映画『エターナル・サンシャイン』の概要:最愛の人クレメンタインを失ったジョエルは自分の記憶から恋人を消す事にした。消して行くうちによみがえる美しい愛の思い出たち。不思議な映像が恋人達を彩る新感覚ラブストーリー。
映画『エターナル・サンシャイン』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー
監督:ミシェル・ゴンドリー
キャスト:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、マーク・ラファロ etc
映画『エターナル・サンシャイン』の登場人物(キャスト)
- ジョエル(ジム・キャリー)
- 職場と自宅の往復ばかりで、つまらない男。恋人に振られたショックで狂いそうになる。記憶を消す事によって自分の心を救おうとする。
- クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)
- 気まぐれで不安定な心を持つ。髪の色を気分で何度も変える。服装も派手で、さみしさに耐えられず、ついつい男と寝てしまう。
- パトリック(イライジャ・ウッド)
- クレメンタインの記憶を消したときに一目惚れをした。彼女の記憶を操作し、自分と付き合うようにしむける。ストーカー的存在。
映画『エターナル・サンシャイン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【起】
ジョエル(ジム・キャリー)は会社を仮病で休んだ。さぼって海を散歩する。寒いのでカフェで一休みしながら、日記を書く。髪の青い女性クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)がコーヒーの中に酒を入れていた。さっき海にいた女性だ。電車に乗っていると話しかけて来た。積極的で変わり者、そしてよくしゃべる。気まぐれな彼女のことはちょっと苦手だった。彼女はよく行く書店でアルバイトをしているらしい。
押しの強い彼女に負けて、家に上がりお酒を飲んだ。奥手な自分が女の子に電話している。退屈な日常が変わりはじめた。
クレメンタインが部屋に寝かせてほしいと言った。それをすんなりOKする。車の中で心の準備をしていると、男がドアをノックした。なにか困った事はないか?彼の質問の意図がわからない。謎の男はそれだけ言って消えた。
ジョエルは車で死ぬほど涙を流した。新しいパジャマを買って薬を飲む。床に倒れ込むジョエル。そこに男が2人部屋に侵入して来た。
友人の元にジョエルが錯乱して現われた。書店にプレゼントを渡しに行くと、知らない男とキスしていたクレメンタイン。友人はジョエルに手紙を渡した。彼との過去を話さぬようにクレメンタインの記憶を消去したと、書いてあった。差出人はラクーナ社。

映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【承】
ラクーナ社でクレメンタインについて質問する。なぜ彼女は記憶を消してしまったのだろうか。彼女を失ったショックで狂いそうなジョエルはラクーナ社に相談した。まず自分の部屋からクレメンタインのものを集めて持ってくる事。ジョエルもクレメンタインの記憶を消去することを決めた。
装置をつけて記憶を消去する。なにかが変だ。記憶をさかのぼる。
クレメンタインは深夜に酔っぱらって帰って来た。飲酒運転をして、彼の車をぶつけた。髪はオレンジにカラーリングされている。男と寝たんだろ?その言葉に怒って鍵を突き返し、部屋を飛び出してしまう。
2人で町中をデートしていると可愛い赤ちゃんがいた。クレメンタインは赤ちゃんが欲しいといいはじめた。またいつもの気まぐれだ。ジョエルが気のない返事をするとクレメンタインが怒り始めた。人目もはばからず驚くような汚い言葉で罵倒する。記憶から早く消えてくれ。
寝ている横でクレメンタインがしゃべる。眠りたいのに眠らせてくれない。会話もなく食事を食べる。彼女は酔っぱらうと絡んでくる。記憶から早く消えてくれ。
どんどん記憶をさかのぼって行く。出会った時に着ていたオレンジ色のパーカー。同じ色に髪を染めていた。
映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【転】
車のドアをノックした謎の男パトリック(イライジャ・ウッド)。今のクレメンタインの彼氏で、ラクーナ社の記憶消去スタッフだ。ジョエルが渡すはずのプレゼントを渡した。
凍った湖の上で愛を語った思い出。最高に幸せで、もう死んでもいいと思った。この記憶だけは消さないでほしい。ジョエルの気持ちは変わり、走り出した。
夢の中でクレメンタインが起きればいいのにと言った。一瞬目覚めると頭に大きい機械をつけてラクーナ社の人間が見えた。私の記憶を消さない為に私がいない記憶に連れてって。幼少期振ってくる雨を飲んだ。部屋の中雨が降る。
ラクーナ社のスタッフが裸で抱き合っていた。警告音が鳴り、消去が止まった。このままではまずい。彼が記憶図から消え、戻って来れない。
幼少期の記憶の中、ジョエルはパトリックの秘密を暴露した。パトリックは記憶の消去中、クレメンタインに一目惚れをし、記憶を操作して自分の彼女にしてしまった。下着を盗んだりしていたのも彼だ。
映画『エターナル・サンシャイン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョエルの部屋にドクターが現われた。緊急事態に注射を打つ。ドクターがパソコンを操作しはじめた。記憶の中で車が、本棚が、いろんなものが消えて行く。私を記憶のもっと奥に隠して。ベッドごと海岸にいた。
クッションを押当てられて気絶したふりをするジョエル。一面雪の海岸で追いかけっこ。雪の中オレンジの髪が綺麗だ。雪だらけになりながらじゃれあう。
陰りなき祈りは運命を動かす。ラクーナ社のスタッフがつぶやいた。感動するドクター。若い女性スタッフとドクターはキスをした。その姿を追いかけて来た妻が見てしまう。妻は女性スタッフを笑う。その女性スタッフは過去ドクターと不倫していて、記憶を消されていた。
本屋でジョエルはクレメンタインを再び口説く。またやり直せたら。ジョエルはクレメンタインがいれば他はなにもいらない。
知らない人の家に侵入するジョエルとクレメンタイン。空き家みたいだ。ここに住みましょう。お酒を勝手に飲もうとする。家に海水が浸入して来た。家が崩れて行く。たくさん抱き合った、たくさん笑った。いろんなところにも行ったし心から愛していた。空想と現実のイメージが入り組んで不思議な世界が広がる。
ある日、ラクーナ社からテープが届いた。あなたの記憶を消しました。これはその一部です。ジョエルの記憶を消してほしいという声が吹き込まれた音声テープ。怒鳴って車から追い出した。ジョエルにもテープが届いていた。髪の色を罵倒する音声テープ。彼女は絶えられず家を飛び出す。
2人はお互いを求め、追いかけた。付き合っていればいろんなことがある。それは愛し合っているからだ。
映画『エターナル・サンシャイン』の感想・評価・レビュー
とても大好きな映画です。オタクな青年が人を惹きつける魅力的なクレメンタインに惹かれるのもとても自然で、2人の心が離れていく過程もリアル、また、衝動的に相手の記憶を消そうとしてしまうが、やはり忘れたくないともがく姿もファンタジーでありながらとても共感を覚えました。また、記憶が消えていく際の映像も独創的であり、そうした映像もとても楽しめる作品です。個人的に、死んだふりをするのに無視をされるジョエルのシーン、そしてそれでも恋をするのだと宣言するかのようなラストシーンが大好きです。(男性 20代)
コミカルな演技が印象的なジム・キャリーの新たな一面が見られる作品。記憶除去手術の過程で、ジョエルが本当にクレメンタインのことを愛していることが伝わってきて切なくなった。きっとどんなに悲しくとも、愛する人の記憶は安易に消してはいけないのだと思う。
クレメンタインの記憶を勝手に書き換えたパトリックが、気持ち悪くて仕方がなかった。ハッピーエンドで終わって本当に良かったと思う。記憶は消せても、思いは心の中に残るのだなと感じた。(女性 30代)
まず一言、こんなジム・キャリーを見たことない。コメディ俳優の代名詞である顔が眺めでより目で愛嬌のある動きをするジムはどこに、と驚いてしまった。彼は、コメディしか出来ないと思っていた自分自身を怒りたい。
さて、映画はというと、クスッと笑えて、しっかり考えさせてくれた。嫌な記憶を消せたら便利かもしれない、でも、それも含めて自分の人生であるはずで、だからこそ、やり直そうともがく二人がとても愛おしく感じる。
また同じ結末になるかもしれない、それでも、前に進むジョエルの姿は素晴らしい。(女性 20代)
いつものコメディ俳優らしさが封印された、ジム・キャリーの恋愛映画。ストーリーについては、私自身はあまり納得することが出来ませんでした。消したい記憶は誰にでもあるけれど、その記憶を消すことは果たして自分にとって良いものなのか?と考えさせられます。この2人に関しても、お互い記憶を消し合っているものの、また恋に落ちるのであればまた同じ失敗を繰り返すんじゃないか…と思ってしまいます。それがロマンチック、という趣旨の映画なのだと思いますが、少し蟠りが残ってしまいました。(女性 20代)
コメディ俳優のイメージが定着しているジム・キャリーが魅せる、純愛ストーリーなのですが、初見ではいまいち話が掴めなかったです。意味がわからない、というよりは、不思議な感覚になりました。映像や展開が独特な雰囲気を持っています。浮遊感のあるパラレルワールドのような感覚でした。‘記憶’がテーマになっている映画は数あれど、ここまで深く著した作品は無いと思います。(女性 20代)
恋人だったはずの彼女が、自分との記憶を全て消し去ってしまったという事実を知ってショックを受けるジョエル。そして自分も記憶を消去する手術を受けることを決意する、決めて手術に挑んだものの、彼女への想いの強さに気づいてしまった。それでももう遅いのだ。恋愛に伴う喜び、悲しみ、高揚感、苦しみ、全ての感情を記憶と共に味わい尽くしていく。この映画一つで、恋愛を0から100まで楽しめる。甘くも切ない思い出にどう別れを告げるのか。切なさが残る作品だ。(女性 30代)
もし、この世界でも彼らと同じように記憶を消せるのなら、私はそれを選ぶだろうか。記憶を失くしてしまいたくなるほどの失恋をしたことがある人にとっては、その記憶をなかったことにできるなんて救いだろう。しかし、その痛みの大切さをこの映画に教えてもらったと思う。
私がこの映画を初めて見た時、失恋はおろかまともに恋をしたことがなかったのだが、恋愛を一通り経験した今改めて見ると、登場人物みんなの気持ちが痛いほどわかる。たまに見返したくなる大切な作品。(女性 20代)
シリアスな恋愛ものに出ているジム・キャリーを観たら、彼の演技力が素晴らしいことが分かります。
初回鑑賞では時間軸が分かりづらいですが、色彩の美しさに引き込まれます。映画と言うよりアートですね。相手の記憶を消すという前情報だけ入れて観るとかなり予想を裏切られる作品です。綺麗事の恋愛ではなく、恋愛の原点をしっかり描いています。
ヒロインのウィンスレットも髪色は奇抜ですが安定の演技です。脇役にイライジャ・ウッドがいたり、キルスティン・ダンストがいたりと豪華なのでそこも楽しめます。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
この映画の存在自体は公開当時から知ってはいたのですが、鑑賞するまでに至らず。この度外人の友達の勧めで鑑賞。
語りつくされているかもしれませんが、とにもかくにも脚本が上手い。
ここまで見事な構成で、なおかつ、恋愛ものとしても十分見れるという、なかなかない異色の組み合わせで、新鮮でした。
なおかつ、時系列のせいもあり、伏線を回収したくなり、何回か観てしまう、そしてそのうちに、1回目では何気なく見過ごしていた、ジョエルやクレメンタインのセリフに、心打たれてしまう。
製作者によって意図的にそのように作られている。
ラストもこれから、本当に上手くいくかどうかも分からないままなんですが、それでも爽やかに終われている、着地の仕方もグッド。
良い作品でした。
冒頭のシーンに戻っていく展開。時間軸の交錯するストーリーは一度で理解するのは難しく、しかしもっと知りたいと何度も見てしまう大好きな作品です。
ジム・キャリーにケイト・ウィンスレット、イライジャ・ウッドにマーク・ラファロ。豪華なキャストに彩られたこの純粋で美しい「ラブストーリー」は誰しもが経験したことのある、恋愛の喜怒哀楽を全て感じられる作品でした。
ケイト・ウィンスレット演じるクレメンタインのキャラクターが本当に可愛くて、自由で愛おしくなります。「幸せ」の価値を知ってしまうと「悲しみ」もそれと同じくらい重いものになってしまうのだと気づきました。
時間軸を巧みに使った構成が革新的で、何度も見返したくなる作品である。
恋愛映画だがSF的な要素もあり、記憶が消されていくシーンは、まるで夢を見ている時の映像のようでとてもリアルだ。
また、ヒロインの髪色の変化にも注目してほしい。時系列を追う手掛かりであり、二人の関係性や心情の変化が表現されている。
ラストは、記憶を消されてもまた結ばれるという展開がロマンチックである。
恋人とケンカをした時は、この映画を観るといい。きっとお互いの存在を考え直すきっかけになるだろう。
①お洒落なPVのような異色作品
脚本自体がエキセントリックな作品である。
全体的にカラフルな絵が印象的な映画で、要所要所に1枚の絵画が差し込まれているようなアートな雰囲気をかもし出している。
特にヒロインのケイト・ウィンスレットの髪の毛の色にも注目で、奇抜なカラーリングがより映画にマッチしていて面白い。
元々PVを専門にしている監督だったようで、記憶を消すという変わり種の脚本に合わせた異色な演出が魅力的である。
②テーマが深い娯楽作品
嫌なことを消す記憶抹消のビジネス。
世にも奇妙な物語でもありそうな面白い内容の映画であるが、意外にも奥が深い。
というのも、ただ記憶を消すだけではなく心にある潜在的な記憶といえば良いのか、何度出会ってもやはり恋に落ちてしまうというテーマがポイントなのだ。
記憶を消していく途中にも手術中の頭の中で、消される施術から記憶が逃げていくシーンがある。
どんなに喧嘩した嫌な思いでも愛している人との喧嘩なら愛しく大事な思い出なのだ。
それを消さないで欲しいと願うのは、本当に記憶を消される恐怖がせまっている時だけ。
ここで始めて全てが大事なのだと気づくのである。
そして、何もないまっ皿な状態であったにも関わらず再び気になり、恋に落ちていく。
この人が好きなのだと心が感じるというロマンティックな物語なのである。
③ジム・キャリーの真剣な表情を堪能できる映画
人気コメディアンとして有名なジム。
出演した映画もコミカルな役どころが多かった、しかし本作品では真面目な恋愛作品の主人公ということで普段中々目にすることができないジムの姿が印象的だ。
こんなに演技がまかったのかと感心してしまうほどである。
意外な一面に思わずキュンとしてしまう女性ファンも多いかも。
お洒落な映画に認定されている映画は世の中にたくさんあるが、内容もきちんと評価されているものは中々ない。
雰囲気お洒落なものが実は多いからだ。
しかし本作品は脚本に、演出ともにしっかりしていて内容も非常に楽しめるものになっている。
またジム・キャリーが主役ということもあり、コミカルなものを想像してみると意外にもシリアスで真面目な彼の演技を見ることが出来る。
最初から最後までハイセンスな作品であり、これこそがアーティスティックな娯楽作品という仕上がりになっているおすすめの1本である。
いつもの映画に飽きて何か変わった面白いものを観たいとおもうのなら、ぜひこの映画などはいかかだろう。