太陽の昇らない極夜の30日間、人里離れた、極寒の村に閉じ込められた人々を襲うヴァンパイアとの死闘を描くサヴァイバルホラー。巧みな狩りを仕掛けて来るヴァンパイアに立ち向かう保安官を主人公に描く、新たな、吸血鬼映画。映像美も見所。
映画『30デイズ・ナイト』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:113分
- ジャンル:ホラー
- 監督:デビッド・スレイド
- キャスト:ジョシュ・ハートネット、メリッサ・ジョージ、ダニー・ヒューストン、マーク・ブーン・ジュニア、ベン・フォスター etc…
映画『30デイズ・ナイト』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『30デイズ・ナイト』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『30デイズ・ナイト』のあらすじを紹介します。
ホラー映画ですが、ただ怖いだけではありません。そんなこの作品のあらすじを紹介します。
冬になると30日間太陽が昇らない極夜が訪れる、アメリカ最北端の街バロウ。極夜の闇に乗じてヴァンパイア達が町に現れ、住民達を次々と虐殺して行く。まるで狩りを楽しむかのようなヴァンパイア達は、巧みな罠を仕掛けたり、電気や通信網を断ち町の端から順に襲って行くなど、様々な手段を使って住民達を追いつめ殺して行く。町の保安官のエバンは、家族と残された住民を守るためヴァンパイアとの壮絶な戦いに身を投じて行く。絶対的不利な状況から主人公達が極夜の30日間をヴァンパイアから逃げながら過ごす中、生き残っていた住民達も一人また一人と犠牲になって行き、ヴァンパイアに噛まれた人間もまたヴァンパイアになるために、かつての友人や仲間・幼い子供らを手にかけなければ行けない非情な現実とどんどん追いつめられて行く疲労感と絶望感が残された住民達を襲う中、保安官エバンがとった最終手段とは?
映画『30デイズ・ナイト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『30デイズ・ナイト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人里離れた町に謎の男が不安をもたらす。
冒頭シーンでやつれ果てた謎の男が今回の舞台となるバロウの町にやって来る。
彼は不吉な発言と挑発的な行動で、保安官一家にこれから起こる恐怖の始まりをほのめかす。
彼は、ヴァンパイアの捕虜にされ囮としてバロウに送り込まれた人間だった。そして始まるヴァンパイアの狩り。まるで、町に不幸をもたらした様な彼にエバンの怒りの矛先が向かって行く。
役目を終えた彼は、ヴァンパイによって殺されるのだが、彼の存在や妙な発言等が、この物語にさらなる恐怖感を与えている。
ステラの存在がエバンを支える
保安官のエバンの訳合って別れた元妻のステラは極夜になるまえに、町を出る予定だったが、空港に向かう道中で事故に合い、飛行機の最終便に間に合わず、不幸にもこの町に取り残される事になる。しかし、その彼女の存在がエバンの心の支えまた逃亡生活での良き協力者となるのであった。
不気味なヴァンパイア達の狩り
町の電気と通信網を断ったヴァンパイア達は次々と住民達を惨殺していく。人間に似ているがどこか不気味な風貌と残虐性と身体能力そして知力で町中を血に染めていくヴァンパイア達。ホラー定番のゾンビや、今までの闇に潜む吸血鬼のイメージとは違った彼らの残虐性が描かれていく。捕虜にした住民を使って生き残った人間をおびき寄せたり等、ただのモンスターではない事を臭わせる。ただ、人を襲うだけでなく、生き残った人をおびき出す作戦を考えたり、ヴァンパイアの存在を世間に知られないようにするため、町に火を放って、事故に見せかけ、狩りが無かったように思わせる作戦をとるなど、大変知力の高いモンスターだと言えるだろう。
そんなヴァンパイアにも弱点が
どんどんヴァンパイアに追いつめられる生存者達だったが、どうやら、ヴァンパイア達は太陽の光に弱いらしい。そこで、エバン達は植物栽培用の紫外線ライトで逆襲に成功する。
町に火が放たれ、絶体絶命!!
ヴァンパイアへの逆襲が成功したと思ったのもつかのま、この事件を無かった事にしようとヴァンパイアが町に火を付ける。最後の砦の隠れ家にもヴァンパイアが忍び込み、炎に妬かれて死ぬか、ヴァンパイアに食われて死ぬかの絶体絶命の選択に迫られる。そのとき、ステラがヴァンパイアに見つかり殺されそうになる、しかも忍び寄る炎。
エバンは家族を、住民を守る為に、最後にとった究極の選択とは?
ステラに危機が迫る中、エバンは最後の手段に出る、ヴァンパイアの血液を自分の体内に取り込み自分もヴァンパイアになって、ヴァンパイアと戦うという選択だった。その作戦は成功し、ステラや残された住民は助かったのだが、極夜が明けて、太陽が昇り、ヴァンパイアとなってしまった、エバンは、ステラの腕の中で、灰になって消えてしまうのだった。
ヴァンパイアのイメージを大きく覆された今作。ヴァンパイアと言うと、人間と吸血鬼のハーフと言うようなイメージがあったので、人間としての自制心を持ち合わせていて、ターゲットを選ぶと思っていました。
しかし、今作のヴァンパイアはずっとヴァンパイア。目に映る全ての人間がターゲットだし、何より頭が良いです。現れる場所も追い詰め方も人間よりかなり上手なので、これはやられてしまうなと早々に諦めモードで見ていました。
勇敢に立ち向かう人がいるから映画として成り立つのだと思いますが、現実にこんなに知能の高いヴァンパイアが現れたら、自分も早めにヴァンパイアにして欲しいなと感じてしまいました。(女性 30代)
映画『30デイズ・ナイト』 まとめ
私は、吸血鬼物は好きで、たくさんみていたのですが、この映画の吸血鬼は独特です。中世的なイメージも無く、人間を襲う様子はゾンビの様です。しかし、高い知力を持っているのが、この映画の恐怖のポイントです。また、映像美も特徴的で、極夜という、ずっと夜というシチュエーションを全体的に青白い画面で統一し、極寒地の寒さとヴァンパイアの恐怖を見事に表しています。また、豪雪地と血飛沫の白と赤のコントラストも綺麗だと感じました。そう言う点でも、ホラーが苦手な方でも見れそうな作品だなと感じています。続編も出てるので、そちらも合わせてぜひ見ていただきたい作品です。ステラが復讐するんでしょうか?恐怖シーンも少ないので、気楽に見られると思います。吸血鬼といえば、中世ヨーロッパのイメージですがそれとは全く違った吸血鬼映画です。
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