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映画『秘密と嘘』あらすじネタバレ結末と感想

映画『秘密と嘘』の概要:1996年のイギリス映画。最近仲が上手くいかない母と娘を中心に、その母の弟夫婦、産まれてすぐに養子に出された黒人の女性などの人生を見事交差させて描き出している。

映画『秘密と嘘』 作品情報

秘密と嘘

  • 製作年:1996年
  • 上映時間:142分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:マイク・リー
  • キャスト:ブレンダ・ブレシン、ティモシー・スポール、フィリス・ローガン、クレア・ラッシュブルック etc

映画『秘密と嘘』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『秘密と嘘』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『秘密と嘘』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『秘密と嘘』 あらすじ【起・承】

ロンドンの近くの街で、シンシアとロクサーヌの親子は暮らしている。
シンシアは中年の女性で、21の時にロクサーヌを出産。
大して望んだ訳ではない妊娠だった。

母親のシンシアは幼少期に母を亡くした。
そのため10代で仕事に就き、結婚もせず青春時代を謳歌することも無くここまで来た。
友人もいない。

シンシアには弟がいる。
名前はモーリスと言い、良き相談者であった。
しかし彼の妻のモニカのせいなのか、彼は姉の前に姿を現すことが減ってきた。

ロクサーヌはどんどん生意気になり、最近はシンシアに文句や反発ばかり。
ボーイフレンドが出来たようだが、会わせない。
モーリスは昔から自分の子供のようにロクサーヌを可愛がってくれていた。
しかしモニカには子供が出来なかった。

ある日、シンシアに電話がかかってくる。
相手の名前はホーテンスと言い、シンシアがかつて出産し乳児院に養子に出した娘のようだった。
突然でびっくりしたシンシアだったが、「会いたい」と言ってくれる娘に興味を持ち、彼女もまた会ってみたいと思うようになっていった。

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映画『秘密と嘘』 結末・ラスト(ネタバレ)

待ち合わせの場所で、お互いの顔を知らない2人はようやく探し出せた。
そこでシンシアが驚いたのは娘だと言う女性が黒人であることだった。
確かに自分の娘なのか?と疑いを持つも、すぐに心あたりを思い出した。
そしてシンシアは出産後、良く娘を見ずに養子に出したことも思い出す。

この出会いは2人にとってとても有意義なものになった。
お茶を飲み、出生の話をし、現在の状況や養父母のことを話した。
ホーテンスの養父は早くに亡くなり、母親も2ヶ月前に亡くなった。
そのことで自分の本当の母を探してみたいと思うようになったのだと言う。

この出会いでもっと会いたいと思うようになった2人は電話でやり取りをし、まるで今までの時間を埋めていくようにしたしくなっていく。
ロクサーヌは文句ばかりでろくに口もきいてくれない。
そのことで日常を寂しいと感じていたシンシアにとって、もう1人の娘の出現は新しい人生を作り出しているような気分であるかもしれない。

ある日、弟の新居祝いで兄弟と集まることになったシンシア。
もちろんロクサーヌも一緒である。
そこにホーテンスも誘って良いかモーリスに電話をする。
「彼女は食事を何度もするような友人」と紹介した。
一緒に行くことをためらっているホーテンスにシンシアは是非一緒にと誘う。

そして当日。
誰もホーテンスがシンシアの娘だと思っているものはいない。
しかしお祝いの席も終わりかけの時だった。
ホーテンスが席を外している時に、シンシアはロクサーヌにホーテンスが父親違いの姉妹であるという事実を告げた。
最初は冗談だと思っていたロクサーヌだったが、叔父や叔母の様子から冗談では無いと察知しパニックになる。
そしてシンシアとホーテンスは「傷つけるつもりは無かった」と謝罪した。

彼女達のことを責めたモーリスの嫁のモニカ。
シンシアは「子供が出来ない方がよっぽど嫁としてダメ」と言ってしまう。
しかしモニカは治療を続けても授かれない不妊症で、15年もの間苦しんで来たのだと言う。この本音の話し合いで、家族の形は動いた。
隠していた秘密と嘘で家族が再生されていくようだった。

映画『秘密と嘘』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『秘密と嘘』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

良質だが動かない単調な映画

本作品は非常に上品でクオリティの高い作品の1つである。
キャストの演技力は最高で、彼らの芝居を見るだけでも価値がある。
だがイギリスらしいと言えばイギリスらしい作風で、様々な家族の形を描きながらも本当のことと嘘の間で揺れ動く人間の気持ちを静かに描いている。
ゆったり、というよりは単調で淡泊。
盛り上がりが作られていないため、非常に退屈にも思える作品だ。

場面の切り替えやアングルを変えることは大事だ。
そうすると考えない方向から映画を鑑賞して納得出来たりもするのだが、この作品はあくまで監督が知って欲しい角度からしか撮影されておらず感情移入が難しい。

俳優の個性

キャストの個性はそれなりに大事であると考える。
演技力はもちろんだが、記憶に残るような俳優であることが理想的だ。
この作品で言うと誰も彼もがどこにでもいそうな人たちなの、1人をピックアップするとキャラが濃いことが印象的。
出で立ちや表情、容姿に至るまで個性的なのだ。

ロクサーヌはとても美しいとは言えない女性で、母親に文句を言う姿は醜くもある。
シンシアは顔の割に声が甲高く、いかにも1人で生きていけない依存の表情が上手い女性。
モーリスは無表情なのだが、家族の仲が良いのを願っている。
よくぞここまで平凡っぽさを装える俳優を集めたものだと感心してしまう。
かなり面を食らった演技だった。

孤独な物語

この作品の主題は孤独ということなのか。
出てくる皆がそれなりに孤独を感じていて、誰とも交わることが出来ずに苦しんでいる。
一緒にいて安らげるのが家族である一方で、一緒にいることが苦痛であるのもまた家族だ。
普遍的な家族の問題を取り上げたリアルな作品である。

映画『秘密と嘘』 まとめ

作品は長く、難しい。
物語は大してドラマティックでも無い。
ヨーロッパ映画にあるような暗さと単調さが続く、退屈映画である。
ただ面白く無いのかと言われると、それなりに楽しむ事が出来る作品で、こういう作品をアートであると言いたがる人も多く居るだろう。

個人的には日常の非日常を綴った日記のような映画で、それぞれの隠したい思いや秘密を描いているように感じる。
それに対し必要なのかどうかはそれぞれが決めることである。

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