映画『プラネタリウム』の概要:1940年代、アメリカからフランスへとやってきた降霊術師の姉妹。彼女たちに興味を持った映画プロデューサーは、霊の姿をフィルムに収め、今までにない画期的な作品を作ろうとするのだが。
映画『プラネタリウム』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:サスペンス
監督:レベッカ・ズロトヴスキ
キャスト:ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェ、ルイ・ガレル etc
映画『プラネタリウム』の登場人物(キャスト)
- ローラ・バーロウ(ナタリー・ポートマン)
- アメリカからパリへとやってきた霊媒師で妹のケイト共に降霊術を行う。成功への強い野心を持っている。コルベンや監督から女優に抜擢され、演技に興味を持っていく。
- ケイト・バーロウ(リリー=ローズ・デップ)
- 姉のローズと共に降霊術を行うが、霊能力が高く、実際に呼び出すのは彼女の役目。社交的な姉とは違い、どちらかというと根暗で、ひとりを好むタイプだが、コルベンのことは信頼する。
- アンドレ・コルベン(エマニュエル・サランジェ)
- フランスの映画会社を経営するプロデューサー。ローラとケイトの降霊会を見て、新しいアイディアを思いつく。フランス映画界に新しい変革を起こしたいと奮闘するが、次第にそれが裏目に出ていく。
映画『プラネタリウム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『プラネタリウム』のあらすじ【起】
ローラとケイトのバーロウ姉妹はアメリカからパリへと渡ってきた。二人は霊媒師で、霊能力が強いのは妹のケイト。仕事は専らナイトクラブでブルジョアを相手に行う降霊術だった。野心の強いローラは有名になって金持ちになりたいと願うが、なかなかうまくいかなかった。
ある時、ナイトクラブで降霊術を見ていたコルベンという男から声がかかる。コルベンはフランス映画のプロデューサーだった。彼の屋敷に赴いた姉妹は、コルベンと共に降霊を開始する。
降霊会が始まると、コルベンは目を閉じたまま、次第にのけ反りだした。驚いたローラが声をかけると、彼は涙を流しながら、とても満足そうな顔をした。どうやら、霊と接触できたようだ。二人はコルベンから金を受け取ると屋敷を後にした。
フランス映画界は停滞していた。株主たちは配当金が支払われないことに不服を漏らす。コルベンは衰退を免れるには、刷新するしかないと考えていた。そして、あるアイディアを想いつく。コルベンはそのアイディアを形にするため、早速、バーロウ姉妹を訪ねた。
コルベンは先日の降霊会で亡くなった兄と交信することができたとローラに語った。そして、その姿を撮影したいと申し出る。二人を映画で有名にしたいという。契約を結んだ二人は、コルベンから“私の家で暮らせばいい”と提案され、面白半分で引っ越していった。
映画『プラネタリウム』のあらすじ【承】
姉妹のカメラテストが始まった。映画のセットの中で降霊会が行われたが、いつもと違う状態に姉妹はナーバスになる。監督のセルヴィエは、コルベンが試そうとしていることは、全く馬鹿げていると笑った。
ローラには花があるとセルヴィエに言われ、コルベンは思いつく。ローラを今度の新作映画の主演にできないかと。霊媒師の役を“本物の霊媒師”がやったら面白いし、宣伝になるのではないか。セルヴィエもその案を気に入り、脚本を書き始めた。
コルベンは超心理学の専門家ユレ教授と会った。ローラとケイトに興味はあったが、心の底から信じているかと言われれば、少し不安が残る。コルベンはユレ教授に科学的なアプローチから、彼女たちが本当に霊を呼び出しているのかを調査してほしいとお願いする。ユレ教授は妹のケイトを調べてみたいと言う。
近年の映画技術では、心霊写真やフィルムの中での心霊現象を作りだすことなど容易だった。だが、コルベンは“本物の超常現象”をフィルムに収めなくては意味がないという。
ローラが演技デビューする日が来た。最初こそ、緊張でガチガチだったが、次第に演技の面白さと役によって別の自分になれることに快感を覚えていく。
あるパーティの帰り、姉妹の部屋にやってきたコルベン。ローラに“君たちに出会って人生が変わった”と告げたコルベンは、今すぐに降霊会をやってくれないかとお願いする。ローラは戸惑うが、その頼みを聞く。ローラは少しずつ、コルベンに想いを寄せるようになっていった。
映画『プラネタリウム』のあらすじ【転】
ある日、ローラはケイトとコルベンが二人だけで降霊会をやっているのを目撃して驚く。問い詰めるローラは、ケイトから嫉妬していると言われて取り乱す。コルベンも、君は何も分かっていないと言った。
ローラは撮影のため、南仏へ。撮影とバカンスを楽しむが、皆がコルベンの良くない噂をしているのが気になった。誰かが彼を意図的に悪者に仕立てあげているようだ。ある時には、“ユダヤ男の娼婦”と鏡に書かれていることもあった。
ローラが留守の間、ケイトとコルベンはユレ教授の研究室へ出向いた。ケイトは頭や体に装置を付けて降霊術を行った。二度目の降霊実験の際、コルベンは父親の霊と交信するが、気がつくとケイトに取りつけた装置から火が出ていた。火はすぐに消し止められ、ケイトは無事だった。
コルベンとケイトは南仏にやってきた。ユレの研究所でフィルムに霊を映すことに成功したという。それを皆で観るが、煙のようなものが一瞬だけ映り込んだだけだった。コルベンとケイト以外、誰も霊だとは思っていなかった。遂にはセルヴィエも匙を投げ、監督を降りてしまう。
実はローラには最初から何も見えていなかった。霊媒師のふりをしていたのだ。ローラはケイトに、もう降霊会などする必要はないと言った。女優になったし、じきにコルベンにも世話にならなくてもよくなると。だが、話の最中、ケイトは真っ青になって倒れてしまう。
ケイトは白血病だった。死にたくないと呟くケイト。だが、悲しむローラとコルベンに“悲しまないで。死ぬのは降霊会のせいではなく、持って生まれた能力のせいなのだから”と優しく言った。ケイトの能力とは、人が望むものを見せることができる才能だった。コルベンはケイトに、コルベンが欲していたものを見せられたに過ぎなかったのだ。
映画『プラネタリウム』の結末・ラスト(ネタバレ)
今回のことで人間性を疑われたコルベンは、映画会社の役員たちから辞任に追いやられてしまう。役員の一人から、“あなたの本名はコルビンスキと言うのでしょ?”と言われ、呆然とするコルベン。自分はあなたがたと同じフランス人だと釈明するが、誰も信じてはくれないようだった。
ある朝、コルベンは家を訪ねてきた警察と共に家を出ていった。ローラとケイトに心配するなと告げていったが、投獄されてしまう。コルベンのことを書いた新聞は、彼への憎悪で溢れていた。
コルベンはフランス国籍をはく奪され、外国人として投獄されていた。面会に来たローラは、彼が法務大臣に書いた手紙をこっそりと受け取る。コルベンは、ローラと結婚する夢を見たと言った。ローラは手紙を届けるために走った。
裁判が開かれた。コルベンは、ポーランド人のアンドレ・コルビンスキという男に仕立て上げられていた。記録のためにカメラが回っていた。それを見てコルベンが叫ぶ。“カメラを止めろ。これは喜劇でなく悲劇だ”
あれから数年が経ち、戦争が始まっていた。コルベンは東側へ移送され、ケイトも病気で亡くなってしまっていた。ローラは、まだパリで女優をしていた。小さな役を演じながら、大きな野心を胸に秘めて。
映画『プラネタリウム』の感想・評価・レビュー
美しい映像の多い映画だった。ナタリー・ポートマンが特に綺麗で、どこを切り取っても絵になるだろう。ストーリーは少々わかりにくい。降霊術というのが特にネックで、共感しづらいテーマだった。
全体的に薄い内容で、降霊術について詳しく説明されている訳でもない。
姉妹とプロデューサーが知り合うことで、各々の運命が狂っていく様は理解できた。美術はよかったため、女優が好きであれば観れなくはない作品だと感じた。(女性 20代)
若き霊媒師の姉妹が主人公の物語です。海外の映画には度々登場しますが、日本ではあまり聞きなれない設定です。その姉妹の降霊会が人気となり、一人の男性が霊を映像に残したいというところから話が展開していきます。
美しい姉の役をナタリー・ポートマンが演じていますが、役中でもその美しさから映画デビューを果たします。妹役のリリー=ローズ・メロディ・デップはこの映画で始めてみましたが、ジョニー・デップの娘さんだそうです。役柄的にだと思いますが、掴みどころのないふわりとした演技が印象的でした。
パーティーの時に雪が振り出して、参加者が外に飛び出し雪と戯れるシーン。雪ではなく、羽が舞い降りるような場面は神秘的で美しかったです。(女性 40代)
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