スウィフトの原作小説を『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックを主演に迎えて原題風にアレンジしたアドベンチャーファンタジー映画。冴えない男の奇妙な冒険をユーモラスに描く。
映画『ガリバー旅行記』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:85分
- ジャンル:コメディ、ファンタジー
- 監督:ロブ・レターマン
- キャスト:ジャック・ブラック、ジェイソン・シーゲル、エミリー・ブラント、アマンダ・ピート、ビリー・コノリー etc…
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映画『ガリバー旅行記』 評価
- 点数:40点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ガリバー旅行記』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ガリバー旅行記』のあらすじを紹介します。
ニューヨークの新聞社で働くガリバー(ジャック・ブラック)は記者のダーシー(アマンダ・ピート)に片思いをしていた。ある日彼女の気をひくために盗作の記事を自分が書いたと偽って渡し、それがきっかけでバミューダ海域の取材記事を書くことになる。早速一人舟に乗って出発するガリバーだが、途中で嵐に巻き込まれてしまい、目が覚めるとそこは小人の国リリパット王国だった。敵国の手先だと勘違いされて牢屋に入れられるガリバーは、そこでメアリー王女(エミリー・ブラント)に恋をした罪で投獄されたホレイショという男と出会う。二人はメアリー王女の婚約者であるエドワード将軍によって有罪にされるが、敵国の襲撃からその巨体を活かして国王を救い出すと一躍英雄扱いされるようになる。ガリバーは小人たちに現代アメリカ文化を伝えたり、親友になったホレイショの恋の後押しをしたりと楽しい日々を送るが、彼の人気ぶりはエドワード将軍の嫉妬を買ってしまう。将軍の座も婚約者もガリバーのせいで失ってしまったエドワードはついに敵国に寝返ると、ガリバーの設計図を基に作ったロボットでリリパット王国に攻めてきた。迎え撃つガリバーだがロボットに乗ったエドワードの前にあっさりと降伏してしまい、巨人の国へと追放される。意気消沈のガリバーだが、嘘を見破り自分でバミューダ海域にやってきたダーシーがリリパット王国に漂流し、エドワードに捕まったことを知ると、もう一度エドワードと対峙すべくリリパット王国へ戻ることを決意するのであった。
映画『ガリバー旅行記』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ガリバー旅行記』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ガリバーの成長物語
この作品は(相対的に)大きな体を手に入れたガリバーが、大きな心を手に入れるまでの物語である。ジャック・ブラック演じるガリバーは肝の小さい男として描かれる。好きな女性に告白もできず、自分の力で記事を書くことすら恐れてできないが、そんな自分を隠すために言うことだけはどんどん大きくなっていく。まさにハリボテだ。
小人の国ではこのキャラクター設定がより視覚的に提示される。恐らく初めて一番巨大な存在となることで、小心者の彼にも見せかけの勇気と自信が湧いてくる。自分では何もできないくせに友人の恋のキューピットを務めてみたり、他人の曲を自分が作ったようにホラを吹いたり。しかし自分と同じサイズのロボット相手に早々と白旗を揚げたことで、やはり自分がただのハリボテに過ぎないことに気づくのだ。ここで二つの意味でのハリボテが結び付くことで、ラストでエドワード操るロボットを倒すという身体的な勝利が、ガリバーの精神的な成長へと自然につながるのだ。
ジャック・ブラックの身体的特徴
手元の資料でジャック・ブラックの身長は168㎝とある。データによって多少の誤差はあるだろうが、彼がハリウッド俳優の中でもだいぶ小柄な部類に属することは間違いない。普段は作品で一番小柄なはずの彼が一番巨大な存在となる所に面白みを感じることもできる。また彼の決して逞しいとは言えない身体も、怪獣を思わせてなかなかユニークだ。特にお腹の肉で大砲を打ち返すシーンはジャック・ブラックならではだ。
ガリバーを演じているのがジャック・ブラックだから面白かったと言っても過言ではない今作。原作を知っている人にとってはかなりあっさりとしたストーリーに見えてしまうと思いますが、個人的には原作に忠実すぎるとジャック・ブラックの面白さや、キャラクターの個性が消えてしまうと思うので今作のちょっぴりコメディタッチなストーリー展開は大正解だったと思います。
嘘や誤魔化しばかりだったガリバーが小人たちと出会い、成長していく姿は大人も子供も満足できるシナリオで、ダメダメな人生でも何かきっかけがあると人って変われるのだなと感じさせてくる作品でした。(女性 30代)
映画『ガリバー旅行記』 まとめ
良くも悪くもジャック・ブラックの個性に頼った印象を受ける。彼が英雄気取りで小人たちと戯れているのを眺めているのは楽しいし、『スクール・オブ・ロック』辺りから引っ張り出して来たようなキャラクターやパロディーは面白い。ただ映画としてのアイデアに欠ける感は否めない。原作のような風刺までは流石に求めないが、もう少し生活のディテールを描く努力をしても良い気がする。ただ中世風の小人が住む島にやって来たという設定だけで走ってしまい、その世界観を具体的に描くだけの力量が不足しているように感じられた。技術的には古いがハリーハウゼンの1960年版の方がその点においては優れていた。乱暴に言ってしまえば、ジャック・ブラックを見るだけの毒にも薬にもならない作品だ。
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