映画『ギャラクシー街道』の概要:ギャラクシー街道と呼ばれる宇宙の幹線道路沿いにあるハンバーガーショップを舞台に、多種多様な宇宙人たちが繰り広げるスペース・ロマンティック・コメディ。三谷幸喜監督作品。酷評されているが、懐かしい雰囲気の漂うSFコメディで、B級感は楽しめる。
映画『ギャラクシー街道』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:コメディ、SF、ラブストーリー
監督:三谷幸喜
キャスト:香取慎吾、綾瀬はるか、小栗旬、優香 etc
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映画『ギャラクシー街道』の登場人物(キャスト)
- ノア(香取慎吾)
- ギャラクシー街道沿いでハンガーガーショップを経営している地球人と宇宙人のクオーター。最近店の経営不振に悩んでおり、地球への帰国を考えている。子供の頃からハンバーガーが大好きで、ハンバーガーをおいしそうに食べるノエと結婚した。
- ノエ(綾瀬はるか)
- ノアの妻。天然気味だがしっかりした一面もあり、弱音ばかり吐いているノアを支えている。店をリフォームしてステージを作り、そこでサンバを踊るため、ノアに内緒でレッスンへ通っている。
- レイ(優香)
- ノアの元彼女。地球にいた頃、劇団の看板女優をしており、そこのスタッフだったノアと付き合っていた。美人で魅力的な女性だが、ハンバーガーの食べ方が異様に汚い。それが原因でノアに振られたが、レイはそのことを知らない。
- ババサヒブ(梶原善)
- レイの夫。大学で宇宙学の教授をしていたが、女生徒に手を出してクビになった。耳に特徴のあるアシヌス人で、月に1回脱皮する。
- メンデス(遠藤憲一)
- ノエに言い寄っているリフォーム業者。雌雄同体のアンギレス人で、ノエを騙して妊娠する。想像力が豊かで、思い込みが激しい。
- ハトヤ隊員(小栗旬)
- 綜合警備保障会社の隊員。実は宇宙の平和を守るために派遣されたキャプテン・ソックス。マンモ隊員と付き合っていたが、プロポーズをしなかったため、隊長に彼女を奪われる。
- ハシモト(段田安則)
- スペース国土交通省の役人。利用客の少なくなったギャラクシー街道を閉鎖すべきかどうか調査するため、ノアの店にやってきた。幼少期の楽しい思い出の幻を見る。
- ムタ(石丸幹二)
- 地球人の歯科医。宇宙人のコールガールを買うため、ギャラクシー街道にやってきた。しかし病気が気になり、なかなか決心がつかない。
- イルマ(田村梨果)
- 宇宙人のコールガール。ゼットという客引きの仲介で、ムタの相手として店にやってくる。弟のためにナゲットを80箱もムタに買わせる。
- ハナ(大竹しのぶ)
- ノアの店でパートをしている宇宙人。パニックになると「ビヤー!」と叫んで放電する。あちこちの店で80年もパートをしてきたおばさんで、無愛想で仕事も適当。
映画『ギャラクシー街道』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ギャラクシー街道』のあらすじ【起】
西暦2265年。スペースコロニー「うず潮」と地球を結ぶ幹線道路、通称「ギャラクシー街道」には、シャトルバスを待つ客目当ての飲食店がいくつかある。その中のハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」の店長であるノアは、店の経営不振に悩んでいた。ノアは閉店を決意して、本社への帰国申請書を書く。
スペース国土交通省の役人であるハシモトは、サンドサンドバーガーで、ギャラクシー街道を閉鎖すべきかどうかの調査報告書を書いていた。ギャラクシー街道は開通してから150年が経過しており、利用客は激減していた。ハシモトは閑散とした店内を見て、ギャラクシー街道を閉鎖すべきという結論を出す。
ノアには5年前に結婚したノエという妻がいて、ノエも店を手伝っている。ノエは最近外出が多く、ノアは妻の浮気を疑っていた。
店にマグロバーガー好きの常連客がやってきて、いつものようにマグロバーガーの単品を頼む。この宇宙人は席をビショビショに濡らすので、ノアは彼を煙たがっていた。ノエは、愛想の悪いノアを注意して、その宇宙人に優しく接する。
閑散とした店内に、1組のカップルが入ってくる。ノエは、女性の方がノアの元彼女のレイであることに気づき、ノアに知らせるべきか迷う。
同じ頃、生まれて初めてコールガールを買うかどうかで迷っていた地球人のムタは、店内で客引きのゼットという男の説明を聞いていた。途中でムタはハンバーガーを注文するが、パート従業員のハナは、ムタの注文内容が理解できない。そのことでノアに叱られたハナは、パニック状態になって強力な電気を放電する。これにより、店内が停電してしまう。
配電室のブレーカーを上げ、店内の客に謝罪するノアに、レイが声をかける。レイとノアは地球で一緒の劇団におり、3年ほど付き合っていた。レイは夫のババサヒブをノアに紹介する。アシヌス人のババサヒブは、女生徒に手を出して大学をクビになった宇宙学の元教授で、2人は地球で新しい生活を始めるため、シャトルバスを待っているところだった。ノアは、レイとの再会を喜ぶ。
映画『ギャラクシー街道』のあらすじ【承】
一方ノエは、リフォーム業者のメンデスに迫られて困っていた。メンデスは想像力豊かなアンギレス人で、勝手にノエと愛し合っていると妄想し、「僕たちもう終わりなんですか」とノエに訴える。いくら「何も始まっていません」と反論しても、メンデスには届かない。
店に綜合警備保障で警備員をしているハヤト隊員と隊長がやってくる。ハヤト隊員は、自分が宇宙の平和を守るために派遣されたキャプテン・ソックスであることを打ち明け、今月いっぱいで故郷の星へ帰らなくてはならないと説明する。
店内で報告書を書き続けていたハシモトは、アニメーションの小鳥や子犬の幻を見る。さらに、赤い風船を持った道化師まで見え、ハシモトは道化師を追いかける。
ムタはついにコールガールを頼むことを決意し、入会金をゼットに支払う。残りのお金はムタが写真を見て決めたイルマというコールガールに払うよう言って、ゼットは店を出ていく。
ノアはレイと付き合っていた頃のことを思い出していた。劇団の看板女優だったレイは、ノアにとって理想の女性だったが、ハンバーガーの食べ方が異様に汚いことを知り、ノアの気持ちが冷めてしまった。ノエを好きになったのは、彼女がとてもおいしそうにハンバーガーを食べていたからで、ノアはそれくらいハンバーガーに思い入れのある男だった。
一方ノエは、コートを脱いでSM嬢のような格好になったメンデスに迫られ続けていた。メンデスは「一生の思い出に1回だけ別れの挨拶をさせてくれ」と懇願し、ついにノエが根負けする。メンデスはノエとおでこを合わせてグリグリし、満足して去っていく。
ハヤト隊員は、自分がマンモ隊員と付き合っていたことも隊長に打ち明ける。これからここで別れ話をするというので、隊長はパトロールに戻る。隊長と入れ替わるようにして、コールガールのイルマが店内に入ってくる。
映画『ギャラクシー街道』のあらすじ【転】
ムタと会ったイルマは、何か食べたいと言い出し、ナゲットを80箱注文してくれるよう頼む。弟の好物なので、お土産に持って帰りたいらしい。ムタはイルマに気を使い、ナゲットを80箱注文する。
マンモ隊員がやってきて、ハヤト隊員と話を始める。彼女も大事な話があるというので、ハヤト隊員は先に彼女の話を聞くことにする。もうすぐ30歳になるマンモ隊員は結婚を焦っており、ある人にプロポーズされたので結婚することにしたと打ち明ける。予想外の展開にハヤト隊員はショックを受けつつ、自分がキャプテン・ソックスであることを告白する。しかし今のマンモ隊員にはどうでも良さそうだった。
ノアが閉店を考えていることに気づいていたノエは、もし店がなくなったらどうするのかをハナに聞いてみる。ハナはギャラクシー街道が栄えていた100年近く前の思い出話を始め、あちこちでパートを始めて80年になると話す。ノエは彼女のパート歴の長さに驚く。
初めて宇宙人のコールガールを買うムタは、病気が大丈夫かをしきりに気にしていた。しかしイルマが昨日検査したと知り、残りのお金を支払う。ところがイルマは「これでは足りない」と言い出す。ゼットは何も言っていなかったが、目で楽しむAコース、触って楽しむBコース、いくところまでいくCコースがあり、Cコースなら全部で26万もかかるらしい。ムタはゼットに電話をして文句を言うが、イルマと交渉するよう言われてしまう。
ババサヒブは月に1回の脱皮を始め、レイとノアは2人で話をする。ノアは、ババサヒブのような男と結婚したレイを不幸だと思い込み、責任を感じていた。その話を聞いたレイは、ノアの自分勝手な妄想に腹を立て、ノアへの未練など一切ないと強い口調で話す。それはそれで、ノアにはショックだった。
店に隊長が戻ってきて、マンモ隊員の結婚相手が自分であることを告げる。ハヤト隊員は「故郷に帰るのを延期してもいい」と食い下がるが、マンモ隊員に「別に帰ってもいいんじゃない」と言われてしまう。
映画『ギャラクシー街道』の結末・ラスト(ネタバレ)
ハシモトは、この店に入ってから自分に幻が見えていることをノアに打ち明ける。小鳥や子犬や道化師は、ハシモトの幼少期の楽しい思い出だった。脱皮を終えたババサヒブは、ハシモトがギャラクシー街道の閉鎖を決めようとしている話を聞き、これはギャラクシー街道の接待だと説明する。長い年月を経て、ギャラクシー街道は一つの生命体となり、自分を消されないために、ハシモトに楽しいことを提供しているらしい。ハシモトはこの幻が自分だけに見えていると思っていたが、他のみんなにも普通に見えていた。
ムタはイルマと交渉し、今払える額でCコースをしてもらえることになる。イルマは店内で指にサックを装着し、ムタと指先を合わせる。そして一瞬官能的な声をあげ、Cコースは終了する。これがイルマの星での性交渉らしく、ムタも一応達成感を感じる。イルマは大量のナゲットを持ち、にこやかに帰っていく。
ハナの放電によりまた店内が停電し、配電室へ向かったノアは、そこでメンデスを発見する。メンデスはノエとおでこを合わせたことで妊娠し、出産の痛みに苦しんでいた。「これは僕と奥さんの子供です」と言われ、ノアは怒り出すが、とりあえず今はそれどころではない。歯科医のムタが診察すると、メンデスが産もうとしているのがタマゴだとわかる。
タマゴを出しやすくするには昆布のヌルヌルが必要だと言われ、レイが昆布との楽しい思い出を回想し、昆布を出す。昆布のヌルヌルのおかげで、メンデスは無事に8個のタマゴを産む。ところが、そのうちの1個が転がり、床のダストシュートから宇宙空間へ出てしまう。ハヤト隊員はキャプテン・ソックスに変身し、タマゴを捕まえにいくが、キャプテン・ソックスは大きすぎて、小さなタマゴをつかめない。
ノアは「お前のタマゴは俺のタマゴだ」とノエに告げ、宇宙服を着てタマゴを捕まえにいく。ヌルヌルなので苦労はしたが、ノアはタマゴを持ち帰ることに成功し、みんなは大喜びする。一連の出来事を見ていたハシモトは、ギャラクシー街道閉鎖の報告書を消去する。
タマゴはすぐに孵化し、メンデスそっくりの子供に成長する。アンギレス人は成長が早いので、明日の朝には成人するらしい。メンデスは8人の子供を連れ、満足そうに帰っていく。
2人になったノアとノエは「逃げないでここで頑張ろう」と話し合う。ちょうど本社へ送ったはずの帰国申請書も郵便配達員の失敗で舞い戻ってきて、この件は一件落着する。ノアはおいしそうにハンバーガーを食べるノエを、幸せそうに見つめるのだった。
映画『ギャラクシー街道』の感想・評価・レビュー
喜劇家、三谷幸喜による監督・脚本作品。宇宙の幹線道路「ギャラクシー街道」にあるバーガーショップ内で繰り広げられるラブコメディ。
国内外のSF作品のオマージュがふんだんに散りばめられており、設定では未来のはずなのだがどこか懐かしい世界観をかもし出している。バーガーショップ内で繰り広げられる各々の恋愛模様も共感できる故に真剣に揉めるキャラクターたちの姿に笑いを誘われる作品。日本を代表する豪華キャストにも注目。(男性 20代)
三谷幸喜監督は日本でも有数のヒットメイカーで世間の期待も常に高いが、この作品は大失敗としかいいようがない。寒いギャグの連続にうすら気持ち悪いストーリー。ただ一番の失敗は監督の舞台的な画面作りだったと思う。舞台では多少セットや衣装がちゃちくても記号として存在すればいいのだろうが、SF映画の括りになるとかなりの作り込みが必要とされる。そこで観客の入り込みようが大きくぶれたために面白いはずがうウケない。のではないだろうか。(男性 30代)
これまでの三谷作品に比べると本作の設定は異色で、本作の舞台はなんと2265年の宇宙となっている。
スペース幹線道路「ギャラクシー街道」の中央にひっそりと佇む「サンドサンドバーガー・コスモ店」に訪れる様々な宇宙人たちの物語を描いたスペース・ロマンティック・コメディだ。
異星人たちの個性的なヴィジュアルが強烈で、豪華なキャストをふんだんに使用しているのが頼もしい。
大きな展開こそないが、クスッと笑わせてくる箇所が散りばめられていて、わちゃわちゃとした日常的な雰囲気がとても良かった。(女性 20代)
「大失敗」と酷評をされている今作ですが、確かに今までの三谷幸喜作品を期待して鑑賞した人はガッカリしてしまうかも知れません。きっと『the有頂天ホテル』や『ザ・マジックアワー』のような笑って笑ってただひたすら面白い作品を期待していたのでしょう。
しかし、今作で描かれるのは時代も世界観も全く違うお話。2265年の宇宙にあるハンバーガーショップを舞台にしています。
ストーリー的には大きな盛り上がりも無く、下北沢の小さな劇団が使っているようなセットで物語が繰り広げられるのでその点が酷評の要因なのでしょう。しかし、映画好きな人はきっと気づくはずです。SF作品へのオマージュが沢山散りばめられていることに。(女性 30代)
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