映画『武曲 MUKOKU』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「武曲 MUKOKU」のネタバレあらすじ結末と感想

武曲 MUKOKUの概要:剣の道をただ一筋に生きる父親に育てられた研吾。だが、ある事故がきっかけで、今ではすっかり酒浸りになり、剣道からも離れてしまった。そんな時、ラップ好きの高校生・融が現れる。彼は研吾の救いとなるのだろうか。

武曲 MUKOKUの作品情報

武曲 MUKOKU

製作年:2017年
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:熊切和嘉
キャスト:綾野剛、村上虹郎、前田敦子、片岡礼子 etc

武曲 MUKOKUの登場人物(キャスト)

矢田部研吾(綾野剛)
幼い頃から父・将造に厳しく育てられた。自分も剣の道で生きるつもりでいたが、ある事故が原因で剣道から離れてしまう。毎日、酒浸りとなり、髪も髭も伸び放題。以前は高校の剣道部のコーチをしていたが、それもやめてしまう。将造のことが好きなのか、憎んでいるのか、自分でも分からずに苛立っている。カズノという恋人がいる。
羽田融(村上虹郎)
ラップが好きな高校生。以前、洪水の時に死にかけており、それがリリックにも反映されている。だが、それ以来、死に魅了されているところがある。洪水に巻き込まれた時、車のライトが美しく、天国かと思ったそうだ。剣道にはまるで興味もなかったが、研吾と対決したことで、興味が湧いてくる。
矢田部将造(小林薫)
研吾の父。剣道の達人で、多くの弟子から尊敬されていた。妻の静子が亡き後は落ちぶれていき、酒浸りとなる。ある事故が原因で植物状態となってしまう。口癖は、“研吾、剣を取れ”
光邑(柄本明)
高校の剣道部にコーチであり、寺の和尚。昔は研吾の練習相手でもあった。思い悩んで落ちぶれていく研吾を救いたいと思っている。融と出会ったことで、彼に才能を見出し、剣道の道を勧める。

武曲 MUKOKUのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『武曲 MUKOKU』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

武曲 MUKOKUのあらすじ【起】

矢田部研吾は幼少の頃から父の将造に剣道を指南されていた。だが、その教育は過酷だった。将造は、相手を殺すほどの強い剣道を教えることに熱心になり、研吾にも早々に木刀を持たせた。時には真剣を持ち出して、面も付けずに打ち合いをするほどだった。

研吾が成人する頃、母の静子が亡くなる。それを機に、すっかり酒浸りになってしまう将造。剣の道に生きていた将造の成れの果てに失望した研吾。将造は研吾に“お前など、いつでも殺せるぞ”と毒づいた。二人は木刀で打ち合いを始める。その時、研吾の面が将造の脳天に直撃してしまう。

研吾の一撃で、将造は植物状態になってしまった。研吾は罪の意識を感じ、それ以来、剣道から離れてしまう。高校の剣道部のコーチもやめ、酒浸りの生活を続けていた。

高校生の羽田融はラップに夢中だったが、ある時、剣道部と口論になる。剣道部の主将と勝負することになり、コーチで和尚の光邑の前で、見事な下段を披露する。その腕を見た光邑は才能を感じ、融に薪割りのバイトを頼んだ。

武曲 MUKOKUのあらすじ【承】

5日間、薪割りをした融に光邑はバイト代を払うという。喜んでついていった融が渡されたのは、剣道の道着と木刀だった。剣道などする気がない融だったが、光邑に諭され、剣道部に入部することになった。

光邑から研吾の所へ届け物を頼まれた融。だが、家に着くなり、フラフラになった研吾に木刀を取られてしまう。酔って頭の回らない研吾には、何を言っても話が通じない。しびれを切らした融は届け物を玄関に置くと、その場から立ち去った。

翌日、剣道部の稽古中に研吾が木刀を持って現れた。奪った木刀を置いて帰ろうとすると、光邑から融と一戦交えてみろという。“今のお前はこの小僧より弱い”と言われた研吾は、融を一方的に攻め始める。しかし、不意を突かれ、融に一本を決められてしまった。

苛立った研吾は剣道そっちのけで暴れだし、剣道部員たちを殴り倒していく。だが、そこに融が下段の構えで立ちふさがった。研吾はそこに将造の影を見て、思わず身震いした。立ち去ろうとする研吾に、光邑は今すぐに酒をやめろと言うが、聞く耳を持たない。

いつもより更に深酒した研吾は、家に戻ると真剣を取り出し、将造との過去を断ち切るように、めったやたらに振り回した。

武曲 MUKOKUのあらすじ【転】

融はラップよりも剣道に夢中になり始めていた。融は研吾に勝つことだけを考えるようになる。その姿を見た光邑から“お前は研吾を懼れている。今のお前では勝てない”と言われてしまう。

融は研吾に会いに行き、果し合いを申し込む。融は以前、洪水に巻き込まれて死にかけており、それ以来、死の恐怖に魅了されていた。研吾を焚きつけるため、どうやって将造を殺したのかと尋ねる融。だが、研吾は気のない素振りで立ち去って行った。

台風が近づいてきた日の夜。融は研吾の家を訪ね、再度、果し合いをしたいとお願いした。融が木刀を出すのを見た研吾は、庭から竹刀を探し出す。台風がやってきて、大粒の雨が降り出してきた。二人はずぶ濡れになりながら、剣を交えていく。

洪水の時に味わった死の気配を感じた融は、思わず恍惚の表情を浮かべる。打ち合いの末、融の胴が決まった。斬ったと喜ぶが、研吾はやめる様子がない。“早く俺を殺してくれ”と融に飛びかかっていく。

雨が上がり、静寂が辺りを包んだ。その時、融が将造に見えた研吾は、思わず突きで喉を強打してしまった。喉をやられた融はその場に倒れこむが、その姿も研吾には将造に見えていた。

武曲 MUKOKUの結末・ラスト(ネタバレ)

入院中の将造の元へやってきた研吾を、光邑たちが取り押さえた。寺に監禁された研吾は、酒が抜けた頃、融と会わされる。融が首に巻いた包帯を取ると、そこには大きな痣ができていた。研吾は自分がやったことを思い出し、放心状態になる。融はかすれた声で、すみませんでしたと言い、涙を流した。

将造が亡くなり、葬儀が行われた。研吾は光邑の寺で世話になり、四十九日が過ぎる頃には、すっかり毒気も抜けていた。光邑は、生前に将造からもらったという手紙を研吾に渡し、読んでみろという。

将造は剣の道に生きる業と自身の不徳から、研吾と生死をかけた一戦が来ることを予期していた。そして、研吾に殺されるつもりでいた。研吾は自分と妻・静子との大事な息子なので、自分の亡き後は、よろしくお願いしますと光邑に頼んでいたのだった。

手紙を読んだ研吾は、将造がわざと自分に打たれたのかと光邑に問いかけた。光邑は、今となっては分からないと返すだけだったが、“将造も放たれて、楽になっただろう”と言葉を続けた。その言葉に研吾は嗚咽しながら、はいと答えた。

融はあの果し合い以来、剣道の稽古に出ていなかった。研吾は融に会いに行き、もう一度、お前の下段と俺の面で対決したいと言い、木刀を置いていく。

翌朝、道場からは融が素振りをする音が響いていた。そこに、道着に着替えた研吾がやってくる。ボサボサだった髪は短く切られ、髭も剃られていた。二人は深く一礼し、面を付けると竹刀をぶつけ合った。そして、念願の下段と面の対決が行われた。

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