映画『ドクター・ストレンジ』の概要:スティーヴンは優秀な外科医として活躍していたが、ある日自動車事故を起こし、両手に麻痺が残る怪我を負ってしまう。完治は不可能に近く、医師として働けなくなったことに苦悩する。そんな時、ある男の紹介で魔術師と出会う。
映画『ドクター・ストレンジ』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:アクション、ファンタジー
監督:スコット・デリクソン
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベネディクト・ウォン etc
映画『ドクター・ストレンジ』の登場人物(キャスト)
- スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)
- 脊髄の接合や中枢神経系の再生が専門の外科医。傲慢でプライドが高い性格。車で事故を起こし、両手に麻痺が残る怪我を負ってしまう。
- モルド(キウェテル・イジョフォー)
- エンシェントの弟子。間違ったことが許せない、実直で真面目な性格。エンシェントのことを慕っていたが、暗黒次元の力を使っていたことを知り、失望する。
- クリスティーン・パーマー(レイチェル・マクアダムス)
- スティーヴンの元恋人。スティーヴンの同僚の医師。
- ウォン(ベネディクト・ウォン)
- エンシェントの元で書庫の管理をしている。滅多に笑わない。
- カエシリウス(マッツ・ミケルセン)
- 愛する者を失った辛さを癒すため、エンシェントの元を訪ねる。暗黒次元の力に魅入られ、“永遠の命”を手に入れようと画策する。
- エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)
- 魔術師。人々を闇の力から守るため、暗黒次元の力を密かに使っていた。
映画『ドクター・ストレンジ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじ【起】
外科医のスティーヴンは同僚のパーマーから助けを求められる。頭蓋骨に銃弾が当たった患者が運び込まれたのだが、脳幹反射も自発呼吸もしていなかった。同僚のニックは脳死と判定したのだが、パーマーはその診断に違和感を覚えていた。スティーヴンは患者を診察し、弾に使われたアンチモンの毒が髄液に接触して、中枢神経系の機能を停止させていることに気づく。スティーヴンはパーマーと共に開頭手術を行い、弾を摘出した。
スティーヴンは神経学会の講演会に出席するため、車を走らせていた。だが、同僚から送られてきた患者のレントゲン画像を見るために目を離した瞬間、事故を起こして崖から転落してしまう。スティーヴンは意識が朦朧とする中、病院に運び込まれた。目を覚ますと、両手に多くの治療用のピンが刺さっていた。パーマーは苦悩に満ちた表情で、複数の靭帯が断裂しており、両手の神経が損傷していることを話した。スティーヴンは自分ならもっと治療ができたのにと苦しそうに呟いた。
スティーヴンの両手は震え、医師として仕事を行うことは不可能だった。満足にカミソリも扱うことができず、リハビリにも身が入らなかった。様々な治療を行い多くの医師に診察をしてもらうが、治すことはできなかった。貯金が底をついても、医師としての仕事を諦めることはできなかった。パーマーがそんなスティーヴンを心配して家を訪ねてくるが、スティーヴンは酷い言葉を浴びせて追い返してしまう。
リハビリ師が“パンクボーン”という男のカルテをスティーヴンに渡した。パンクボーンは頸髄を完全に損傷し、胸の下部や両手にも麻痺が残っていたにも関わらず、バスケットボールをして遊ぶほど回復していた。パンクボーンはかつてスティーヴンの元を訪ねたことがあり、助手に追い返されたことがあった。それほど、頸髄の損傷は激しく、治療は不可能だったのだ。スティーヴンはパンクボーンに両手の現状を見せ、回復した訳を尋ねた。パンクボーンは意識を高めるために導師や聖女に会いに行き、“カマー・タージ”という場所でとある師に出会ったことを話した。

映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじ【承】
ネパール・カトマンズ。スティーヴンは道行く人に、“カマー・タージ”の場所を尋ねて歩いた。中々見つからなかったが、路地裏で強盗に襲われているところを、“カマー・タージ”の場所を知っている男(モルド)に助けられる。スティーヴンがモルドについて行くと、寂れたごく普通の家に連れて行かれる。スティーヴンはその建物を見て、もっとそれっぽい場所だと思ったと皮肉った。モルドはスティーヴンの傍若無人な態度を見て、自分も同じような礼をわきまえない男だったが、ここでは常識は通用しないと忠告した。
スティーヴンは師である“エンシェント・ワン”に相対した。エンシェントは女性で、スティーヴンを一目見ただけで7回手術したことを言い当てた。スティーヴンが驚いていると、エンシェントは魂が治療方法を知っているのだと話した。スティーヴンは魂の存在を信じられずインチキだと思うが、エンシェントによって魂と体を分離する“アストラル体”を体験させられる。
スティーヴンはエンシェントに弟子にして欲しいと頼むが、断られ追い出されてしまう。モルドはスティーヴンが扉の前に5時間もいることを知り、エンシェントに弟子にしてはどうかと進言した。しかし、エンシェントはスティーヴンが闇に落ちることを恐れていた。かつての弟子であるカエシリウスも、スティーヴンのように頑固で傲慢で野心のある男だったが、暗黒の力に心を奪われ“とある本のページ”を破って出て行ってしまっていた。だからこそモルドは、スティーヴンの力が必要なのではないかと師を仰いだ。もし、カエシリウスが“とある本のページ”を読み解いてしまえば、待っているのは破滅だった。
モルドはスティーヴンを部屋に案内し、瞑想しているように伝えた。スティーヴンは1人になると、強盗から守った腕時計を眺めて棚の上に置いた。その腕時計は、昔恋人だったパーマーから贈られたものだった。
映画『ドクター・ストレンジ』のあらすじ【転】
スティーヴンは医術を習得するのと同じように、研究と実践を重ねて魔術を勉強した。書庫の管理をしているウォンは、スティーヴンが多くの書物を既に読んでいることを知り、マスター専用の部屋へと案内した。スティーヴンはそこで、エンシェントの蔵書の1つである「カリオストロの書」に興味を引かれる。それは、時間研究の本で、ある儀式のページを闇の魔術集団のカエシリウスに盗まれていた。
スティーヴンは他の訓練生と共に魔術の練習を行うが、なかなか上達しなかった。麻痺している両手のせいにするが、手のない者でも魔術を使うことは可能だった。エンシェントはそんなスティーヴンを、たった1人でエベレストに残した。エンシェントとモルドがやきもきしながら待っていると、スティーヴンは移転魔法を使って脱出してきた。
スティーヴンはウォンがいないときに書庫に入り、「カリオストロの書」に書かれた魔術を使ってみた。すると、リンゴが腐ったり元に戻ったり、自在に時間を操ることができた。スティーヴンはその力を使い、破かれたページを元に戻した。そこには、“ドルマムゥ”“暗黒次元”“永遠の命”と書かれていた。スティーヴンは本に書かれた通りに力を使おうとした。だが、それに気づいたモルドとウォンに止められる。時間を操れば分岐が生じ、異次元の扉が開いてタイムループが起きる可能性があるのだ。モルド達は難解な呪文を読み解いたスティーヴンに魔術師としての素質を見出すが、スティーヴンは自分の手も満足に治せない力に苦悩していた。
モルド達魔術師は3つの“サンクタム”と呼ばれる地球に張られた結界を、異次元の脅威から守っていた。異次元の脅威とは“ドルマムゥ”と呼ばれる暗黒次元の主で、時間を超越した存在だった。ドルマムゥは無限の力を持ち、すべての宇宙を暗黒次元に取り込もうとしていた。最大の標的は地球で、破られたページはドルマムゥと繋がり、暗黒の力を得る儀式だった。
ロンドンのサンクタムに繋がっている扉から、カエシリウスの攻撃から逃げてきた男が飛び込んできた。スティーヴンはその戦いに巻き込まれ、ニューヨークのサンクタムに行ってしまう。そこで、カエシリウスが男を殺しているのを目撃し、止めようとして声を上げた。スティーヴンはカエシリウスと仲間達に攻撃され、戦うことになった。異次元の扉やその場にあった空飛ぶマントなどの道具を使いながら、カエシリウスを捕らえることに成功する。
スティーヴンはカエシリウスの手下に襲われ、刺されてしまう。しかも、魔法を使うためのスリング・リングが、いつの間にか奪われていた。スティーヴンはマントを使って手下の足止めをしている間に、手下から落ちたスリング・リングを使って病院に転移した。そして、パーマーに刺された傷を手術するよう頼んだ。スティーヴンはアストラル体の姿になると、パーマーに治療の指示を出した。パーマーはスティーヴンの魂の姿を見て驚くが、助けるために必死に気持ちを落ち着かせて治療にあたった。
映画『ドクター・ストレンジ』の結末・ラスト(ネタバレ)
カエシリウスの手下もアストラル体の姿になって追いかけてきた。スティーヴンはカエシリウスの手下と戦った。パーマーがスティーヴンの体に行った電気ショックの力を借りて倒した。目を覚ましたスティーヴンは、今までの行いをパーマーに謝罪した。そして、エンシェントのことを話した。パーマーはスティーヴンの話しを信じなかったが、スティーヴンはパーマーの目の前で転移魔法を使い、カエシリウスがいる場所へと戻った。しかし、カエシリウスは既にいなくなっていた。スティーヴンはエンシェントとモルドに、カエシリウスとの戦いを話した。エンシェントはスティーヴンにサンクタムを守るよう命じた。しかし、スティーヴンは医師として人を殺すことを嫌がった。
スティーヴンの心が決まらない内に、再びカエシリウスが仲間と共に襲ってきた。スティーヴンは現実世界に影響の出ないミラー次元の空間を生み出すと、カエシリウスのスリング・リングを奪った。モルドと共にその場を逃げ出すが、暗黒次元の力によってカエシリウスの力は増大しており、リングなしでも魔術を操ることができた。そこに、エンシェントが現れ、モルド達を助けた。しかし、モルドはエンシェントの額に刻まれた傷を見て、エンシェントも暗黒次元から力を得ていることに気づき、ショックを受ける。
エンシェントはカエシリウスの手下に敗れ、ビルから落ちてしまう。スティーヴンはエンシェントをパーマーのいる病院に運んだ。しかし、エンシェントは心停止を起こし、脳波を確認できない事態になる。スティーヴンはアストラル体の姿になると、同じくアストラル体の姿になっていたエンシェントを追いかけた。エンシェントは幾度も闇の力を食い止める戦いに疲弊していた。そんな時、善の心を持つスティーヴンと出会ったのだ。スティーヴンだけでは強さに欠け、モルドだけでは柔軟性に欠けていた。エンシェントはドルマムゥを倒すには、2人の力を合わせる必要があると教えた。そして、スティーヴンの手を握り締め、逝ってしまった。
スティーヴンはパーマーと話し、外科医としてではなく魔術師として多くの人達を守る決意をする。モルドの元に向かうが、暗黒次元の力を使っていたエンシェントに失望していた。スティーヴンはモルドを説得し、共に香港のサンクタムを守りに行った。しかし、そこは既に襲われた後だった。スティーヴンは禁術である時間を戻す魔術を使った。ビデオを巻き戻しているかのように倒壊した建物が戻る中、倒れていたウォンを発見する。
カエシリウスに襲われ、時間を戻す魔術が壊されてしまう。スティーヴンは自分に永遠に時間を繰り返す魔術を掛けると、ドルマムゥに取引を持ち掛けた。ドルマムゥに何度殺されても、再び現れるようにしたのだ。ドルマムゥはスティーヴンを殺す時間から抜け出せないことに苛立ち、取引を受け入れた。それは、カエシリウス達を排除し、地球から手を引くというものだった。
カエシリウスの体は朽ちながら暗黒次元に飲み込まれた。スティーヴンとウォンは勝利を喜ぶが、モルドは苦悩に満ちた顔をしていた。自然の摂理を曲げた報いが自分達に必ず訪れると忠告し、スティーヴン達と袂を別った。
映画『ドクター・ストレンジ』の感想・評価・レビュー
派手さではなく知性で勝負している新時代の新たなヒーロー像を示した作品である。映像の迫力には驚かされ、新しい世界観も個人的には気に入った。しかしストーリーを少し詰め込みすぎたようにも感じる。なかなか映画に入り込むことができず、感情移入はできなかった。その要因としては映画の予告などでかなり期待をしてしまったという面もあるだろう。そこまで期待をせずに鑑賞すれば、また違った感想を持っていたのかもしれない。(男性 20代)
人気アメコミの映画化作品。事故により両腕の自由を失った天才外科医が魔術を学び、世界滅亡の危機に立ち向かう姿を描く。
「医者」と言う生き方を絶たれた主人公ストレンジの挫折と苦難、再生が描かれているが、頑なに「医者」と言う生き方にこだわる事を師匠に諭される場面や逆に魔術師として戦うことを強要されるも「医者」として命を救う道を模索していく姿は自分の生き方はどんな状況でも自分で決めて行けると言うメッセージが込められている。(男性 20代)
アベンジャーズにも登場する魔法で戦うドクターストレンジの第一作目。
生身ではあるが、アベンジャーズの中でも戦闘能力は上位に入る程の実力であり、アベンジャーズ最強の敵サノスが狙う、インフィニティーストーンのタイムを保有する者。
本作品は、ストレンジが魔法の力を手に入れ、カエシリウスという悪の力に魅入られた敵と対峙する。
とにかく映像表現が凄まじく、「ここまでするか」という印象を持った程だ。
天才医師だったストレンジが不慮の事故から両手が使えなくなり、様々な治療でも改善されず、行き着いた所がエンシェントワンという凄腕の魔法使いの所であった。性格的にはアイアンマンのトニーと並ぶ位傲慢さがあり、かつ現実主義であるストレンジだが、エンシェントワンによる過酷な修行(極寒の国に一人で置き去りにされ、自力で魔法を使い戻ってこなければならないなど)を経て魔法という存在を受け入れていく。
平気で次元を超越したりするので、設定を理解するのに少し戸惑う部分もあるが、とても見応えがある作品である。(男性 30代)
ベネディクト・カンバーバッチの顔が癖になりだんだん好きになってきます。
傲慢な金持ち医者のストレンジが事故に遭ったのは自己責任ですが、絶望的な姿が可哀想すぎてだんだんとストレンジ側に感情移入するようになりました。
魔術を映像で表すことが想像できませんでしたが、とても美しく、まさに神秘的という言葉がぴったりだと思いました。時間を戻す、止めるなどの映像も目を見張るものがありました。
魔術や次元など、少しとっつきにくい内容かもしれませんが、観終わった後はこの話の虜になるくらい楽しめました。(女性 30代)
さすがにキャラクターが多すぎて食傷気味なタイミングで追加されたキャラクターのエピソードゼロ。空いているキャラクター枠の都合なのか、非常に気難しい面倒くさい人物となっており共感が持ちにくい。
一方で彼の強さの源である魔法は目新しく時間や空間にまで干渉できる能力で使いこなせば彼一人で全部解決できるんじゃないかと思えるほど万能で魅力的に表現されている。
単体としてはそこそこの映画ではあるが、一連のシリーズの中の一つとして考えるとまた別の魅力を発揮する映画だと言える。(男性 30代)
医者のプライドを捨てきれない天才ヒーローが妙に人間くさく、現代のヒーロー映画だなと感じます。最初はプライドの高い主人公に中々感情移入できませんが、事故後に「自分の方がもっとうまく治療できた」というシーンのあたりから段々ヒーローに共感してきます。
キャラクターが多いせいか、上映時間が足りないせいなのか、魔法の説明が不十分です。単なるアクション映画と割り切るなら映像技術は凄いのですが、ストーリーが途中から理解しづらいのが難点です。(女性 30代)
これまで見たことがない映像表現を体感させてくれるのが、この作品だ。3Dでの視聴では脳がバグったかと思えるくらい、楽しいアクションシーンを見ることができる。
物語は、ドクターストレンジの誕生までの話なので割とオーソドックスでラストも若干首をひねりたくなるオチだったが許容範囲。演じるベネディクト・カンバーバッチは、はまり役でもう彼以外のストレンジは考えられないくらい。
手をまわして魔術を行使する仕草は、自動ドアの前とかで真似したくなる。(男性 30代)
その後のアベンジャーズシリーズでもキーパーソンとなるスティーヴン・ストレンジが、いかにして「ドクター・ストレンジ」になっていくのかを描いた作品。魔術を駆使して戦う姿がカッコよく、魔法陣を使った演出はおもしろかったし、特にロンドンでのバトルシーンはCGの映像が圧巻だった。今までのMCU作品と比べるとシリアスなイメージが強く、初登場のキャラクターなので、他の作品を見ていない人も単体でも楽しめると思う。(女性 20代)
関連作品

みんなの感想・レビュー