この記事では、映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
映画『エターナル・サンシャイン』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2004年 |
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上映時間 | 107分 |
ジャンル | ロマンス コメディ |
監督 | ミシェル・ゴンドリー |
キャスト | ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット キルステン・ダンスト マーク・ラファロ |
製作国 | アメリカ |
映画『エターナル・サンシャイン』の登場人物(キャスト)
- ジョエル(ジム・キャリー)
- 職場と自宅の往復ばかりで、つまらない男。恋人に振られたショックで狂いそうになる。記憶を消す事によって自分の心を救おうとする。
- クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)
- 気まぐれで不安定な心を持つ。髪の色を気分で何度も変える。服装も派手で、さみしさに耐えられず、ついつい男と寝てしまう。
- パトリック(イライジャ・ウッド)
- クレメンタインの記憶を消したときに一目惚れをした。彼女の記憶を操作し、自分と付き合うようにしむける。ストーカー的存在。
映画『エターナル・サンシャイン』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【起】
ジョエル(ジム・キャリー)は会社を仮病で休んだ。さぼって海を散歩する。寒いのでカフェで一休みしながら、日記を書く。髪の青い女性クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)がコーヒーの中に酒を入れていた。さっき海にいた女性だ。電車に乗っていると話しかけて来た。積極的で変わり者、そしてよくしゃべる。気まぐれな彼女のことはちょっと苦手だった。彼女はよく行く書店でアルバイトをしているらしい。
押しの強い彼女に負けて、家に上がりお酒を飲んだ。奥手な自分が女の子に電話している。退屈な日常が変わりはじめた。
クレメンタインが部屋に寝かせてほしいと言った。それをすんなりOKする。車の中で心の準備をしていると、男がドアをノックした。なにか困った事はないか?彼の質問の意図がわからない。謎の男はそれだけ言って消えた。
ジョエルは車で死ぬほど涙を流した。新しいパジャマを買って薬を飲む。床に倒れ込むジョエル。そこに男が2人部屋に侵入して来た。
友人の元にジョエルが錯乱して現われた。書店にプレゼントを渡しに行くと、知らない男とキスしていたクレメンタイン。友人はジョエルに手紙を渡した。彼との過去を話さぬようにクレメンタインの記憶を消去したと、書いてあった。差出人はラクーナ社。
映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【承】
ラクーナ社でクレメンタインについて質問する。なぜ彼女は記憶を消してしまったのだろうか。彼女を失ったショックで狂いそうなジョエルはラクーナ社に相談した。まず自分の部屋からクレメンタインのものを集めて持ってくる事。ジョエルもクレメンタインの記憶を消去することを決めた。
装置をつけて記憶を消去する。なにかが変だ。記憶をさかのぼる。
クレメンタインは深夜に酔っぱらって帰って来た。飲酒運転をして、彼の車をぶつけた。髪はオレンジにカラーリングされている。男と寝たんだろ?その言葉に怒って鍵を突き返し、部屋を飛び出してしまう。
2人で町中をデートしていると可愛い赤ちゃんがいた。クレメンタインは赤ちゃんが欲しいといいはじめた。またいつもの気まぐれだ。ジョエルが気のない返事をするとクレメンタインが怒り始めた。人目もはばからず驚くような汚い言葉で罵倒する。記憶から早く消えてくれ。
寝ている横でクレメンタインがしゃべる。眠りたいのに眠らせてくれない。会話もなく食事を食べる。彼女は酔っぱらうと絡んでくる。記憶から早く消えてくれ。
どんどん記憶をさかのぼって行く。出会った時に着ていたオレンジ色のパーカー。同じ色に髪を染めていた。
映画『エターナル・サンシャイン』のあらすじ【転】
車のドアをノックした謎の男パトリック(イライジャ・ウッド)。今のクレメンタインの彼氏で、ラクーナ社の記憶消去スタッフだ。ジョエルが渡すはずのプレゼントを渡した。
凍った湖の上で愛を語った思い出。最高に幸せで、もう死んでもいいと思った。この記憶だけは消さないでほしい。ジョエルの気持ちは変わり、走り出した。
夢の中でクレメンタインが起きればいいのにと言った。一瞬目覚めると頭に大きい機械をつけてラクーナ社の人間が見えた。私の記憶を消さない為に私がいない記憶に連れてって。幼少期振ってくる雨を飲んだ。部屋の中雨が降る。
ラクーナ社のスタッフが裸で抱き合っていた。警告音が鳴り、消去が止まった。このままではまずい。彼が記憶図から消え、戻って来れない。
幼少期の記憶の中、ジョエルはパトリックの秘密を暴露した。パトリックは記憶の消去中、クレメンタインに一目惚れをし、記憶を操作して自分の彼女にしてしまった。下着を盗んだりしていたのも彼だ。
映画『エターナル・サンシャイン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョエルの部屋にドクターが現われた。緊急事態に注射を打つ。ドクターがパソコンを操作しはじめた。記憶の中で車が、本棚が、いろんなものが消えて行く。私を記憶のもっと奥に隠して。ベッドごと海岸にいた。
クッションを押当てられて気絶したふりをするジョエル。一面雪の海岸で追いかけっこ。雪の中オレンジの髪が綺麗だ。雪だらけになりながらじゃれあう。
陰りなき祈りは運命を動かす。ラクーナ社のスタッフがつぶやいた。感動するドクター。若い女性スタッフとドクターはキスをした。その姿を追いかけて来た妻が見てしまう。妻は女性スタッフを笑う。その女性スタッフは過去ドクターと不倫していて、記憶を消されていた。
本屋でジョエルはクレメンタインを再び口説く。またやり直せたら。ジョエルはクレメンタインがいれば他はなにもいらない。
知らない人の家に侵入するジョエルとクレメンタイン。空き家みたいだ。ここに住みましょう。お酒を勝手に飲もうとする。家に海水が浸入して来た。家が崩れて行く。たくさん抱き合った、たくさん笑った。いろんなところにも行ったし心から愛していた。空想と現実のイメージが入り組んで不思議な世界が広がる。
ある日、ラクーナ社からテープが届いた。あなたの記憶を消しました。これはその一部です。ジョエルの記憶を消してほしいという声が吹き込まれた音声テープ。怒鳴って車から追い出した。ジョエルにもテープが届いていた。髪の色を罵倒する音声テープ。彼女は絶えられず家を飛び出す。
2人はお互いを求め、追いかけた。付き合っていればいろんなことがある。それは愛し合っているからだ。
映画『エターナル・サンシャイン』の考察・解説(ネタバレ)
映画『エターナル・サンシャイン』の名言は何か?
映画『エターナル・サンシャイン』には、心に残る印象的な名言がいくつかあります。その中でも特に有名なのは、「忘れることができるのは、思い出すことができるから」というテーマを象徴するセリフです。この言葉は、物語の中心にある、主人公ジョエルとクレメンタインの愛の記憶が消去される過程で、二人がその記憶を失いたくないと感じる場面で登場します。
特に印象的なのは、ジョエルが心の中で「この記憶を消さないでくれ、思い出を持ち帰りたいんだ」と訴える瞬間です。愛と失望、そして喪失の痛みが交錯するこのシーンは、非常に感動的な名場面として知られています。この言葉は、記憶を消すという技術の前提に逆らい、心の奥底にある大切な思い出を守りたいという人間の本能的な欲求を表現しているのです。
もう一つの名言は、クレメンタインがジョエルに対して「私をそのまま受け入れて」と言うセリフです。これは、彼女が自分の欠点や不完全さを認めた上で、そのままの自分を愛して欲しいという願いを表しています。完璧でなくても、ありのままの自分を愛して欲しいという普遍的な感情を示しているのです。これらの名言は、愛の本質について深く考えさせられるものとして、多くの観客の心に残っています。
映画『エターナル・サンシャイン』の時系列は難しい?
『エターナル・サンシャイン』の時系列は、一見複雑で理解しづらく感じる部分があります。この映画では、ジョエルとクレメンタインの関係を描きながら、二人の記憶が消去されていく過程を追っていく形で物語が進行します。しかし、映画の中では時間が直線的に流れるのではなく、過去と現在が入り交じる形で描かれるため、観客は時折混乱してしまうことがあります。
物語の大部分は、ジョエルの記憶の中で展開されます。彼がクレメンタインとの関係を振り返る過程で、過去の幸せな瞬間と痛みを伴う出来事が交互に描かれるのです。物語の初めは、記憶が消去されていく過程として進みますが、途中でジョエルが大切な記憶を守りたいと感じ始め、二人の思い出の中で逃避行が始まります。
このような構成は、時間の流れが前後するため、慣れていない観客にとっては理解が難しいかもしれません。しかし、映画全体を通して繰り返されるテーマや感情の流れに注意を払いながら観ると、ジョエルとクレメンタインの関係の変化や、記憶の消去の過程が感情的な物語として理解できるようになります。映画の終盤に近づくにつれ、時系列が再びまとまり、物語の全体像が明らかになるように作られているのです。
映画『エターナル・サンシャイン』は怖い映画なの?
『エターナル・サンシャイン』は、基本的には恋愛をテーマにしたドラマであり、一般的なホラー映画のような「怖い」要素はほとんど含まれていません。しかし、ある種の心理的な怖さを感じる部分も存在します。それは、記憶を消去するという設定そのものが、人間のアイデンティティや愛の本質に迫る問題であるため、不安や恐怖を感じる人もいるかもしれません。
特に、ジョエルが自分の記憶が消えていく過程で感じる孤独や無力感は、映像的にも強調されています。彼がクレメンタインとの楽しい思い出を失いたくないと感じ始めた時、その思い出が次々と消えていくシーンは、視覚的に圧倒される部分があり、観客にとっても不安感を与える可能性があります。愛する人との大切な記憶さえも奪い去ってしまうという記憶消去の恐ろしさが、映画の根底に流れているのです。
また、クレメンタインのキャラクターも自由奔放で予測できない行動を取るため、彼女との関係に対する不安や葛藤も、一部の観客にとっては心理的な「怖さ」を感じさせるかもしれません。したがって、純粋なホラー映画ではないものの、心理的なテーマが深く心に響く部分があると言えるでしょう。
映画『エターナル・サンシャイン』はブルーロックの凪のお気に入りの作品なの?
『ブルーロック』に登場するキャラクターである凪誠士郎は、独特な感性を持ち、興味深い思考を持つキャラクターとして描かれていますが、『エターナル・サンシャイン』が彼のお気に入りの作品であるという公式な情報は特にありません。ただし、凪のキャラクター性や感性を考慮すると、この映画が彼の心に響く可能性はあるかもしれません。
『エターナル・サンシャイン』は、人間の感情や愛、そして記憶に関する深いテーマを扱っており、凪のように独自の感性を持つキャラクターが興味を持ちそうな作品だと言えます。凪はサッカー以外のことにも興味を示す柔軟な思考の持ち主であり、もし彼がこの映画を観たとすれば、その独創的なストーリーに感銘を受けるかもしれません。
この映画がブルーロックのストーリー内で直接言及されているわけではありませんが、凪誠士郎のようなキャラクターがこの作品に興味を持つ可能性は十分にあると考えられます。
映画『エターナル・サンシャイン』のクレメンタインは自分の意思で記憶除去の施術を受けたのか?
映画『エターナル・サンシャイン』の中で、クレメンタインは自らの意思で記憶除去の施術を受けました。彼女は恋人ジョエルとの関係に行き詰まり、過去の苦しい思い出や彼との衝突に耐えられなくなったため、その感情や記憶を消し去ることを決意したのです。物語の中では、クレメンタインが記憶除去の施術を受ける場面が描かれており、彼女の選択が物語の発端となっています。
クレメンタインは自由奔放で感情の起伏が激しいキャラクターであるため、何事も極端な方法で解決しようとする傾向があります。ジョエルとの関係がうまくいかなくなった時、彼女はその辛さから逃れるために、記憶を完全に消去するという極端な選択肢を選んだのです。この決断は、彼女がジョエルとの愛や思い出を一時的に忘れたいという感情から来ていますが、結果的に物語全体に大きな影響を与えることになります。
記憶除去の施術は、クレメンタインにとって一時的な解決策であり、感情を消し去ることで痛みから解放されると信じていましたが、彼女自身が後に同じ人と再び惹かれ合うことになるという矛盾が描かれています。この点で、クレメンタインの決断は人間の感情や愛の複雑さを象徴しており、自分の意思で記憶を消去したものの、その結果に対して無意識のうちに抗っている様子が見て取れるのです。
映画『エターナル・サンシャイン』の時系列は?
『エターナル・サンシャイン』の時系列は、複雑な構成になっており、ストーリーの進行は直線的ではありません。物語は、ジョエルとクレメンタインの別れから始まり、そこから二人の記憶が消去されていく過程を追っていきます。映画の序盤では、すでに二人は別れており、ジョエルがクレメンタインに再会した際、彼女が自分のことを覚えていないという異常な事態に直面します。この部分が物語の現在の時点なのです。
その後、ジョエルは彼女が記憶除去の施術を受けたことを知り、彼自身も同じ処置を行うことを決意します。この記憶消去のプロセスが、映画の大半を占めています。ジョエルが自分の記憶の中を旅しながら、クレメンタインとの関係を振り返り、彼女との楽しい思い出や辛い出来事を再体験していくのです。この間、観客はジョエルの記憶の中で起こる様々な場面を目にすることになりますが、これらのシーンは時系列的に前後しており、過去と現在が入り混じった状態で描かれます。
最終的に、映画のラストではジョエルとクレメンタインが再び出会い、お互いの記憶が消えているにもかかわらず、再び惹かれ合うという展開になります。このように、映画は過去の出来事をフラッシュバックのように描きながら、記憶の消去というテーマに沿って時系列が複雑に入り組んだ構成になっているのです。
映画『エターナル・サンシャイン』のタイトルの意味
『エターナル・サンシャイン』というタイトルは、英国の詩人アレクサンダー・ポープの詩「エロイーザからアベラールへ」の一節に由来しています。その詩の中で、「永遠に輝く汚れなき心(Eternal Sunshine of the Spotless Mind)」という言葉が使われており、このタイトルには、記憶を消去することで得られる純粋さや心の平穏を表現する意味が込められているのです。
映画の中で、主人公のジョエルとクレメンタインは、互いの関係の苦しみや辛さを忘れるために、記憶を消去するという極端な選択をします。タイトルにある「Eternal Sunshine(永遠の輝き)」は、彼らが記憶を消去することで、痛みや悲しみから解放され、心が無垢な状態になるという考えを象徴しているのです。しかし同時に、この「輝き」が本当に幸福をもたらすのかという疑問が、映画全体を通して提示されています。
記憶を消去することで、一時的には心が軽くなるかもしれません。しかし、その過程で失われるのは、愛の喜びや二人が共に過ごした大切な時間でもあるのです。このように、タイトルは、記憶を消去することで得られるかもしれない無垢さや心の安らぎと、それによって失われるものとのバランスを考えさせる深い意味を持っています。映画は、この「エターナル・サンシャイン」が本当に人々にとって幸せな選択なのかを、観客に問いかけているのです。
映画『エターナル・サンシャイン』の最後のセリフの意味は?
映画『エターナル・サンシャイン』の最後のセリフは、ジョエルとクレメンタインが再びお互いに惹かれ合う中で交わされる言葉です。二人は自分たちの記憶を消去したにもかかわらず、再び愛を感じ始めるというシーンで、このセリフが登場します。ジョエルが「また同じことの繰り返しだろう」と言うのに対し、クレメンタインは「それでもいいよ」と答えるのです。このやり取りは、彼らが過去のトラウマや辛い経験を乗り越えて、もう一度愛に挑戦しようとする意志を表しています。
このセリフは、愛と記憶、そして人間の感情の複雑さを象徴しています。記憶を消去しても、同じ相手に再び惹かれるという事実は、感情が記憶に縛られないことを示しているのです。人間の心は予測不可能であり、たとえ過去に傷ついたとしても、再びその道を選ぶ勇気を持つことが、愛の本質であると映画は訴えかけています。
「それでもいいよ」というセリフは、失敗や痛みを恐れずに新たなスタートを切るという希望を含んでおり、観客にとっても感動的な結末を飾る重要な要素となっています。
映画『エターナル・サンシャイン』のナオミは何者なのか?
映画『エターナル・サンシャイン』に登場するナオミは、ジョエルの元恋人であり、物語の背景を補完する重要なキャラクターです。彼女は物語の冒頭では直接的に登場しませんが、ジョエルとクレメンタインの関係に影響を与えた存在として描かれています。ナオミとの関係が終わったことが、ジョエルが新たにクレメンタインとの関係を築くきっかけとなったのです。
ジョエルの記憶が消去されていく過程で、ナオミは短いながらも彼の過去の一部として登場します。ジョエルが過去の思い出を辿っていく中で、ナオミとの別れや、その後のクレメンタインとの出会いが、彼の心にどのような影響を与えたかが描かれるのです。ナオミとの関係は、ジョエルがクレメンタインに惹かれる背景の一つであり、彼が恋愛に対して抱える不安や葛藤を浮き彫りにしています。
ナオミは、ジョエルにとって重要な存在でありながら、クレメンタインの存在によって彼の記憶から徐々に薄れていく人物です。彼女の登場は短いものの、ジョエルの過去の恋愛や心の動きを示す役割を果たしており、ジョエルがクレメンタインとの関係に進むきっかけの一つとして機能しているのです。
映画『エターナル・サンシャイン』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?
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みんなの感想・レビュー
この映画の存在自体は公開当時から知ってはいたのですが、鑑賞するまでに至らず。この度外人の友達の勧めで鑑賞。
語りつくされているかもしれませんが、とにもかくにも脚本が上手い。
ここまで見事な構成で、なおかつ、恋愛ものとしても十分見れるという、なかなかない異色の組み合わせで、新鮮でした。
なおかつ、時系列のせいもあり、伏線を回収したくなり、何回か観てしまう、そしてそのうちに、1回目では何気なく見過ごしていた、ジョエルやクレメンタインのセリフに、心打たれてしまう。
製作者によって意図的にそのように作られている。
ラストもこれから、本当に上手くいくかどうかも分からないままなんですが、それでも爽やかに終われている、着地の仕方もグッド。
良い作品でした。
冒頭のシーンに戻っていく展開。時間軸の交錯するストーリーは一度で理解するのは難しく、しかしもっと知りたいと何度も見てしまう大好きな作品です。
ジム・キャリーにケイト・ウィンスレット、イライジャ・ウッドにマーク・ラファロ。豪華なキャストに彩られたこの純粋で美しい「ラブストーリー」は誰しもが経験したことのある、恋愛の喜怒哀楽を全て感じられる作品でした。
ケイト・ウィンスレット演じるクレメンタインのキャラクターが本当に可愛くて、自由で愛おしくなります。「幸せ」の価値を知ってしまうと「悲しみ」もそれと同じくらい重いものになってしまうのだと気づきました。
時間軸を巧みに使った構成が革新的で、何度も見返したくなる作品である。
恋愛映画だがSF的な要素もあり、記憶が消されていくシーンは、まるで夢を見ている時の映像のようでとてもリアルだ。
また、ヒロインの髪色の変化にも注目してほしい。時系列を追う手掛かりであり、二人の関係性や心情の変化が表現されている。
ラストは、記憶を消されてもまた結ばれるという展開がロマンチックである。
恋人とケンカをした時は、この映画を観るといい。きっとお互いの存在を考え直すきっかけになるだろう。
①お洒落なPVのような異色作品
脚本自体がエキセントリックな作品である。
全体的にカラフルな絵が印象的な映画で、要所要所に1枚の絵画が差し込まれているようなアートな雰囲気をかもし出している。
特にヒロインのケイト・ウィンスレットの髪の毛の色にも注目で、奇抜なカラーリングがより映画にマッチしていて面白い。
元々PVを専門にしている監督だったようで、記憶を消すという変わり種の脚本に合わせた異色な演出が魅力的である。
②テーマが深い娯楽作品
嫌なことを消す記憶抹消のビジネス。
世にも奇妙な物語でもありそうな面白い内容の映画であるが、意外にも奥が深い。
というのも、ただ記憶を消すだけではなく心にある潜在的な記憶といえば良いのか、何度出会ってもやはり恋に落ちてしまうというテーマがポイントなのだ。
記憶を消していく途中にも手術中の頭の中で、消される施術から記憶が逃げていくシーンがある。
どんなに喧嘩した嫌な思いでも愛している人との喧嘩なら愛しく大事な思い出なのだ。
それを消さないで欲しいと願うのは、本当に記憶を消される恐怖がせまっている時だけ。
ここで始めて全てが大事なのだと気づくのである。
そして、何もないまっ皿な状態であったにも関わらず再び気になり、恋に落ちていく。
この人が好きなのだと心が感じるというロマンティックな物語なのである。
③ジム・キャリーの真剣な表情を堪能できる映画
人気コメディアンとして有名なジム。
出演した映画もコミカルな役どころが多かった、しかし本作品では真面目な恋愛作品の主人公ということで普段中々目にすることができないジムの姿が印象的だ。
こんなに演技がまかったのかと感心してしまうほどである。
意外な一面に思わずキュンとしてしまう女性ファンも多いかも。
お洒落な映画に認定されている映画は世の中にたくさんあるが、内容もきちんと評価されているものは中々ない。
雰囲気お洒落なものが実は多いからだ。
しかし本作品は脚本に、演出ともにしっかりしていて内容も非常に楽しめるものになっている。
またジム・キャリーが主役ということもあり、コミカルなものを想像してみると意外にもシリアスで真面目な彼の演技を見ることが出来る。
最初から最後までハイセンスな作品であり、これこそがアーティスティックな娯楽作品という仕上がりになっているおすすめの1本である。
いつもの映画に飽きて何か変わった面白いものを観たいとおもうのなら、ぜひこの映画などはいかかだろう。