映画『デューン 砂の惑星』の概要:「デューン/砂の惑星」(原題: Dune)は、フランク・ハーバートの長編SF小説『デューン』を原作とする1984年のアメリカ映画。監督は「エレファント・マン 」のデヴィッド・リンチ。主演は本作品が主役デビューのカイル・マクラクラン。
映画『デューン 砂の惑星』 作品情報
- 製作年:1984年
- 上映時間:137分
- ジャンル:SF、サスペンス、ファンタジー
- 監督:デヴィッド・リンチ
- キャスト:カイル・マクラクラン、ホセ・ファーラー、ポール・スミス、フランチェスカ・アニス etc…
映画『デューン 砂の惑星』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『デューン 砂の惑星』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『デューン 砂の惑星』のあらすじを紹介します。
人類が宇宙帝国を築きあげた遥か遠い未来。思考機械の反乱を鎮圧し特殊な精神世界を作り上げた人類は、大王皇帝、輸送を司る宇宙協会、土地を司る大公家連合の三つの勢力に分裂していた。大王皇帝シャッダム四世(ホセ・ファーラー)は、従弟のレト・アトレイデス公爵(ユルゲン・プロホノフ)に砂丘(デューン)として知られる砂漠の惑星アラキスを与える。アラキスは不老不死の薬が産出され、莫大な富を約束してくれる惑星だった。しかし皇帝は、アトレイデス家の敵ハルコネン家と結託し、大公家の社会で人気の高いレトを失脚させる手段を模索していた。
やがてアラキスに到着したレトのアトレイデス家は、医師のユエによる裏切りと、ハルコネン家が皇帝から援軍で送られたサルダウカー軍団の襲撃に合う。
ハルコネン男爵に捕えられたレト公爵は自害し、息子ポウル(カイル・マクラクラン)と公爵の妾妃でポウルの母、ジェシカ(フランチェスカ・アニス)は、命からがら砂漠へ逃げ延びた。二人はアラキスの原住民であるフレーメンに紛れ込む。フレーメンは恐るべし戦闘能力を持ち、その勢力を集結すればハルコネンに勝利できる。フレーメンの一員になる修行を積んだポウルは、生命の水によって未来を透視する能力を身につける。ジェシカが所属する宗教団体のベネ・ゲセリットが待ち望んでいた救世主はポウルだった。砂漠に生息する巨大な砂虫を操る術を身につけ、フレーメンから妻を迎えたポウルは、モアディブという称号を与えられ指導者となった。
映画『デューン 砂の惑星』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『デューン 砂の惑星』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
「イレイザー・ヘッド」や「エレファントマン」の空気感はそのまま
原作を読んでいないので内容自体は興味をそそられるものではなく、制作費が120億円という前触れもデビッド・リンチにそんなに金を持たさなくても、ちゃんと変態映画を撮るだろうとシナリオには期待せずに観たのだが、見事に変態映画を披露してくれたので安心した。変態の世界は説明できるものではないので、内容に関しての記述は割愛させていただき、下世話な話をさせていただくと、この映画に120億円も使わなくてはならなかった理由は正直ないだろう。20億、30億で作れと言ってもこの人なら同じレベルの映画しか作らないような気がしてならず、予算があるからやれることをやったという感じなのではないだろうか。
制作のラファエラ・デ・ラウレンティスの一族は、映画プロデューサーで資産家なのだろう。小説のイメージを撮れそうな監督としてデヴィッド・リンチを抜擢し、やらせてみたらどうなるかくらいにしか思ってなかったのではないか。リンチが最終決定権が監督になかったと語っているところにも、そんな妄想が膨らんでくるのだが、いかがであろうか。
並のイマジネーションを持たない人間の表現力を、金で推し量ろうとしても無駄なのである。例えれば、円山応挙が金屏風に絵を描こうが、紙の屏風に絵を描こうが応挙は応挙の画風にしかならないということである。
勘違いされ過ぎた気の毒な監督なのか
有名な話であるが、リンチは「スターウォーズ ジェダイの復讐」の監督をオファーされたことがあるという。しかしリンチばかりではなく色々な監督へオファーをしたというのが事実らしいが、多分ルーカスも映像技術で行き詰まりを感じていたという話なので、一度リンチのやり方で撮らせたらどうなるのかくらいの事は考えもしただろう。しかしスター・ウォーズは1と2がルーカスの手で撮られているわけなので、ルーカスの監修の下にというニュアンスだろうが、何故か宇宙に出てくる未知の生物とかも、リンチの手に掛かればマジックのように奇抜なアイデアが出てくると思われていないだろうか。そうだとしたら勘違いも甚だしい。ルーカスのイマジネーションと、リンチのイマジネーションは全く異質のものである。またまた例えれば、藤子不二夫と水木しげるくらい違うのであり、「ドラえもん」にネズミ男を登場させるようなものである。
本作は、西暦10191年という途方もなく遥か遠い未来の”あるスパイス”を巡る宇宙惑星内の争いを描いたフランク・ハーバートのSF長編小説『デューン』をデヴィッド・リンチ監督が映画化した作品。
様々なリメイク版があるが、本作は中でもリンチ独自のダークでグロテスクな変態的カルトの世界観となっている点は期待を裏切らない。
ストーリーは時間内にギュギュっと詰め込まれていて、奇抜な絵や素晴らしい音楽に痺れた。
そして、未来を舞台に描いていても、現実を感じさせる不思議さがあった。(女性 20代)
「デビッド・リンチ監督作品」に対する観客の期待を裏切るどころか大幅に超えてきた今作。彼らしい奇抜で変態的なコアなファン向けのストーリーになっていたのである意味安心して見られました。
SF小説が原作ということで、もっと綺麗な仕上がりになるのかと思っていましたが、リンチらしさは健在。スパイスのためにここまでするのか…と何をしているのか途中分からなくなり、更に聞き慣れない言葉が多すぎて混乱します。
2回3回と繰り返し見ることで面白さが分かる作品かなと思います。(女性 30代)
映画『デューン 砂の惑星』 まとめ
作品を「理解する」というストーリー性ありきの映画だと思えば、駄作と感じるかも知れない。映画にギミックばかり期待していては落胆してしまう場合もあり、SF作品だからと言って全てがスペースオペラとは限らない。自分なりにつまらないと感じればそれで良いし、面白いと思ったらより深く理解しようとする姿勢が、自分の中での作品価値を深めるのである。私には理解出来ませんでしたと言って笑ってみせるのも粋というものだ。
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