映画『エージェント・マロリー』の概要:元海兵隊員であるマロリーは現在、民間軍事企業に勤めている。バルセロナで人質救出作戦を無事に完了し、帰宅した彼女は更なる任務へと向かうことになった。だが、向かった先で陰謀に巻き込まれる。
映画『エージェント・マロリー』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:ジーナ・カラーノ、マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー、ビル・パクストン etc
映画『エージェント・マロリー』の登場人物(キャスト)
- マロリー・ケイン(ジーナ・カラーノ)
- 凄腕エージェント。ケネスが経営する民間軍事企業で任務を行っていたが、MI6に見込まれ任務に指名される。近接戦に長けておりタフ。
- ポール(マイケル・ファスベンダー)
- マロリーの新パートナー。ケネスが雇ったエージェント。マロリーとジャーナリスト殺害を任務としていた。
- ケネス(ユアン・マクレガー)
- 民間軍事企業の経営者。かつてはマロリーの恋人だった。経営の危ない会社を立て直すため、退社しようとしているマロリーの殺害を企てる。
- アーロン(チャニング・テイタム)
- マロリーの元同僚。マロリーに一目惚れし、肉体関係を持つ。ケネスの思惑に気付き、抵抗しようとするも殺害されてしまう。
- スチューダー(マチュー・カソヴィッツ)
- 政府関係者のフランス人。内部告発をするジャーナリストの存在を疎んじていた。ロドリゴの計画に乗る。
- ロドリゴ(アントニア・バンデラス)
- スペイン政府関係者。全ての黒幕。スチューダーの希望を取り入れ、ケネスを利用しマロリーに全ての罪を被せようと計画を立てる。自らはその後、マヨルカ島へ逃亡。
- コブレンツ(マイケル・ダグラス)
- 米国政府の実力者。ロドリゴとケネスの連絡係だった。マロリーの腕を見込み勧誘する。
映画『エージェント・マロリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エージェント・マロリー』のあらすじ【起】
凄腕の工作員マロリー・ケインは、ケネスが経営する民間軍事企業に勤めて3年になる。彼女の能力は、他国の政府が認めるほどだった。近頃、会社の経営状態が悪化していると知り、退社しようと考えている。
ワシントンにて、ケネスは米国政府の実力者コブレンツと、スペイン政府の関係者であるロドリゴから、人質救出の依頼を受ける。しかも相手は、マロリーをご指名。ケネスは渋りつつも、マロリーを任務に就かせることにした。
バルセロナにて、同僚のアーロンと他2名の4人で、無事にジャーナリストを救出したマロリー。救出したジャーナリストはロドリゴに引き渡し、任務完了となった。
約9週間ぶりにサンディエゴの自宅へ戻ったマロリーは、訪れたケネスに立て続けの任務で疲れているから、休みたいと訴える。すると彼は、簡単な任務を終わらせたら、休暇をやると言う。簡単な任務なら自分じゃなくてもいいと話すが、今回の任務は英国諜報機関MI6絡みのもので、マロリーを指名してきた任務なので外せないと言われるのだった。
映画『エージェント・マロリー』のあらすじ【承】
ダブリンにて、ケネスに渡されたブローチを身に着けたマロリーは、今回の相棒となるエージェント、ポールと会う。彼と新婚夫婦のふりをして任務にあたる手はずだった。
某ホテルのパーティーに参加し、フランス人のスチューダーと接触後、ポールと別れて行動。マロリーはどうもポールを信用できず、彼の動向を逐一チェック。彼女は密かにポールが消えた扉へと向かった。
扉の中は倉庫のようだ。そこでマロリーは、バルセロナで救出したジャーナリストの死体を発見。死体の手には、マロリーが目印として身に着けていたブローチが握られていた。
ポールと合流しホテルへ戻る。だが、マロリーは部屋へ入った途端、ポールから襲撃される。激しい格闘を展開し、奴に勝利したマロリー。ポールはケネスと話せと言っていたが、マロリーは容赦なく気絶した彼を始末した。
ポールの携帯からケネスへ着信を入れると、彼はマロリーとの離婚は成立したかと確認してくる。彼女は無言でホテルの部屋を出た。
そして、父親にニューメキシコの実家へ帰省すると連絡を入れる。
映画『エージェント・マロリー』のあらすじ【転】
翌早朝、ホテルから出たマロリーだったが、尾行の存在を察知。彼女は隙を突くと、携帯を捨てて逃走。尾行を撒いてタクシーで移動後、新たに携帯を購入したが、なぜか居場所がばれている。探ってみると鞄の中に発信装置が隠されていた。
追跡者は警察のようだ。ジャーナリスト殺しの犯人として追われているのだろう。彼女は特徴を変えるために、盗んだパーカーを着用して、上手く逃げおおせた。
夜になってからロドリゴに連絡を入れ、スチューダーに人質を売ったのは誰かを確認するも、返事はなかった。
その後、コブレンツから折り返しの連絡が入る。彼からケネスの動向を探れと言われた。
マロリーは偽の身分証を手に入れ、カナダ経由でニューヨーク州、北部へ辿り着く。
そして、田舎のレストランでケネスと会う算段だったが、現れたのはアーロンだった。奴と格闘し、その場にいた青年を連れ、再び逃走を開始。彼に今までの全てを話して聞かせた。
だが、州警察に追われ、逮捕されてしまう。マロリーは受け渡し場所に連れて来られるも、謎の武装集団に襲撃され、別車両にいた青年を救出後、彼に全てを明かし、警察へ行くよう伝言を頼んだ。
実家へ帰ったマロリーは、父に事情を説明し協力を仰いだ。やがて、父親の元にケネスがやって来る。奴は全ての罪をマロリーに被せる算段だ。彼女は自宅に電話し、ケネスに宣戦布告する。
映画『エージェント・マロリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
携帯を逆探知すると、マロリーは家の中に潜んでいることが判明。ケネスの話に意を唱えたアーロンが反目すると、ケネスはアーロンを射殺して逃走した。
翌日、コブレンツと会ったマロリー。米国政府に勧誘されるも、返事は保留してケネスを追う。奴は国境を越え、メキシコのベラクルスにいるらしい。
海岸を散歩しているケネスを捕捉したマロリーは、彼と対決し黒幕と計画の全容を聞き出した。
殺されたジャーナリストは内部告発をして邪魔をする。スチューダーにとってはやっかいな存在だった。
そして、マロリーがケネスの会社を辞めると、顧客が凄腕のマロリーについて行き、ケネスの会社は大損害を受ける。
計画の立案者ロドリゴは、コブレンツを介してケネスに仕事を依頼した。バルセロナに潜伏するジャーナリストをマロリーに救出させ、ジャーナリストをスチューダーに受け渡す。ケネスはポールに、ジャーナリスト殺害とマロリー殺害を依頼。計画が完了すれば大団円である。
全てを把握したマロリーは、瀕死のケネスを見捨てて黒幕の元へ向かった。
ロドリゴは呑気にも、マヨルカ島で新しい人生を始めているらしい。
腑抜けた様子の男の前に姿を現したのは、復讐を誓った凄腕エージェント、マロリーだった。
映画『エージェント・マロリー』の感想・評価・レビュー
凄腕の女エージェント、マロリーの活躍を描くスパイアクション映画。総合格闘家のジーナ・カラーノを主演に抜擢。
女性エージェントを主役にした作品は数あるが、スタイリッシュなアクションが見ものな物が多い中、本作は泥臭く、血まみれになりながら戦う主人公の姿を描いた斬新な作品。ストーリーも王道のスパイものに比べればやや暗いもののそこでリアリティを表現している。脇を固める名優たちにも注目。(男性 20代)
女スパイの作品は数多くあるが、その中でもアクションシーンは見応えがあって素晴らしいと思う。主演を務めたジーナ・カラーノが、総合格闘家なだけはある。ジーナは強さだけでなく、美しさも兼ね備えている人物である。
とにかく、主人公が強くてカッコ良い。ピンチに陥りながらも、立ち向かっていく強さに憧れる。
ケネスが自分のことしか考えていないため、見ながら少しだけムカムカした。会社のためだと言っても、元恋人の殺害を計画できる心理が分からない。(女性 30代)
主演に総合格闘家ジーナ・カラーノを抜擢しただけあって、戦闘シーンは迫力がある。ただし、女優としてどうかと言われるとそれはまた別のように思う。ストーリーは中盤から急転直下するため、主役の演技不足をどうにか補ってくれている。女エージェントでありながら、苦難へと立ち向かうかなりタフな主人公だが、実際に今作のような困難に遭ったら果たして生き延びることができるだろうか。凄腕のエージェントという設定で映画だからこそ、成り立つのだろう。純粋に戦闘シーンとストーリーを楽しむには、良い作品なのかもしれない。(女性 40代)
主演のジーナ・カラーノは女子格闘技界でトップクラスの人気を誇る女性格闘家。そのため、アクションのキレや肉体、筋肉のつき方が普通の女優では絶対に不可能なかっこよさでした。
脇を固めるのはマイケル・ダグラスにアントニオ・バンデラス、ユアン・マクレガーなど豪華すぎるメンバー。
『オーシャンズ』シリーズの監督ということもありストーリーも面白く、ものすごくスタイリッシュでとても楽しめました。(女性 30代)
マロリー役、ジーナ・カラーノの肉弾戦が本格的です。特に、キックがずっしりと重く、喰らったら卒倒しそうです。また、アクションシーンで音楽が流れず、効果音もほとんど使っていません。そのため、静かな闘いが繰り広げられており、リアリティを重視しています。時間軸が行ったり来たりしますが、映像の色合いに変化をもたせて分かりやすく工夫されています。セリフは最小限にして長回しするシーンが散見され、間合いが斬新な映画だと感じます。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
①ソダーバーグ監督作品にしては
ジーナ・カラーノを主役に抜擢したという主眼目が不明瞭である。このような女スパイの活躍する作品を撮りたかったから選んだのか、ジーナ・カラーノありきで撮ったのかと考えれば多分後者だろう。主人公が俳優ではなく本物の格闘技の達人というところでミスキャストの感が否めない。オーシャンズシリーズなどでは、シナリオに適した俳優を選んだというところの個性に面白さが描かれていたのだが、彼女は格闘技の世界では確かにスターであるものの、映画俳優としてのカリスマ性には欠けている感がある。サポートする豪華な脇役も取って付けたような感じであり、新人俳優とのバランスが悪いのだ。シナリオが特別変わっているのならまだしも、よくあるスパイ同士の裏切りみたいな話なので、格闘シーン以外のドキドキ感がない。ジーナ・カラーノをわざわざありがちな物語の枠にはめ込まなくても、格闘家のドキュメント映画の方がまだ面白かったのではないだろうか。女性版の007を狙ったとしたらとんでもない見当違いだ。
②女性ヒーローを扱うシナリオではない
日本でも最近出て来た頭で瓦をぶち割るような女性タレントがいるが、彼女の魅力とは一体何だろうと思う。格闘技という枠の中では強さを競う女性がいても、スポーツとして何の不思議もないのだが、それを映画に持ち込んで「ヒーロー」に仕立てるのはどうなのだろう?そんな事を考えるのなら映画としてもっと面白いストーリー展開を考えればいいのにと思ってしまったのである。「ハリウッド」という一大組織の商業主義の中で生まれた”アイデア勝負”という一発狙いがもろくも崩れ去った感じである。同じキャスティングなら、監督をクエンティン・タランティーノとか、ロバート・ロドリゲスにすればよかったんじゃないのでしょうか。