この記事では、映画『軍艦少年』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『軍艦少年』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『軍艦少年』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0067852
製作年 | 2021年 |
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上映時間 | 103分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ 青春 |
監督 | Yuki Saito |
キャスト | 佐藤寛太 加藤雅也 山口まゆ 濱田龍臣 柾木玲弥 |
製作国 | 日本 |
映画『軍艦少年』の登場人物(キャスト)
- 坂本海星(佐藤寛太)
- 腕っぷしは強いが心優しい高校生。絵を描くことが得意。
- 坂本玄海(加藤雅也)
- 海星の父親。ラーメン屋を営むが、妻を亡くしてからは酒に逃げるようになる。
- 結(山口まゆ)
- 海星の同級生。純に想いを寄せられている。
- 純(濱田龍臣)
- 海星の幼馴染。
- 朝倉(柾木玲弥)
- 不動産屋。坂本家の土地を買い取り、マンションを建てようとしている。
- 小池(武田一馬)
- 海星に恨みを持つ高校生。
- テツ(一ノ瀬ワタル)
- 小池の兄の仲間。半グレ。
- 野母崎巌(赤井英和)
- 刑事。玄海と小百合の同級生。
- 泉(清水美沙)
- 美術部顧問。玄海と小百合の同級生。
- 坂本小百合(大塚寧々)
- 海星の母親。病気を患っている。
映画『軍艦少年』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『軍艦少年』のあらすじ【起】
松本海星は、傷ついた顔で軍艦島を眺めていた。
足元には、喧嘩に負けた3人の男が倒れている。
海星の父親の玄海はラーメン屋を営んでいる。
玄海と、妻の小百合は軍艦島で生まれ育っていた。
しかし島が閉鎖されてからは、戻っていない。
腕力が強い海星だったが、絵を描くことが好きだった。
所属している美術部には、幼馴染の純もいる。
不良漫画に触発された彼らは、パンチの練習をするようになった。
小百合は病気を患っていて、入院している。
海星もそんな母を気遣っていた。
玄海は『島に寄せ書きを残したままだから、いつか里帰りしよう』と約束する。
学校では、顧問の泉先生に母の容態を聞かれる海星。
彼は両親と幼馴染なのだ。
海星が健康を祈って描いた母の絵を見て、純は涙を流した。
しかし海星は、母の病気が不治なのだと知る。
ある日の放課後、海星と純は同級生の結を埠頭で見かける。
結は軍艦島の絵を描いていた。
どうやら純は、結のことが好きなようだ。
海星は純に『結に話しかけてこい』と言う。
そして気を利かせて、自分はその場から去るのだった。
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映画『軍艦少年』のあらすじ【承】
容態が急変した小百合が海星の名を呼び、玄海は息子を探しにいく。
その頃、海星は不良たちに追いかけられていた。
不良たちが一般人に絡んでいるのを、海星が止めたためだ。
その後に父からの電話に気づき、病院に急ぐ海星。
しかし到着した時には、母は亡くなっていた。
玄海は一日中飲んだくれるように。
海星は髪を染め、タバコを吸い、喧嘩の強さは地元で有名になっていた。
帰宅すると、不動産屋の朝倉が訪問している。
マンション建築のため、ラーメン屋兼住宅の土地を売ってほしがっているようだ。
さらに玄海の幼馴染で、刑事の野母崎巌が訪れる。
小百合の死を聞いて大阪から来たらしい。
野母崎は朝倉を追い返し、玄海を励ますが、彼の言葉は届かなかった。
学校では結が海星に話しかける。
しかし海星が茶化すので、彼女は怒ってしまった。
町では海星の名前を出して金を巻き上げる連中がいた。
その中には、純もいたのだ。
父を元気にしたい海星は、両親が島に残した寄せ書きのことを思い出す。
純の従兄弟が船を持っているので、それに乗せてもらえないか頼むのだった。
映画『軍艦少年』のあらすじ【転】
無許可での上陸はできないので、船の計画はとん挫した。
家を訪れた野母崎は、しつこく訪問する朝倉に『俺は刑事をやっている』と言う。
この場所は小百合が「軍艦島が見えるから」という理由で選んだので、手放すわけにはいかないのだ。
さらに野母崎は、同級生の泉に玄海のことを話す。
泉は結を誘い、海星の家に行くことになった。
野母崎と海星は船で軍艦島に向かい、島の禁止区域を案内する。
泉と結は玄海のもとを訪ね、掃除や食事の用意をした。
海星の帰宅前に泉は帰るが、結は残る。
帰宅した海星に結は、自分も母を亡くしていることを話した。
だからこそ、海星の絵を見て励まされたのだと言う。
海星の名前で金を巻き上げるグループの主犯格の小池は、海星を恨んでいる。
純が女子を守るために海星の名前を出したことがあったのだが、それがキッカケだった。
さらに小池は純を仲間に引き込んだのだ。
しかし小池は海星に相手にされない。
小池は半グレの兄に頼み、4人で海星を襲う。
海星は4人相手でも優勢だったが、その場を訪れた結を守ろうとして袋叩きにされた。
映画『軍艦少年』の結末・ラスト(ネタバレ)
無気力な玄海は家を売ろうと、譲渡の書類を提出していた。
野母崎は海星に檄を飛ばすが、海星は焦るばかりである。
小池の兄の仲間・テツは、気が強い結を自分のものにしようとしていた。
それを知った海星は純と共に、結を助けにいく。
テツは、海星でも苦戦するほど強かった。
しかし最終的にはテツに勝ち、負けを認めさせたのだ。
一連の出来事に関わっていた純は海星から殴られ、それで2人は和解する。
やがて、死んだはずの母から手紙が届いた。
生前の小百合からの手紙には、死んでも自分がいるということが綴られていた。
それを読み、玄海は目を覚ます。
海星は再び軍艦島に行く。
そして例の寄せ書きを、さらに母のスケッチブックを見つけた。
帰宅後、海星は父にスケッチブックを渡す。
そして『自分も店を手伝う』と告げた。
玄海も今までのことを詫び、感謝を伝えるのだった。
髪色を戻した海星は、純と結をラーメン屋に誘った。
学校の廊下には、『軍艦少年』という絵が飾られている。
その絵には、軍艦島を眺める金髪の男性が描かれていた。
映画『軍艦少年』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
「軍艦島」の風景が象徴的で、主人公・蓮の孤独や怒りを包み込むような演出が印象的でした。父との関係の再構築を軸に、喪失と再生が描かれる構成はシンプルだけど力強い。ボクシングを通じて自分を取り戻していく蓮の姿が、観ているこちらにもエネルギーをくれる作品でした。(20代 男性)
若さゆえの葛藤や衝動がとてもリアルに描かれていて、母を亡くした少年の心情に深く共感できました。決して華やかな話ではないけれど、ボクシングという手段でしか自分の怒りを表現できない蓮の姿に、切なさと誠実さを感じました。父との再会のシーンは泣けました。(30代 女性)
個人的に、こういう“荒々しいけど真っ直ぐな青春映画”が大好きなので、かなり響きました。特に蓮が父親と対峙する場面、抑えていた感情が一気に爆発していて胸が熱くなりました。映像もカッコよくて、アングルや編集にセンスを感じました。もっと評価されてほしい映画。(20代 男性)
思春期の少年の心に潜む“怒り”や“寂しさ”を丁寧に描いていて、観ていて心がチクチクしました。母を失い、父を憎みながらもどこかで求めている…その矛盾した感情が、表情ひとつで伝わってくる。主演の演技力に驚かされました。父とのラストの和解には、涙が止まりませんでした。(40代 女性)
ボクシングという“戦い”を通して、心の戦いを描いた良作。父親と再会し、自分の居場所を見つけるまでの物語は、王道ながら感動的。軍艦島という舞台がまた独特で、歴史的な重さと閉塞感が画面から伝わってきました。静かな余韻が残る作品。(50代 男性)
正直、もっと暴力的で荒れた映画かと思っていたけれど、観てみるとむしろ“父と息子の愛”がテーマだった。ラスト、リング上での蓮の表情はまさに「再出発」を意味していて、希望を感じさせてくれる。青春の痛みと再生を描いた、意外な傑作だと思います。(30代 男性)
母を亡くした少年が、孤独と向き合いながら父と再び向き合うまでの過程は、静かに、しかし深く心に残る。無理に感動させようとしない演出が好印象で、役者の目の演技に魅了されました。社会の片隅で生きる少年たちのリアルが、ここにはあります。(40代 女性)
女性としては少し入りにくい世界観かも…と思っていたけど、そんなことなかったです。蓮の不器用な優しさ、父への複雑な想い、すごく丁寧に描かれていて、胸が締めつけられる場面が多かった。軍艦島の閉塞感が、蓮の心そのものを映しているようでした。(20代 女性)
軍艦島という場所に、蓮の心の孤独と怒りが重なる構図がうまい。誰もが抱えている“ぶつけようのない感情”を、ボクシングという手段に託して描くのはベタだけど、それがよく効いている。父親との関係の描写も自然で説得力があり、最後まで引き込まれた。(30代 男性)
息子の怒りを静かに受け止める父親の姿が印象的でした。男同士って、こうやって拳で語らないと心が通じ合わない時もあるんだな、と感じました。蓮のように不器用で、でもどこか純粋な少年の姿に、自分の若い頃を思い出しました。心に残る作品です。(50代 男性)
映画『軍艦少年』を見た人におすすめの映画5選
ケイコ 目を澄ませて
この映画を一言で表すと?
“静寂の中で叫ぶ、魂のボクシング映画”
どんな話?
聴覚障害を持ちながらもプロボクサーとして戦うケイコの姿を描いた実話ベースの物語。閉鎖が迫るジム、変わっていく街、言葉を超えた感情のやり取りが淡々と映し出されていく、静かながらも熱量を感じる作品。
ここがおすすめ!
派手な演出はなくとも、ケイコの拳に込められた想いが観る者の心に響きます。『軍艦少年』が持つ“闘うことでしか自分を表現できない”というテーマと深く共鳴。身体と言葉で闘う姿に胸が打たれます。
ミッドナイトスワン
この映画を一言で表すと?
“孤独と愛がすれ違い、やがて光になる”
どんな話?
トランスジェンダーとして生きるナギサが、親に捨てられた少女・一果と共に暮らすことになり、次第に“家族”としての絆が生まれていく物語。偏見や葛藤を超えて、無償の愛が描かれた感動作。
ここがおすすめ!
不器用だけど真っ直ぐな想いが胸を打つ作品。『軍艦少年』と同じく、親と子、社会からの孤立、そして“居場所”を求める主人公たちの姿に共感を覚える方には特におすすめです。草彅剛の熱演も圧巻。
青の帰り道
この映画を一言で表すと?
“夢を追う若者たちの光と影を描く青春群像劇”
どんな話?
前橋から東京へ夢を追って旅立った7人の若者たち。現実にぶつかりながらも再び交差する運命を描く、痛々しくも愛おしい青春映画。仲間、夢、裏切り、死と向き合いながら、それぞれの人生を歩む姿が描かれます。
ここがおすすめ!
夢に破れたり、仲間を失ったりする若者の“再生”が主題で、『軍艦少年』の“喪失と立ち直り”に共鳴するテーマ。エモーショナルな音楽と叙情的な映像美が相まって、心に深く残る一本です。
アントキノイノチ
この映画を一言で表すと?
“命の意味を探す、青春の喪失と再生の物語”
どんな話?
過去のいじめによって心を閉ざした永島と、同じく傷を抱える杏平が、遺品整理という仕事を通じて少しずつ前を向いていく感動作。死と向き合うことで、生きる意味を探していくプロセスが丁寧に描かれます。
ここがおすすめ!
重たいテーマながらも、優しさと繊細な心のやりとりが描かれています。『軍艦少年』のように、自分の過去と向き合いながら前進する若者の物語を求める人にぴったりです。岡田将生と榮倉奈々の演技も見どころ。
ヒミズ
この映画を一言で表すと?
“壊れた世界で、壊れながらも生きようとする少年の物語”
どんな話?
震災後の日本を舞台に、家庭にも社会にも居場所を持てない少年が、暴力と混乱の中で“普通に生きたい”という願いを抱く青春映画。園子温監督が描く、荒々しくも切ない人間ドラマ。
ここがおすすめ!
少年の暴力性と純粋さが共存する描写が『軍艦少年』と非常に近い。迫力ある演技とテンポのある演出で、心の奥に深く突き刺さる内容です。生きることの痛みと希望を同時に描いた傑作。
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