この記事では、映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2022年 |
---|---|
上映時間 | 122分 |
ジャンル | サスペンス ミステリー |
監督 | オリヴィア・ワイルド |
キャスト | フローレンス・ピュー ハリー・スタイルズ オリヴィア・ワイルド ジェンマ・チャン |
製作国 | アメリカ |
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の登場人物(キャスト)
- アリス(フローレンス・ピュー)
- 社宅街・ビクトリーで、献身的で完璧な妻として夫のジャックと共に暮らす主婦。主婦業の合間を縫って、街のバレエ教室に通う。
- ジャック(ハリー・スタイルズ)
- 妻・アリスの幸せを一番に考える優しい夫。仕事中毒気味だが、ビクトリー社での評価も高い。
- バニー(オリビア・ワイルド)
- ビクトリーで暮らす、アリスの親友。家事と育児を純粋に楽しみ、街の中での対人関係を良好に保つ。
- マーガレット(キキ・レイン)
- アリスの隣人。息子が失踪して以来、精神的に不安定な面が垣間見え、ビクトリーの住民たちから心配されている。
- フランク(クリス・パイン)
- ビクトリー社のトップ。社員やその家族からの信頼も厚く、ビクトリーの住民のカリスマ的存在。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』のあらすじ【起】
<ビクトリー>はビクトリー社の社宅地で、住民は、美しい街並みの中での完璧な暮らしが保証されている。
ここで暮らす者たちは例外なく皆、夫がビクトリー社の社員で、妻は専業主婦。
そして「何があっても街から勝手に出てはいけない」「パーティーには夫婦で参加する」「妻は夫の仕事の内容を訊いてはいけない」というルールを遵守している。
アリスはビクトリーで暮らす他の女性たちと同じく、朝食を準備し、高級車で出勤する夫のジャックを見送った後は、家事を完璧にこなし、余暇は街の中にある教室で習い事を楽しんでいた。
ある日、ビクトリー社のトップであるフランクが、社員とその家族を招待してパーティーを開いた。
フランクの妻の振る舞う料理も、パーティーのしつらえも最高で、参加者たちがエキサイトする中、アリスの隣人のマーガレットだけが不穏だった。
フランクのスピーチが始まるや、マーガレットは「みんな騙されている」と声を上げる。
彼女は息子の失踪以来、精神不安定で、彼女は息子の失踪はフランクと関連があると思っているらしい。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』のあらすじ【承】
ビクトリーでは、街の外に出ずともショッピングが楽しめるよう、定期的な送迎バスが運行している。
ある日、バスに乗っていたアリスは車窓から、飛行機が墜落するのを目撃した。
アリスは運転手に、墜落現場に向かって救助をしなくてはと話すが、運転手は「決められたルート以外の運行はしない」と頑に主張した。
アリスはバスを降り、一人で墜落現場に歩いて向かった。
墜落機は見つからず、いつの間にかアリスは、立ち入りを禁じられている本社の傍まで来ていた。
本社付近には人気はなく、アリスが本社の建物の窓に触れると、突然フランクの声がアリスの頭の中に響き、夢とも現実とも分からない映像が浮かんだ。
アリスは自宅のベッドで目を覚ました。
その日の出来事が夢とは思えなかったが、ジャックに上手く説明できそうになかった。
やがて幻覚に悩まされるようになったアリスが、マーガレットを訪ねると、マーガレットはナイフを手に屋根の上に立っており、自分の喉を切って転落した。
アリスが駆け寄ろうとすると、赤いつなぎを着た男たちが現れ、アリスを自宅へ押し戻した。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』のあらすじ【転】
アリスはジャックに、マーガレットの一件を話すが彼は信じなかった。
その後街の専属医・コリンズに話を聞くと、マーガレットは窓掃除中に転落したが、命に別状はないと説明された。
ジャックは昇進が決まり、アリスはフランク夫妻をはじめとする友人夫婦たちを招いてホームパーティーを開く。
フランクは、キッチンで料理をするアリスの背後に立ち「君のような人をずっと待っていた。私に挑戦してくる人を」と囁いた。
アリスはパーティーが始まるや、テーブルに着いたゲスト全員の前で「この世界はおかしい。そして、それを仕組んでいるのはフランクだ」と話した。
しかしフランクは動じることなく「アリスは精神に異常をきたしている」と言い、ゲストたちはアリスに疑いの目を向けた。
パーティーの後、アリスはジャックに「一緒に街を出て」と懇願した。
2人が車に乗った直後、赤いつなぎを着た男たちが現れ、アリスを連れ出してしまう。
アリスはコリンズによって電気ショック療法を受けさせられた。
その間アリスは、現在と異なる世界で営まれている、ジャックとの生活を見る。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の結末・ラスト(ネタバレ)
治療を終え、ビクトリーの自宅に戻ったアリスは、相変わらず幻覚に苦しんでいた。
しかし次第に、治療中に見た映像と自分の記憶が結びつくようになり、ついにアリスは事実を思い出した。
現実-。
アリスは医療従事者として繁忙を極める毎日を送りつつ、安定した収入を見込めない恋人のジャックとの生活を支えていた。
アリスを愛しつつも、彼女との将来に希望を持てないジャックは、フランクの作り上げた仮想現実プログラムであるビクトリーで生きることを決意、アリスの許可を得ずにビクトリーで人生を再開したのだった。
悲惨な現実世界で生きるよりも、完璧なビクトリーで幸せに暮らそうと訴えるジャックを振り払おうとしたアリスは、ジャックの頭部に致命傷を負わせてしまう。
アリスは街からの脱出を試みる。
赤いつなぎを着た男たちが追って来るが、親友のバニーの手助けを受け、現実世界に戻ることができた。
バニーはアリスに、街の出口は本社にあることを伝えると同時に、自身は事実を知っていたものの、街から出ずに仮想上の子供との生活を選んだと告白した。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
パラノイア的なサスペンスから一気にSFスリラーへと展開するストーリーが斬新で引き込まれました。序盤のレトロで理想的な生活描写から、アリスが現実に疑問を持ち始める過程が丁寧に描かれていて、観ているこちらも徐々に不安を感じさせられます。バーチャルリアリティ世界という真相は賛否あると思いますが、個人的にはテーマとよくマッチしていたと思います。演出もスタイリッシュで、特にダンスシーンの不気味さが印象に残っています。(20代 女性)
「男が作り上げた理想郷」に女性が閉じ込められる構図が、現代社会の問題とリンクしていて非常に考えさせられました。ジャックの“愛情”が支配欲にすり替わる過程がリアルでゾッとします。結末は少し駆け足な印象でしたが、アリスの選択に希望を感じました。主演のフローレンス・ピューが圧巻の演技で、彼女の視点から物語を追うことができたのが本作の強みだと思います。(30代 男性)
オリヴィア・ワイルドの監督作品として注目していましたが、映像美と音楽、ファッションが非常に洗練されていて、その点だけでも満足です。けれど、物語の核心に入る中盤以降の説明がやや曖昧に感じ、もっと世界観に深く踏み込んでほしかったという物足りなさも。とはいえ、アリスの気づきと抵抗の物語には力強さがありました。女性視点での“覚醒”がテーマなのも良かったです。(40代 女性)
途中まで完全に60年代風スリラーだと思っていたので、仮想空間のオチには驚きました。ただその驚きが強すぎて、ラストの余韻が薄れてしまった感も否めません。もう少しジャック側の描写があれば説得力が増したのに、という惜しさがあります。とはいえ、フローレンス・ピューとクリス・パインの演技対決は圧巻でした。世界観に引き込む力は強いです。(50代 男性)
「理想」とは誰の視点での理想なのか。そう問いかけてくる作品でした。ヴィクトリーの世界が“男性の妄想”によって作られていたという真相に、女性としての怒りと哀しみを感じました。アリスの目覚めが、まるで現代に生きる私たちに目を覚ませと言っているように感じました。オリヴィア・ワイルド監督の意志が感じられる、強く印象に残る作品です。(30代 女性)
終盤の展開が急すぎて理解が追いつかない部分もありましたが、逆にその混乱も作品のテーマとリンクしているように思えました。ヴィクトリーの世界は、表面の美しさとは裏腹に異常な管理社会であり、男女の権力バランスを強烈に批判しているのが伝わってきます。サスペンスと社会批評の融合が面白かったです。デザインや音響も素晴らしかったですね。(40代 男性)
ラストのアリスの目覚めに思わず拍手したくなりました。女性が自らの意思で閉じ込められた世界を脱出する姿には、勇気をもらえます。物語としては荒削りな部分もありますが、それを補って余りある演出とメッセージ性がありました。女性として共感する場面が多く、特にガスライティング描写がリアルで胸が痛かったです。強いメッセージを持つ良作だと思います。(20代 女性)
映像や音楽のセンスは抜群で、雰囲気映画としてはとても楽しめました。ただ、ストーリーには説明不足な点が多く、疑問が残ったのも事実です。ヴィクトリーの仕組みやジャックの動機について、もう少し深く描いてくれれば名作になったかもしれません。とはいえ、フローレンス・ピューの存在感と、サスペンスからの転換は見応えがありました。(50代 女性)
あの世界観、個人的にはかなり好みでした。最初は美しい暮らしに違和感がある程度だったのに、徐々に不穏な空気が増していく演出が見事。正直、中盤の展開は予想外で、仮想空間というオチには賛否あると思いますが、ラストのアリスの“自分を取り戻す”姿にグッときました。人間の欲望と倫理のバランスを問う作品だと思います。(30代 男性)
SNSなどで賛否が分かれていたので気になって観ましたが、個人的にはかなり刺さりました。美しい見せ方の裏にある“現代社会への風刺”がしっかり効いていて、ただのサスペンスでは終わらないのが良いですね。特に、アリスがすべてを知った後の決断に共感。フローレンス・ピューの演技力がこの映画の全てだと思います。次回作も楽しみです。(20代 男性)
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』を見た人におすすめの映画5選
ゲット・アウト
この映画を一言で表すと?
日常の違和感が徐々に恐怖へと変わっていく、社会派サスペンススリラーの傑作。
どんな話?
黒人男性クリスが恋人の実家に初めて訪れた週末。最初は温かく迎えられたものの、周囲の様子に違和感を覚えはじめます。次第に明かされる驚愕の真実が彼を待ち受けており、社会的なテーマも盛り込まれた巧妙なスリラーです。
ここがおすすめ!
人種問題をテーマにしながら、純粋なサスペンスとしても抜群の完成度を誇ります。前半の静かな違和感から、後半の怒涛の展開まで一気に引き込まれます。驚きの結末とテーマ性の深さが、『ドント・ウォーリー・ダーリン』が好きな方には刺さるはずです。
ステップフォード・ワイフ
この映画を一言で表すと?
美しすぎる理想の妻たちの裏に隠された、男社会の恐怖を描いたフェミニズムスリラー。
どんな話?
都会から郊外のステップフォードに引っ越してきたジョアンナ。町の女性たちは皆完璧すぎるほどの主婦で、その異様なほどの従順さに疑問を抱きます。彼女が辿り着いた真相は、男たちによって作られた“理想”の恐ろしい結末でした。
ここがおすすめ!
『ドント・ウォーリー・ダーリン』の元ネタ的存在とも言われる本作。男性優位社会の皮肉を込めたストーリーは、今見ても鋭く風刺的で興味深いです。ヴィンテージな雰囲気とサスペンスが融合した作品です。
マザー!(Mother!)
この映画を一言で表すと?
静寂から狂気へ、じわじわと追い詰められる極限の心理スリラー。
どんな話?
田舎の一軒家で詩人の夫と静かに暮らす女性。しかし見知らぬ訪問者が現れてから、彼女の生活は崩れ始めます。次第にエスカレートする出来事は常軌を逸し、彼女を精神的に追い詰めていきます。寓意と狂気が入り混じった衝撃作です。
ここがおすすめ!
観る人によって解釈が変わる“体験型”の映画で、終始張り詰めた緊張感が支配します。社会や宗教へのメタファーが随所に散りばめられており、何度も見返したくなる一作。圧倒的な映像と演出のパワーが、観る者を飲み込みます。
トゥルーマン・ショー
この映画を一言で表すと?
理想の人生の裏には、作られた“現実”があった。笑えて切ない哲学的ドラマ。
どんな話?
どこにでもある理想的な町に暮らすトゥルーマン。だが、彼の人生はすべてがテレビ番組として世界中に放送されていた…。ある日ふとした違和感からその真実に気づき、自由を求めて立ち上がる姿が描かれます。
ここがおすすめ!
表向きはコメディですが、現代社会の監視・支配構造に鋭く切り込んでいます。ジム・キャリーの熱演と、ラストのメッセージ性は今も語り継がれる名シーン。『ドント・ウォーリー・ダーリン』の仮想世界テーマが好きな方にぴったりです。
ブラック・スワン
この映画を一言で表すと?
完璧を求めるあまり自我が崩壊していく、美と狂気が交差するサイコスリラー。
どんな話?
バレリーナのニナは「白鳥の湖」の主演に抜擢され、役にのめり込むあまり精神的に追い詰められていきます。現実と幻想の境目が曖昧になり、やがて取り返しのつかない事態へ…。美しくも恐ろしい芸術と狂気の物語です。
ここがおすすめ!
フローレンス・ピューの演技を魅力に感じた方には、ナタリー・ポートマンの怪演が刺さるはず。心理描写の深さと視覚的演出が見事で、観る者の心を掻き乱します。女性の内面世界に焦点を当てた強烈な一本です。
みんなの感想・レビュー