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映画『ドント・ヘルプ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ドント・ヘルプ』の概要:上院議員の邸宅へ強盗に入った三姉妹。3人は邸の地下室に拘束された少女を発見してしまう。姉妹は少女を助けるべく拘束から解いたものの、実は少女は悪魔に憑依されており、事態は思わぬ方向へと向かっていく。

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映画『ドント・ヘルプ』の作品情報

ドント・ヘルプ

製作年:2017年
上映時間:94分
ジャンル:ホラー
監督:ギジェルモ・アモエド
キャスト:マリア・エボリ、バネサ・レストレポ、カルラ・アデル、ガブリエラ・デ・ラ・ガルサ etc

映画『ドント・ヘルプ』の登場人物(キャスト)

マリア(マリア・エボリ)
次女。厳格で敬虔なクリスチャンである父親から虐待されて育つ。姉の裁判にて母親から口止めされ、刑務所送りにしたことを悔いている。控えめな性格だが、心優しい。
カミラ(バネサ・レストレポ)
長女。信仰を盾に父親から暴力と性的虐待を受けて育つ。アニータを妊娠し、妹のマリアを救うため、父親を撲殺。殺人の罪で8年もの間、刑務所に収監される。攻撃的だが、愛情深い。
アニータ(カルラ・アデル)
三女。実は実の父親とカミラの間にできた子供。母親が長女であることを知らずに育ったが、悪魔によって真実を知り絶望して自殺を図る。
アンジェリカ(ガブリエラ・デ・ラ・ガルサ)
ホセの妻。夫と共に娘を救うべく長い間、奮闘するも神へ祈ることをやめてしまう。ホセの案で悪魔召喚を了承するも、間違いだったことに気付き心を痛めている。
ホセ(フラビオ・メディーナ)
上院議員。娘を救うために悪魔召喚を試みる。召喚は無事に成されたものの、それが間違いだったことに気付き、バチカンのエクソシストへと連絡を入れる。悪魔の言葉に騙されやすい。

映画『ドント・ヘルプ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ドント・ヘルプ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ドント・ヘルプ』のあらすじ【起】

ローマ教皇14世が逝去した夜、カミラとマリア、アニータの三姉妹は上院議員のホセ宅へ強盗に入った。三女のアニータを車に待機させ長女のカミラと次女のマリアが邸内へ。
ところが、発見した隠し金庫には何も入っておらず。カミラは情報をくれた男に脅されており、何としても大金を得なければならなかった。そこで、ホセを脅して現金を要求。ホセと妻アンジェリカの間には娘が一人いたはずだが、話によると現在、入院中だと言う。カミラはマリアにアンジェリアを見張らせ、金庫から大金を奪うことに成功したが、ホセはこれ以上の金はないと叫ぶのだった。

夫妻を拘束した直後、地下から物音が聞こえる。カミラが様子を見に行こうとすると、夫妻が慌てた様子で地下へ行ってはいけないと何度も告げる。カミラは地下室へ向かい錠前がかかっていた部屋へ。そこで、ベッドに拘束された少女を発見してしまう。

恐らく、夫妻の娘と思われるが、これには何か事情がある様子。やつれ果てた少女を拘束するなど、酷い仕打ちだと心痛めるカミラとマリア。2人は少女を車椅子に乗せ助けることにした。夫妻は必死に娘を連れて行くなと懇願したが、事情を知らないカミラ。マリアをアニータの手伝いへ送り出した後、夫妻と口論になるもその間に少女が姿を消してしまう。

三姉妹は別れて少女を捜し回ったが、一向に見つけられず。そうしているうちに、アニータの悲鳴が聞こえてきた。声がしたのは屋根裏の方からである。マリアはカミラを呼び寄せ、一緒に屋根裏へ。2人はそこで少女を発見。連れ出そうとすると急に暴れ出し、意識を失ってしまった。

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映画『ドント・ヘルプ』のあらすじ【承】

娘を再び車椅子へ戻したが、今度はアニータが姿を消してしまう。アンジェリカはしきりに事情を明かそうと言い募るも、ホセは真実を隠し続けようとする。夫妻の娘は6歳の頃から不遇となっていたが、つい5か月前に回復の兆しが現れたと言う。だが、その兆候は回復ではなかったらしい。夫妻はカミラがアニータを探しに行っている間に、マリアへと娘を置いて去って欲しいと告げる。

そんな時、アニータの声が聞こえ浴室で妹を発見したマリア。ところが、アニータはうわごとを口走っては泣いてばかりで動こうとしない。次女は外にいるカミラにアニータを見つけたと知らせに行ったが、そこで妹が首を吊っているのを見つけてしまう。カミラもまた三女の死に驚き慄いている。バスルームにいたはずだと戻ってみたが、やはりアニータの姿はなかった。

カミラとマリアの2人は、厳格で敬虔なクリスチャンであった父親に虐待されながら育った。その記憶はなぜかホセの邸宅に入ってから、生々しく蘇っては姉妹を苛んでいる。アニータの遺体を車に乗せた2人は、再び夫妻の元へ戻った。
ところが、ここにきて少女が饒舌に言葉を並べる。嘘に力はないが、真実は山をも動かせると。少女はアニータに本当の母親が誰かを教えたと言う。

アニータは、実の父親に性的虐待を受けたカミラが産んだ子供だった。更に父親は信仰を盾にマリアをも虐待していたため、カミラは父親をハンマーで殴り殺してしまったのだ。
そして、少女は次にマリアへと矛先を変える。カミラの裁判で証人として法廷に立ったマリアは、父親を庇って虐待の事実を否定した。このことで、カミラは殺人の罪で8年もの間、刑務所へ入ることになってしまったのだった。

真実を知ったカミラは激高し、マリアを酷く痛めつける。すると、次女は母親に口止めされていたのだと明かした。父親から妹を守ったはずが、実は裏切られていたとは思わなかったカミラ。しかも、娘のアニータはすでに命を落とし、衝撃も怒りも冷めやらずマリアとは縁を切ると言って、邸から去ってしまった。

映画『ドント・ヘルプ』のあらすじ【転】

悲しみに打ちひしがれたマリアだったが、少女は人が変わったように助けを求める。ホセとアンジェリカは、翌日にはバチカンの司祭が悪魔祓いに来る予定になっていることを明かし、娘を地下へ戻すよう頼んだ。

夫妻とマリアは少女を再び地下室のベッドへ。夫妻はマリアに早く去るよう促したが、少女が急に暴れ出す。アンジェリカは咄嗟に銃を奪いマリアを脅しつけたものの、ホセは彼女を背後から殴り意識を奪ってしまうのだった。

同じ頃、アニータの遺体と共に車を走らせていたカミラは、娘が自分を責め立てる幻聴に苛まれ車のハンドル操作を誤って事故に遭ってしまう。

予定通り朝に枢機卿が到着。枢機卿曰く、現在のバチカンの聖職者には信仰心が薄れ、悪魔の存在を信じる者が減ったらしい。同時に神の救いを信じる者も減り、正規に悪魔祓いができる者がほとんどいなくなった。かつては聖職者であれば、誰もが悪魔祓いをすることができたのだが、近年では神の言葉をも都合の良いように変わってしまい、その力も弱まっているらしい。準備を整えた老齢の枢機卿は、厳かな様子で夫妻と共に地下室へ向かった。

その頃、拘束され猿轡を噛まされたマリアは意識を取り戻していたが、背後から亡き父親が迫っていることに気付き、恐怖に襲われていた。暴れもがいた彼女は床へと倒れ、その反動で拘束から逃れることができる。彼女がいる場所は2階の一室でドアは施錠されている。辛うじて窓が開いたため、そこから隣室へ向かった。

映画『ドント・ヘルプ』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方、地下室では枢機卿が悪魔と対峙し、悪魔祓いを開始していた。だが、ここにきてホセが枢機卿へと銃口を向け拘束。娘のために信仰厚く神へと祈っていた夫妻だったが、いくら祈っても娘は回復しない。更に心無い神父によって見捨てられ、信仰をやめたと言う。そして、夫婦は悪魔を召喚し契約することで、娘の回復を願った。ところが、これが逆に娘を貶める現状へと陥ってしまったのである。

娘に憑依した悪魔の言いなりになっている両親に対し、娘は今も尚必死に悪魔へと抵抗している。枢機卿の言葉に逡巡したアンジェリカ。そこへ、マリアに銃を向けられたホセが地下室へやって来る。だが、一瞬の隙を突いてホセがマリアへと襲い掛かかったため、アンジェリカは自ら夫を銃殺し、自分の頭をも撃ち抜いて自殺してしまった。

枢機卿の拘束を解いたマリアは、悪魔祓いの手伝いをすることに。ここで大事なのは、悪魔の言葉に一切、耳を貸してはいけないことだ。だが、悪魔はマリアへと言葉を重ね、跪くよう促した。すると、彼女は一瞬にして過去の自分と対峙し、気が付いたら自分がベッドへと拘束され悪魔祓いの対象となっていた。代わりに少女が拘束から逃れ、枢機卿へ自らの名前を明かす。自分はアモンだと。そうして、枢機卿を苦しめるのである。

ふと気付くと、マリアは拘束から逃れ枢機卿が少女によって首を絞められている場面へ。枢機卿はマリアでも神を心から信じることができたなら、悪魔を祓うことができると告げる。そこで、マリアは聖書と十字架を手に神の言葉を唱えた。アモンは次々と姿を変え、マリアを惑わす言葉を投げかける。惑わされてはならない。神の言葉に苦しむ少女。

アモンが金切り声を上げ阻害してくる。マリアは必死に神の言葉を唱え続けた。すると、彼女はカミラが父親を殴り殺した過去の場面へ。カミラは血塗れになりながら、マリアの謝罪を受け入れアニータを頼むと言って去って行く。マリアは奥の部屋へ向かい、後悔に泣き続ける父親と対峙。気付くと手にハンマーを握っていた。彼女はしばし逡巡し、ハンマーを手放し一心に許しを乞う父親の謝罪を受け入れ、許すことにした。

すると、場面は現実へ戻り少女に首を絞められている。手には十字架を握っていた。マリアは悪魔と対峙し、神の言葉を唱える。そうして、最後の一節を唱え終わると、少女は大量の血を吐き出し本来の自分を取り戻すのだった。
マリアは少女を病院へ連れて行くことになり、残った枢機卿は警察にはマリアのことを伏せると約束してくれた。

3週間後、新ローマ教皇が誕生。新たに選ばれた教皇は、マリアに神への信仰を思い出させ、悪魔祓いを達成させてくれたあの枢機卿だった。ところが、バルコニーに姿を現し演説をする彼の影に悪魔の気配を感じたマリア。彼女は胸の十字架を握り締め、聖書の一文を唱えるのであった。

映画『ドント・ヘルプ』の感想・評価・レビュー

前半は強盗に入った三姉妹と拘束された三姉妹の様子と関係性を描き、後半から一変して悪魔祓いへと方向転換する。あまり見ない構成だが、興味深く感じた。強盗のパターンで回想から展開することも可能だったし、悪魔祓い的な要素で固めることも可能だったと思われ、面白い流れだと思う。

作中の悪魔アモンは自ら名乗るわけだが、彼は決して嘘を述べることなく、常に真実しか口にしない。それによって、人々が精神的に追い込まれていく様が、ありありと映し出されている。真実は時として残酷だと知らしめているかのようだ。終盤の悪魔との対決は見物。(MIHOシネマ編集部)

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