映画『ファイナル・フェーズ 破壊』の概要:ガンマ線バーストにて地球の滅亡が囁かれる中、中年男性が謎の組織に拉致され、2人の娘を人質に取られる。娘を救いたいあまりに男性は命令を遂行し始めるが、身体改造を施され人間ではなくなってしまう。父親の強い愛を試しつつ、地球を救おうとするSFアクション。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:マシュー・チャールズ・サントロ
キャスト:ロン・エルダード、コルム・フィオール、ジョーダン・ヒンソン、マリエル・ジャフィ etc
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』の登場人物(キャスト)
- ジョセフ・ステッドマン(ロン・エルダード)
- 漁船の甲板員をしていたが、妻を病気で亡くして以来、うつ病を患い自殺傾向にある。その上、かんしゃく持ちにて現在、治療中。通称ジョー。2人の娘を置いてきてしまったことをとても悔いている。体格が良く愛情深い。
- コントロール(コルム・フィオール)
- 電磁気力生命体を作る計画を立案した博士だが、政府からは中止を言い渡されてしまう。密かにコンタクトを取ってきたマイケルの案に乗り、DNAレベルで被検体を検索。ジョーを発見し、家族を人質にとって導き続ける。
- ゾーイ(ジョーダン・ヒンソン)
- ジョセフの娘、25歳。母親の死後、姿を消した父を恨んでいる。現在、看護学校に通学中。家族をとても愛しており、父親に対しても嫌悪しつつ心配するそぶりを見せる。図書館で出会った宇宙物理学者のマイケルと恋仲になる。
- マイケル(オースティン・ストウェル)
- 宇宙物理学者。ガンマ線バーストにより、地球が滅亡すると唱えている。図書館にてゾーイと出会い恋人関係になる。全ての黒幕であり、ガンマ線バーストを防ぐために壮大なシナリオを進行させる。
- レア(マリエル・ジャフィ)
- ジョセフの娘でゾーイの妹。17歳以降、薬物依存症で姉ゾーイの救いも拒絶。父に似て、堕落人生の一途を辿っている。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』のあらすじ【起】
宇宙物理学者のマイケルがAWR104という惑星でガンマ線バーストが発生し、地球もその爆発に巻き込まれ滅亡するという説を発表。巷を騒がせている。
そんな中、妻を病気で亡くして以来、うつ病を患い2人の娘を置いて来てしまったジョセフ・ステッドマン、通称ジョーは精神科へと通院しながら、娘との関係をどうにか修復できないかと考えていた。
ジョーの長女ゾーイは母親を亡くして以来、薬物依存症となってしまった妹レアの面倒をみながら、看護師学校へ通っている。彼女は自分達を置いて行ってしまった父を恨んでおり、ジョーからの連絡や誘いには一切、応じないのであった。
次女レアはというと、姉ゾーイの救済を拒絶し日々、薬を購入しては服用。家に引き籠って鬱々としている。レアは父親に似た気性で母親を亡くした17歳以降、堕落した人生を辿っていた。当然、父の声にも応じるはずがない。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』のあらすじ【承】
ゾーイに拒絶された日の夜、ジョーは何者かに拉致されてしまう。意識を取り戻すと裏路地に転がされており、頭の中に何者かの声が響き続ける。曰く、データのやり取りをするため、視神経に装置を埋め込まれたらしい。相手側にはジョーが見るものが映像として送信され、逆に相手からはジョーに見せたい映像を見せることができると言う。そして、ジョーは薬物を購入し堕落人生を辿る娘レアの姿や、ゾーイの姿、病に伏す妻の映像を見せられ、いかに自分が最低な人間かを責められる。声の主は、そうした上でジョーに言うことを聞かせようとした。
ジョーのうめき声に気付いた女性が声をかけて来たが、頭の中の声は女性を撃ち殺せと言う。だが、彼は従うことができず助けを呼んでもらうよう頼む。すると、奴は娘を人質に取る。ジョーは仕方なく、声に従って女性へと引き金を引いた。しかし、銃に弾丸は入っておらず、女性もまた声の主の一派であったのか、またも意識を奪われてしまうのだった。
声の主コントロールは何らかの実験をジョーで行っているようだ。再び意識を取り戻したジョーは用意されていた車に乗り込み、コントロールの指示に従うことにした。
助手席の鞄には強盗の道具が入っており、ジョーは覆面をして男の自宅へ侵入。男を銃で脅し、彼が保持するPC端末から研究資料などをコピー。その際、なぜかジョーの指紋でPCの認証が開いた。コントロールは男を跪かせろと命令したが、ジョーは命令を拒否。隙を突かれ、男に銃を奪われてしまう。仕方ないのでジョーは覆面を取り、これまでの経緯を明かした。すると、男は彼を適合者だと呼び、コントロールに対して計画は危険すぎるために中止したと告げる。しかし、男はコントロールの手によって、銃殺されてしまうのだった。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』のあらすじ【転】
ガンマ線バーストが地球に向けて着々と進行中。
一方、ジョーは指示にて警備員として勤めるビルへ。彼は中へ入るとガスマスクを被れと言われる。すると、コントロールが設置した真空状態を作り出す秘密兵器にて、会社員たちが次々に呼吸困難となり倒れる。娘を盾に取られ、ジョーはビルの中心部へと向かう。
中心部へ到達。そこで音声に不備が発生するも目的の場所へ。そこの端末からビルの核心部へと侵入する手続きを取った。コントロールは次で最後だと言う。端末からシステムへ侵入したコントロールは、何らかの装置を起動。中に入ってスイッチを入れろと言う。ジョーは言われた通りに装置の中へ入る。すると、扉が閉まり閉じ込められてしまう。コントロールは装置を起動。装置はジョーを核として起動し続け、そうして爆発するのだった。
コントロールの計画では、これからが第一段階となる。装置によって変容されたジョーは、爆発にて死亡したことになっていたが、実際はまだ生きている。ジョーがコントロールに対し怒りを顕わにした直後、彼の体に異変が発生。驚異的なパワーが身の内から迸り、暴発した。それは、未知なる潜在的な力であり電磁気力と呼ぶらしく、ジョーの負の感情によって発生すると言う。コントロールはジョーへと次の指示を出した。
電磁気力の影響範囲は無限大らしい。目的地へ向けて出発したジョーは、レアの面倒を見ているという男の元へ。その男がどうやらレアを薬物中毒へと貶め思考を奪っていると言う。レアを救うため、突入したジョーだったが、男に反撃され拘束されてしまう。彼がレアの父親だと知った男は、更にレアとの堕落したビデオ映像を父親に見せるのである。
ジョーは幸せだった頃の記憶を思い出し、強いストレスを感じて膨大な電磁気力を放出した。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』の結末・ラスト(ネタバレ)
それは巨大な人型になるほどだったが、すぐに霧散してしまう。室内は崩壊し炎に巻かれている。傷を負った男は恐怖を感じてジョーへと攻撃を加えたが、彼の身体はすでに変容しているため、一切の傷を負うこともなかった。ジョーは襲って来た男を電磁気力で消してしまったが、能力の操作が上手くできない。コントロールは警察に自首しろと指示。
警察署にて厳しい尋問をされるジョー。それに対し、コントロールは造船所に爆弾を仕掛けたと告げるよう指示し、更にジョーへは警察よりも先に爆弾を見つけろと言う。発見できなければ2万人に被害が及ぶため、ジョーは警察から脱走し造船所へと向かった。
彼の電磁気力は時を経るごとに強大となる。そして、とうとう弾丸のような電磁気の塊となって、猛スピードで突き進む。人としての良心を残したジョーの変容は安定し、爆弾を無事に空で爆発させた。しかし、そのせいで航空機に被害が及んでしまう。彼は墜落寸前で航空機を救助したが、すでに人の様相を呈してはいない。
コントロールの計画は最終段階へ突入。覚醒したジョーはすでに神の領域へと達した様子。あと一押しで完成すると思われた。そこで、コントロールはゾーイと恋人のマイケルを拘束。ジョーはコントロールの支配から抜け出し、奴の元へ。まず娘と彼氏を盾で守り、攻撃してくる者達へと反撃した。
人以上の存在となった父に驚愕したゾーイだったが、ジョーは人でなくなったとしても、やはり父親であった。だが、そこでマイケルがゾーイを銃撃。ジョーは彼を消したが、どうやらすべての黒幕は宇宙物理学者であるマイケルだったようだ。彼はガンマ線バーストによる地球の滅亡を防ぐには、ジョーのような存在を作るしかないと考え、コントロールの計画を推奨したらしい。
一方でレアもまた一派の手によって殺害されてしまい、これによりジョーは地球を覆うほどの力を暴発させてしまう。コントロールはジョーを全能にしたと言う。彼は最早、大気と一体化し、到達したガンマ線バーストの放出を全能力でもって防ぐのであった。それと同時に娘達の傷をも癒し、救い出す。レアもまた生き返り、姉の元へ駆け寄って来る。2人は偉大な力で地球を守った父の存在を感じ、互いに強く抱き締め合うのであった。
映画『ファイナル・フェーズ 破壊』の感想・評価・レビュー
『X-MEN』シリーズのVFXを手掛けたマシュー・サントロ氏が監督を務めた作品。映像内では描かれていない設定が非常に緻密にできている作品だと感じる。一見しただけでは、意味不明なことが多く、突如として計画が開始される。実は冒頭でインタビューを受けていた宇宙物理学者がある博士の中止された計画を基に、全てのシナリオを立てたものらしい。主人公の家族との関係を修復しつつ、最終的には地球を救うという壮大なもの。
ストーリーの3分2は覚醒を促すためだけの行動が多く、小さな場所であたふたとしている印象。だが、やっていることは非常に壮大でそのちぐはぐさが、なんとも言えない。結の部分で地球規模へと急激に拡大するが、VFXを手掛けた監督ならではの映像美が素晴らしい。(MIHOシネマ編集部)
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