映画『光(大森立嗣監督)』の概要:ある夏の日、島で暮らす子供たちは一人の男を殺してしまう。だが、津波がやってきて、その罪は流されてしまった。だが、25年後、その罪は更に大きなうねりとなって、彼らを飲み込もうとしていた。
映画『光(大森立嗣監督)』の作品情報
上映時間:137分
ジャンル:サスペンス
監督:大森立嗣
キャスト:井浦新、瑛太、長谷川京子、橋本マナミ etc
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映画『光(大森立嗣監督)』の登場人物(キャスト)
- 黒川信之(井浦新)
- 美浜島出身。中学生の頃、美花のために男を殺す。25年後は川崎市の市役所に勤め、南海子と娘の椿と共に暮らす。南海子が輔と不倫していることを知っても動揺した素振りも見せないが、胸中は穏やかではなく、暴力的な妄想が渦巻いている。今も美花のことを密かに想っている。
- 黒川輔(瑛太)
- 美浜島出身で、幼少時代は父親から毎日のように暴力を受けていた。信之の妻、南海子と不倫関係にある。信之が美花のことばかり気にかけるのが面白くない。子供の時に信之が殺した男の死体を映した写真を持っており、それが物語を動かしていく。
- 美花 / 篠浦未喜(長谷川京子)
- 信之に男を殺させた女。現在はミステリアス女優として活躍している。言葉や体で男を利用するのが上手く、自分の思い通りに操る妖艶さを持つ。写真のことで輔から脅迫され、信之に助けを求める。
- 黒川南海子(橋本マナミ)
- 信之の妻。専業主婦のストレスから、輔と不倫する。
映画『光(大森立嗣監督)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『光(大森立嗣監督)』のあらすじ【起】
中学生の黒川信之は美浜島で暮らしていた。小学生の輔は、信之の後をいつもついてくる弟分だ。輔は父親からひどい暴力を受けていた。信之は同級生の美花のことが好きだった。
ある日、美花とこっそり会う約束をした信之は、夜、待ち合わせ場所にやってくる。信之はそこで、美花が男と性行為を行っているのを目撃してしまう。美花は信之と目が合うと、“助けて”と呟いた。信之は美花の元に駆け付け、男を引き離した。男は合意の上だったと言うが、美花は嘘だと否定する。そして、信之に男を殺してと叫んだ。美花を好きだった信之は衝動的に男を殺してしまった。
男は美花の家が経営する民宿の客で、死体は放置されたままだった。男を殺したことは信之と美花だけしか知らないはずだったが、実は信之にこっそりついてきていた輔にも見られていた。後日、輔はカメラで男の死体を写真に撮った。
ある夜、島の高台にやってきた信之、美花、輔は、地震に遭遇する。その数分後、沖から津波がやってきた。その津波は島の多くの人々と男の死体を押し流していった。あの殺人は、三人だけの秘密となった。
映画『光(大森立嗣監督)』のあらすじ【承】
25年後、信之は川崎で妻の南海子と5歳になる娘の椿と幸せに暮らしていた。だが、専業主婦の南海子は団地での人付き合いや、周辺の治安の悪さ、思い通りにならない椿のことなどでストレスを溜めていた。そのストレスから、不倫に走ってしまう。不倫相手は輔だった。
人目を忍んで輔と会う日々は続いていた。だが、ある日、輔と会っている間に椿が見知らぬ男からいたずらされてしまう。南海子は動揺し、治安の悪いところに住み続けたせいだと信之を責めた。これからどうするのと問われた信之は、男を見つけ出して殺してやろうかと返事をする。南海子は信之の発言が理解できず、“あなたが分からない。私に言えないことがあるの?”と質問した。だが、信之に“君にだってあるだろ”と言われ、何も言えなくなってしまう。
信之の仕事場に輔から電話があり、南海子と浮気していると告げられる。信之は輔に会いに行き、25年ぶりの再会を果たす。輔は南海子とのことをバラされたくなかったら金をよこせと強請ってきた。だが、信之は怒った素振りも見せずに立ち去っていく。
南海子は罪悪感から、輔にもう会わないと告げた。輔は信之に絡み続ける。そんな時、10年ぶりに輔の父親・洋一が会いにきた。洋一はあの津波の日、船で海に出ていたおかげで助かったのだ。洋一は輔にとって恐怖でしかなかった。
映画『光(大森立嗣監督)』のあらすじ【転】
洋一は輔に金をせびるとアパートに上がり込んできた。洋一は25年前の事件のことを知っており、詳しく教えろと言う。輔はごまかそうとするが暴力には勝てず、死体が映った写真があることを教えてしまう。洋一はその写真を使って、美花と信之から金をせしめようと考える。
美花は篠浦未喜という名前で女優になっていた。美花に呼び出された信之は、輔から写真のことで脅迫され、金を要求されていると相談された。まだ美花を好きな信之は、俺がなんとかすると答えた。信之は美花から300万円を渡される。
洋一の傍若無人な振る舞いに苛立つ輔の元に信之がやってきた。信之は金を払うから写真をよこせと言うが、写真は洋一が隠してしまったと輔は答えた。信之は写真を渡し、今後、自分の家族に手を出さないと約束するのなら、金もやるし、お前のために洋一を殺してやると言う。輔は信之が自分のために洋一を殺してくれると知って嬉しく思う。
信之は300万円と睡眠薬を輔に渡し、これを使って洋一を眠らせて写真を探せと指示する。だが、なかなか上手くいかず、洋一は好き放題に輔のところに居座り続けた。しかし、ある時、洋一は酔って眠りこけて、そのままあっけなく死んでしまった。輔は換気扇に隠してあった写真を発見する。
輔は洋一を病院に運び、死亡したことを信之に報告した。信之は輔のアパートの空き部屋に忍び込み、床下に洋一を埋める穴を掘っていた。だが、洋一が死んだことで、それが無駄になったと笑った。
洋一の葬儀を済ませた輔は、会社の同僚に旅行に行くと告げる。そして、ある郵便物をお願いした。もし、一週間経っても戻らなかったら、郵送してほしいと。どこに行くのかと聞かれた輔は、“たぶん、すごく綺麗なところ”と答えた。
信之は輔と祝杯をあげる。輔は信之に写真を渡した。信之は島でのこと、美花とのこと、殺人のことなどで今まで苦しめてしまってすまないと謝る。輔は、その言葉を信じることができたらいいのに、と呟いた。そして“悪いのはあの島だ。あの島は腐っている。あの島のせいで信之は美花から、俺は信之から抜け出せない。でも、信之は俺の守護神だ”と悲しそうな笑顔で言った。
映画『光(大森立嗣監督)』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、洋一のために掘った穴を埋め戻しに行った二人。面白そうに穴をのぞき込む輔に、信之はスコップを振り下ろした。穴の中で血まみれになった輔は、“こうなればいいと思っていた”と笑う。信之は何度もスコップを振り下ろし、輔を殺した。
信之は美花に会いに行くと、話をつけてきたと言って写真を渡した。美花はお礼にと体を差し出し、二人は関係を持つ。そして、信之はそのまま美花のところに転がり込んだ。
信之か帰ってこなくなり、精神的に疲弊した南海子は、椿に対して以前にも増して厳しくなり、暴力的になっていった。同じ団地に住む奥さんのおかげで、なんとか理性を保っていた。
居座り続ける信之にうんざりし始めた美花。信之は君が好きなのだと言うが、“見返りに私を抱いている。ほかの男たちと同じだ”と美花は罵倒する。口論の中で、信之が輔を殺したことを知った美花は驚愕する。怒った美花は札束を信之に投げつけると、“お願い。これで死んでくれる?”と恨めしそうに言った。その言葉に“そう言われるのを、ずっと待っていた気がする”と信之は呟いた。
信之の自宅ポストに郵便物が届いた。輔が同僚に頼んだものだ。気がついた南海子が封を開けると、輔からの手紙と写真のネガが入っていた。手紙には、輔が信之に近づくために南海子と関係を持ったこと、自分たち三人が美浜島出身で信之が殺人者だということ、そして、自分はもう殺されているだろうと書かれていた。
南海子が平常心を取り戻し、椿と仲良く食事ができるようになった頃、信之が久しぶりに自宅に帰ってきた。椿は大喜びではしゃぐが、南海子は信之をただ黙って見つめるだけだった。
アパートの床下から床板を突き破り、椿の木が育っていた。そこはちょうど、輔を埋めた場所だった。
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