映画『エル・マリアッチ』の概要:「エル・マリアッチ」(El Mariachi)は、1992年制作のアメリカ・メキシコ映画。製作・監督は「スパイキッズ」のロバート・ロドリゲス。共同製作兼主演は「グラインドハウス」のカルロス・ガラルドー。
映画『エル・マリアッチ』 作品情報
- 製作年:1992年
- 上映時間:80分
- ジャンル:アクション
- 監督:ロバート・ロドリゲス
- キャスト:カルロス・ガラルドー、コンスエロ・ゴメス、ジェイム・デ・ホヨス、ピーター・マルカルド etc
映画『エル・マリアッチ』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『エル・マリアッチ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『エル・マリアッチ』のあらすじを紹介します。
メキシコのさびれた小さな町アクーナがあった。町はずれの刑務所ではアスールが、昔の仲間モーリシオが脱獄の手引きをしてくれるのを待っていた。しかし、手下が押し寄せ、暗殺を企んでいたことを知ったアスール。さらにモーリシオが盗んだ金をひとり占めしようとしていることも知り、報復を決意する。
脱獄したアスールはギターケースにマシンガンを入れ、黒服に身を包む。恐れたモーリシオは町中にアスールを探し出すよう指令を出す。
一方、黒いギターケースを抱えたマリアッチ=歌手(カルロス・ガラルドー)がいた。流しの歌手である彼はついていない日だ。ヒッチハイクの車もありつけず、歩きながらアクーナにたどり着く。歌う場所を探しにいくつかバーを訪れたが、やはり断られてしまった。
しかたなくマリアッチはホテルにチェックインするが、フロントはギターケースを抱えて黒服の彼をアスールと勘違いしてしまう。密告を受けたモーリシオは部下達をホテルへ向かわせ、マリアッチを襲撃。マリアッチは逃げるため、4人もの部下を逆に殺してしまう。
モーリシオに狙われ、逃げるあてが無いマリアッチ。あるバーに再び立ち寄り、女性経営者のドミノに事情を打ち明ける。最初は疑ったドミノだが、マリアッチが本当の歌手であることを知り、かくまうことにする。一緒に過ごすうちに少しずつお互いを理解し始めるマリアッチとドミノ。
ある日、ドミノのバーにアスールが現れる。ケースを取り違えたことにより、さらに勘違いされたマリアッチ。
マリアッチの運命の輪が回り始める…。
映画『エル・マリアッチ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『エル・マリアッチ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
マリアッチ三部作の記念すべきスタート作品
今作の大ヒットにより、マリアッチ三部作が作られることになる記念すべき作品。
歌手がアクションを繰り広げる。そんな主人公が世界で大喝采を受けたのだ。
ストーリー自体は非常にシンプルだ。勘違いされた売れない歌手(マリアッチ)が抗争に巻き込まれる。勘違いした殺し屋相手に生身のアクションで逃走を始め、さらに窮地に立たされるマリアッチ。
観客はそんなバカなと思いつつ、いつの間にかマリアッチの活躍に引き込まれてしまう。
登場するキャラクターが少ないが、かえってシンプルで楽しめる作品となっている。
続編もマリアッチの活躍は変わらないので、安心して観て頂きたい。
超低予算映画で世界に羽ばたいたロドリゲス監督デビュー作
7000ドルの低予算ながら、200万ドル以上の興行収入をあげた驚異的作品である。
1993年度サンダンス・フィルム・フェスティヴァル観客賞を受賞し、ロドリゲスの名前は世界中で注目の的となった。
元々メキシコのホームビデオ用に製作された今作は、予算がなくてロドリゲス自身が借金やアルバイト収入をつぎ込んだと後に語っている。撮影に使った現場費用はなんと600ドル!
どのくらい予算が厳しいかというと、ドリーがなくて、近所の病院から借りた車いすで撮影したり、250Wの電球二つで照明をまかなったり。友人を総動員して出演料は基本ノーギャラ。実は何役もやっているキャストもいるらしいので、是非探してみて欲しい。DVDの解説音声では監督の様々な裏話が聞けるのでおすすめだ。費用のかかる銃撃シーンも解説を聞くと、編集技術でいかに工夫したのかを知ることができる。
ハリウッド作品のような派手なシーンが撮れないことを逆手に取り、カット割りや編集など演出のアイデアで世界を魅了する作品を作り上げたロドリゲス。
インディーズ映画で画面が粗い部分は多いものの、テンポある画面構成で魅力的な作品となっている。
知れば知るほど出演者と製作陣の熱意が伝わってくる作品だ。
完全に見る順番を間違えてしまったこのシリーズ。サングラスをしたジョニーデップに惹かれて『レジェンド・オブ・メキシコ』を最初に見てしまったのでマリアッチの魅力をそれほど強く感じることはありませんでした。しかし、今作が1作目だと知り見直し。
2作目からはマリアッチを演じるのがアントニオ・バンデラスになりますが、あまり費用をかけられなかったインディーズ作品のこちらは、良い意味で派手なシーンが少なく、ただの歌手だったマリアッチがギャングの抗争に巻き込まれてしまうストーリーを描いているので、とてもシンプルで見やすかったです。
ロバート・ロドリゲスのデビュー作ということですが、この作品のヒットによって様々な作品が誕生したのだと思うと特別な気持ちを感じました。(女性 30代)
映画『エル・マリアッチ』 まとめ
インディーズ映画の傑作である。
高額な製作費がなくても、面白い映画が作れることを今作が証明している。
ギャングの抗争に巻き込まれる歌手(マリアッチ)。ただそれだけのストーリーだが、最後まで楽しめるのは素晴らしいアイデアいっぱいの演出がなせる技である。
ロドリゲスのセンスある技術を各場面で見ることができる。
ただ、予知夢のシーンは少しテンポを落としてしまっている。そこだけが唯一残念なところだ。
続編ではマリアッチ役をアントニオ・バンデラスが引き継ぎ、さらなる活躍をする。 またサルマ・ハエック、スティーブ・ブシュミ、そしてロドリゲスの大親友クエンティン・タランティーノなど多彩な出演者が登場しているので、こちらも是非ご鑑賞いただきたい。
今作を観た後だと、面白さが倍増だ。
ロドリゲスのスタート地点であり、超低予算で最大限の面白さを引き出した作品である。
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