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映画『ハングマン(2017)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ハングマン(2017)』の概要:絞首刑ゲーム、ハングマンを模した連続殺人事件が発生。犯人は引退した警官と若い警官を名指しし、殺人を続ける。そこで、2人の警官は取材記者と共に犯行を止めるべく捜査を開始し、真相へと迫って行くが…。

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映画『ハングマン』の作品情報

ハングマン

製作年:2017年
上映時間:98分
ジャンル:サスペンス
監督:ジョニー・マーティン
キャスト:アル・パチーノ、カール・アーバン、ブリタニー・スノウ、ジョー・アンダーソン etc

映画『ハングマン』の登場人物(キャスト)

レイ・アーチャー(アル・パチーノ)
老齢の元刑事。殺人課に36年所属していた。趣味はクロスワードでラテン語を得意とする。非常に知識が豊富でアドバイザーのような存在。ウィルの妻を娘のように可愛がっていた。
ウィル・ルイニー(カール・アーバン)
中年の刑事でレイの弟子のような存在。レイが亡き妻との間を取り持ってくれた。激情に駆られてしまうこともあるが、レイを兄または父親のように慕っている。プロファイリングをすることができ、洞察力も優れている。
クリスティ・デイヴィス(ブリタニー・スノウ)
警察官の実態を取材する記者。ウィルに密着取材を行っている。金髪の気丈な女性。警官の苦労を良く知っており、世間に知らせたいという強い信念を持っている。
ハングマン(ジョー・アンダーソン)
絞首刑ゲームを模して連続殺人を行っている。幼い頃、父親が首を吊って自殺する様を目撃。転落人生を歩み狂気に至る。レイとウィルに執着しており、警察を挑発している。
ワトソン警部(サラ・シャヒ)
黒髪のスマートな女性。厳格で的確な判断力と指摘ができ、非常に優秀。飲酒運転の車に轢かれ下半身不随になるも、それを卑下していない。

映画『ハングマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ハングマン(2017)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハングマン』のあらすじ【起】

車を傷つけられた老齢の刑事レイ・アーチャーが、当て逃げした青い車の男を逮捕。犯人の車には髑髏のペンダントがかかっていた。
1年後、刑事ウィル・ルイニーの元に記者のクリスティ・デイヴィスが訪れる。彼女は警察官の実態を調査するため、ウィルに密着取材をすることになっていた。早速、その日の夜に現場へ。

遺体は20代後半の女性。小学校の木に吊るされ胸に文字が刻まれていた。教室の様子を見るに、これは絞首刑ゲームと呼ばれる、ハングマンを模しているようだ。机に刻まれていた数字のうち1つは、ウィルの警官バッチの番号で、もう1つはすでに引退していたレイ・アーチャーのものだった。

そこで、ウィルは元刑事レイと会うことに。彼は引退後、余生を穏やかに過ごしているようだったが、事情を明かしレイに協力を仰ぐ。犯人が2人を指名したのには、何かしら理由があるはずだ。

検死結果にて、被害者女性は胸に文字が刻まれた時はまだ生きていたと思われる。女性の自宅を捜査したところ、寝室が血塗れだった。ここが犯行の現場だろう。血液鑑定から寝室の夥しい血液に獣と元重罪犯のものが混じっていると分かる。そこで、ウィルとレイ、クリスティは元重罪犯がいる教会へと向かった。

時刻はすでに夜11時を過ぎている。しかし、教会の聖堂に入ったところで、吊るされた何かが彼らに向かって放たれる。咄嗟にウィルを助けたレイ。ウィルは出入口に犯人と思しき人影を目にするも、逃げられてしまう。その上、ぶつかって来たものが犯人によって殺害された被害者であることが判明。今度の被害者は仮出所中の犯罪者で男だった。更に元重罪犯は信仰に目覚め、現在はその教会の牧師となっていた。

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映画『ハングマン』のあらすじ【承】

牧師から話を聞くと、殺された犯罪者は教会の清掃員だったようだ。しかも、牧師は被害者女性のことを知らないと言う。その上、3カ月前にあった出来事を語ったが、レイは作り話だと信じないのだった。

翌日の夕方。ウィルのデスクから、ある事件のファイルを見つけたクリスティ。その事件はウィルの妻に関わるものだった。クリスティはその事件から今回の事件へ繋がるものを発見。レイにもう一度ファイルを見直した方がいいと勧める。レイは訝りつつもファイルへと目を通し、驚愕するのだった。

調査によって牧師のアリバイと証言に嘘がないことが判明。これまでの経緯から、犯人はサイコパスではあるが、秩序型の連続殺人犯である。恐らく20代後半から30代前半の白人男性で、高い知能指数を持っている。そして、奴の目的はウィルとレイだ。絞首刑ゲームによる文字数の白線は全部で10個。現在、発見された遺体は2体のみだが、文字は3つ。あと7人は犠牲者が出る。あるいは、もうすでに殺されている可能性が高い。このことから、犯人のことをハングマンと呼称することにした。

新たな遺体の検死により、犯行が毎晩11時に行われていることが分かる。そして、今回に限って被害者に豚の頭をつけ、皮で首を絞めていた。全ての肉には識別番号がついているので、犯人を割り出すためにその線で捜査を進める。

ちょうど夜11時に食肉管理工場へ。それぞれに施設内を探っていたが、急に装置が動き出し驚いたクリスティはスマホを落としてしまう。しかも、装置に吊るされた肉の中に死体を発見してしまうのだった。遺体は冷凍室に吊るされていたが、すでに凍った状態だった。短時間で凍らせるには先に冷やす必要がある。レイのアドバイスで川を捜索することになった。

映画『ハングマン』のあらすじ【転】

翌日、川の捜索にて沈められた車が発見される。レイはここにきて、ようやく知り得た新事実をウィルに話すことに。ウィルの妻も胸に文字を刻まれ殺されていたが、今回のように吊るされてはいなかった。レイはウィルの妻が吊るされていないのは、邪魔が入って吊るす時間がなかったからだと主張した。

沈められた車の持ち主の家へ突入した3人。家の地下に町を模したジオラマを玩具の列車が走っていた。もうじき夜の11時、次の現場は列車が通る線路だ。3人は被害者がまだ生存し吊るされているのを発見したが、助けようとするウィルの前に列車が迫る。レイはウィルを助け、被害者を見捨てることにした。このことで、ウィルとレイは口論となるも、2人で必ず犯人を捕まえようと意思を固めるのだった。

ところが、今回の殺人には手がかりが何も見つからなかった。苛立つウィルを前にクリスティが冷静に言う。これまでハングマンは首を吊った状態の遺体を発見させていたが、今回は列車に轢かせる様を見せつけた。次のヒントは列車だ。そこで、ようやく指紋鑑定の結果が出る。見つかった指紋はワトソン警部を車ではね、下半身不随にした男だった。恐らく、ハングマンは警部を襲う気だ。

夜11時前、警部の自宅へ向かうと梁に吊るされたワトソンが見つかる。まだ生きていた。胸に文字が刻まれていないため、ハングマンはまだ家の中にいるはずだ。それぞれに家の中を見て回り、男の遺体を発見。レイはそこでハングマンが警官に扮しているのを見抜く。しかし、奴は早々にバイクで逃走。すぐさま、ハングマンを追跡し追い詰めたものの、トラックが車に突っ込んで来たため、犯人をみすみす逃がしてしまうのだった。

翌朝、ウィルはクリスティに密着取材はもうやめた方が良いと告げる。だが、彼女は以前、麻薬犯罪組織を取材していた折、助けてくれた上に亡くなってしまった警官のため、世間に警官の苦労を知らせたいという強い信念を持っていた。クリスティの覚悟を耳にしたレイとウィルは、危険を知りつつも彼女の同行を許すのだった。

映画『ハングマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

事件発生から見つかった被害者は4人。だが、ウィルの妻が始まりだとすれば、現在までに1年の開きがあった。連続殺人が終結するには、犯人が死ぬか逮捕されるか、無関係の事件で刑務所に入ったかである。もしかすると1年の空白期間に収監されていたのではないか。そこで、3人はウィルの妻が殺害された日からの9カ月間、刑務所に入った人物を調べることにした。検索条件はウィルとレイが検挙した犯人である。

その日の夜11時、5人目の被害者を発見。現場を目にして署に戻ると検索結果が出ていた。プロファイルに該当する人物である玩具の販売員である青年の家へ。しかし、彼はすでに自宅にて死んでいた。壁に残された文字からハングマンであることが判明したものの、文字も完成していないのに奴が自殺するとは到底思えない。
レイとウィルはクリスティの取材記録も含め事件の記録を見直すことにした。

ところが、クリスティが電話に出ない。彼女の自宅へと向かったレイとウィルだったが、彼女の姿はどこにも見当たらず、寝室にて髑髏のペンダントを発見する。これを見たレイは1年前、レイの車に当て逃げをした男を思い出す。
男の母親は薬物の過剰摂取で死亡し、父親は首を吊って自殺していた。その父親の命日が20年前の10月9日。ちょうど、今日である。恐らく、奴はクリスティを殺して父親の命日を祝おうとしているのだ。

無線により、攫われたクリスティのライブ映像がネットにて配信されていることが知らされる。場所は近くの教会。ワトソン警部の命令により、応援として全ての部隊が投入され、レイとウィルも現場へ急行した。

夜11時の1分前、教会へ到着したレイとウィル。ハングマンがジミーという青年であることが分かり、レイが説得に乗り出す。
20年前、ジミーの父親は立ち退き勧告を迫られ、絶望の果てに首を吊っていた。当時、ジミーはまだ5、6歳。

少年のフォローをレイが行っていれば、このような事態にはならなかったかもしれない。そこで、レイは自分が人質の代わりになると告げる。ところが、ジミーはその場から逃走。奴を追って教会の奥へ向かう。だが、犯人との揉み合いの末、レイは腹部を刺され、反動でジミーは階段下へと転落。レイはその場でウィルに看取られながら息を引き取った。

後日、粛々とレイの葬儀が行われ、多くの警官が参列し涙を流した。その後、ウィルは自分の妻の墓へ。花を供え偲んでいると、少年からメモ紙を手渡される。中を見るとそこには、再び絞首刑ゲームが開始されたことを知らせる内容が書かれていた。ウィルは息を飲み、周辺へと視線を向けるのだった。

映画『ハングマン』の感想・評価・レビュー

そもそも、絞首刑ゲームというものに馴染みがないのでルールなどが良く分からないのだが、文字をはめ込んでいく頭脳ゲームだと推察。犯人は文字の数だけ殺人を犯すが、本当に若い刑事の妻が始まりだったのだろうか。

老齢の刑事をアル・パチーノが演じており、若い刑事を何かとフォローする。年の功と言うべきか、冷静でいる場合が多く知識も豊富だ。彼がいないとこの作品は成り立たない。対して若い刑事はやはり感情的になりがちな面がある。それでも洞察力が鋭く、非常に賢いので捜査が進む。犯人は結局、何がしたかったのか。理不尽な社会と警官に復讐がしたかったのか、転落死してしまうので動機は推察することしかできない。非常に内容の濃い作品。(MIHOシネマ編集部)

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