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映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』の概要:田口公子は東城大学医学部付属病院・不定愁訴外来の医師で、倫理委員会の委員長を務めていた。そんな彼女の元に、救命救急センター長である速水が医療メーカーと癒着しており看護師長が共犯だという告発文が届く。

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映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』の作品情報

ジェネラル・ルージュの凱旋

製作年:2009年
上映時間:123分
ジャンル:サスペンス
監督:中村義洋
キャスト:竹内結子、阿部寛、堺雅人、羽田美智子 etc

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』の登場人物(キャスト)

田口公子(竹内結子)
東城大学医学部付属病院・不定愁訴外来の医師。倫理委員会の委員長を務める。大人しい性格で、委員長を辞めたいと思っている。
白鳥圭輔(阿部寛)
厚生労働省大臣・官房秘書課付技官。プライドが高い。高圧的で、口が悪い。田口とコンビを組み、癒着事件を追う。
速水晃一(堺雅人)
東城大学医学部付属病院・救命救急センター長。「ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)」という異名を持つ。暴君で、病院内に敵が多い。
花房美和(羽田美智子)
東城大学医学部付属病院・救命救急センター看護師長。冷静沈着で優秀な人物。速水に思いを寄せている。
佐藤拓馬(山本太郎)
東城大学医学部付属病院・救命救急センターの医師。速水のやり方について行けず、不満を抱いている。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のあらすじ【起】

東城大学医学部付属病院で倫理委員会が開催され、オートプシー・イメージング(死体の画像診断)についての討論が行われた。議論は平行線を辿り、決着はつかなかった。その会議の委員長に任命された不定愁訴外来の医師・田口公子は、意見を求められて困り果てた。

田口の元に1通の手紙が届いた。そこには「救命救急センターの速水晃一センター長は、医療メーカーのメディカルアーツと癒着している。心臓カテーテルの使用頻度を調べてみろ。花房看護師長は共犯だ」と書かれていた。田口は院長の高階に報告した。すると、調査を指示される。

田口は救命救急センターの様子を見に行った。その時、トラックとミニバンの追突事故が起こり、患者を搬送したいという連絡が入った。集中治療室が一杯だったため佐藤拓馬医師が断るよう指示を出していると、スピーカーから速水の声が聞こえてきた。速水は患者を1人外科病棟に移し、患者を受け入れるよう指示を出した。花房は速水の指示通りに動いた。それを見て佐藤は苛立った。

佐藤が患者の蘇生を行っていたが、CPA(心肺停止)と判断した。すると、速水が患者の蘇生を始めた。看護師の如月翔子は速水の介助をしようとして、花房からオペ室の準備をしてくるよう指示される。如月は花房の行動に腹を立てながらその場を離れた。佐藤は治療を続ける速水に苛立つ。その後、患者は息を吹き返した。

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映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のあらすじ【承】

田口はメディカルアーツの支店長・磯辺から、速水が袋に入った何かを受け取っている現場を目撃する。田口が休んでいると、磯辺から声を掛けられ袋を渡された。中に入っていたのは、写真のデータが入ったディスクだった。磯辺はそうやって皆に写真のデータを配っていることを田口に話した。

磯辺が病院のヘリポートから飛び降り、亡くなってしまう。田口は速水に会いに行き、癒着のことを尋ねた。しかし、癒着などしていないと言われる。そんな時、交通事故で厚生労働省の役人・白鳥圭輔が運ばれてくる。白鳥は殺されかけたのだと訴えた。白鳥も速水の癒着に関する告発文を受け取っていた。

田口は白鳥と調査をすることになった。白鳥の元に届いた手紙はパソコンで作られており、田口の元に届いた手紙は手書きで花房に関する告発が付け加えられていた。つまり、どちらかがオリジナルで、もう一方は手紙を見た誰かが作った可能性があった。

白鳥は佐藤に話を聞いた。佐藤は速水のことを恨んでいることを認めた。重篤患者、軽症患者に関係なく受け入れる速水に腹を立て、医者が足りないことに不満を持っていた。白鳥は如月にも話を聞いた。如月は速水に好意を持ち、花房に憎しみを抱いている様子だった。如月に字を書いてもらい、田口宛てに届いた手紙の筆跡と見比べた。だが、一致しなかった。

速水も花房も病院内に敵が多かった。速水は片っ端から患者を受け入れるため、集中治療室はいつも一杯だった。足りなくなったとき他の病棟に回すため、回された側の医師は激怒するのだった。第一外科は治った患者を退院させず病床を一杯にして、救命センターからの受け入れを拒否しているという噂もあった。

白鳥達は倫理委員会の副委員長で、速水の活躍を妬んでいる精神科助教授の沼田泰三に話を聞きに行った。沼田は告発文を送ったことを否定した。だが、癒着の件は解決しなければならない問題だとし、臨時委員会の開催を決定する。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』のあらすじ【転】

10年前、デパートで大火災が起きた。東城大学付属病院にも100人を超える重軽傷者が搬送された。夜の7時を超えた頃で、医師や看護師が最も手薄になる時間だった。その医師の中に、若かりし頃の速水がいた。院長は海外出張中で、速水が代わりに一斉放送を流して非常事態を宣言した。速水は片っ端から患者を受け入れていったが、廊下が埋まるほど患者が搬送されてきたため、途中で受け入れを拒否せざる負えなくなった。その日から、速水は患者の受け入れに拘るようになり、ドクターヘリの導入を希望するようになった。

田口は自殺を繰り返していた患者の女性に寄り添った。その患者は退院する前、速水に挨拶に来て田口への感謝の言葉を口にしていた。速水はそれを受け、田口に患者のメンタルケアを頼んだ。田口は困惑するが、速水の強い思いを受け承諾した。

田口に告発文を送ったのは、花房だった。花房は救命救急センターのゴミ箱に捨てられていた告発文のミスプリントを見つけ、田口に手紙を送ったのだった。つまり、白鳥に告発文を送ったのは、救命救急センターに所属する者ということだった。

臨時委員会が開催され、速水は告発文に書かれているのは事実だと受け入れた。そして、病院の体制についての不満をぶちまけた。5年前、速水は経済的な要因は一切考慮しなくていい、受け入れを断らない救命救急を目指せ、ドクターヘリの導入も視野にあると言われセンター長を引き受けた。そして、救命救急センターと他の課が協力して救急診療を行う予定だった。だが、蓋を開けてみればそんな協力体制などどこにもなかった。速水は癒着で得た金を治療費に充てていた。花房は速水が自分のために私的流用をしていない証拠として、メディカルアーツから受け取った領収書を提出した。花房は速水に思いを寄せており、共に堕ちるつもりだった。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』の結末・ラスト(ネタバレ)

速水は退職届を提出するが、沼田は速水と花房に懲戒解雇を求めた。それを白鳥が止めた。白鳥は自分に告発文を送ったのが沼田だと指摘した。沼田は自分宛てに届いた告発文を、問題を大きくして救命救急センターを潰すため白鳥に転送したのだ。白鳥は速水が告発文の送り主だと指摘し、速水もそれを認めた。速水が告発文を送ったのは、救命救急センターを再建するためだった。

白鳥は田口が磯辺から受け取った写真のデータを流した。そこには、磯辺、事務長の三船、沼田、沼田の部下の小峰の会話の録音データが入っていた。沼田達は効率良く収益を上げるメンタルケアセンターを作るため、救命救急センター、小児科、産科を縮小させようとしていた。そして、速水を追い詰めるためのネタを探していた。

会議の最中、大型スーパーの大規模火災が発生した。高階は速水に現場指揮権を委任した。速水達は受け入れの準備を行った。一方、沼田と小峰はヘリポートで煙草を吸っていた。小峰は盗聴器付きの電卓を磯辺から取り上げたことを沼田に話した。磯辺を殺したのは小峰だった。沼田は恐怖を抱き、その場を離れようとした。そこに、白鳥とリハビリ担当医が現れる。白鳥は小峰の自白を録音していた。小峰はリハビリ担当医に捕らえられる。

速水は佐藤を信頼し、トリアージ(傷病者の治療優先順位を決定すること)を任せた。佐藤は患者を次々と診ていき、手が空いている医師や看護師を集めて搬送の手伝いをさせた。花房は速水の顔が真っ青になっていることに気づき、口紅を渡した。10年前、指揮官が青い顔をしていたらダメだと、花房は今日と同じように速水に口紅を渡していた。それから速水は「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれるようになったのだった。

ストレッチャーが足りなくなる。だが、速水はこんな日のために、メディカルアーツから機材を手に入れていた。その機材により、患者が搬送された。三船はニュースを見て、妻と娘が火災事故に巻き込まれたことを知る。田口は取材ヘリが飛んでいるのにドクターヘリが飛ばない現状を嘆いた。白鳥はそんな田口に、他県からドクターヘリを回してもらったことを教えた。

磯辺は瀬戸内海の小島の出身で、中学のときに母がくも膜下出血で倒れていた。救急医療設備のない島だったため、そのまま亡くなってしまった。磯辺はドクターヘリがあれば母は助かったかもしれないとよく呟いており、速水に協力したのだった。高階は速水の辞表を受理しなかった。田口と高階は速水がチュッパチャプスを購入するのにメディカルアーツからのお金を私的流用していたとして、病院への背任の席を果たすために別の病院に行くよう指示を出した。

速水と共に花房も東城大学付属病院を辞めた。速水は花房に一緒に来て欲しいという思いを伝え、手を握った。花房は速水の願いを受け入れた。上空ではドクターヘリが飛んでいた。ドクターヘリの一番初めの患者は、登山で骨折した白鳥だった。

映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』の感想・評価・レビュー

患者を守るために自分が悪者になっても信念を貫き通す速水がとてもカッコよかった。速水を演じていた堺雅人は雰囲気にピッタリ合っており、辛辣に見えても実は心優しい部分がきちんと表現されていたと思う。花房との淡い恋も素敵だった。逆に前作とは違い、田口と白鳥の影が少し薄かったように感じたのが残念だった。田口と白鳥のコンビがもう少し登場しても良かったと思う。登場シーンとしては少なかったかもしれないが、高嶋政伸の演技がとにかく濃くて一番印象に残っている。(MIHOシネマ編集部)


こういった推理やサスペンス要素のある作品を見る時に誰もがするであろう、犯人の予想。私も毎回挑戦しますが、推理力が乏しいようで的中したことはありません。
今作も速水が悪者だと思って鑑賞し続けていたので、かなり優しくて男気のあるキャラクターだと分かった時には感動してしまいました。速水を演じた堺雅人の演技は本当にリアルで嘘も嘘だと思わせないような説得力にすっかり騙されてしまいました。何度も見たくなる面白い作品でした。(女性 30代)

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