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映画『肉の蝋人形(1953)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『肉の蝋人形(1953)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『肉の蝋人形(1953)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『肉の蝋人形(1953)』の結末までのストーリー
  • 『肉の蝋人形(1953)』を見た感想・レビュー
  • 『肉の蝋人形(1953)』を見た人におすすめの映画5選

映画『肉の蝋人形(1953)』の作品情報


出典:https://video.unext.jp/title/SID0092650

製作年 1953年
上映時間 85分
ジャンル サスペンス
ホラー
監督 アンドレ・ド・トス
キャスト ヴィンセント・プライス
フィリス・カーク
チャールズ・ブロンソン
フランク・ラヴジョイ
製作国 アメリカ

映画『肉の蝋人形(1953)』の登場人物(キャスト)

ジャロット教授(ヴィンセント・プライス)
天才的な蝋人形作家で、蠟人形作りに並々ならぬ情熱を持っている。とある事故が原因で大火傷を負うが奇跡的に生存する。そのため車椅子での生活をしている。
スー・アレン(フィリス・カーク)
キャシーの友人。失業中でお金に困っていた。キャシーの死の謎を追うことで、事件に巻き込まれていく。
キャシー(キャロリン・ジョーンズ)
ブロンドの美人な女性。スーの友人。バークの恋人と出会ったが、主にバークの資産を狙っての交際であった。
バーク(ロイ・ロバーツ)
ジャロット教授が作成した蠟人形を展示する館の出資者。強欲な性格で、金儲けに利用できない蠟人形の館を燃やそうとする。

映画『肉の蝋人形(1953)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『肉の蝋人形(1953)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『肉の蝋人形(1953)』のあらすじ【起】

彫刻家ジャロッド教授は蝋人形館を運営していた。リアルな蝋人形は一部の人々から賞賛を受けていたが、歴史上の人物をかたどった蝋人形は、あまり人気はなかった。パートナーのバークが保険金目当てに館を放火することを提案する。自分の蠟人形に愛着を持つジャロッド教授は、これを拒否する。バークともみ合いとなり、最終的に館には火が放たれる。ジャロッド教授は蝋人形と共に大火に巻き込まれる。

ジャロッド教授は、体に重度の火傷を負いながらも奇跡的に生きていた。心の中では、バークへの復讐に燃えているのだった。また同時に、蝋人形館の再建を計画していた。彼は新しいアシスタントを雇い、再び蝋人形を作り始める。

とうとう彼の新しい蠟人形の館がオープンする。彼の作品は以前よりも一層リアルで不気味なものとなっていた。かつて処刑で首を切られた人物や首吊り死体など、世界中のありとあらゆる不気味なシーンが再現されていた。

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映画『肉の蝋人形(1953)』のあらすじ【承】

一方、ジャロッド教授の周囲では謎の失踪事件が相次いでいた。彼の元恋人であるキャシーも行方不明になる。キャシーの友人であるスーは、失踪事件の真相を突き止めようと調査を始める。

スーは、たまたま訪れた蠟人形の館の中にあったジャンヌダルクの人形が、キャシーに瓜二つであることに気が付く。スーは、蠟人形に近づいて、その考えを確認に近づけ、蠟人形の館への不信感を強める。スーは、キャシーは殺されて、その遺体が蠟人形にされたのではないかと疑い始める。スーは、自身の仮説を周囲の人々に伝えるのだが、真に受けられなかった。

そんなスーの様子を蠟人形の館の中で見かけたジャロッド教授は、スーの美貌に心を奪われてしまう。特にスーがかつての自分の最高傑作である「マリーアントワネット」の蠟人形の顔にそっくりなことをから、知り合いからスーを紹介してもらうことになる。

映画『肉の蝋人形(1953)』のあらすじ【転】

夜、再び蝋人形館に行ったスー。真夜中で人がおらず、蠟人形のみの館にスーは不安な気持ちとなる。スーがジャンヌダルクの蠟人形に近づいて触ったり、見たりすると、やはり友人のキャシーの遺体を蝋で固めたものであると確信する。そこへジャロット教授がスーのもとへやって来る。ジャロット教授は車いすから立ち上がり、「私のマリー・アントワネット」とスーに呼びかける。彼は実は歩けるのだった。

スーが悲鳴をあげて叩くとジャロット教授の顔は崩れ、火傷まみれの顔が現れる。先日の火災で、大火傷を負っており、ふだんの顔は蝋で作ったものだった。「鬼」と叫ぶスーに対してジャロット教授は、鬼はこいつだと、首吊り自殺した蠟人形を指して、復讐を果たして蝋人形に変えたバークを見せた。気絶したスーをマリー・アントワネットの蝋人形に変えるため、ジャロット教授は彼女を台の上に縛る。

映画『肉の蝋人形(1953)』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方で警察たちは、事件の捜査を続けていた。ジャロット教授の部下の事情聴取を行う。ジャロット教授の部下は、アルコール依存症であったため、取り調べが長引いたことでアルコール依存症の症状が出てしまう。そこで、とうとう部下は、ジャロット教授がバークを殺害し、蠟人形で固めて展示していることを自白する。この自白を聞いて急いで蠟人形の館へと向かう警察たち。

ジャロット教授は、縛っていたスーを見ながら、新しい蠟人形に変えようとしていた。スーの頭上に巨大な機械を設置し、そこから蝋を垂らして固めようとしていた。そこへ警察たちが蠟人形の館へ駆けつける。警察たちに無事に救出されるスー。一方でジャロット教授は、警察たちの攻撃を受けてしまい、大きな蝋が入った器の中に転落してしまう。

後日、警察署では、スーや警察たちが、事件が無事に解決したことを喜んでいた。

映画『肉の蝋人形(1953)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ヴィンセント・プライスの怪演が光る、まさにクラシックホラーの金字塔。蝋人形館の美しさと、そこに潜む狂気のギャップがたまりません。最も衝撃的だったのは、実は展示されている蝋人形が本物の死体だったという展開。恐怖というより背筋が凍るような不気味さがずっと残りました。色彩の美しさも見どころです。(20代 男性)


物語の前半は静かに進みますが、中盤からの狂気の開花が恐ろしい。火事で顔を焼かれた教授が、自分の芸術を完成させるために殺人を繰り返すという構図が恐ろしくも切ない。ラスト、仮面が割れて焼けただれた素顔が露わになるシーンには鳥肌が立ちました。50年代とは思えないほど完成された恐怖演出でした。(30代 女性)


昔のホラー映画と侮っていたら痛い目に遭いました。音楽、照明、構図、すべてが絶妙に不安感を煽ってきます。ヴィンセント・プライス演じる教授の狂気が段階的に深まっていく過程もリアルで怖かったです。技術的には古さは感じるものの、演出のセンスは現代にも通じるものがあります。(40代 男性)


教授が蝋人形に執着する理由が「芸術」という名の狂気であることが、逆に彼の悲劇性を高めていると思いました。ただの殺人鬼ではなく、美に取り憑かれた芸術家という描き方に惹かれました。3D映画としての先駆けでもあり、蝋人形の質感や館内の奥行きも見どころ。50年代の映画としては非常に革新的でした。(20代 女性)


この映画の魅力は、ただのスプラッターではなく、芸術と狂気の境界を描いている点にあります。ヴィンセント・プライスの名演がなければ成立しなかったと思えるほど、彼の存在感がすごい。蝋人形が本物の死体であるという設定もゾッとしますが、どこか神聖さすら感じさせる演出も印象的でした。(30代 男性)


美術館という神聖な場所で起こる猟奇殺人という対比が鮮烈。教授が「芸術のために人を殺す」という異常な価値観を持ちながら、それを淡々と実行していく姿に凍りつきました。ラスト、ヒロインが焼けた蝋の下から現れた“本物”を目撃するシーンはトラウマ級。サスペンスとホラーの融合が絶妙です。(50代 女性)


蝋人形に命を吹き込むという夢が、やがて狂気へと変わっていく過程が秀逸でした。最初はただの情熱的な芸術家だった教授が、社会に裏切られ、狂気へと落ちていく流れに説得力があります。特に中盤以降の殺人計画と、それが蝋人形として“完成”していく展開は恐ろしくも見事。映画としての完成度が高いです。(40代 男性)


クラシック映画にありがちなゆるさがなく、非常にテンポよく展開していくのが印象的でした。教授のキャラクターが単なる悪役ではなく、悲劇性も持っていることで、物語に深みが出ています。3D上映も話題になっただけあって、視覚的演出もこだわりが感じられ、蝋人形のリアルさがより際立っていました。(30代 女性)


恐怖の本質が“殺人”ではなく、“人が人を作品として保存する”という倒錯的な価値観にあることが、この映画の特異性だと思います。しかもそれを美として昇華しようとするあたりが、単なるホラーではない知的な恐怖を感じました。ヴィンセント・プライスの怪演も見事で、時代を超えて楽しめる映画です。(20代 男性)


『肉の蝋人形』はホラー映画でありながら、美と狂気、創造と破壊が絶妙に共存するアート作品のように感じました。蝋人形に閉じ込められた“死”の静けさと、教授の情熱のギャップが印象的。最終的に自らも蝋の中に沈んでいくような描写に、皮肉と恐怖、そして美学を感じました。クラシック好きにはたまらない一作です。(50代 男性)

映画『肉の蝋人形(1953)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『肉の蝋人形(1953)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

恐怖のロンドン塔(Tower of London, 1939)

この映画を一言で表すと?

血塗られた王座に執着する狂気のリチャード三世を描くゴシックホラー。

どんな話?

王位を狙うリチャード三世が、次々と邪魔者を排除していく物語。ヴィンセント・プライスが怪演する恐怖と策略に満ちた歴史ホラーで、血と陰謀が渦巻く中世イングランドを舞台に展開する。

ここがおすすめ!

『肉の蝋人形』と同じくヴィンセント・プライスの異様な存在感が光る1本。クラシックホラーと歴史劇が融合した、重厚でドラマチックな構成は、怪奇映画好きにはたまらない逸品です。

オペラ座の怪人(Phantom of the Opera, 1943)

この映画を一言で表すと?

美と愛に執着した男が仮面の裏で奏でる哀しみのメロディ。

どんな話?

パリ・オペラ座を舞台に、顔を焼かれた作曲家が仮面を被り、自らの音楽と愛を守るために殺人を重ねていく。ゴシック・ロマンスとサスペンスが交錯する、色彩豊かなクラシックホラー。

ここがおすすめ!

『肉の蝋人形』と同じく、芸術と狂気をテーマにした作品。愛と執着がもたらす悲劇を描きつつ、美術や音楽の美しさも堪能できる1本。仮面の怪人というモチーフがリンクしており、相性抜群です。

マッドハウス(Madhouse, 1974)

この映画を一言で表すと?

スクリーンと現実が交錯する、恐怖の“復活劇”。

どんな話?

かつて恐怖映画のスターだった俳優が、復帰作の撮影中に殺人事件に巻き込まれていく。彼の代表作で演じた殺人鬼と、現実の殺人がリンクし、次第に狂気の渦が広がっていく。

ここがおすすめ!

『肉の蝋人形』と同様、芸術や演技を極めるがゆえに狂気へと堕ちていく主人公の姿が描かれます。ヴィンセント・プライスが再び怪演を見せる後期ホラーの傑作です。

悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre, 1974)

この映画を一言で表すと?

現実感のある恐怖が脳裏に焼きつく、ホラー映画の金字塔。

どんな話?

若者たちが迷い込んだ田舎の一軒家。そこには人の皮で仮面を作る狂気の家族がいた…。閉鎖空間で次々と襲われていく彼らの恐怖と絶望を描いたスラッシャー映画の原点。

ここがおすすめ!

『肉の蝋人形』が持つ“人を装飾品に変える”恐怖のコンセプトをより暴力的に進化させた作品。アート性ではなくリアルな残酷描写に振り切っており、ジャンルの対比も興味深い1本です。

ホーンテッド・パレス(The Haunted Palace, 1963)

この映画を一言で表すと?

邪神の呪いと血の因縁がよみがえる、ロジャー・コーマンのゴシックホラー。

どんな話?

先祖が悪魔崇拝者だったことを知った男が、遺産の屋敷に住むうちに徐々に精神を蝕まれ、先祖の邪悪な意志に支配されていく。ロヴクラフトの世界観を下地にした、重厚で耽美な恐怖劇。

ここがおすすめ!

『肉の蝋人形』と同じく、ヴィンセント・プライスの怪演と、建築美や美術が際立つ世界観が魅力。静かな狂気とじわじわと迫る恐怖が好きな方には非常におすすめのクラシックホラーです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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