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映画『ヘレディタリー/継承』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ヘレディタリー/継承』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヘレディタリー/継承』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ヘレディタリー/継承』の結末までのストーリー
  • 『ヘレディタリー/継承』を見た感想・レビュー
  • 『ヘレディタリー/継承』を見た人におすすめの映画5選

映画『ヘレディタリー/継承』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2018年
上映時間 127分
ジャンル ホラー
監督 アリ・アスター
キャスト トニ・コレット
アレックス・ウォルフ
ミリー・シャピロ
アン・ダウド
製作国 アメリカ

映画『ヘレディタリー/継承』の登場人物(キャスト)

アニー・グラハム(トニ・コレット)
グラハム家の母親。ミニチュアの仕事をしている。解離性同一性障害を持つエレンという母がいる。エレンとの仲は悪かったが同居していた。
スティーブン・グラハム(ガブリエル・バーン)
アニーの夫。物静かで理解力がある。
ピーター・グラハム(アレックス・ウォルフ)
グラハム家の長男。夢遊病を持つアニーから殺されそうになったことで、アニーと不仲になってしまった。
チャーリー・グラハム(ミリー・シャピロ)
グラハム家の長女。祖母のエレンとは仲が良かったが、同年代の友達はいない。独特の雰囲気を持っており、スケッチブックを持ち歩いている。

映画『ヘレディタリー/継承』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ヘレディタリー/継承』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヘレディタリー/継承』のあらすじ【起】

ミニチュア製作の仕事をするアニー・グラハムの母エレンが78歳で亡くなった。解離性同一性障害を持つエレンは変わり者で、認知症も併発していたことから家族との仲はあまり良いとは言えなかった。葬式の参列者はアニーの知らない人ばかりで、やはり変わった人も多かった。

アニーには夫のスティーブンと息子のピーター、娘のチャーリーがいた。エレンは他人に干渉して操るような性格だったため、アニーは関わり合いを持ちたくなかった。だが、エレンを放っておく訳にもいかない。彼女を大人しくさせておくには代償が必要だ。アニーはピーターにはエレンを近づけたくなかったので、仕方なくチャーリーを差し出すことにした。

エレンは大喜びし、チャーリーを我が子のように可愛がった。チャーリーも祖母と良好な関係を結んでいたが、エレンの死後、アニーは娘にしてしまったことをひどく後悔していた。

葬式が終わり、エレンの遺体は墓地へと埋葬されたが、何日もしないうちに何者かが墓を荒らし、遺体が盗まれるという事件が発生する。スティーブンはこの話を知ればアニーに良くない影響があると考え、伝えないことにした。

ある夜、友達の家で開かれるパーティに誘われたピーターは、学校の仲間とバーベキューをすると嘘をついてアニーに車を借りる。しかし、チャーリーも連れていくように言われてしまい、仕方なく連れていくことになった。友人宅にやってきたピーターはチャーリーを階下に残してマリファナを吸おうとした。ところが、チャーリーがケーキに入ったナッツでアレルギー反応を起こしてしまう。

焦ったピーターはチャーリーを車に乗せ病院へと急いだ。だが途中、道の真ん中で鹿が死んでおり、それを避けようとしたことで大変なことが起こる。呼吸困難に陥っていたチャーリーは新鮮な空気を吸おうと窓の外に顔を出していたのだが、鹿を避けようとした際、電柱にぶつかり頭を吹き飛ばされてしまったのだ。

あまりの出来事に呆然とするピーターだったが恐怖に混乱した結果、何事も無かったかのように車を走らせて家へと帰ってしまう。

映画『ヘレディタリー/継承』のあらすじ【承】

翌日、チャーリーの遺体が発見された。娘の死を知ったアニーは大号泣し、以前にも増して落ち込みナーバスになっていった。彼女はエレンの死後、自助グループの会に顔を出していたが、そこでジョーンという女性と出会う。彼女も子供と孫を失っていた。ジョーンは話し相手が欲しいなら連絡をくれと電話番号をアニーに渡した。

後日、ジョーンの家を訪ねたアニーは、彼女に悩みを打ち明けた。実はアニーは夢遊病者で、自分の知らないところで勝手な行動を取ることがあった。そのことでピーターとは不仲になってしまっていた。ある晩、彼女が自分でも気づかぬうちに子供たちと共に焼身自殺を図ろうとしたことがあり、それが原因でピーターから距離を置かれていると彼女は吐露した。

スティーブンはアニーがミニチュアでチャーリーの事故現場を再現しているのを見て顔をしかめた。彼は心配して夕食を作ったが、その席でアニーとピーターが口論を始め、アニーは今まで我慢していた思いを大声で喚いてしまう。

仕事の備品を買いに出た際、ジョーンと出くわしたアニー。ジョーンは以前とは比べ物にならないほど明るくなっていた。彼女は、ある霊能力者に出会って全てが変わったのだと説明した。自宅に招かれたアニーは、ジョーンと共に降霊術を試してみる。孫の霊が呼び出され、手を乗せたグラスがひとりでに動いたのを見てアニーは驚愕した。怖くなったアニーはその場を去ろうとするが、ジョーンは彼女を引き留め、降霊術のやり方を教えた。最後にジェーンはこう言った。チャーリーの命は奪われたのではない、彼女は死んでいない、と。

映画『ヘレディタリー/継承』のあらすじ【転】

ジョーンから降霊術のやり方を教わったアニーは、深夜、寝ていたスティーブンとピーターを起こし、チャーリーを呼び出したいと言いだす。二人は辛い過去を思い出すのは嫌だったが、仕方なく半信半疑で付き合うことにした。ところが、アニーの言葉に反応しグラスが動いたことで二人は凍りつく。アニーは全てチャーリーがやっているのだと声高に語った。

降霊術のせいでチャーリーを思い出したピーターは、次第に気分が悪くなりやめたいと言いだす。しかし、アニーはやめようとしない。そのうちアニーは不気味な唸り声を上げ始め、遂にはチャーリーそっくりの声でしゃべり始めた。危険を感じたスティーブンはアニーに水を浴びせて意識を取り戻させる。

スティーブンはピーターを心配してアニーを責めたが、憑依されていた時の記憶がない彼女は苛立ちを募らせるばかりだった。その夜、ピーターは自室でチャーリーらしき姿を目撃する。と同時に、何者かに首を絞められた。その犯人はアニーだったが、彼女は自分がしたとは憶えていないようだった。

チャーリーが肌身離さず持っていたスケッチブックには、ピーターの顔がいくつも描かれていた。不安に思ったアニーはそれを焼いてしまうと試みるが、スケッチブックを燃やそうとすると自分の体にも火がつくという不思議な現象に見舞われる。

エレンの私物を漁ったアニーは、ジョーンがエレンと知り合いだということに気がついた。エレンはどうやら“地獄の王ペイモン”を呼び出そうと考えていたようで、復活のためには男の肉体が必要不可欠だと記載されていた。

屋根裏を調べたアニーは、そこに首のないエレンの遺体を発見する。その頃、授業を受けていたピーターは見えない何者かによって机に顔をぶつけられ、鼻の骨を折ってしまった。スティーブンはピーターを迎えに行き自宅へと戻ったが、待っていたのは興奮したアニーの姿だった。

アニーは屋根裏の遺体を見せ、全てを説明した。チャーリーの降霊術をした時に何かが起き、彼らはピーターを狙っているのだと。ピーターを守るためにはスケッチブックをなんとかしなくてはならないのだとアニーは強調した。

映画『ヘレディタリー/継承』の結末・ラスト(ネタバレ)

アニーは自分ではやる勇気が無いからと、代わりにスケッチブックを暖炉に投げ込んで燃やしてほしいとスティーブンにお願いする。だが、彼女の言うことを信じられなかったスティーブンは警察に連絡すると言いだした。それではダメだと感じたアニーは、自らの手でスケッチブックを暖炉に投げ込んだ。しかし、一緒に燃えだしたのはアニーではなくスティーブンのほうだったのだ。

目を覚ましたピーターは家を探索し、焼け焦げたスティーブンを発見して驚愕する。そこへ憑依されたアニーが飛びかかってきた。大急ぎで屋根裏へと逃げたピーターだったが、そこにはペイモン復活のための儀式の準備が成されていた。

不気味な音に振り返ったピーターは、空中で自らの首を切り落としているアニーを発見する。他にも屋根裏には太古の時代からの霊が集まってきていた。恐怖を覚えたピーターはその場から逃げたい一心で窓を突き破って飛び降りてしまう。

動かなくなったピーターに一筋の光が舞い降りてきた。それはチャーリーの魂だった。ピーターの体に憑依したチャーリーは、お気に入りだったツリーハウスへと向かう。そこには首の無いエレンとアニーの遺体と共に、ペイモンを崇拝していた霊たちが彼を模った偶像に対して頭を垂れていた。男の肉体を得たチャーリーは8人存在する地獄の王の一人ペイモンの王位を継承し、霊たちは口々に歓喜の声を上げたのだった。

映画『ヘレディタリー/継承』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

最初は家族ドラマのように始まったのに、次第に狂気と超自然が交差していく展開に引き込まれました。チャーリーの死は衝撃的すぎて、そこから一気に物語が加速。母アニーが精神的に崩壊していく様子と、実はすべてが“継承”のために仕組まれていたという真相にはゾッとしました。トニ・コレットの演技は圧巻で、心がざわつく恐怖を体感しました。(20代 男性)


何とも言えない不安感がずっと続いて、終わったあともしばらく動けませんでした。冒頭の静かな空気から、チャーリーの首の描写、そして次第に明かされていく悪魔崇拝の真実…一つ一つの演出が容赦ない。家族という安全地帯が崩壊していくのが本当に怖かったです。ホラーというより心理劇として、深く心に刺さる作品でした。(30代 女性)


観終わっても、しばらく放心状態でした。あのチャーリーの“事故”は不意打ちすぎて、心がついていかないまま話がどんどん恐怖に染まっていく。家族の中で起こる歪んだ感情、そしてすべてが“運命だった”という皮肉。最後の“ペイモン誕生”に至るまでの伏線回収が見事で、ホラーの域を超えた脚本力に唸りました。映像も音もすべて不気味です。(40代 男性)


“遺伝”というテーマをここまで恐ろしく描いた映画は初めてでした。精神病かと思わせておいて、実は祖母が仕組んだ悪魔崇拝の儀式だったという真実が明かされる展開が怖すぎる。特に、アニーが天井に張り付いていたシーンと、その後の自害シーンは夢に出てくるほどの衝撃。普通の家で、普通の家庭が舞台だからこそ怖さが倍増します。(20代 女性)


トニ・コレットの演技がすごすぎる。母アニーが感情を爆発させるシーンは、ホラーというよりも人間ドラマの極致。家族関係のもつれと、見えない何かに操られている不条理さの描き方が素晴らしかった。特にラスト、ピーターの身体にペイモンが宿るシーンでは絶望感しかなくて、まさに“終わった”という感覚に襲われた。(30代 男性)


『ミッドサマー』が気に入ったので観てみたけど、こっちの方がさらに心が重くなる。恐怖が視覚的ではなく、じわじわと精神を蝕んでくるタイプ。アニーの母、チャーリー、アニー自身と、女系に隠された“力”があったのだと気づいた時、鳥肌が立ちました。普通の家庭の中に潜むカルト的狂気。音響とカメラワークも不穏さを際立たせていた。(40代 女性)


あまりにも完成度が高く、ホラーというよりアート映画のように感じました。光と影の使い方、ミニチュアと現実のリンク、そして家族の中に潜む違和感の演出。チャーリーの存在が終盤で再び意味を持つのがすごい。ペイモンという神が家系に“継承”されていくという構図に、恐怖を通り越して感心してしまいました。静かな傑作です。(50代 男性)


「なぜこうなったのか」と思いながら観ていたら、すべてが祖母による“計画”だったと知って唖然。まさか死んだ人間が一番恐ろしいとは。アニーが自分の家族を破滅に導いてしまう展開があまりに辛く、しかもそれが“意志”ではなく“血”による運命というのが救いようがなかった。宗教的モチーフも重厚で、リピートして考察したくなる映画。(20代 男性)


最初はただの家族のトラウマ映画かと思って観てたけど、気づけば宗教ホラーに突入していて驚いた。ホラーなのに血や悲鳴に頼らない不気味さがクセになる。ピーターの視点で観ると、最後のラストがあまりにも可哀想すぎて胸が痛い。アニーの精神崩壊も怖くて悲しい。観る側も精神的にダメージを食らうタイプの作品です。(30代 女性)


宗教ホラーが苦手な自分でも、これは最後まで目が離せなかった。家族の中に潜む“呪い”や“異物感”がずっと描かれていて、誰かが救われる余地が全くないところが逆に魅力だった。特にチャーリーの奇妙な存在感と、最後に彼女が“選ばれし魂”だったことが明かされる構成には脱帽。アリ・アスターの脚本、やっぱり凄いです。(20代 男性)

映画『ヘレディタリー/継承』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヘレディタリー/継承』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ミッドサマー

この映画を一言で表すと?

光に包まれた村で繰り広げられる、美しくも狂気に満ちた儀式の物語。

どんな話?

家族を失った大学生ダニーが、恋人たちとスウェーデンの白夜の村を訪れる。やがて彼女は、村の奇習や儀式の中心に巻き込まれていく。文化と信仰、喪失と再生が交差する“明るすぎるホラー”。

ここがおすすめ!

『ヘレディタリー』のアリ・アスター監督による第二作。家族喪失とカルト的儀式、感情の暴走を描くテーマ性が共通しており、美しく不気味な映像が観る者の心を揺さぶります。静かに狂っていく恐怖を味わいたい人に最適です。

ババドック 暗闇の魔物

この映画を一言で表すと?

母と子の愛と喪失が生んだ、“心の闇”が具現化する心理ホラー。

どんな話?

夫を事故で亡くしたアメリアとその息子。ある日、不気味な絵本「ババドック」が現れ、それ以降、家の中で奇怪な出来事が起き始める。喪失による心の傷が徐々に恐怖として姿を現していく。

ここがおすすめ!

ジャンプスケアに頼らず、心の不安や抑圧が生み出す恐怖を丁寧に描いています。母親という立場と精神の崩壊、家族の関係性といったテーマが『ヘレディタリー』と共通し、ホラーでありながら人間ドラマとしても深い1作。

ローズマリーの赤ちゃん

この映画を一言で表すと?

“見えない不安”に侵食されていく女性の妊娠と出産を描く恐怖の古典。

どんな話?

若い夫婦が引っ越した先で、妻ローズマリーが妊娠。しかし隣人の過干渉や、夫の不可解な行動が重なり、彼女は精神的に追い詰められていく。真実に近づいた時、想像を絶する結末が待ち受けていた。

ここがおすすめ!

『ヘレディタリー』が影響を受けた作品のひとつ。家族の中で孤立していく女性の恐怖、カルト的な儀式の存在など、多くの共通点があります。緊張感に満ちた演出と不気味な日常描写が今なお色褪せません。

ザ・ウィッチ

この映画を一言で表すと?

信仰と罪、そして孤独の中で揺れる少女を描いた宗教ホラーの傑作。

どんな話?

17世紀のニューイングランド。村を追放された一家が森の中で暮らすが、赤ん坊が突然失踪したことから不気味な出来事が続発。娘トマシンは次第に“魔女”としての疑いをかけられていく…。

ここがおすすめ!

映像と音の不安感、信仰と家族の崩壊というモチーフが『ヘレディタリー』と非常に似ており、静かに追い詰められていく心理が見どころ。ロバート・エガース監督の独特な演出も魅力です。

アンティベラム

この映画を一言で表すと?

時間と空間を超えて描かれる、過去の呪縛と現代の地獄。

どんな話?

南北戦争時代のプランテーションに囚われた黒人女性。彼女はこの地獄のような世界から逃れようとするが、そこには驚くべき“現代”とのつながりが…。歴史とアイデンティティをテーマにしたスリラー。

ここがおすすめ!

『ヘレディタリー』同様、現実と悪夢の境界が曖昧な世界観が印象的。心理的に追い詰められるヒロインと、観客を欺く構成は秀逸で、観終わった後もテーマについて考えさせられる社会派ホラーです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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