映画『ガンヘッド』の概要:1989年に制作された日本映画。巨大ロボットが登場する映画であるが、CGは使用しておらず、SF特撮映画作品である。史上初の実写巨大ロボットムービーと謳っており、6メートルにも及ぶロボットが撮影に使われている。
映画『ガンヘッド』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:SF、アクション
監督:原田眞人
キャスト:高嶋政宏、ミッキー・カーティス、円城寺あや、川平慈英 etc
映画『ガンヘッド』の登場人物(キャスト)
- ブルックリン(高嶋政宏)
- トレジャーハンターBバンガーの日系人。Bバンガーでは最年少であり、機械に強いため、メカニックとして活動している。カイロン5の中央処理装置を回収するために、無人島8JOに侵入するも、仲間達も殺され、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。
- ニム(ブレンダ・バーキ)
- テキサス空域警備隊のメンバー。バイオロイドに奪われたテキスメキシウムという鉱石を取り戻すために8JOにやって来た。島に侵入する際に、仲間を失ってしまったため、Bバンガーのメンバーと共闘することとなる。
- ベベ(円城寺あや)
- Bバンガーのサブリーダー。顔に視力補強マスクを着けているが、見た目に反して優しく面倒見が良い。8JOでバイオドロイドに取り込まれてしまう。
- イレヴン(水島かおり)
- 8JOで産まれた生存者の少女。カイロン5の防衛システムをくぐり抜けることができるが、失語症であり、引っ込み思案な性格。
- セブン(原田遊人)
- 無人島であるはずの8JOで出会った少年。戦争後に8JOで産まれた生存者であり、左足を負傷している。8JOにやって来たブルックリン達を手助けすることになる。
映画『ガンヘッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ガンヘッド』のあらすじ【起】
2025年、ロボット技術が発達し、様々な産業などにロボットが組み込まれていた。そんなロボットを製造する拠点として8JOという島が使われており、8JOは巨大なコンピューターであるカイロン5により管理されていた。そんなある日、突如カイロン5が人類に宣戦布告をしてくる。
それにより8JOは戦場と化し、人類とロボットの戦いが始まる。苦戦を強いられた人類は、遂に最終兵器であるガンヘッドと呼ばれる自動戦闘ロボットを戦闘に投入する。ガンヘッドの部隊が8JOに侵入するが、カイロン5の操るエアロボットにより、ガンヘッド部隊は全滅してしまう。これにより人類は8JOを封鎖するのであった。
人類が8JOを封鎖してから13年の月日が経っていた。8JOが封鎖されてからというもの、カイロン5は沈黙を続けていた。そんな廃墟となった無人島8JOから、カイロン5の中央処理装置をはじめとするコンピューターパーツやその他の宝を盗むべく、Bバンガーのメンバーが8JOに向かっていた。
映画『ガンヘッド』のあらすじ【承】
ブルックリンやベベなどBバンガーのメンバーは、拠点とする航空機メリーアンで8JOに向かっており、その船内で、生体ロボットであるバイオドロイドの反乱により、政府からテキスメキシウムが盗まれたことを知る。
そんな中、遂にメリーアンが8JOに到着した。カイロン5のメインタワーの屋上にメリーアンを着陸させたブルックリン達は、テキサス空域警備隊のヘリが追撃されるのを目撃し、不安な気持ちに駆られる。
そんな中、Bバンガーのメンバー達は次々とメリーアンから降り、カイロン5を目指して進んでいく。メカニックであるブルックリンは8JOに眠っているはずのガンヘッドを回収したいと考えていたが、他のメンバー達に反対されていた。
メインタワーを着々と進んでいたブルックリンであったが、突如数人の仲間と連絡が取れなくなってしまい、更には共に行動していたメンバーも姿を消してしまう。そこにテキサス空域警備隊のニムが現れる。ニムは共に8JOに来ていた仲間を失っており、ブルックリン達も数名の仲間を失っていたため、共に行動することとなる。
映画『ガンヘッド』のあらすじ【転】
ブルックリン達はカイロン5に向け進み続けたが、更に仲間を失い、遂にブルックリンとベベとニムの3人だけになってしまった。しかしながら、なんとかカイロン5にたどり着いたブルックリン達は、テキスメキシウムを盗んだバイオドロイドに襲撃される。なんとかバイオドロイドを撃退することに成功し、ニムはテキスメキシウムを回収したが、今度はベベに奪われてしまう。
そんな時、突如カイロン5が活動を再開し、ベベがはぐれてしまいブルックリンとニムの2人きりになる。下層まで落とされてしまったブルックリンとニムは、今度はエアロボットに襲われる。命からがら逃げたブルックリン達であったが、気絶してしまう。
ブルックリンが目を覚ますと、そこには左足の不自由な少年セブンと、言葉を失ってしまった少女イレヴンがいた。2人は8JOで生まれ育った唯一の人間であったため、メインタワーに詳しく、屋上のメリーアンまで案内してくれることになった。
しかしながら、屋上に到着するためにはエアロボットなどの障害があるため、簡単にはいかないようであった。そのためブルックリンは、スクラップの中からガンヘッドを作製した。
映画『ガンヘッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
起動したガンヘッドに、カイロン5の目的を探るためにテキスメキシウムを解析させると、テキスメキシウムとは原子力を超えるエネルギーを持った鉱石だった。カイロン5は人間にこれを作るように誘導しておいて、バイオドロイドに盗ませたのであった。そしてそのエネルギーを使い、人間を滅ぼそうとしていた。
カイロン5の真の狙いがわかったブルックリン達は急いで行動を開始する。ブルックリンはセブンと共にガンヘッドを戦闘に使える状態まで復旧させ、ニムとイレヴンはカイロン5に向かった。ニムとイレヴンがカイロン5に向かっていると、再起動したバイオドロイドに襲われ、無線で連絡を受けたブルックリン達は急いでガンヘッドと共にニム達を助けに向かった。
なんとかニムとイレヴンがカイロン5にたどり着いた時、イレヴンが突然別人のようになり、カイロン5のもとに進んで行った。カイロン5は自分自身が復活するためのコードを8JOで初めに産まれた子供の声に隠していたのである。
カイロン5の復活コードをイレヴンが唱えそうになるのを間一髪で止めたニムであったが、そこにエアロボットと戦うガンヘッドとブルックリンがやってくる。ガンヘッドとブルックリンは苦戦しつつもエアロボットとバイオドロイドを破壊した。
手駒がなくなったカイロン5は、自爆しようとするが、ガンヘッドが自分を犠牲にし、それを阻止した。その隙にブルックリン達はメリーアンに乗って脱出に成功するのであった。
映画『ガンヘッド』の感想・評価・レビュー
ガンヘッドは、SF特撮映画ということで、CGを使うことなく、巨大ロボット同士の戦いなどを表現している。現在のSF映画であればCGを多用してしまうが、全てプラモデルなどで撮影しており、味がある映像になっている。全体的に雰囲気が暗いため何が起こっているのか分かりづらい印象ではあるが、ガンヘッドの戦闘シーンなど、かっこよく描かれていると感じた。ロボットや特撮が好きな人は楽しめる内容になっているので、鑑賞してみることをお勧めしたい。(MIHOシネマ編集部)
SF映画の「CG感」がどうしても気になってしまう私は、この作品のクオリティに感動しました。CGを使用せずに巨大ロボットを使った特撮作品という事ですが、良い意味で「リアリティ」がありました。作りこみ過ぎていない、味のある雰囲気がとても良かったです。
映像が魅力的でストーリーはあまり頭に入ってきませんでしたが、特撮好きな方には堪らない作品でしょう。万人受けはしないかも知れませんが、好きな人は何度も見たくなると思います。(女性 30代)
東宝とサンライズのまさかのコラボによって実現したSFロボット特撮作品。
主役機であるガンヘッドが廃墟と化した地で、埋もれていたところを主人公のブルックリンによって修理されカイロン5に立ち向かう構図は、リアルロボット的な趣がある。戦車からロボットの形態に変形するガンヘッドの武骨ながら精密なデザインも非常に格好いい。
内容のわかりにくさなどが惜しいが、実写特撮、SFロボットアクションを作り上げた特技技術の高さは大きな見どころ。(男性 20代)
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