映画『フェア・ゲーム(2010)』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「フェア・ゲーム(2010)」のネタバレあらすじ結末と感想

フェア・ゲーム(2010)の概要:主人公のヴァレリー・プレイムは優秀なCIAのエージェントだったが、夫で元外交官のジョー・ウィルソンがイラク戦争の裏に隠された真実を世に訴えようとしたため、政府の激しい報復を受け、家族ともども窮地に立たされることに…。アメリカで実際に起きた「プレイム事件」を元に作られたサスペンス。

フェア・ゲームの作品情報

フェア・ゲーム

製作年:2010年
上映時間:108分
ジャンル:サスペンス
監督:ダグ・リーマン
キャスト:ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン、サム・シェパード、デヴィッド・アンドリュース etc

フェア・ゲームの登場人物(キャスト)

ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)
大量破壊兵器対策を担当するCIA(米中央情報局)のエージェント。結婚後の名前はヴァレリー・プレイム・ウィルソンで、通称は“ヴァル”。優秀な工作員であったが、夫のジョーが正義感から行った行為のために、政府の陰謀でCIAの身分を世間に暴露され、家族が危機にさらされる。
ジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)
元外交官で、ヴァレリーの夫。ガボン大使やイラク大使代理などを務め、現在は引退してコンサルタントをしている。中東の情勢に詳しいことから、CIAの要請でイラクの大量破壊兵器とニジェールの関係を調査し、そのような事実はないと報告するが、なぜかその情報はすり替えられ、イラク戦争が勃発。事実を伝えようと新聞に投稿したことが、家族を思わぬ危機に追い込んでしまう。
サム・プレイム(サム・シェパード)
ヴァレリーの父。元空軍中佐で、空軍に25年勤めたと本人が語っている。年齢と共に少し物忘れをするようになってはきているが、強い精神力を持ち、ヴァレリーを励ます。政府の攻撃を受け、夫とも離れて傷心のヴァレリーの心の支えとなる。
ルイス・“スクーター”・リビー(デヴィッド・アンドリュース)
チェイニー副大統領の首席補佐官。対イラク開戦に積極的な副大統領の意を汲み、イラクに大量破壊兵器はないとするジョーやCIAの報告のアラを見つけて、イラクとの開戦の方向に情報を操作。さらにジョーがその真実を世間に公表すると、ヴァレリーの個人情報漏洩に加担するなど、非道な行為でウィルソン一家を追い詰めるが、後に起訴される。
ダイアナ(ブルック・スミス)
ヴァレリーの友人。投資会社に勤めているというヴァレリーの言葉を信じていたため、ヴァレリーがCIAの工作員だったことにショックを受ける。しかし、ヴァレリーの身元が明らかになって周囲が冷ややかな反応を示す中、彼女だけはヴァレリーに理解を示す。
ビル(ノア・エメリッヒ)
ヴァレリーのボス。ともに兵器拡散対策の任に当たっていたが、ヴァレリーの身分がマスコミに報道された後は、任務に忠実に、彼女に事実上の引退を言い渡す。
ジム・パビット(ブルース・マッギル)
CIA長官。イラク作戦では積極的にヴァレリーを後押しするが、身分を公表されて窮地に陥ったヴァレリーのことを突き離す非情さを見せる。さらに、ジョーの政府攻撃に業を煮やし、ヴァレリーにジョーを説得するよう迫る。
ジャック(マイケル・ケリー)
兵器拡散対策室副主任で、ヴァレリーの直属の上司。ヴァレリーの身元が世間に暴露され、彼女が窮地に陥っただけでなく、彼女の担当する作戦に関与した科学者たちが殺されようとしても、彼女に救いの手を差し伸べないどころか、厄介者扱いする冷酷さを持つ。
カール・ローヴ(アダム・ルフェーヴル)
ブッシュ大統領の次席補佐官。ヴァレリーの身元情報漏洩に関与したとして、リビーと共に起訴される予定だったが、起訴は見送られ、情報操作疑惑は大統領にまで及ばなかった。
ザハラ・ハッサン(リラズ・シャルヒ)
イラク生まれ、アメリカ在住の女医。物理学者である兄のハマッドがイラクの核兵器開発に携わっていたことから、兄に会って大量破壊兵器製造の有無を確かめるよう、ヴァレリーから依頼される。兄とその家族の身柄の保護と引き換えに、その任務を遂行したが、ヴァレリーが事実上、CIAから追放され、イラク戦争後に兄が保護されなかった事実を知ると、ヴァレリーを激しくなじる。

フェア・ゲームのネタバレあらすじ

映画『フェア・ゲーム(2010)』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

フェア・ゲームのあらすじ【起】

ヴァレリー・プレイム・ウィルソンは、偽名を使い、マレーシアのクアラルンプールでタビールという人物への接触を図っていた。タビールがテロ組織に武器製造の原材料を提供しているという情報を入手したヴァレリーは、タビールの甥のハフィースと取り引きし、タビールの逮捕に漕ぎつける。

CIA(米中央情報局)のエージェント(工作員)であるヴァレリーは、このように世界を飛び回り、テロ組織や核兵器など、アメリカに対する脅威を裏で除去するために奔走していた。折しもブッシュ米大統領は、2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件をきっかけに、テロの脅威から国家の安全と平和を守ることを宣言していた。

9.11同時多発テロの翌月、ヴァレリーは、その働きが評価され、ホワイトハウスからの指令により、イラクで合同作戦の指揮を取ることになる。それはイラクに本当に大量破壊兵器が存在するのかを確認する仕事だった。

指揮官となったヴァレリーは、上司のジャックから秘密情報を見せられる。それは、イラクがウラン鉱石の精錬品である通称“イエローケーキ” 500トンを、ニジェールから買う契約をしたという情報だった。すでに解決済みと思われていたこの問題に、副大統領室が興味を示しているという。

そこで、もう一度ニジェールに行って調査をするよう指令が下るが、その役は元大使であり、中東情勢に詳しいヴァレリーの夫、ジョー・ウィルソンが適任と見られた。そして、ヴァレリーはジャックから、ジョーをその役目に推薦するよう頼まれる。2002年2月にCIAからの説明を受けたジョーは、情報の真否を確かめるため、ニジェールに飛ぶ。

現地にはウラン鉱山が2つあり、1つは水没、もう1つはフランスが、ドイツ、日本と共に管理している。そもそも500トンもの量のウランは、秘密裏に処理できる量ではない。仮にその500トンを輸送するとしても、年に数回しか車の来ない村々を大型トラック50台が通過すれば、嫌でも住人は気づく。加えて干ばつの被害に遭ったニジェールにアメリカは多大な援助をしている。そのアメリカを裏切ってニジェールがイラクにウラン鉱石を売ることはない、とジョーは結論づけた。

同じ頃、ヴァレリーはCIA本部で、イラクが中国から高強度のアルミ管を6万本取り寄せようとした意図を探るため、会議を開いていた。核兵器の専門を自称するターナーは、これらのアルミ管が、ウランを濃縮し核爆弾を製造するためのものだと主張する。しかしヴァレリーは、専門家の意見も援用し、このアルミ管が通常兵器用のものであることを証明し、ターナーの意見が誤りであると論破してしまう。

これらの意見を総合すると、イラクが大量破壊兵器や核兵器の製造を企てているという疑惑は、きわめてその可能性が低いように思われたのだが…。

フェア・ゲームのあらすじ【承】

数か月後、副大統領首席補佐官の“スクーター”・リビーがCIAにやって来る。リビーは分析官らを次々に呼び出し、尋問していった。彼の尋問の内容は、イラクが大量破壊兵器を本当に製造していないのか、ということだったが、実際は攻撃的な議論で、大量破壊兵器が製造されていないとは言い切れない、というCIAの見解を引き出そうとしていた。

リビーは、CIAの中でイラクの大量破壊兵器製造疑惑を主張するターナーを見つけ出す。すでにターナーの主張の論拠が曖昧であることは、ヴァレリーたちとの議論で明らかであったはずだ。そのターナーがCIA長官とともにホワイトハウスへ行き、大統領にアルミ管の説明をさせるという話を聞いたヴァレリーたちは、その成り行きに呆れつつも、イラクの大量破壊兵器製造疑惑を打ち消すための証拠探しを始める。

ヴァレリーはイラク生まれの女医、ザハラ・ハッサンに会う。ハッサンの兄、ハマッドは物理学者で、核兵器開発に関わっていた。ヴァレリーはハマッドとその家族の身柄を保護する代わりに、ハマッドから情報を引き出すよう、ザハラに依頼する。

ザハラはバグダッドへ飛び、ハマッドから情報を聞き出す。ハマッドは、CIAがザハラに託した質問そのものが馬鹿げていると一蹴する。そもそも1990年の湾岸戦争で大量兵器開発計画はなくなり、そのときの爆撃で工場はなくなっていた。遠心分離機の完成どころか、戦車の修理部品もない、アメリカもそれを知っているはずだ、とハマッドは主張する。彼自身、現在は仕事がなく、肥料の生産工場で働いていた。

ハマッド以外のイラクの科学者の証言も同様であった。ところが同じ時期、チェイニー副大統領、コンドリーザ・ライス大統領補佐官といった政府の主要閣僚が、イラクが中国から輸入を計画したアルミ管に言及し、イラクが再び核兵器の製造を行っていると発言し始める。何者かが誤った情報をホワイトハウスに流していることは明らかだったが、ヴァレリーたちにはもうそれを食い止めることができなかった。
数か月後、副大統領首席補佐官の“スクーター”・リビーがCIAにやって来る。リビーは分析官らを次々に呼び出し、尋問していった。彼の尋問の内容は、イラクが大量破壊兵器を本当に製造していないのか、ということだったが、実際は攻撃的な議論で、大量破壊兵器が製造されていないとは言い切れない、というCIAの見解を引き出そうとしていた。

リビーは、CIAの中でイラクの大量破壊兵器製造疑惑を主張するターナーを見つけ出す。すでにターナーの主張の論拠が曖昧であることは、ヴァレリーたちとの議論で明らかであったはずだ。そのターナーがCIA長官とともにホワイトハウスへ行き、大統領にアルミ管の説明をさせるという話を聞いたヴァレリーたちは、その成り行きに呆れつつも、イラクの大量破壊兵器製造疑惑を打ち消すための証拠探しを始める。

ヴァレリーはイラク生まれの女医、ザハラ・ハッサンに会う。ハッサンの兄、ハマッドは物理学者で、核兵器開発に関わっていた。ヴァレリーはハマッドとその家族の身柄を保護する代わりに、ハマッドから情報を引き出すよう、ザハラに依頼する。

ザハラはバグダッドへ飛び、ハマッドから情報を聞き出す。ハマッドは、CIAがザハラに託した質問そのものが馬鹿げていると一蹴する。そもそも1990年の湾岸戦争で大量兵器開発計画はなくなり、そのときの爆撃で工場はなくなっていた。遠心分離機の完成どころか、戦車の修理部品もない、アメリカもそれを知っているはずだ、とハマッドは主張する。彼自身、現在は仕事がなく、肥料の生産工場で働いていた。

ハマッド以外のイラクの科学者の証言も同様であった。ところが同じ時期、チェイニー副大統領、コンドリーザ・ライス大統領補佐官といった政府の主要閣僚が、イラクが中国から輸入を計画したアルミ管に言及し、イラクが再び核兵器の製造を行っていると発言し始める。何者かが誤った情報をホワイトハウスに流していることは明らかだったが、ヴァレリーたちにはもうそれを食い止めることができなかった。

フェア・ゲームのあらすじ【転】

2003年3月、ついにイラク戦争が始まり、バグダッドにはアメリカ軍による激しい爆撃が行われた。

ヴァレリーは、ハマッドら科学者たちを救出するようボスのビルに依頼する。しかしビルは、大量破壊兵器を探すので手一杯だと言って取り合わない。さらにビルは、科学者たちを保護して大量破壊兵器はなかった、などと今更証言されたら政府が喜ぶのか、CIA長官の首を飛ばす気か、と言ってヴァレリーを一喝した。

ヴァレリーは、直属の上司のジャックに科学者救出を要請する。ジャックは、自分は関与しないので、ヴァレリー1人で科学者たちを救出しろと言う。ヴァレリーはハマッドと連絡をとり、彼とその家族を保護すると約束する。

その頃、ジョーは自分がニジェールで見た報告と、事実が違うことを新聞に投稿する。“What I Didn’t Find in Africa”(私がアフリカで見なかったもの)と題するこの新聞記事の反響は大きく、大統領報道官のフライシャーは会見で記者の質問攻めに遭い、イエローケーキに関する情報が不正確だったと、つい発言してしまう。

事態を重く見たリビーは、ジョーの身元を調べさせ、ヴァレリーがニジェールの調査に夫のジョーを推薦した事実を突き止める。そして、リビーは大統領権限で、ある情報から“機密”を外す計画を立てる。その機密とは、ジョーの妻ヴァレリーがCIA工作員であるということを暴露することだった。つまり、ジョーは妻のコネでニジェールの調査の仕事を回してもらったので、調査としては不適切だった、という情報を流布するという狙いだった。

ヴァレリーがCIAの工作員であることが新聞で暴露されると、彼女が世界各国で行っていた重要なミッションも全て中断された。イラクでハマッドを保護することもできなくなり、ヴァレリーはビルに科学者たちの救出を依頼するが、ビルは「君は優秀な工作員だったが、すべては終わったんだ」と言って、ヴァレリーを冷たく突き放す。

ジョーとヴァレリーの家にはたびたび脅迫電話がかけられ、ヴァレリーは子供たちを守るために、学校からの帰り道を変え、電話番号も5回変更した。さらに追い打ちをかけるように、女医のザハラがヴァレリーの家を訪れ、ハマッドを保護したのかとヴァレリーに詰め寄った。兄が保護されていないと聞いたザハラは、ヴァレリーに怒りの言葉を残して去っていった。

ヴァレリーはジャックの家に行き、科学者たちを殺したのかと尋ねる。ジャックは現地の工作員にファイルを渡し「必要な手を打った」とだけ答えた。この頃ジャックは、ヴァレリーを厄介者扱いにしていた。

ジョーは、ヴァレリーの身分を暴露したことが、「情報部員身分保護法」に抵触するものだとして、自分たち家族がアメリカ政府による報復を受けていると、世間に訴える。ジョーの意見は多くの世論の支持を得た。ジョーはこのとき、大統領補佐官のカール・ローヴが、ヴァレリーのことを「最適な攻撃目標(フェア・ゲーム)だ」と発言していたという情報も掴んでいた。

しかし、この事件について調査委員会がまとめた報告書には、ジョーがCIA工作員の妻からニジェール調査の仕事を回してもらったと記述されていた。その結果、ジョーが金欲しさに妻のコネで誤った調査報告をしたという話にすり替えられてしまった。

ジョーは一転して、世間から「恥知らず」「共産党の回し者」という汚名を着せられることになる。ヴァレリーもいつしかニュースで「無能なエージェント」の烙印を押されてしまった。

かつてCIAで訓練を受けていた頃のヴァレリーは、何日間にもわたる拷問の訓練にも1人だけ耐え、優秀だと言われた。そして自分は、心が折れる限界がないというプライドを持って仕事に取り組んできたが、今回ばかりはそれが間違いだった、と弱音を吐く。そして、ジョーの元を離れ、子供たちを連れて両親の家に帰っていった。

フェア・ゲームのあらすじ【結】

元空軍中佐であるヴァレリーの父・サムは、年齢と共に物忘れをするようになってきているが、事件の状況は正確に把握していた。そして、ヴァレリーのことを、「想像もつかないほど強い人間になった」と褒めた上で、「今回はどうすべきかわからない」という弱気のヴァレリーに対し、「奴ら(政府)がやったことは間違っている。それを忘れるな」と言って、娘を勇気づけた。

数日後、状況が一転し、リビーが訴因で起訴されたというニュースが流れる。敗訴すれば30年の刑となり、すでにリビー自身が辞表を用意していたとのことだった。大統領次席補佐官のローヴは起訴を免れ、司法の手が大統領にまで及ぶ懸念は当面、取り除かれた。

ヴァレリーはジョーの元へ戻り、すべてを失おうとも、この結婚だけは守り抜くと誓う。ジョーも頷き、2人は固く抱き合った。

ジョーは再び公衆の面前で演説を行い、戦争の発端になった大統領の一般教書演説が、妻のヴァレリーの名前が漏洩した事件にすり替えられてしまったことを訴えかける。そして、戦争に対する政府の罪は、我々夫婦ではなく、国民に対して行われたものだと主張し、聴衆の賛同を得る。

一方、ヴァレリーはついに委員会で証言する決意を固めた。そして証言には、ヴァレリー・プレイム本人の映像が流され、「真実を語ります」と宣言する。

リビーは有罪となり、禁固2年半、罰金25万ドルを課せられるが、ブッシュ大統領は「ビリーの減刑を表明する。

2006年、アーミテージ国務副長官は、自分が情報の漏洩源であったことを認めた。

その後、ヴァレリーはジョーや子供たちと、サンタフェで暮らしているというテロップが流れる。最後にヴァレリー本人の発言として、国を愛し、仕事を愛していたこと、そして、「CIA工作員として重要な任務を任されたことを誇りに思う」という発言で物語は締めくくられる。

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みんなの感想・レビュー

  1. コイホー より:

    「テロ」「戦争」という言葉自体、私達日本人には馴染みの無い言葉では無いだろうか。
    友人達と食事を囲む時、政治や戦争の話を私はした事がない。この作品で最も印象に残ったシーンがそこだ。平和という事はとても良い事かもしれないが、一方で平和はメディアや政治への懐疑心を薄れさせてしまう側面を持っていると気付かせてくれた。
    何気無い食卓の中で友人と「政治」「戦争」の話題が出るかが日本人と米人の愛国心の違いかもしれない。
    10代で出逢いたかった作品のひとつだ。