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映画『500ページの夢の束』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『500ページの夢の束』の概要:自閉症ながら多彩な才能を持つヒロインの趣味は、『スタートレック』を基にした脚本を書くこと。彼女は『スタートレック』脚本コンテストへ自分の作品を提出するため、たった1人で数百キロの旅へ出る決意をする。

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映画『500ページの夢の束』の作品情報

500ページの夢の束

製作年:2017年
上映時間:93分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ベン・リューイン
キャスト:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ、リヴァー・アレクサンダー etc

映画『500ページの夢の束』の登場人物(キャスト)

ウェンディ(ダコタ・ファニング)
自閉症の障害を持つ女性。グループホームで暮らしており、SFドラマ『スタートレック』の大ファン。相手の目を見ることができず、無表情でいることが多い。趣味は妄想で脚本を書くことと編み物をすること。チワワのピートを可愛がっている。
スコッティ(トニ・コレット)
グループホームのホーム長。息子のサムを育てながら、自閉症の障害を持つ人達のケアを行っている。忙しさにかまけサムとの時間を持たずにいたが、ウェンディの脱走により息子との関係を結び直す。
オードリー(アリス・イヴ)
ウェンディの姉。妹への愛情はあるものの、自閉症という障害に苦しんでいる。赤ん坊の愛娘を妹に会わせることを躊躇っており、妹の可能性を否定していた。
サム(リヴァー・アレクサンダー)
スコッティの息子で、『スタートレック』に詳しい。忙しい母親との関係に不貞腐れ、高校をサボってばかりいたが、ウェンディの才能に触れ母と共に捜索へ加わったことで、前向きになる。

映画『500ページの夢の束』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『500ページの夢の束』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『500ページの夢の束』のあらすじ【起】

人気ドラマ『スタートレック』の大ファンで並外れた知識を持つウェンディ。彼女は自閉症という障害を持ち、グループホームで暮らしている。折り目正しく毎日の予定を自らに課し、それを守ってアルバイトもできているが、一度気に入らないことがあると癇癪を起してしまう。それでもグループホームのホーム長であるスコッティの献身的なケアにより、落ち着き方を学び日々を平穏に過ごすことができていた。

そんなある日、テレビ番組にて『スタートレック』オリジナル脚本の記念コンテストが開催されることを知ったウェンディ。優勝者には賞金10万ドルがもらえるらしく、締め切りは1週間後の2月16日だった。

ウェンディの趣味はドラマ鑑賞の他に独自の脚本執筆があり、普段から書き溜めていた。もちろん『スタートレック』を基にしたものである。早速、翌日の2月9日から執筆を再開。日々の予定をこなしつつ、着々と進める。そして、とうとう500ページにもなる大作が完成。スコッティに試読をお願いした。

そうして、姉オードリーとの面会の日を迎える。その日は脚本を送る期限の日で準備は万端だった。ウェンディはオードリーの娘に会いたいと思っていたが、自閉症であるが故にまだ会う許可が下りていない。姉がいつも写真を持って来てくれるので、大事にしていた。だが、オードリーに会うのは苦手だ。

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映画『500ページの夢の束』のあらすじ【承】

なぜなら、姉が実家を売りに出すと言うからだ。故に、ウェンディは脚本コンテストの優勝賞金で家を買い戻そうと考えていた。グループホームで一人でも生活できる方法を覚えたので、家に帰っても大丈夫だと言い張るウェンディ。だが、オードリーは妹に赤ん坊の世話はできないし姉自身、自閉症である妹の面倒を見る余裕もない。そのせいで、ウェンディが癇癪を起こしてしまったため、スコッティはすかさず落ち着くよう彼女を抑えた。だが、オードリーは妹の様子を目にし、やはりまだ家に帰すことはできないと、その場から逃げ去ってしまうのである。

落ち込んでしまったウェンディは、うっかりして脚本の郵送を忘れてしまう。その日は日曜日で月曜日は祝日。郵便の集荷は休みであるため、16日水曜日の締め切りには間に合わない。どうしようか考えた末、ウェンディはコンテスト主催のパラマウント社へ直接、脚本を届けることにした。
2月14日、早朝。たった1人でグループホームを出発。ところが、ホームで飼っているチワワのピートが彼女の後をついて来てしまう。ウェンディはピートをバックに入れて、一緒に旅へ。目的の会社はロサンゼルス。バスの運転手から道を教えてもらい、ウェンディはいくつかの決まり事を破り、新しい道へと自ら踏み出したのである。

ウェンディがチケットを購入し無事に高速バスへ乗り込んだ頃、ホームでは彼女が姿を消したことで大騒ぎになっていた。
高速バスはペットの連れ込みが厳禁だった。しかし、道も半ばでピートの存在が判明してしまい、ウェンディはバスから強制的に降ろされてしまう。
同じ頃、スコッティはウェンディを見つけられず、オードリーへと連絡を入れていた。

閑散とした道路脇で一息ついたウェンディ。仕方ないので徒歩で進むことに。小休止で近くの民家へ立ち寄った際、赤ん坊をあやす若い母親と遭遇。ウェンディは会わせてもらえない姪のことを思い出し、母子と会話した。若い母親とその夫がロサンゼルスへ向かうと言うので、一緒に行こうとしたウェンディ。ところが、少し席を外した隙に全財産とiPodを盗まれてしまう。辛うじてメモ帳だけは返してもらった。

映画『500ページの夢の束』のあらすじ【転】

ロサンゼルスまでは370キロ。途方に暮れながらも先へと進み、最寄りの町へ到達。ストアーで買い物をしようと財布を開いたが、お金がない。小銭があったため、チョコバーを買おうとしたが、店員は世間知らずのウェンディに10倍以上もの金額を要求。たまたま通りかかった夫人が間違いを指摘してくれたため、騙されずに済んだ。
夫人が乗るバスへ同乗させてもらう。どうやら夫人にもウェンディと同じ境遇の孫がいるらしい。ところが、深夜になって運転手が居眠りをしてしまい、交通事故に巻き込まれてしまう。

幸い救助されたウェンディに怪我はなく脳震盪で済んだが、念のため、病院へ搬送され一晩、経過観察されることになった。そのお陰でスコッティは、ようやくウェンディの行方を知ることができる。彼女はすぐさま寝ている息子サムを叩き起こし、一緒に車でウェンディがいる病院へ向かった。実は『スタートレック』のことをほとんど知らなかったスコッティ。サムから道中、『スタートレック』について教えてもらった。
妹のことが心配で仕方ないオードリーもスコッティから連絡をもらい、進路を病院へ向ける。

翌朝、病院から抜け出そうとしたウェンディは、非常階段にて誤って提出する脚本をばら撒いてしまう。それでも捕まるわけにいかないので拾うのを諦めて、その場から走り去った。
そのすぐ後、スコッティとサム、オードリーが病院へ到着。だが、すでにウェンディは逃げ出した後で警察が捜索を行っていた。

締め切り日の前日なのに、脚本の一部が抜けてしまった。ウェンディはくじけそうになったが、目の前にあったコピーショップへとふと目を向け、排紙を入手。急いで脚本の手直しを行った。そして、日が暮れる頃にバスステーションへ。そこでも続きを書き進める。

同じ頃、モーテルに宿を取っていたオードリーはスコッティから妹の話を聞く。全てに恐れを抱いていたウェンディが、自ら行動するには多大な勇気が必要だったはずだ。ウェンディはとても機智に飛んでおり多彩な才能を持っていたが、オードリーはそれを知らなかった。ただ、妹の癇癪に手を焼き、そういった面しか見ていなかったのである。姉はそのことを心から反省した。

映画『500ページの夢の束』の結末・ラスト(ネタバレ)

締め切り日である2月16日。バスステーションにてチケットを購入しようとしたウェンディだったが、お金がない。そこで彼女はバスの貨物室へ密かに入り込み、ロサンゼルスへと降り立った。

だが、道を尋ねている最中に警察官から声をかけられる。ウェンディは慌てて逃げ出したが、心ある警官の説得によりようやく保護されることに。なんと、警官も『スタートレック』のファンで、ドラマ内で使われる言語を話すことができたのである。お陰でスコッティとオードリーに再会することができた。

一行はスコッティの車へ乗り込み、パラマウント社へ。サムがウェンディの脚本を読み素晴らしいと絶賛していた。ウェンディはパラマウント社へと一人で向かい、締め切りの時間ぎりぎりで郵送室へ辿り着いたものの、消印がないとだめだと言われてしまう。そこで、彼女は受付係に食ってかかった。更に隙を突いて脚本を提出。無事に任務を完了し一行は笑顔で帰路に就いた。

たった一人で大冒険を成し遂げた妹を見直したオードリー。すると、ウェンディは姉にこそ自分の姿を見せたかったのだと言う。審査の結果、ウェンディの脚本は落選してしまったが、ウェンディはさほど気落ちしてなかった。なぜなら、脚本を提出するために自ら行動した過程での経験が彼女にはあるからだ。

後日、オードリーから了解が出て、ようやく姪に会うことができた。それまで赤ん坊を抱くことに恐怖を抱いていたウェンディだったが、冒険を経て成長を遂げた彼女は躊躇うことなく姪を抱き締め、姉と肩を寄せ合うのだった。

映画『500ページの夢の束』の感想・評価・レビュー

自閉症という障害を持ち、周囲の全てに恐怖を抱いていたヒロインが、冒険を経て成長する姿を描いている。ヒロインがたった一人で旅をするだけだったら、それまでだったのだろうが、旅の友としてペットのチワワが加わることで物語に和みが加えられている。このチワワがいるのといないのとでは大分、作風が変わったのではないだろうか。

ヒロインの姉は自閉症である妹と上手く関係を作ることができず、施設へと預けてしまうが、決して妹を嫌っているわけではない。むしろ、愛しているが故に泣く泣く施設へと預けているという状況だ。更にホーム長とその息子との関係も描かれており、ヒロインの捜索過程でその母子の関係も変化する。あとは『スタートレック』の認知度の高さ。これがなければ、物語は成り立たなかっただろう。可能性を決めつけず、信じることの大切さを描いている。(MIHOシネマ編集部)


オードリーは別に意地悪な姉というわけではないと思う。家族だから距離が近すぎて、見えないものも出てくるのだと感じた。ウェンディのことがただ心配だったのだろう。
初めてのことを実行するのは、多くの人がドキドキと緊張して二の足を踏んでしまうと思う。脚本コンテストに参加するため勇気をもって行動を起こしたウェンディは凄いと感じた。彼女を演じたダコタ・ファニングは、文句なしに素晴らしかった。
ウェンディを保護するために機転を利かせた警察官の行動に、ほっこりと温かな気持ちになった。(女性 30代)


『スタートレック』って凄いなあ…と改めて感じました。映画が好きな人は見ていてワクワクする作品だと思います。ダコタ・ファニング演じるウェンディの人と接したいけど怖いと感じてしまう様子が物凄く伝わってきました。才能があり、繊細な心の持ち主なだけに、他人から何か言われて行動するのは嫌なのだと思います。しかし、自分でやろうと決めた時の行動力は並外れたものでした。
ウェンディの一生懸命な様子は思わず「頑張れ!」と応援したくなるでしょう。(女性 30代)


自閉症というのがいかに人とのコミュニケーションが大変か、それを踏まえるとウェンディのロサンゼルスまでの旅はとても勇気のいるものかが伝わる。スタートレックに対する愛情もありふつうは挫折するハプニングもあったが、自分の才能を信じ目的のために進み続ける姿は勇ましかった。
オードリーの妹への愛情は伝わるが、全ての可能性を障害のせいにして強く否定することはお互いを苦しめる。しかし今回の旅をきっかけに自閉症の可能性を感じた姉も人の温もり、達成感、世間の大変さを知った妹も周りに迷惑はかけつつもとても大きな経験をし、共に成長できたのではないだろうか。(男性 20代)

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