がやって来る。委員会を招集した後は医者を呼ばなければならないが、有能な医者は毒殺を企てたとして全員が収監中。残されたのはヤブ医者ばかりであった。

そこへ、ようやくモスクワ党委員会、第一書記であるフルシチョフ、労働大臣。続けて貿易大臣に国防大臣が駆け付ける。それぞれに文句を言いつつ、全員で糞尿だらけのスターリンをベッドへ運んだ。その後の相談により、ようやく何人かの医師を連れて来ることができる。

医師が来るまでの間、ベリヤとフルシチョフそれぞれに次代へ繋がる手回しの相談をする。互いに一筋縄ではいかないことを知っているため、今後の行動でいかに味方を増やすか考えた。

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映画『スターリンの葬送狂騒曲』のあらすじ【承】

スターリンの娘が別荘に到着。息子のワシーリーは父親の威光を笠に着て道楽に励むばかりで、使い物になりそうになかったが、上手く乗せれば有力な駒になりそうであった。

数人の医師により、スターリンは脳出血により回復は難しいと診断が下る。もし、奇跡的に意識が戻ったとしても半身不随は免れないとのこと。一同は愕然としたが、ここで逸早くベリヤが行動。NKVDを使ってモスクワを封鎖したのである。更に彼は外務大臣モロトフをリストから除外。自分達だけの新たなリストを作製した。

一方、フルシチョフは娘を懐柔しようとしていたが、スターリンの意識が戻ったとの知らせで部屋へ駆け付ける。ところが、スターリンは壁の絵を指差した直後、再び意識を失いそのまま息を引き取ってしまうのだった。

その後、ワシーリーが駆け付け発砲騒ぎが起こるものの、どうにか落ち着かせて丁重に遺体を運ぶ。遺体と共に官僚が去った後、NKDVがやって来て邸を一掃。証拠を知る者はどこかへ連れ出され、粛清された。

何としてもモロトフを味方に引き入れたいベリヤとフルシチョフ。フルシチョフはモロトフを訪ね言葉を尽くしたが、そこへベリヤがモロトフの妻を連れてやって来る。モロトフの妻は裏切り行為を行ったとして処刑が言い渡されていたが、ベリヤが引き止めていたのである。更にリストからも除外したと告げ、勢力に引き込もうとした。

翌日、委員会会議が開催される。スターリンの補佐役が一時凌ぎとして、代理を務めることになった。書記長代理はベリヤ側であったため、第一副議長にベリヤを推挙。そこでフルシチョフが意見を申し出たが、却下され仕方なく全員一致で承認。次にスターリンの葬儀担当にフルシチョフが推挙される。彼は何かと理由をつけたが、これは議論の余地もなく承認。次にスターリンのリストによる粛清の一時停止が提案され、不当に逮捕した者の釈放も加えられた。一同は議論を展開したものの、スターリンはすでに亡くなっている。新たな体制を作っても良いのではないかという話になり、これも承認されることになった。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のあらすじ【転】

シベリア、ボルガ刑務所に収監されていた囚人たちが恩赦により、一斉に釈放される。葬儀の準備も着々と進む中、ピアニストのマリヤが葬儀場を訪れる。彼女は葬儀の場にてピアノ演奏をする予定になっており、スターリンの独裁政治へと密かに反抗を示していた。
そこへ、ソビエト軍最高司令官であるジューコフ元帥も現れる。元帥はモスクワの警備がなぜ、軍ではなくNKVDがしているのか抗議。それはベリヤが勝手に命令したものだが、これにより周辺国は疑問に思い、何かしら不易になるのではと危惧している。ベリヤは鉄道も止めると言い張ったが、鉄道の管理はフルシチョフのものである。意見はまとまらず。

スターリンの遺体は葬儀場に3日間、安置される。その間、国民の参拝が許され献花を手に長い列ができた。遺体の周囲には官僚たちが立つ。参列者の中に主教の訪れがありベリヤとフルシチョフは口論になるも、各国官僚の控室にてワシーリーが騒動を起こしているという報せが入る。学の足りない息子は弔辞を読みたいと主張。ジューコフによってひとまず騒動は治まった。

問題は主教が葬儀へと訪れたことである。モロトフは国のビジョンに宗教が合わないと主張。主教を招待したのはベリヤだが、妻のことを持ち出されては強く言えるはずもない。スターリンは党の方針に従うことを徹底していたため、方針を無視する者はただの裏切り者だった。故に、例え裏切り者ではなかったとしても、従わないだけで粛清されたのである。

ここにきてベリヤとフルシチョフは、積もり積もった不満を互いにぶちまけ合う。その過程で、フルシチョフが呼んだマリヤがスターリンへと送ったメッセージが明かされた。それは、スターリンが死ぬ間際に聞いていたレコードへと同封されていたものだった。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の結末・ラスト(ネタバレ)

これを目にしたフルシチョフは、自分の勢力が不利だと知り列車の運行を再開。人々をモスクワへ入れることに。
当然、列車運行によって周辺の町や村から国民が大挙して押し寄せる。夜間にも関わらず、NKDVは銃を発砲し追い払ってしまうのだった。

その頃、フルシチョフはマリヤとメモの件について口論を展開。その後、パーティーへと出席したが、部下の報告にて押し寄せた国民が銃殺され1500人もの被害が出たと知る。事態は深刻で最早、NKDVの手に負える状態ではない。そこで、フルシチョフはジューコフに頼ることにし密談を経て、翌日の葬儀にてベリヤを陥れる算段をつけた。

1500人もの被害を出した知らせがベリヤにも入る。緊急に側近で集まり事態の収拾について相談。ところが、事態に関して失態を犯さざるを得なくなったベリヤは興奮して激怒。仲間である同志たち全員を罵ってその場から去ってしまう。その後、残った同志たちに対し、ここぞとばかりにフルシチョフが口舌。一気に自分の側へ勢力を引き込んだ。

翌早朝、モロトフがフルシチョフを呼び出す。モロトフはベリヤに全ての責任を負わせようと言う。そのためには官僚全員で立ち向かわなければならない。中でもフルシチョフは逸早く動く必要があった。

そうして、いよいよ葬儀の時間。遺体の移動後、演説が行われる。その裏でジューコフが隊員を使って秘密裏に行動し、ベリヤ暗殺計画の準備を行った。
葬儀終了後に再び委員会会議が行われる。会議は揉めに揉めたが、会議室へジューコフが突入。ベリヤは拘束されることになり、目撃者となったNKDV隊員は容赦なく銃殺された。
官邸を警備するNKDVに代わり、軍が警備を交代。これを機にベリヤを移動させ、彼の罪が明らかになる。喚く彼を銃殺に処した。

遺体はその場で焼かれる。勢力争いはフルシチョフの勝利に終わり、中央委員会がソ連の最高機関となった。
1956年、フルシチョフは他の官僚らを降格させ自らが政府の責任者及び、最高司令官となる。ところが、1964年。第5代最高指導者となるブレジネフが台頭したことにより、フルシチョフは失脚を余儀なくされ彼の時代も幕を下ろすのであった。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の感想・評価・レビュー

完全独裁主義者であったスターリンの死後、次代最高指導者を狙って官僚たちが画策する様が描かれている。重々しいテーマであるが、随所に間抜けな様子やセリフが散りばめられることで、重々しさを軽減し面白おかしく制作されている。

当時の旧ソ連は秘密警察によってかなりの圧政を強いられていたはずだが、一方でスターリンを支持する国民も多かった。施政者としてはずば抜けた能力を持ち、カリスマ性もあったためだ。急激な体制移行による反対派も多く、現在でも暴君と英雄とで意見が大きく別れるらしい。今作はタイトル通りの内容に仕上がっていると思う。(MIHOシネマ編集部)


本作は、旧ソビエドを舞台に、スターリンが意識不明の重体に陥ったことを機に起こった、彼の側近たちの狂気の勢力争いを描いたブラックコメディー作品。
実話を基にしているが、歴史的な部分も描きつつ政権交代のためにお偉いさんたちがわちゃわちゃ争う姿がコミカルに描かれていて大変観やすかった。
ブラックコメディーだが、政権闘争の恐ろしさや人間の怖さを感じ、このような時代が存在したことに非常に歴史の重みを感じた。
歴史や文化が好きな人はより楽しめる作品となっている。(女性 20代)


政権交代ってこんなにわがままで自分勝手で我が強いの!?と思わず笑ってしまうほど皮肉の効いた面白い作品でした。
スターリンの側近たちの勢力争いを描いた今作ですが、実際の政治や国家でもこれに似たことが起きているのかなと考えてしまいました。
自分の良さをアピールするよりも、敵のネガティブなポイントを攻撃して蹴落とすような卑怯なやり方はどこの国でも共通なのかななんて思ったりして、かなりブラックユーモアが炸裂している作品ですが、面白く見られました。(女性 30代)

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