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映画『女神の見えざる手』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『女神の見えざる手』の概要:銃規制法案の強化を望むロビイストの女性が政治家たちの弾圧と戦う政治ドラマ。すっかり定着したジェシカ・チャスティンならではの演技は、強く自立した女性を演じさせたら右に出る者はいないとさえ思わせる。

映画『女神の見えざる手』の作品情報

女神の見えざる手

製作年:2016年
上映時間:132分
ジャンル:サスペンス
監督:ジョン・マッデン
キャスト:ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・ンバータ=ロー、アリソン・ピル etc

映画『女神の見えざる手』の登場人物(キャスト)

マデリン・エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)
優秀なロビイスト。頭が切れ、人の先を読み、常に表と裏の2パターンを考える。私生活は謎に包まれており、彼女の過去を知る者はほとんどいない。睡眠障害を持っているが、睡眠時間よりも活動していたいと思っている。全ては彼女の中で完結しており、他人に詳しく話したりすることもない。一見、スタンドプレーに見えなくもないが、それをチームの仕事として機能させる手腕も持っている。
ロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)
ピーターソン=W社のCEO。銃規制強化のロビー活動にスローンを誘う。
エズメ・マヌチャリアン(ググ・バサ・ロー)
ピーターソン社に席を置く社員。学生時代に銃乱射事件に巻き込まれている。本人はそのことを公にしたくないが、スローンによって暴露され、キャンペーンの顔として活動させられる。
ジェーン(アリソン・ピル)
コール・クラヴィッツ社の時のスローンの右腕。ピーターソン社に移籍するとスローンが言ってもついてこなかったのだが…。スローンの元で2年ほど働いたが、本人は学問の道に進みたいと思っている。

映画『女神の見えざる手』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『女神の見えざる手』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『女神の見えざる手』のあらすじ【起】

マデリン・エリザベス・スローンはロビイストだ。常に先を読んで行動し、相手の隙をつく。そして、大きな切り札で相手をやり込める。ロビイストには緻密な計算能力と知性、行動力が必要だ。スローンはそれに加え、私生活の放棄と狡猾さで、誰よりもやり手だった。

ある時、コール・クラヴィッツ&ウォーターマン社に、サンドフォード議員がスローンに会いにやってくる。彼は銃ロビーの主要人物だ。彼女に銃器保有賛成派のロビー活動をしてほしいという。兼ねてから女性票が少ないことを懸念しており、女性と銃のイメージを変えてほしいと。

スローンは銃規制賛成派だった。サンドフォードの申し出に対して横柄な態度を取った彼女は、女性票を得るのは簡単なことではないと言い放つ。社の代表であるデュポンは、スローンの態度に激怒。優秀なのは知っているが、価値ある顧客に対してそんな態度ならば辞めてもらうと言い、すぐに仕事にかかれと指示する。

各界の大物たちとコネクションを作るために参加したパーティの帰り道、スローンはピーターソン=W社のCEOロドルフォ・シュミットに声をかけられた。ピーターソン社は銃規制強化のためのブレイディ・キャンペーンを行っており、シュミットはスローンと共に働きたいという。

翌朝、スローンはコール・クラヴィッツ社を辞めてピーターソン社へ行くと自分のチームの前で発表。それを聞き、同僚のコナーズは激怒する。スローンがついてくる者を募った結果、チームのほとんどが共にピーターソン社へ行くことになったが、彼女の右腕だったジェーンは残ると言いだす。スローンは失望の目で彼女を見たが、ジェーンの意見は変わらなかった。

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映画『女神の見えざる手』のあらすじ【承】

コナーズとジェーンは、サンドフォードと組み、銃規制法案の緩和に向けて動き出した。

スローンは私生活を犠牲にして働いていた。そのため、男性関係は専らエスコートサービスを利用していた。彼女はそこでフォードという男と会い、金を払って性交渉を行う。

ピーターソン社にやってきたスローンたち。ピーターソン社のメンバーたちは、彼女の説得力のある理論と迫力に圧倒される。エズメ・マヌチャリアンもその一人だった。銃規制について高い知識を持つエズメに興味を示したスローンは、彼女を積極的にラジオなどに出演させた。

彼らの目標は銃規制法案の投票日までに60人の議員の賛成票を確保することだった。すでに44人が賛成しており、残りは16人。スローンはコナーズたちを出し抜くため、内密に自費で役者まで雇い、影響力の強い議員に銃規制賛成の発言をさせる。

スローンはシュミットにも内緒で各地を飛び回り、力を持つ女性団体に根回しをしていた。その結果、1500万ドルの資金を集めることに成功する。

次のターゲットはフロリダ州のゴメス議員だ。スローンはチームの面々に内密にするようにと強く言うが、実はこれはおとり作戦だった。仲間のひとりがコナーズに情報を流しており、その裏切り者をあぶりだすための偽情報だったのだ。仲間たちはスローンの容赦ないやり方にゾッとする。

スローンは非公式のチームを持っていた。彼らは盗聴や盗撮のプロだった。彼らの存在を知ったシュミットは、モラルに反するとして使用するなと忠告する。

資金調達パーティに参加したスローンは、そこで別の女性をエスコートしていたフォードに声をかけられる。だが、スローンは他人のふりをして彼を追い払った。

テレビ番組でコナーズと銃規制について討論することになったスローン。コナーズに言いくるめられていくが、それも全て作戦だった。彼女は、実際に銃の恐怖を味わった者の意見を聞いたほうがよいと言いだし、エズメを指さす。エズメは学生時代に銃乱射事件に遭遇していた。スローンが彼女に興味を示したのはそのためだ。スポットライトが当たったエズメは、一躍、時の人となり、キャンペーンの顔になっていく。

スローンの快進撃は続き、賛成票の残りは4人というところまできた。面白くないサンドフォードは、今後、彼女がこの業界で生き残れないようにキャリアを潰せと指示を出す。

キャンペーンで各地を飛び回っているエズメは、携帯でスローンと会話中に銃を持った男に襲われた。しかし、民間人の男性がその男を射殺し、命を救われる。これが発端となり、メディアは一転。世論も議員たちも一気に銃規制反対に動く形となってしまう。

映画『女神の見えざる手』のあらすじ【転】

スローンは危険にさらしてしまったことをエズメに謝罪するが、彼女はスローンの元を去り、別のところで銃規制の活動をしていくと言った。

スローンへのバッシングが強くなり、議員たちも離れていく。資金も不足になりはじめ、チームの士気は下がる一方。スローンはジェーンに電話をかけた。だが、ジェーンは間違い電話だと言い、通話は切られてしまう。スローンは、つい苛立ちを露にしてしまう。

コナーズたちはスローンのキャリアを潰すため、彼女の汚点を探し始めた。ジェーンは彼女の過去の案件から上院倫理規定違反を証明する書類を見つけ出した。デュポンは上院議員のスパーリングと密会し、スローンの聴聞会を指揮してほしいという。スパーリングは銃規制賛成派だったが、見返りに得る金と政治家としての名声に負けて引き受けてしまう。

シュミットはスローンをキャンペーンから外すと通告する。

聴聞会が開かれ、スローンはピーターソン社のポズナー弁護士と共に出廷した。スパーリングは高齢だがやり手で、スローンが睡眠障害を持っていること、興奮剤を飲んでいることなどを挙げ、仕事に影響しているのでは追及。ポズナーから、米国憲法修正第五条を盾に何も発言するなと言われていたにも関わらず、スローンはたまらずに、それは仕事とは関係のないことと喚いてしまった。

言うことを聞かないスローンの態度にポズナーは激怒し、最低でも5年の刑期になるだろうと言った。

スパーリングは政治献金の流れなどを持ちだし、スローンを追い詰めていく。挙句には、エスコートサービスのフォードまで召喚し、スローンは私生活も暴露され、辱めを受けていった。

銃規制法案は完全に冷めきって、サンドフォードの狙い通りになっていた。状況を変えるには激震が必要だと言われ、深刻な表情を浮かべるスローン。

映画『女神の見えざる手』の結末・ラスト(ネタバレ)

聴聞会最終日、発言を許されたスローンは、銃規制法案は正しいと発言した上で、自分はこのキャンペーンを成功に導くことに魅了されていたと語る。そして、傍聴席の者たちはこの国のために必死になって動いているが、政治家は私利私欲のために動いており、この国をダメにしていると続けた。

スローンは自分への個人活動が活発になることを予見していた。彼女はそのための保険として、ジェーンをわざとコール・クラヴィッツ社に残してきていた。彼女がスローンの汚点となる書類を見つけたのも計画のうちだった。スローンが事前に準備していたのだ。

スローンはデュポンに監視をつけ、スパーリングと密会している現場を盗聴していた。その動画ファイルをネットに公開したと発言。皆はすぐさまアクセスを開始し、その内容に場内は騒然となる。

10か月後、スローンはメリーランド州の連邦矯正施設の中にいた。スローンは自分のキャリアと引き換えに、銃規制法案の強化に成功した。今後、犯罪者は簡単に銃を購入することができなくなった。訪ねてきたポズナーから、デュポンとスパーリングの裁判が始まったことと、半年後には出所できることを告げられる。自分だけが罪を被り、誰も巻き添えにすることなく、彼女は全てを成し遂げたのだった。

映画『女神の見えざる手』の感想・評価・レビュー

ロビイスト、という職業があることを知らなかったし、日本では想像しにくい世界でとても興味深かったです。
自分の人生の全てを仕事に賭ける、スーパーキャリアーウーマンな姿は純粋に格好良くて、彼女の姿を観るだけでもこの映画を観る価値はあります。また、ラストの爽快感が抜群で、このどんでん返しは想定外でした!
アメリカの司法制度についてや、ロビイストの知識をもう少し持った上で観ると、より理解することができると思います。(女性 20代)


映画の面白さを全部含んだ映画。社会的要素も含めつつ、ハラハラする展開、
激震のエンディング、それだけでなく最初から最後まで練りに練られた伏線の数々。
やられた!という気分をもたらしてくれます。
それが本当に気持ちの良く、抜群のストーリーでした。
この映画で改めて主演のジェシカ・チャステインにはまります。
何回このドラマの中で好きと嫌いが行き来したか。
映画を観た後に、あのシーンでミスリードされてた?とか考えてしまう不思議。
もう一回見てさらに好きになる映画です。(女性 30代)


ロビイストという職業が存在することを『女神の見えざる手』を見て知りました。専門用語が多く、ストーリーが流れるように早いですから内容を理解しにくいかもしれません。さらに、テーマが銃規制のため尚更難解に感じました。まずは吹き替えで見ることをおすすめします。スローンは強気で傲慢なところがありますが、それ以上に聡明で駆け引きに長けています。エスコートサービスを使うところも格好良かったです。ラスト20分、法廷でのスピーチに鳥肌が立ちました。(女性 30代)


日本人としては馴染みの無い世界・内容でした。ロビイストという単語も初めて知りましたし、政治の活動にも疎い自分としては、展開を理解するまで時間が掛かりました。裏を返せば、政治家やその類の活動家は、この作品かそれ以上の激しい攻防を繰り広げているのかとも思いました。互いに手札を持ち、罠をはり、裏切りのカードを持たせ使わせ、少しの運を信じ勝利を引き寄せる。非常にハイレベルなカードバトルでした。勝利と引き換えに信頼を失ったことを噛み締めるような、ラストの表情も印象的。(男性 20代)


本作は、天才的な戦略を駆使し、政治家たちを影で動かすロビイストのエースを描いた政治サスペンス作品。
銃社会に真っ向から挑戦し信念を貫き通したロビイストの主人公がかっこよすぎた。
ただ内容は、少々難解で情報量が多く心理戦も加わるため、ついていくのが精一杯だった。しかし、法廷シーンの台詞のようにカリスマ性の溢れる彼女からでる言葉には痺れるものが多かった。
ラストのどんでん返しは、「そう来るか!」と思わせる展開で期待以上だった。(女性 20代)

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