この記事では、映画『エンダーのゲーム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『エンダーのゲーム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『エンダーのゲーム』の作品情報

上映時間:114分
ジャンル:SF、アクション
監督:ギャヴィン・フッド
キャスト:エイサ・バターフィールド、ハリソン・フォード、ベン・キングズレー、ヴィオラ・デイヴィス etc
映画『エンダーのゲーム』の登場人物(キャスト)
- アンドリュー・“エンダー”・ウィッギン(エイサ・バターフィールド)
- 国際艦隊の指揮官候補生として選ばれた少年。3人兄弟の末っ子だが、第3子は非常にまれな存在である。優秀で頭が良く、暴力性と優しさも併せ持つ。
- グラッフ大佐(ハリソン・フォード)
- エンダーをスカウトした国際艦隊の大佐。エンダーの能力にほれ込んでいる。
- ペトラ(ヘイリー・スタインフェルド)
- エンダーと一緒に訓練をすることになった先輩候補生。チームリーダーから仲間はずれにされるエンダーに優しく接する。射撃の腕はピカ一。
- メイザー・ラッカム(ベン・キングズレー)
- 50年前にフォーミックが地球を襲った際に、彼らを打ち負かし地球を救った英雄指揮官。世間一般には死んだとされていた。顔に入れ墨がある。
- ヴァレンタイン(アビゲイル・ブレスリン)
- エンダーの姉。優しすぎたため候補生から外された。エンダーの良き相談相手。
- ボンソー(モイセス・アリアス)
- エンダーが属することになった訓練チームのリーダー。エンダーを邪魔者扱いし、仲間外れにする。
映画『エンダーのゲーム』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『エンダーのゲーム』のあらすじ【起】
50年前。地球外生命体のフォーミックが地球を襲い、数千万人が死亡した。指揮官のメイザー・ラッカムはその命を賭してフォーミックの母船を撃破、人類をフォーミックの襲撃から救った。以来、国際艦隊は次の襲撃に備え、子供達の中から指揮官候補生を選び訓練することに力を入れる。ゲーム育ちの彼らは、敵への攻撃に最適と考えられたのだ。
地球の学校に通うエンダーは優秀な少年で、指揮官候補生に選ばれることを願っていた。そんな彼にモニターから熱い視線を送る男がいた。国際艦隊のグラッフ大佐だ。ある日エンダーは、候補者に付けられる首のモニターを外される。落第してしまったと考えたエンダーは、落ち込み実家に帰る。実家のニュースでは、フォーミックの母星には前回襲撃の10倍規模の艦隊がいると告げていた。グラッフ大佐が家を訪ね、モニターを外したのは最終テストだったと打ち明ける。エンダーは指揮官候補生に選ばれたのだ。エンダーはグラッフ大佐と共に、宇宙の訓練基地へ向かう。
映画『エンダーのゲーム』のあらすじ【承】
優秀なエンダーは、早々に同期生から孤立してしまう。新入生の彼らは、まだ指揮官候補生ではなかった。指揮官養成基地には落第する上級生が何名かおり、優秀な新入生は指揮官候補生としてその基地に進むことができるのだと言う。家族との連絡が遮断された環境で、エンダー達はさまざまな厳しい訓練を受ける。エンダーは同期生のバーナードが他の同期アンバーをからかったのに対し仕返しをする。それ以来、エンダーは他の同期生に受け入れられるようになった。
エンダーは指揮官候補生に昇格することとなった。指揮官養成基地では、候補生達がいくつかのチームに分けられ、リーダーの指揮の元チーム戦の訓練を行っていた。エンダーの入ったチームのリーダー・ボンソーは、エンダーを邪魔者扱いし、チーム戦でも入口から動かないようにと意地悪な指示をする。チームの紅一点・ペトラはエンダーに優しく、自由時間を使ってエンダーに訓練をしてくれた。ペトラの無重力空間内での的確な射撃技術を、エンダーも習得していく。
チーム戦で、エンダーはボンソーの命令を無視して戦いに参加、大活躍する。グラッフ大佐も満足げだ。
エンダーはタブレットで心理ゲームをしていた。すると昆虫のような謎の生物が現れ、廃墟の中へ進むと球体内に姉がいるという映像が出て来た。ゲームはエンダーの内面を反映しているのだが、エンダーには意味がわからなかった。
映画『エンダーのゲーム』のあらすじ【転】
グラッフ大佐がエンダーを呼び出した。優秀だが指揮官(ボンソー)に反抗的なエンダーに、グラッフ大佐は新チームのリーダーをしてみないかと持ちかける。はみ出し者だが能力のある者達を集めたドラゴン隊だ。メンバーには同期のアンバーやバーナードもいた。
ドラゴン隊は急な訓練を命じられる。しかも障害物の多い中で2チームを相手に戦うことになった。けがをしたメンバーの代わりにペトラも加入し、訓練が始まった。結果はエンダーの作戦勝ちだった。
ボンソーにケンカをふっかけられて重傷を負わせてしまったエンダーは、自ら候補生を辞めると言い出した。グラッフ大佐は、彼の理解者である姉のヴァレンタインに説得させる。エンダーは再び訓練に戻る決意をし、フォーミック母星に近い星に作られた基地で最終テストを受けることとなった。
グラッフ大佐と共に基地に着いたエンダーは、死んだと思われていたラッカム元指揮官に出会う。公にはされていなかったが、中核となる女王を倒せば他のフォーミックの船も機能を停止するようだ。基地にはドラゴン隊のメンバーも来ていた。ドラゴン隊はより実戦に近いシミュレーション訓練を行う。ペトラが高威力の破壊砲「リトルドクター」を担当する。
映画『エンダーのゲーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
国際艦隊の提督も合流し、最終テストが始まった。エンダーはメンバーの指揮をとる。エンダーは輸送艦を犠牲にし、発射準備中の「リトルドクター」護衛に無人機すべてを投入する。エンダーの狙いはフォーミックの艦隊ではなく、母星そのものだった。ぎりぎりまで母星に近づいた「リトルドクター」は、破壊砲を発射する。攻撃を受け、フォーミック母星は壊滅状態となった。
「ゲームクリアだ」と喜ぶドラゴン隊だったが、上層部の様子がおかしい。しかもシミュレーションは終わったはずなのに、画面にはまだ死の惑星となったフォーミック母星が映し出されていた。グラッフ大佐達は、「戦争に勝った」とエンダーに感謝する。これは今までのシミュレーションとは違い、現実の戦争だったのだ。もし真実を知っていれば、輸送艦の人々を死なせずに済んだかもしれない、敵は対話する気だったかもしれないと、エンダーは後悔する。
その夜、エンダーは心理ゲームと同じ夢を見た。エンダーはそれがフォーミックの女王からのテレパシーだったのではと気づき、夢で見たのと同じ廃墟を見つけ出す。そこにはフォーミックの女王がいた。彼女は余命わずかで、次の女王をエンダーに託す。
指揮官となったエンダーは、その権力を使って、フォーミック達が新たに生きていける星を探す旅に出るのだった。
映画『エンダーのゲーム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ゲーム世代の子供達が、フォーミックという地球外生命体と対峙するという内容のSF映画である。ハリーポッターやスパイキッズなどの子供が活躍する作品は、やはり子供らしさというものを盛り込んでいるのだが、本作品はあまりそれが観られない印象である。しかし、ゲームに熱中する子供達の性質を利用し、事実を隠して地球外生命体を滅亡させようとする大人達の策略と、事実を知った時のエンダーの行動は考えさせられるものがあった。(男性 30代)
作家オースン・スコット・カードが1985年に発表した同名SF小説が原作となっており、長い時を経て2013年に映画化が叶った。作中は基本的に指揮官を育成するスクールが中心となって物語が展開していく。子供達がシューティングゲームに夢中になる気持ちも理解できるし、その集中力を上手く利用し侵略者を撃破しようとする大人達の目論見はある意味素晴らしい。だが、終盤にて最終テストだと思っていた戦いが、まさか現実であるなど考えにも及ばない。この展開は驚愕したし、現実だと分かった時の主人公の懊悩は当たり前のことだとも思う。現実ではなくゲームだからこそ熱中できるのであって、現実だったらと考えると恐ろしいことである。ラストシーンでの主人公の選択は正しかったと思う。(女性 40代)
タイトルはダサいですが、意外と面白くて私は好きな作品です。戦争の指揮を執る人間を「教育」する世界。ゲームのように簡単に、躊躇無く人を殺すことが出来る子供が「候補者」として選ばれます。
優しさと暴力的な面を併せ持つ主人公エンダー。彼の成長と「戦争」に対する心の葛藤が美しい映像を用いて描かれていました。
エンダーをスカウトするグラッフ大佐を演じるのはハリソン・フォード。彼が出ているだけで一気に迫力が増し、とても豪華な作品になっています。(女性 30代)
ラストで“ゲーム”が実は実戦だったと明かされる瞬間、息をのんだ。エンダーが自らの手で大量虐殺をしていたという事実は衝撃的であり、彼の純粋な正義感が利用されていた構図が胸をえぐる。天才ゆえに孤立し、軍の道具にされる少年の悲劇――まさに現代社会の縮図。CGの完成度も高く、無重力バトルの演出は圧巻。ハリソン・フォードの冷徹な司令官役も印象的で、ラストの余韻が強烈に残るSFドラマだった。(20代 男性)
一見SFアクション映画のようでいて、実は倫理と教育の物語。子供たちを戦争の駒にするという設定が、どこか現実の世界にも通じる皮肉を感じさせた。エンダーの優秀さと孤独、そして最後の決断に至るまでの葛藤が丁寧に描かれていて、ただの戦闘映画では終わらない。特に、彼が“敵”である異星種族の真意を知り、涙するシーンには深い悲しみがあった。SF好きだけでなく哲学的映画が好きな人にも刺さる作品。(30代 女性)
ラストのどんでん返しに心底驚いた。訓練だと思っていた戦闘が現実で、エンダーが英雄ではなく大量殺戮者にされていたという構成が見事。子どもが兵士として利用されることの恐ろしさが、無機質なSF世界の中でリアルに描かれていた。ハイテクな映像美と冷たい色調が作品全体の緊張感を高めている。最終的にエンダーが“敵”の卵を守る決意をするシーンが、人間としての良心を取り戻す象徴だった。(40代 男性)
子どもが主人公なのに、内容はとても重く、深く考えさせられる映画だった。エンダーは他の訓練生と違って“勝つため”ではなく“理解するため”に戦う。その優しさが最後に残酷な真実として裏切られる構成が切ない。ハリソン・フォード演じるグラッフ大佐が象徴する“効率的な戦争倫理”も不気味。映像と音楽が壮大で、エンダーの心情が静かに伝わってくる。ラストの余韻が長く残る知的SF映画。(20代 女性)
『エンダーのゲーム』はSFの形を借りた“人間教育の暴力”を描いた作品。天才的な少年が、知らぬ間に人類の“兵器”として育てられる過程は、観ていて痛々しい。無重力訓練シーンの映像は圧巻で、戦略ゲームのような冷たい世界観が見事に再現されている。終盤で、エンダーが敵を滅ぼした後に泣き崩れる場面が、彼の純粋さと戦争の罪深さを象徴していた。考えさせられるSF映画の傑作。(30代 男性)
エンダーの頭脳戦がすごくスリリングで、訓練シーンは息をのむ面白さだった。しかし、全てが“訓練”ではなく“現実”だったという展開はあまりに残酷。才能と倫理の狭間で揺れる少年の姿が切なすぎる。戦争をゲームのように扱う大人たちへの批判も強く感じた。ハリソン・フォードとベン・キングズレーの演技も深みを与えており、ラストの“贖罪の旅”は心に沁みる。静かなラストが印象に残った。(40代 女性)
終盤まで“ゲームの延長”だと思っていたので、現実の大量破壊だと分かった瞬間に衝撃を受けた。少年たちが兵器にされる設定がリアルすぎて、戦争の恐怖をまざまざと感じた。エンダーはただの英雄ではなく、“罪を背負う者”として描かれるのが良い。視覚的にも完成度が高く、特に無重力バトルの演出は新鮮。映像の美しさと道徳的テーマが共存する、稀有なSF作品だと思う。(50代 男性)
映画『エンダーのゲーム』を見た人におすすめの映画5選
オブリビオン(原題:Oblivion)
この映画を一言で表すと?
美しすぎる荒廃世界で、人間の記憶と真実をめぐる壮大なSFミステリー。
どんな話?
地球が滅びた後の未来。人類を守るために任務をこなしていたドローン整備士ジャックは、自分の記憶に違和感を覚え始める。やがて彼は「自分が誰なのか」「何のために生きているのか」という驚愕の真実に直面する――。
ここがおすすめ!
『エンダーのゲーム』同様、“人間の正義とは何か”を問う哲学的SF。トム・クルーズの孤独な演技と、圧倒的に美しい映像世界が融合。終盤の真実の明かされ方が見事で、観終わった後に深い余韻が残る。
インターステラー(原題:Interstellar)
この映画を一言で表すと?
“愛”をも科学で超える、壮大な時空を超えた人間ドラマ。
どんな話?
地球の環境崩壊が進む中、元パイロットのクーパーは人類を救うため宇宙探査の旅へ出る。時間と重力を超えた冒険の果てに、彼が見つけるのは「家族」と「人間の愛」の力だった。
ここがおすすめ!
『エンダーのゲーム』と同じく、“使命”と“人間らしさ”の葛藤を描くSF超大作。圧倒的なスケールで描かれる宇宙と、父娘の愛の物語が融合した名作。SFでありながら、観る者の心を深く揺さぶる。
エリジウム(原題:Elysium)
この映画を一言で表すと?
未来社会の格差を描く、痛烈な社会派SFアクション。
どんな話?
貧困にあえぐ地球と、富裕層が住む宇宙ステーション“エリジウム”――二極化した未来世界で、死を宣告された男マックスは、平等を取り戻すために決死の戦いに挑む。
ここがおすすめ!
『エンダーのゲーム』が描く“人間の支配構造”をより現実的に描いた作品。マット・デイモンの熱演と、ニール・ブロムカンプ監督による社会風刺的な世界観が見事。アクションと思想が見事に融合したSF映画。
ギヴァー 記憶を注ぐ者(原題:The Giver)
この映画を一言で表すと?
「感情を持たない完璧な世界」に疑問を抱く少年の、自由への目覚めの物語。
どんな話?
戦争も苦しみも存在しない“管理された社会”。すべての感情が排除された世界で、若者ジョナスは“過去の記憶”を託される。やがて彼は、人間らしく生きることの意味を知り、世界の真実に立ち向かう。
ここがおすすめ!
『エンダーのゲーム』と共通するのは、“純粋な心が世界の欺瞞を暴く”構図。若者が抑圧された社会に抗う姿が胸を打つ。映像美と静かな感情描写が印象的な哲学系SF映画。
コードネーム U.N.C.L.E.(原題:The Man from U.N.C.L.E.)
この映画を一言で表すと?
知略とスタイルがぶつかる、知的で華やかなスパイアクション。
どんな話?
冷戦時代、宿敵同士のCIAとKGBのエージェントが、核兵器開発を阻止するために協力することになる。対立しながらも互いを認め合う二人の関係が、物語にユーモアと深みを与える。
ここがおすすめ!
『エンダーのゲーム』で魅力を放ったエイサ・バターフィールドの知的キャラクターが好きな人におすすめ。スタイリッシュな映像と、軽妙なテンポで描かれる心理戦が心地よい。知的エンタメの傑作。






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