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映画『ハウスメイド』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ハウスメイド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ハウスメイド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ハウスメイド』の結末までのストーリー
  • 『ハウスメイド』を見た感想・レビュー
  • 『ハウスメイド』を見た人におすすめの映画5選

映画『ハウスメイド』の作品情報

ハウスメイド

製作年:2010年
上映時間:107分
ジャンル:サスペンス
監督:イム・サンス
キャスト:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ソウ、ユン・ヨジョン etc

映画『ハウスメイド』の登場人物(キャスト)

ウニ(チョン・ドヨン)
貧しいその日暮らしをしている女性で、突然金持ちの屋敷のメイドとして働くことになる。穏やかでのんびりした性格で子供好き。
ビョンシク(ユン・ヨジョン)
長年屋敷にメイドとして務めているベテラン女性。冷酷に見えるが実は優しく、ウニを娘のように思って接し始める。

映画『ハウスメイド』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ハウスメイド』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハウスメイド』のあらすじ【起】

決して裕福では無いウニは、ある日住み込みのメイドの仕事の話しをもらう。
彼女に会いに来たのは既にそこで長くメイドとして働いているビョンシクという中年の女性で、ウニをスカウトしにきたのだ。
金持ちの自宅のメイドということで戸惑ったが、ウニはその仕事を受けることにする。

その邸宅は若い夫婦と一人娘が暮らしていた。
美しい妻のヘラは現在双子を妊娠中であり、かなりお腹が重そうである。
ウニに任されたのはこの家族の掃除や洗濯、食事に至までの全てであり、ビョンシクに制服をもらうと仕事の流れを説明された。

風呂掃除をしていると主であるフンが仕事から帰宅し、知らずにドアを開ける。
今まではベテランで中年のメイドしかいなかったこの家に、若くて溌剌としたウニがいることでフンの様子が少し変化したことをビョンシクは見逃さなかった。

ウニはビョンシクの厳しい指導の中、仕事に慣れていく。
子供好きなウニは、可愛く素直な主の一人娘のナミを大事に扱い、ナミもまた彼女に懐くようになっていく。
何でも物事を金銭で解決するこの邸宅の中で、ナミだけが純粋でウニをメイドとしてではなく人間として扱ってくれていた。

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映画『ハウスメイド』のあらすじ【承】

ある日、フンは皆が寝静まった屋敷の中で1人どこかへ向かう。
それはメイドであるウニの部屋であった。
ワインを持って突然訪れたフンに驚いた様子の彼女だったが、明らかに自分を性の対象として見ているフンにウニもまんざらではない態度で接する。
そして2人は誰にも言えぬ関係になってしまったのだった。

そのことにいち早く気がついたビョンシクは、さらにウニが妊娠初期であるということも気がついてしまう。
一緒に風呂に入った時、ウニの乳房が張っておりその様子がどう見ても妊娠しているのだと思ったのだ。

ビョンシクはフン夫婦のメイドとしてこの屋敷を守っていたが、ヘラの母親と内通していた。
彼女はヘラの母親にウニとフンのことを告げ口すると、母親を激怒させる。
母親はすぐに屋敷に出向くと、ロビーの真ん中にあるシャンデリアに梯子をかけて掃除しているウニを狙った。
階段を降りた時につまずいた振りをして梯子を倒したのだ。
梯子のてっぺんに座っていたウニは転げ落ち、頭を強打する。

映画『ハウスメイド』のあらすじ【転】

病院に運ばれたが幸いウニは軽い脳しんとうですんだ。
しかし母親とビョンシクが気になったのは妊娠のことである。
偶然の流産を願ったが、それは叶わなかった。
しかし病院の検査で妊娠が判明するだろうとふみ、中絶させようとする。
同時にヘラにもウニとフンの関係が伝えられ、屋敷は不穏な空気に包まれ始める。

見舞いにきたビョンシクは、穏やかで素直、ちょっとどんくさいウニに愛着を持つようになっていた。
ウニは退院後も屋敷に戻り、滞在した。
そこでヘラと母親に呼び出されたウニは、殴られ暴言をはかれる。
何で殴られたのかもわからないウニは、そこで自分とフンの浮気、妊娠について家族に知られていたことを初めて知り愕然とする。
部屋に戻ったウニは失意の中、それでも妊娠している自分の栄養を考え漢方ドリンクを飲んでいた。

映画『ハウスメイド』の結末・ラスト(ネタバレ)

そんなある日、ヘラが産気づき家族全員で病院に出かける。
ビョンシクと2人きりになったウニは「産みたい」と強い決意を話すが、外に出るとヘラの母親に命令されていたガードマンがウニを連れ戻し携帯まで隠されてしまっていた。

ヘラが無事に双子を出産した夜のこと。
ヘラに苛つきながら帰って来たフンが風呂の扉を開けると、勝手に風呂に浸かっているウニを見つける。
慌ててビョンシクが走り寄るが、突然ウニが湯船の中で腹痛を訴えた。
みるみるうちに湯船が赤く染まっていく。
そう、いつも飲んでいる漢方ドリンクがヘラ達により中絶を促す薬にすり替えられていたのだ。

結局病院に運ばれ中絶の処理をされてしまったウニ。
やりきれない気持ちの中、見舞いに来たビョンシクに「お前は優しいから未来を考え、家を出るように」と促される。

しかしウニは舞い戻った。
全ては子供を殺された復讐である。
ビョンシクに手伝ってもらいこっそり屋敷に忍び込むと、生まれたばかりの双子を愛おしそうに抱きあげた。
それに気がついたフンは急いで子供を取り返し、ウニに怯える。

家族全員が集まったロビーでウニを何とかしろと言う家族に、ビョンシクは「もう辞めます。自分のことは自分でおやりなさい」と冷たく突き放す。
ウニは2階から下を見下ろし、何か企んでいる表情を浮かべた。
ビョンシクはウニに「一緒に行こう」と言うが、ウニは断りシャンデリアにかけてあった紐に首をかけ2階から飛び降りる。
そしてぶらさがったウニにシャンデリアの火がつき、火だるまになったウニが右に左に揺さぶられた。
家族は子供を連れて急いで屋敷を出る。

その後、屋敷の人間はまた違う大きな邸宅に移り住みナミの誕生会をしていた。
ウニのことなど無かったかのようにいつも通り派手にパーティーする両親に対し、ナミだけが空を見上げ何か物思いにふけっているようである。

映画『ハウスメイド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

同じく韓国映画の『下女』をリメイクした官能サスペンス。
経済格差や復讐劇を描いていて、誰もが近年公開された『パラサイト 半地下の家族』を連想するであろう。
結局はそれぞれに悪の面があるが、何と言っても女の執念に怯えずして観ることはできない。
幼いミナを含む目の前でウニが決行した復讐には、何とも哀しい気持ちになった。
その後何事もなかったかのように日常生活を送る一家には、お金持ちの考え方に違和感を抱くと同時に格差社会の闇を感じた。(女性 20代)


ある一つの豪邸で繰り広げられるドロドロサスペンス。
漂うB級感にあまり期待せずに観たものの、最後まで楽しんで観ることができた。旦那様がいない時もメイドに優しい素敵な奥様、その奥様がいる家の中で行われる不倫。全てが衝撃的であるが、発覚後の奥様の変貌ぶりや、なんとかしてもみ消そうとする富豪一家の行動に驚かされる。いわゆる昼ドラのような、男女関係が絡んだドロドロ作品が好きな方にオススメしたい一作である。(女性 20代)


裕福な家庭に雇われた家政婦ウニが、やがて主の男性と関係を持ち、妊娠、排除、そして悲劇へと至る展開が衝撃的でした。最初は静かで優雅な雰囲気に騙されますが、後半は怒りと哀しみに満ちていて、感情が揺さぶられっぱなし。ラストのバースデーケーキのシーンはあまりにも皮肉で忘れられません。(20代 男性)


女性の立場と搾取構造を、ここまで赤裸々に、しかもエレガントに描いた作品に圧倒されました。ウニの純粋さが周囲に踏みにじられていく過程がつらく、妊娠を知った瞬間から彼女の運命が決まっていたように感じました。豪邸の“美しさ”がそのまま社会の冷酷さを表していて見事。(30代 女性)


序盤はメロドラマ的な雰囲気すら漂いますが、中盤以降の怒涛の展開に唖然としました。雇い主家族の冷酷さは尋常じゃなく、特に母親と姑の冷徹さが怖かった。ウニが選んだ最後の「復讐」は非常に静かで象徴的で、決して派手ではないけれど、心に深く刺さりました。(40代 男性)


愛と階級、そして“女であること”の重さが交錯する物語でした。ウニに感情移入しながら観ていたので、彼女が孤立していく描写が本当にしんどかったです。あれほど優しく、気配りができた彼女が、ただ“貧しい女性”という理由で排除される現実に絶望しました。美術とカメラワークも素晴らしい。(20代 女性)


正直、予想を超える重たさの作品でした。格差、性、暴力、冷酷な富裕層…社会の闇が凝縮されています。男は責任を取らず、女たちが女を裁くという構図にリアリティがあって、非常に痛烈な社会批判になっています。最後の儀式的なシーンは、まさに“狂気の祝祭”。圧巻でした。(50代 男性)


韓国映画らしい、階級とジェンダーのテーマが強く打ち出されていて、非常に見ごたえがありました。何よりもウニの表情と演技に引き込まれます。あの悲劇的なラストをあえて“冷たく、静かに”見せる演出が見事で、観終わった後もずっと心に残っています。重いですが観る価値のある一本です。(30代 女性)


あんなに美しく整った豪邸が、どんどん恐ろしく見えてくる演出力がすごい。音の使い方や、画面の構図が不安をじわじわと煽ってくる。心理的ホラーのようでもあり、人間の醜さを突きつけられるようでもあり…。最後のロウソクのシーン、あれは本当に狂気と哀しみの象徴だと思います。(40代 女性)


男の身勝手さ、女たちの沈黙、そしてその裏にある構造的暴力。ガツンとやられる映画でした。ウニが妊娠してからの展開は予想していましたが、それでも“そこまでするのか”という衝撃があり、最後の決断には胸が締め付けられました。復讐というよりも、彼女の叫びだったと受け止めています。(30代 男性)

映画『ハウスメイド』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ハウスメイド』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

パラサイト 半地下の家族(2019)

この映画を一言で表すと?

格差が招く悲劇を描いた、笑って震える傑作ブラックコメディ。

どんな話?

貧しい一家が裕福な家に次々と入り込み、使用人として働きながら次第に生活を支配していく。しかし彼らの“寄生”の先には、想像を超える真実と崩壊が待っていた…。貧富の格差と家族の姿を描くサスペンス。

ここがおすすめ!

『ハウスメイド』と同じく“家”という空間の中で、階級差と支配関係が暴かれていく構図が強烈。映像と音響の演出も緻密で、予想外の展開が連続する衝撃作です。格差社会の暗部を突きたい方におすすめ。

危険な関係(1988)

この映画を一言で表すと?

愛と欲望の駆け引きが招く、優雅で残酷な心理戦。

どんな話?

18世紀フランス。上流階級の男女が遊び心で始めた恋愛ゲームが、次第に本当の愛と裏切りへと発展していく。快楽と復讐の果てに待ち受ける悲劇を描く、耽美で毒のある恋愛劇。

ここがおすすめ!

『ハウスメイド』と同様に、表面は美しくても中身は支配と搾取で満ちている世界観が魅力。登場人物たちの心理の読み合い、駆け引きの応酬はまるでチェスのよう。豪華な衣装と美術も見どころです。

秘められた記憶(2005)

この映画を一言で表すと?

記憶の奥底に潜む罪と加害性が、静かに暴かれるサスペンス。

どんな話?

テレビ司会者の家に届く謎の監視映像。送り主がわからぬまま、彼の過去にまつわるある“罪”が暴かれていく。誰もが隠し持つ記憶の中にある暴力と責任を描く、ハネケ監督による不穏な心理劇。

ここがおすすめ!

『ハウスメイド』と同様、日常にひそむ狂気と“善人”が抱える無自覚な加害性を突きつける。静かで淡々とした演出なのに、背筋が寒くなる不安感に包まれる体験ができます。

ザ・サーヴァント(1963)

この映画を一言で表すと?

主人と召使い、立場が逆転するまでの崩壊の物語。

どんな話?

裕福な青年の家に雇われた一人の従僕。完璧に見えた主従関係は次第に崩れていき、立場は逆転。心理操作と支配が交錯する、英国産のクラシック・サスペンス。

ここがおすすめ!

『ハウスメイド』同様、支配される者とする者の境界が曖昧になっていく過程が緊張感たっぷり。抑圧的でありながら耽美的な空気感も共通しており、格調高いサスペンスを味わいたい方にぴったりです。

エル ELLE(2016)

この映画を一言で表すと?

強さと脆さが共存する、“支配されない女”の物語。

どんな話?

ゲーム会社を経営する中年女性が、自宅で暴行を受ける。しかし彼女は通報せず、自らの手で犯人を探し出そうとする。彼女の過去と現在が交差しながら、暴力と欲望に翻弄される心理劇。

ここがおすすめ!

『ハウスメイド』のウニとは対照的に“戦う女性”が主人公だが、共通して描かれるのは、女性が社会的にどのように扱われるかという視点。イザベル・ユペールの圧巻の演技に釘付けになります。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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