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映画『八月の鯨』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『八月の鯨』の概要:小さな島で暮らす老姉妹。ありふれた日常を送る彼女達と、古くからの友人達や島の人々のささやかな交流が描かれた一作。主演はベティ・デイヴィスと、サイレント映画時代のスター女優リリアン・ギッシュ。

映画『八月の鯨』の作品情報

八月の鯨

製作年:1987年
上映時間:91分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リンゼイ・アンダーソン
キャスト:ベティ・デイヴィス、リリアン・ギッシュ、ヴィンセント・プライス、アン・サザーン etc

映画『八月の鯨』の登場人物(キャスト)

リビー・ストロング(ベティ・デイヴィス)
老女。サラの妹。病気で目が見えなくなり、サラの別荘でサラに面倒を見てもらっている。棘のある言葉を使って相手を怒らせることがよくある。頑固で意地っ張りだが、サラへの愛は深い。
サラ・ウェバー(リリアン・ギッシュ)
リビーの姉。戦争で夫を亡くし、リビーに面倒を見てもらっていた。その恩で今はリビーのお世話をしている。別荘で暮らしている。献身的な性格で、未だに生きることに希望を感じている。
マラノフ(ヴィンセント・プライス)
サラのいる島で暮らす老人。妻を亡くし、住む場所が無くなってしまう。サラに好意を持つが、リビーにそれを邪魔されてしまう。釣り好きの紳士。
ティシャ(アン・サザーン)
サラとリビーの古くからの友人。サラの将来を心配し、色々とお節介を焼く。お喋りで、自己中心的な部分がある。
ジョシュア(ハリー・ケイリー・ジュニア)
島の修理工。サラの別荘に大きな窓をつけることを提案する。職人気質の老人。

映画『八月の鯨』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『八月の鯨』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『八月の鯨』のあらすじ【起】

リビーとサラの姉妹は、夏になると小さな島にあるサラの別荘へ行くのが恒例行事。この入江には夏になると鯨が姿を現す。少女時代の彼女達は、それを見るのが楽しみだった。

時代は進み、姉妹も老人になった。サラは別荘でリビーと一緒に夏を過ごしている。リビーは病気で目が見えないため、サラが世話をしているのだ。ある日、マラノフという老人が二人の別荘を訪れる。マラノフは釣りをするために島へときたのだ。

リビーはサラに、どこか棘のある言葉をかける。それでもサラは優しくリビーに答え、身の回りの世話する。

立体スコープを発見したサラは昔話を始める。そこに写し出されていたのは、姉妹と一緒に写るティシャの姿や、鯨を見るために駆け回る姉妹の姿だった。

ティシャが別荘へとやってくると聞いて、リビーはサラに身だしなみを整えて欲しいと頼む。サラがリビーの髪を梳かしているとき、リビーは過去の話をし始める。そして、多くの時間が過ぎたと感傷に浸る。

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映画『八月の鯨』のあらすじ【承】

庭で絵を描くサラ。リビーは突然散歩に行きたいと言い出す。サラは絵を途中で切り上げ、リビーを散歩に連れ出す。リビーは島で釣りをしているマラノフのことを、詐欺師だと言って罵る。そんなことはないとサラはリビーをなだめる。

ティシャが別荘に到着する。ブルーベリーを摘みながらやってきたティシャ。サラを見て、やつれたのではないかと心配する。ティシャは、頑固者の老人と言ってリビーを揶揄し、リビーが原因でやつれたのではないかと言い出す。サラは、リビーが最近死に対する不安を持っているみたいだと語る。

修理工のジョシュアが修理のために別荘を訪れていた。ジョシュアとティシャとサラが部屋でお茶をしながら世間話を楽しむ。リビーは一人で外に出て椅子に揺られている。

鯨を見るために岬へと出るサラとティシャ。戦前はどれだけ鯨がいただろうかという話から、ティシャは戦時中の潜水艦の話をする。潜水艦が鯨を追いやったのだと言うティシャに、幻でも見たのだと言い返すサラ。再び過去の話で盛り上がる。

映画『八月の鯨』のあらすじ【転】

サラとリビーとティシャが世間話を始める。友人や知り合いの話で盛り上がるが、誰かが死んだとか、補聴器をつけたとか、関節炎の調子はどうかといった老人ならではの話題ばかり。そこへマラノフが釣りを終えて別荘へと入ってくる。

四人でしばらく世間話をした後、ティシャとマラノフが船の時間に合わせて部屋を出て行く。

サラとリビーは散歩をしながら昔話をする。サラの夫は第一次世界大戦のときに死んでしまった。悲しみに暮れる中、リビー夫婦がサラの面倒を見てくれていたのだ。部屋に戻り、二人はそれぞれの亡くなってしまった夫を懐かしく思い、思い出の品を眺める。

マラノフを夕食に招待したサラ。準備で忙しいサラを、リビーは揶揄する。マラノフの来訪を、リビーは快く思っていなかった。

マラノフが花を持ってやってくる。しっかりと身だしなみを整えたサラに、美しいと言うマラノフ。二人はまるで若いカップルのように時間を過ごしていた。夜になり、リビーも含めての夕食が始まる。

映画『八月の鯨』の結末・ラスト(ネタバレ)

夕食後、昔話を楽しむ三人。突然リビーが、先日亡くなったマラノフの妻の話をする。早く次の家を見つけるべきだが、ここはあてにするべきではないと皮肉を言う。リビーは、マラノフがサラに好意を持っていると思っていたのだ。リビーはそのまま自分の部屋へと戻ってしまう。サラはマラノフに、リビーの無礼を謝る。マラノフは笑って姉妹を褒め、去って行く。

サラの結婚記念日、サラはテーブルに二人分の食器を並べて夫のことを思っていた。そして、もうリビーにはついていけないと独り言を言う。すると突然、リビーがサラの名前を叫びだす。夢で死に捕まったサラを見たのだと言うリビー。サラは、リビーと違ってまだ死ぬことは考えていないと答える。

翌日、ティシャが不動産屋を連れて別荘へやってくる。ティシャは別荘を売ろうとサラに提案していたのだ。しかし、サラは怒って彼らを追い返す。

ジョシュアが別荘にやってくる。リビーはジョシュアに、大きな窓を取り付けたいと言う。それは予てからジョシュアが勧めていて、サラも賛同していたことだった。それには姉妹にとって、これからもこの別荘で長く暮らそうという意味があった。姉妹は鯨を見るために岬へ出て、仲良く海を眺める。

映画『八月の鯨』の感想・評価・レビュー

ずっと好きな映画。老姉妹の物語で、とくに大きな事件が起きるわけではなく、静かな生活が淡々と描かれていく。最初はぶつかる二人が、あるときから打ち解け、寄り添い生きていく。好みは分かれると思うが、人生の終盤を高い演技力で表現している、美しい映画だと思った。(女性 20代)

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