映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の概要:憧れの先輩を追いかけて上京した少女。そんな純粋な少女が出会った都会の奔放で、破廉恥な現実。黒沢清監督が日活ロマンポルノのために制作し、あまりの前衛さに納品拒否され一般用にリメイクした問題作。
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の作品情報
上映時間:80分
ジャンル:コメディ、青春
監督:黒沢清
キャスト:洞口依子、伊丹十三、麻生うさぎ、加藤賢崇 etc
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の登場人物(キャスト)
- 秋子(洞口依子)
- 高校を卒業し、田舎から吉岡という男を追って上京。大学内のサークルや、いかがわしいゼミの授業などに巻き込まれる。純粋な少女。
- 平山教授(伊丹十三)
- 大学の教授。恥ずかしさに関する研究を行っている。秋子に魅力を感じ、被験者になるよう誘う。
- エミ(麻生うさぎ)
- 大学生。音楽サークルに所属。性に奔放で、度々秋子に破廉恥な姿を見られるも動じない。
- 吉岡(加藤賢崇)
- 秋子の高校時代の先輩。大学では音楽サークルに所属し、平山教授のゼミを受講している。上京をきっかけに大学デビュー。大学にはあまり通わずに遊んでばかりいる。
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のあらすじ【起】
高校を卒業した秋子は、吉岡という男を追って田舎から出てくる。吉岡はかつて秋子のいた田舎でバンドをしていた。
吉岡の通っている大学へと向かった秋子。新入生を勧誘するサークルの執拗な手を払いながら、吉岡が入っているという音楽サークル「ベラクルス」の部室へと向かう。しかし、中へ入ると男女が激しいセックスをしていた。驚いた秋子は驚き、部室を出ていく。
部室を出ると、さっきまでセックスをしていたエミという女が秋子に話しかけてくる。そんなエミに秋子は、東京の大学生ってみんな恥知らずなんですね、と言う。秋子は吉岡の事をエミに聞くが、エミは知らないと言う。そして二人は吉岡を探すため、吉岡が受講していると言う心理学科の平山ゼミを訪れる。
教室へ入り、吉岡の事を訪ねる秋子。ゼミの学生たちは、吉岡は1、2回しか来ていないと言う。さらに教授は、もう吉岡はここを訪れないだろうと言う。秋子は、結婚するために吉岡を訪ねて来たのにどうすればいいのかと嘆く。
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のあらすじ【承】
一人の女がカメラに向かい、音楽は各音の関係性でなく、ただ音があるだけなのだと語る。
平山教授のゼミでは、恥ずかしさに関する授業が繰り広げられている。恥ずかしさと言うのは各文化で違い、文化的デタラメである。恥ずかしい部分を隠すことで逆に恥ずかしい部分を曝け出してしまうのではないか。そして将来、人類は裸で暮らすようになるのではないのか。そんな独自の理論を唱える平山教授。
吉岡を見つけられない秋子はエミに誘われ、エミの暮らす寮へと訪れる。するとエミは突然押入れの中で自慰行為始める。さらに寮の前の赤電話では、女学生がテレフォンセックスを始める。呆れた秋子は寮を出ると、外で寝ることにする。
久しぶりに吉岡が大学を訪れる。吉岡は花を売り子から買い、キザな雰囲気を出しながら知らない女にプレゼントする。
朝起きると、寺岡という旧友に偶然再会する秋子。何度も誘う寺岡を、秋子は断る。
部室へと顔を出した吉岡。そこにはエミがいて、エミは吉岡に裸になるよう持ちかける。
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』のあらすじ【転】
再び部室へと訪れた秋子の目の前で吉岡とエミがセックスをしている。吉岡は焦ることもなく、呑気に秋子に話しかける。エミは初めて自分の相手が吉岡という男なのだと知る。吉岡の変貌ぶりにエミは怒ってその場を立ち去る。
立ち去ろうとする秋子に、吉岡はしつこく話かけたり、呑気に歌を歌ったりしている。そして秋子は田舎へと帰る決意をする。
去ろうとする秋子のもとへ、平山が「新自由心理学」という本を渡しにくる。平山は秋子に、その本をぜひ読んで欲しいと頼む。
平山ゼミの生徒達がエミを連れて教室へと集まる。教室には吉岡もいた。そしてちょっとした恥ずかしさに関する実験をするのだと言い出す。エミの体に色々な器具をつけて裸にし、触り出す生徒たち。
結局、生徒達の実験は失敗に終わった。エミは恥ずかしさを感じるどころではなく、快楽を感じていたのだ。
秋子は平山に、授業に出たいと申し出る。平山はすぐに授業に出ようと秋子を連れて教室へと向かう。
映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の結末・ラスト(ネタバレ)
教室に入った平山と秋子は、生徒達が乱交しているのを目撃する。平山は、恥ずかしさを理解できない生徒達に怒り狂い、教室を出ていく。
教室を出るとそこには吉岡がいて、平山に秋子は処女じゃないと告げる。秋子のことを実験台にしようとしていた平山はショックを受ける。秋子は平山に、自分は生徒達と同じで恥知らずなのだと謝る。
秋子だけは真の恥ずかしさを知ることができると言って、秋子を実験室へと連れて来た平山。様々な機械に囲まれ、ベッドに寝かされた秋子は裸にされ、平山に体の隅々まで触られる。
寝てしまった秋子が目をさますと、そこには疲れ果て倒れている平山がいた。秋子は一人実験室を出る。
河原でピクニックをする平山ゼミの生徒達に、田舎へ帰ると伝える秋子。そんな秋子をゼミ生の一人が大学へ戻らないかと誘う。
突然生徒達は戦争ごっこを始める。秋子もそれに参加する。煙が漂う河原で、銃を持った生徒達と逃げ回る秋子。すると突然、秋子は銃を持って歌い出すのだった。
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