映画『極道大戦争』の概要:影山亜喜良はヤクザの組長である神浦に出会い、ヤクザの世界に足を踏み入れる。神浦はヤクザでありながら、堅気を守り、街の平和を守っていた。だがある日、影山の目の前で、組長が何者かに殺される事件が起きる。
映画『極道大戦争』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:アクション、ファンタジー、コメディ
監督:三池崇史
キャスト:市原隼人、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子 etc
映画『極道大戦争』の登場人物(キャスト)
- 影山亜喜良(市原隼人)
- ヤクザの組長である神浦を、心の底から慕っている。敏感肌で入れ墨を入れることができない。真面目で無骨な性格。
- 杏子(成海璃子)
- ヤクザに乱暴されていたところを神浦に救われる。見舞いに来てくれる影山に、惹かれていく。
- 狂犬(ヤヤン・ルヒアン)
- ヴァンパイアハンター。圧倒的な戦闘能力を持っており、“ヤクザ・ヴァンパイア”である神浦のことを始末する。
- 神浦(リリー・フランキー)
- 不死身の体を持つ“ヤクザ・ヴァンパイア”。ヤクザの組長でありながら、堅気を守り、街の平和を守っている。
- 法眼(でんでん)
- 料理屋の店主。神浦の友人。店の下でヤクザを更生させ、神浦に血を提供している。神浦の血を引き継ぎ、“ヤクザ・ヴァンパイア”となった影山を助け導く。
- 膳場壮介(高島礼子)
- 神浦の組の構成員。神浦がヴァンパイアであることを知り、伴天連と手を組んで神浦を始末する。神浦の後を継ぎ、組長となる。
- KAERUくん(三元雅芸)
- ヴァンパイアハンター。世界最強のテロリスト。ヤクザが大嫌い。カエルの着ぐるみを常に着ている。トラックに轢かれても、爆弾を投げられても死なない。
- 伴天連(テイ龍進)
- ヴァンパイアハンター。棺のような箱に銃器を入れている。神浦を始末するため、狂犬を呼び寄せる。
映画『極道大戦争』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『極道大戦争』のあらすじ【起】
影山亜喜良は何となく日々を過ごしていたときに、ヤクザの組長である“神浦”と出会いヤクザになった。神浦はヤクザにも関わらず、堅気の人達を助けていた。そのため、街で暮らす人達から支持されていた。だが、この街にも不況の波は押し寄せて来ており、貧困を憂いた息子(マサル)が実の父に殺してくれと頼む事件が起きる。神浦はその殺しを止め、財布ごとお金を恵んだ。影山は神浦が必死に街を守る姿に心酔し、いつか神浦のようになりたいと憧れを抱くようになった。
影山は神浦に、神浦の知り合いの法眼がやっている料理屋に連れて行かれる。法眼は地下でヤクザを更生させるため、男達を捕らえて編み物をさせていた。そして、その男達が反抗的な態度を取ると、裸足の足を踏みつけ痛めつけていた。男が改心すると、法眼はその人物を連れて部屋の外に出た。部屋にいた男がどこに連れて行かれるのか疑問に思っていると、ドアの外から連れて行かれた男の悲鳴が聞こえてきた。神浦は店に戻って来た法眼に、一杯入れてくれと頼んだ。すると、法眼はヤカンから、赤い液体をコップに入れた。影山は一気にコップを煽るが、飲み込めきれず外に飛び出していった。神浦は堅気に手を出すのが嫌で、元ヤクザを殺して血を集めていた。店に戻って来た影山は、もう一杯入れてくれと頼み、頑張ってコップに入れられた血を飲み干した。
影山は神浦がヤクザから助けた杏子の見舞いに行った。杏子はヤクザから乱暴され、顔に酷い怪我を負っていたため、病院に入院していた。影山は杏子に惹かれながらも、ヤクザである自分の彼女にはなってくれないだろうと、既に恋愛することを諦めていた。
神浦は元仲間の伴天連から“組織”に戻って来ないか打診されるが、ヤクザとして生きることで自由を感じていたため断った。すると、突然不審な男(狂犬)が現れ、道を尋ねられる。その男も組織(ヴァンパイアハンター)の一員で、神浦に襲い掛かった。神浦は狂犬と戦うが、ボコボコに伸されてしまう。しかも、傍にいた堅気の男達を殺されてしまう。偶然現れた影山は神浦を助けようとするが、反撃され倒されてしまう。神浦は狂犬に首を捻り殺された。影山は意識を失う前に、狂犬達と一緒にいる、神浦の部下の膳場壮介の姿を見た。目を覚ました影山は、神浦の首を持ち、死を悼んだ。すると、突然神浦の首が動き出し、首に噛みついてきた。神浦は“ヤクザ・ヴァンパイア”で、吸血することで自分の力を影山に託したのだ。力を受け継いだ影山の背には、入れ墨が浮かび上がった。
映画『極道大戦争』のあらすじ【承】
影山は自分の身に何が起きたのか分からず戸惑った。ただ、猛烈な空腹と喉の渇きを感じていた。そんな時に、堅気に手を上げている先輩ヤクザを発見する。先輩ヤクザは神浦を守れなかった影山を射殺するが、影山は撃たれてもなお生きていた。そして、影山は先輩ヤクザを殴りつけた。影山は意識が朦朧としており、無意識の内に助けた堅気の男の血を吸ってしまう。気づいたときには、男は倒れ、先輩ヤクザは死んでいた。男の妻は影山を責め、死んで償えと怒鳴りつけた。影山が自死しようとしたとき、血を吸った男が立ち上がった。男は妻に襲い掛かり、血を吸った。
影山は自死しようとするが、杏子のことが心残りだったため、病院に向かった。杏子は恩人である神浦が亡くなったことを嘆いていた。影山は杏子と話をしようとするが、血を吸いたいという欲求が収まらなくなる。影山は何とかその場を耐え、慌てて部屋を出て行った。しかし、部屋の外で看護婦とぶつかってしまい、思わず血を吸ってしまう。
影山が目を覚ますと、法眼に保護されていた。法眼は影山にヴァンパイアのことを教えた。影山に血を吸われた人間は、影山の血が体内に入り込むため、“ヤクザ・ヴァンパイア”に変身してしまう。堅気を噛むと“ヤクザ・ヴァンパイア”が増えてしまうため、神浦はヤクザの血を吸っていたのだが、栄養失調で本来の力を出せず殺されてしまったのだ。堅気の血は美味しく、ヤクザの血は不味くて栄養価が低かった。影山は神浦の戦いに巻き込まれて殺された堅気の息子(マサル)に会いに行き、復讐するための手助けとして、血を吸って“ヤクザ・ヴァンパイア”の力を授けた。
映画『極道大戦争』のあらすじ【転】
膳場は神浦の後を継ぎ、組長となっていた。だが、街では堅気がいなくなり、おかしなヤクザが溢れ返っていた。女子高生や警察までもが、ヤクザを名乗るようになったのだ。膳場はクラブのママに助けを求められ、手下と共に店に向かった。すると、教師がヤクザを名乗り、女性に襲い掛かっていた。膳場の手下は教師を止めようとするが、その教師は反抗的な態度を取り、クラブのママに襲い掛かった。血を吸われたママは、“ヤクザ・ヴァンパイア”に変身した。
影山は堅気の血を吸い、“ヤクザ・ヴァンパイア”を量産して勢力を拡大させた。膳場達が堅気が減少したことを憂いていると、膳場を殺しに影山が現れる。手下達は必死に膳場を守り、逃がした。影山は膳場を追おうとするが、その前に伴天連と狂犬が立ち塞がった。影山は狂犬にボコボコに殴られるが、途中で力が溢れ、狂犬と互角の戦いをみせるようになる。“ヤクザ・ヴァンパイア”として、覚醒しようとしているのだ。それに気づいた伴天連は箱から出した銃器を使って影山を始末しようとするが、ローラーボードに乗ったダイナマイトがどこからともなくやって来たため、皆戦うのを止めて慌てて物陰に隠れることになった。だが、セットされていたタイマーの時間が過ぎても、ダイナマイトは爆発しなかった。法眼が影山を救うために、偽のダイナマイトで騒動を起こしたのだ。
神浦は法眼に、影山への手紙を託していた。だが、その手紙は白紙だった。影山が手紙に顔を押し当て神浦のことを思っていると、手紙からみかんの香りがすることに気づく。法眼がその手紙を火で炙ると、白紙だった紙に文字が浮かんできた。そこには、「愚直であれ」と書かれていた。
映画『極道大戦争』の結末・ラスト(ネタバレ)
退院した杏子が影山の元を訪ねて来た。杏子に血を吸いたいか聞かれ、影山は素直にそのことを認めるが、杏子の血を吸うことはなかった。影山は倒れそうになった杏子を抱き留めながら、狂犬達を倒せるか不安な気持ちを吐露した。杏子は神浦みたいになるのだろうと、影山を鼓舞した。
マサルが仲間のヴァンパイアと共に膳場の組を襲撃していると、大きな地鳴りが起こった。そこに現れたのは、伴天連とKAERUくんという名のカエルの着ぐるみを着た人だった。KAERUくんは伴天連の仲間で、世界最強のテロリストでありながら、ヤクザ嫌いという人物だった。KAERUくんは圧倒的な力でヤクザ・ヴァンパイアを倒した。マサルもやられるが、影山がKAERUくんを止め、マサルにはやらなければいけないことがあるから待ってくれと頼んだ。マサルは影山に見守られながら、膳場を斧で殺し復讐を果たした。
影山がKAERUくんと戦っていると、膳場の部下である荒鉄とアンガスがトラックに乗って現れる。荒鉄達はKAERUくんをトラックで轢くが、KAERUくんには何のダメージも与えられなかった。KAERUくんは起き上がると、癇癪を起した子供のように暴れ回った。アンガスはKAERUくんに爆弾を投げつけるが、KAERUくんは爆弾に乗って空を舞い、アンガスにチョップをした。KAERUくんはダメージを受けていなかったが、暴れ回ったことで暑がっていた。
荒鉄が伴天連と戦い、影山がKAERUくんと戦うことになった。KAERUくんは着ぐるみを脱ぐが、顔はカエルの覆面を着けていた。荒鉄は裏切ってしまった神浦のことを思い、撃たれながらも伴天連に向かって行き、銃を撃ち続けた。伴天連を倒すが、荒鉄自身も倒れてしまう。アンガスは荒鉄の戦いを見届けた後、爆弾を握り締めながらKAERUくんに向かって行った。しかし、超能力によって体の動きを止められ、KAERUくんの元に行く前に自爆してしまう。それを見た影山は怒りを滾らせ、KAERUくんに向かっていった。そして、KAERUくんのへそに張られていたテープを剥がした。すると、地鳴りが起こり、山から巨大なKAERUくんが誕生した。
影山が呆然と椅子に座っていると、狂犬が現れる。世界が終わってしまう前に決着をつけようと言うのだ。影山が承諾すると、杏子が現れ止められる。影山の体には、KAERUくんとの戦いのダメージが蓄積されていた。杏子は自分の血を吸ってくれと頼むが、影山は血を吸わず、杏子にキスをした。
影山と狂犬は同じタイミングで顔面を殴り合った。ひたすら顔面を殴ることを繰り返し、最後に立っていたのは影山だった。だが、喜ぶ間もなく、巨大なKAERUくんが近づいて来ていた。影山は手を羽に変身させ、空へと飛んで行った。
映画『極道大戦争』の感想・評価・レビュー
かなりぶっ飛んだ作品です。これを面白いと思うか、駄作だと思うかは見る人によって変わると思いますが、私は、完全に後者でした。市原隼人は青春を謳歌する若者や、ヤンキー役を演じさせたらピカイチなので、今作にも期待していましたが、彼の良さや魅力が全く引き出されておらず、勿体無いなと感じてしまいました。
ヤクザとヴァンパイアというかなり難しい設定でストーリーもよく意味が分からないので、一度見れば十分かなと思います。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー