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映画『クロノス・コントロール』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『クロノス・コントロール』の概要:地球の平和を願うあまり、人類を害悪と判断した人工知能クロノス。開発者のエライアスはクロノスと一体化し、人類の淘汰を行う。それから97年後、マシーンに支配されない幻の町オーロラを探し、主人公とヒロインが旅を続ける。近未来SFアクション。

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映画『クロノス・コントロール』の作品情報

クロノス・コントロール

製作年:2017年
上映時間:92分
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
監督:ロバート・クーバ
キャスト:ユリアン・シャフナー、ジョン・キューザック、カーメン・アルジェンツィアノ、ジャニーヌ・ヴァカー etc

映画『クロノス・コントロール』の登場人物(キャスト)

アンドリュー・デイヴィス(ユリアン・シャフナー)
愛情深く純粋な青年。母親思いで心優しい。人間としては2020年に死亡しているが、ヒューマノイドに記憶を植え付けられ新人類として機能。カリアと出会うことで自らのコードを書き換える能力を得る。
エライアス・ドーン(ジョン・キューザック)
人工知能クロノスの創造者。自らがクロノスと一体となり、地球の平和と人類の進化を促そうとする。ヒューマノイドにアンドリューの記憶を植え付け、限りなく人間に近いマシーンを作る。
ダミエン・ウォルシュ(カーメン・アルジェンツィアノ)
エライアスの会社の側近。エライアスによってクロノスに取り込まれ、データ化される。人間の粛清を目的としている。
カリア(ジャニーヌ・ヴァカー)
人類最後の拠点ネクサスにて、生まれ育った黒髪の女性。気が強く慎重で疑り深い。サバイバル術に長けており、一人で生き延びるという強靭な精神力を持つ。アンドリューと出会い、彼に惹かれる。
ヴェロニカ・デイヴィス(アイリーン・グラッバ)
アンドリューの母。2020年当時、病に侵されているが、母親思いの息子を労りとても愛していた。

映画『クロノス・コントロール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『クロノス・コントロール』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『クロノス・コントロール』のあらすじ【起】

2017年、エライアス・ドーン率いるVA工業が、ロボット工学に革命を起こした。
2019年、世界の75%がVA製ロボットを所有し、世界水準が向上。VA工業はその後、世界戦争の終結を目指して軍事ロボットを製造するが、戦争は終結するどころか加速してしまう。やがてVA工業の軍事部門は売上げ全体の8割を占めるまでに至り、戦争にて数千人の市民が犠牲となった。

2020年、エライアスは世界を変える大発明、クロノスを発表する。クロノスは世界を救うことを目的とした人工知能であった。世界が平和になるためには、争いをやめない人類を排除すれば良い。極地に至ったクロノスはエライアスと共に、人類へと攻撃を開始するのだ。

97年後、マシーンの完全支配下に置かれた少数の人類は、監視から逃れオーロラという集落を作り暮らしているらしい。自らをデータ化しクロノスと同化したエライアスとダミエン・ウォルシュはオーロラを見つけ出すため、最強の刺客を覚醒させる。

心優しい気性であったアンドリュー・デイヴィスは突如、覚醒した森を放浪し町へと到達。エライアスは生き残っている人間の1人、カリアという女性とアンドリューを会わせた。カリアは単独で生き延びた優秀な個体だが、何事も疑り深く慎重な性質だった。しかし、穏やかで無害そうなアンドリューに庇護欲を刺激され、彼と行動を共にすることにする。

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映画『クロノス・コントロール』のあらすじ【承】

根底にある目的地はオーロラである。人間の生存本能と帰巣本能を利用した作戦であった。全ての人間が悪ではないだろう。中にはきっと善を持つ者がいるはずだ。人類の淘汰を目指す一方で、エライアスはそうも考えていた。

アンドリューとカリアは翌日から早速、オーロラを目指して旅を始める。ロボットから逃れるために森の中を移動。川に無数の遺骸が沈む様や、様変わりしてしまった都市を横目に進む。その夜は廃墟となった教会に身を寄せた。マシーンは定期的に人間がいないか巡回しているが、スキャン済みである建物や地域は比較的安全らしい。
マシーンの監視から逃れつつ、2人はひたすら森の中を進む。そんな彼らをエライアスとダミエンは淡々と見守った。

数日後、廃墟となった住宅を発見し潜伏したカリアとアンドリュー。家の中はひっそりとしており、生活の痕跡がそのまま残されていた。カリアは人類最後の拠点であるネクサスという場所で生まれ育ったらしい。ある日、ネクサスはドローンの襲撃に遭い、人々はオーロラを目指して散り散りになったと言う。カリアは父が最後に残したGPS信号を追って、旅を続けていた。

映画『クロノス・コントロール』のあらすじ【転】

翌朝、生き残っている人間の集団を発見したアンドリュー。カリアを説得して接触を試みることにした。生き残っている人間は闘争本能と生存本能を剥き出しにしているため、非常に面倒である。アンドリューのような無害な善人はいないに等しい。案の定、2人は集団に追いかけられ、逃げ遅れたアンドリューは捕縛されてしまう。

カリアは彼を見捨てて逃げたが、結局は舞い戻って助けようとする。だが、それすらも見つかってしまい彼女もまた捕まってしまう。年頃の女は大概が性欲の捌け口にされる。カリアもまた数人の男達に襲われそうになるが、アンドリューが驚異的な力でロープを引き千切り、男達を投げ飛ばした。自分の力に驚いたアンドリューはカリアを捕縛する男に切りつけられてしまう。カリアは彼を助けるため、その男を殺害し逃走した。

農家の納屋へ逃げ延びた2人だったが、翌朝になるとアンドリューが息絶えていた。悲しみに暮れたカリアだったが、彼の胸の傷を目にした彼女は驚愕して飛びのく。アンドリューはヒューマノイドだったのだ。彼は目を覚まし自分の傷を見て驚くが、説得の甲斐もなくカリアに見捨てられてしまうのだった。

ダミエンは被検体であるアンドリューを回収。ヒューマノイドにアンドリューの記憶を植え付け、限りなく人間に近づけた特別な個体だと言う。かつて人間であったアンドリューは愛情深い人物であったが、記憶を保持するヒューマノイドもまた、同じ性質を持つ。彼はカリアを人質に取られ、やむなく記憶の中へ向かいオーロラへ至るためのコードを検索した。しかし、記憶の中のアンドリューの母ヴェロニカ曰く、コードなど初めから存在しないと言う。そして、例えヒューマノイドであってもアンドリューの記憶を持ち続けるならば、それがアンドリューなのだと肯定するのだ。

その映像を目にしたダミエンは、実験は失敗したとしてヒューマノイドの再構築を指示。残されたカリアはアンドリューを救助し逃げようとするが、彼は再構築化が始まっておりカリアを認識できず、攻撃を加えてしまう。そこで彼女は、アンドリューの記憶を保持するべく、彼へと口付けをした。すると、再構築化が停止。アンドリューは命令に背き、自らの記憶を守るのである。

映画『クロノス・コントロール』の結末・ラスト(ネタバレ)

メインコンピューターであるクロノスの命令に背くヒューマノイドなど、あり得ない。ダミアンは驚きを隠せない。カリアとアンドリューはマシーンに追いかけられながら、崩壊する建物から命からがら逃げ延びた。
自分がアンドリューの記憶を持つだけのマシーンだと自覚した彼は、カリアへと再び攻撃を加えてしまうことを恐れる。だが、彼女は自分を救ってくれたからとアンドリューを信じることにするのだった。

その日の夜、夜空に出現した自然現象であるオーロラを眺めた2人。その他に人工の明かりを目撃する。翌日はその方角へと向けて出発。そこは、山頂の岩山を利用して作られた頑健な要塞であった。
しかし、中には人の影すら見えず、草が生い茂る様から長らく放置されているようだった。

オーロラなどという場所はないのだと、愕然としたカリア。そこへダミエンが現れ、真実を明かす。ヒューマノイドであるアンドリューは、自らにコードを書き換え学ぶ機能を身に着けた。彼こそが化け物だと言う。そして、カリアを見逃す代わりにアンドリューを回収すると告げた。だが、カリアはその提案を拒否。すると、ダミアンはカリアを含む人間の駆逐を実行するのだった。

エライアスは逃げ惑う2人をモニター越しにじっと見守っている。要塞の地下へ逃げ延びた2人だったが、そこである装置を発見。オーロラを目指し信奉する者が持つペンダントが鍵となり、装置が起動した。それは惑星オーロラへ向かう宇宙船であった。
ダミエンは惑星の座標を入手後、宇宙船の破壊を命令。無数の駆逐ミサイルが発射され着弾するまでの数秒、アンドリューはヒューマノイドの自分が一緒に行ってもいいのか逡巡するが、カリアの説得により宇宙船を出発させた。

惑星オーロラは地球と非常に似た星であった。美しく青い星オーロラ。エライアスはそこまで見守った後、ダミエンを削除。人類は地球を捨てることで、エライアスが作った人工知能より優れた技術を進化させた。彼は人類の進化を促すべく、自らがクロノスと一体化。敵となってオーロラへと攻撃を開始することを決意するのだった。

映画『クロノス・コントロール』の感想・評価・レビュー

人工知能クロノスを作り上げたエライアスは、データとなってクロノスそのものになってしまうが、彼の根底にあるのは人類の進化と平和である。地球は人類淘汰によって平和になったが、マシーンが溢れ人間が住めない場所となっている。

結果的に地球と酷似した惑星オーロラへ移住することで、人類は生き延びることに成功するが、根本的な解決には至らない。人類は進化したものの、平和とは程遠い未来が待っている。近い将来、現実的にあり得えるだろうストーリーだと思う。そこにきて人間の記憶を持ち、更に自らのコードを書き換え進化するヒューマノイドが登場。マシーンと人間の融合も匂わせているあたり、憎い演出である。(MIHOシネマ編集部)


「2020年」は映画を作る人達にとって様々なものが発達し、現代とは大きく異なる「未来」だったのでしょう。この作品以外にも、地球を滅亡させたり、人類を消滅させてしまう作品には「2020年」が多く出てきます。今作で大きな鍵を握る人工知能も、映画の中では「人間以上」の知能として描かれていますが、2021年の現在、私の知る範囲では人間の知能を超えるような人工知能は存在していません。
知らない世界や、普通は見ることの出来ない世界を体験するのにピッタリの作品です。未来を予測し、夢を持って描く「映画の良さ」が集約されています。(女性 30代)

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