映画『ホテル・ハイビスカス』の概要:2002年の日本映画。小さい民宿、ホテル・ハイビスカスを経営する両親の元に暮らす小学生の美恵子が、インターナショナルな家族と巻き起こす沖縄の日常を描いた癒し系作品。
映画『ホテル・ハイビスカス』 作品情報
- 製作年:2002年
- 上映時間:92分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ファンタジー
- 監督:中江裕司
- キャスト:蔵下穂波、照屋政雄、余貴美子、平良とみ etc
映画『ホテル・ハイビスカス』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ホテル・ハイビスカス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ホテル・ハイビスカス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ホテル・ハイビスカス』 あらすじ【起・承】
舞台は沖縄の片隅にあるホテル・ハイビスカス。
ホテルとは言っているが、家族が暮らす家の1室を客間にして貸している民宿のような場所だ。
そこに併設しているビリヤード場も経営する父、夜の仕事で稼ぐ母、アメリカ人とのハーフのさちこねぇ、黒人とのハーフのケンジにぃ、そしておばぁと暮らしている。
美恵子の楽しみは、沖縄にいると言われている木の精霊キジムナーを探すこと。
その日も親友の男の子2人といつもキジムナーを探しに出かけていた。
しかし夢中になった美恵子達、米軍基地の立ち入り禁止エリアに策を越えて入ってしまう。
その中に死んだ猫を拾っては袋に入れ天国に返しているという、不思議なおばぁが住んでいる家を発見する。
そこでおばぁと少し話をした帰り道、美恵子達は黒人の軍人に声をかけられ注意をされる。
そして出口まで車で送ってくれた。
美恵子の自宅に1通の手紙が届いた。
それは美恵子の母と以前関係があったアメリカ軍の軍人からだった。
ケンジはこの二人の間に出来た子供なのである。
その手紙には、沖縄に駐屯することになったからケンジと三人で再会したいということだった。
プロボクサーを目指し、日々ジム通いのケンジにサチコは連絡し、待ち合わせの時間と場所を教えるがケンジは来なかった。
この後、母はアメリカにいるサチコの父に会いに行かないか?とサチコを誘う。
行きたいと二つ返事のサチコに明るくアメリカ行きを決意する母。
しかし美恵子の問題があった。
そこで宴会の盛り上がりの途中でうまく二人のアメリカ行きを伝え、誤魔化して納得させた一同。
見送り当日。
こっそり泣きながらバスに乗る二人を見送った。
映画『ホテル・ハイビスカス』 結末・ラスト(ネタバレ)
母もサチコもいない。
そんな時、父が東村宮城の具志堅さんのパイナップル畑で収穫のお手伝いをしにいくことになった。
2日間ほど家を空けると言う。
ケンジもジムで、おばぁも近所に出かけた。
そこへアメリカから手紙が届く。
楽しそうな生活を綴る手紙に腹を立てた美恵子だったが、中に同封されていた父宛の手紙を具志堅さんのところへ届けにいくことにする。
自宅の前のバス停から乗車し、宮城を目指す。
乗客がどんどん降りていく中で不安になる美恵子だったが、車掌さんが教えてくれた。
バス停に着くとそこには同じ世代の子供達が缶蹴りをしている。
美恵子も仲間に入り、夢中になっていると日が暮れてもう誰もいなかった。
薄暗い田舎道、パイン畑を探して歩いていると、空瓶を荷台に乗せて歩いているおじぃに出会う。
そのおじぃは具志堅さんの畑を知っているようだが、もう夜遅いのでおじぃの小屋で一晩過ごすことにする。
しかもそのおじぃはキジムナーが小屋に居るというのだ。
その夜、おじぃの小屋でキジムナーの光を感じる美恵子だった。
翌日具志堅さんの畑に到着した美恵子は、入れ違いで父が帰ったことを知った。
お盆までには帰ると約束をしたのに、中々戻らない二人。
美恵子は級友達に「お前の母ちゃんは戻ってこない。離婚だ」とからかわれて腹を立てる。
そして石を投げてしまった。
家に帰ると普段は温厚な父にひどく叱られた。
美恵子は近所の公園に向かった。
公園のブランコでタエコという少女に声をかけられる。
「あんた美恵子だろ?」と。
不思議な時間を過ごした二人はわずかだが、会話をする。
父が迎えに来た。
大事な思いは言葉にしなくても伝わるのだと言った。
美恵子の母が父を思う気持ちもだし、無意味だと思うご先祖様へのお供えも帰ってきてほしいという優しい気持ちが伝わるのだと。
父におぶられながら寝てしまった美恵子。
しかし自宅に着いても目を覚まさない。
おばぁは魂をもっていかれていると言った。
再びタエコが現れ、目を覚ますように果実をくれる。
そしてオバァの呪いも功を奏し、美恵子は目覚めた。
今夜はお盆の見送り日。
父にタエコという名前の少女を知っているか訪ねると、戦後亡くなった自分の妹だと知った。
母とサチコが帰ってきた。
出迎えた家族は大喜びである。
映画『ホテル・ハイビスカス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ホテル・ハイビスカス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
沖縄好きにはもってこいの映画
本作品は沖縄好きのための、沖縄の映画である。
沖縄に興味の無い人間はきっと全く面白く無いだろう。
沖縄の一区画の家の話であり、綺麗な海で泳ぐシーンも何も無い。
ただ自宅のホテル・ハイビスカスと米軍キャンプ内、ちょっとの街並みが繰り返し出てくるだけである。
しかしこの描写が本当の沖縄を表現していて、味わい深い。
沖縄が好きだと、この映画からあふれ出る沖縄タイムを肌で感じる事が出来るし、神がかった不思議な場所の映像を楽しむ事も出来る。
ガイドブックに載っているような素敵な風景ばかりではないが、本当の沖縄がそこにあるのだ。
理解に苦しむ沖縄弁
この作品は全編に渡り沖縄弁で語られている。
特に主人公の美恵子の台詞はなまりが強く、良く聞き取れないところがある。
しかも彼女の台詞は子供らしくするための演出なのか知らないが、一人声が大きい。
そのため本当に叫んでいるように聞こえてしまう箇所も多く、余計聞き取れないのだ。
かえってオバァくらいわからないと字幕が出るから見やすいのだが。
キジムナーのシーンのわかりにくさ
美恵子が父親出かけた村に到着後出会った、不思議なオジィ。
彼の小屋に入った後、オレンジの光が小屋を包む描写があるが、あれがキジムナーということなのだろうか?
それともオジィがキジムナーなのか?
ここら辺が曖昧で、なおかつ上記で示した通り沖縄弁が強くて勝手に理解するしか無いのだ。
本当はあのシーンがきっとメインシーンに近かったのでは無いか?と思っているのでここをはっきりさせたいものだ。
映画『ホテル・ハイビスカス』 まとめ
沖縄好きのための、沖縄映画が本作品である。
なんてこと無い日常を、沖縄弁とたっぷりのノンビリ沖縄時間を描いた嗜好作品と言っても過言では無い。
沖縄の雰囲気を感じることだけで良いという人にはピッタリの映画だ。
しかし、内容を求めるシティ派にはオススメ出来ない。
あくまで大きな波があるわけでも無く、淡々としながら、その沖縄感を楽しむための映画だと言うことは忘れてはいけない。
是非日頃の疲れを忘れて、頭をリセットしたい時などにオススメである。
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