映画『ハウスメイド』の概要:2010年製作の韓国映画。金持ちの屋敷を舞台に金で何でも解決する人間と、人間のように扱われないことに怒りを覚えるメイドの確執をサスペンス仕立てで描いている作品。
映画『ハウスメイド』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:サスペンス
監督:イム・サンス
キャスト:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ソウ、ユン・ヨジョン etc
映画『ハウスメイド』の登場人物(キャスト)
- ウニ(チョン・ドヨン)
- 貧しいその日暮らしをしている女性で、突然金持ちの屋敷のメイドとして働くことになる。穏やかでのんびりした性格で子供好き。
- ビョンシク(ユン・ヨジョン)
- 長年屋敷にメイドとして務めているベテラン女性。冷酷に見えるが実は優しく、ウニを娘のように思って接し始める。
映画『ハウスメイド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハウスメイド』のあらすじ【起】
決して裕福では無いウニは、ある日住み込みのメイドの仕事の話しをもらう。
彼女に会いに来たのは既にそこで長くメイドとして働いているビョンシクという中年の女性で、ウニをスカウトしにきたのだ。
金持ちの自宅のメイドということで戸惑ったが、ウニはその仕事を受けることにする。
その邸宅は若い夫婦と一人娘が暮らしていた。
美しい妻のヘラは現在双子を妊娠中であり、かなりお腹が重そうである。
ウニに任されたのはこの家族の掃除や洗濯、食事に至までの全てであり、ビョンシクに制服をもらうと仕事の流れを説明された。
風呂掃除をしていると主であるフンが仕事から帰宅し、知らずにドアを開ける。
今まではベテランで中年のメイドしかいなかったこの家に、若くて溌剌としたウニがいることでフンの様子が少し変化したことをビョンシクは見逃さなかった。
ウニはビョンシクの厳しい指導の中、仕事に慣れていく。
子供好きなウニは、可愛く素直な主の一人娘のナミを大事に扱い、ナミもまた彼女に懐くようになっていく。
何でも物事を金銭で解決するこの邸宅の中で、ナミだけが純粋でウニをメイドとしてではなく人間として扱ってくれていた。
映画『ハウスメイド』のあらすじ【承】
ある日、フンは皆が寝静まった屋敷の中で1人どこかへ向かう。
それはメイドであるウニの部屋であった。
ワインを持って突然訪れたフンに驚いた様子の彼女だったが、明らかに自分を性の対象として見ているフンにウニもまんざらではない態度で接する。
そして2人は誰にも言えぬ関係になってしまったのだった。
そのことにいち早く気がついたビョンシクは、さらにウニが妊娠初期であるということも気がついてしまう。
一緒に風呂に入った時、ウニの乳房が張っておりその様子がどう見ても妊娠しているのだと思ったのだ。
ビョンシクはフン夫婦のメイドとしてこの屋敷を守っていたが、ヘラの母親と内通していた。
彼女はヘラの母親にウニとフンのことを告げ口すると、母親を激怒させる。
母親はすぐに屋敷に出向くと、ロビーの真ん中にあるシャンデリアに梯子をかけて掃除しているウニを狙った。
階段を降りた時につまずいた振りをして梯子を倒したのだ。
梯子のてっぺんに座っていたウニは転げ落ち、頭を強打する。
映画『ハウスメイド』のあらすじ【転】
病院に運ばれたが幸いウニは軽い脳しんとうですんだ。
しかし母親とビョンシクが気になったのは妊娠のことである。
偶然の流産を願ったが、それは叶わなかった。
しかし病院の検査で妊娠が判明するだろうとふみ、中絶させようとする。
同時にヘラにもウニとフンの関係が伝えられ、屋敷は不穏な空気に包まれ始める。
見舞いにきたビョンシクは、穏やかで素直、ちょっとどんくさいウニに愛着を持つようになっていた。
ウニは退院後も屋敷に戻り、滞在した。
そこでヘラと母親に呼び出されたウニは、殴られ暴言をはかれる。
何で殴られたのかもわからないウニは、そこで自分とフンの浮気、妊娠について家族に知られていたことを初めて知り愕然とする。
部屋に戻ったウニは失意の中、それでも妊娠している自分の栄養を考え漢方ドリンクを飲んでいた。
映画『ハウスメイド』の結末・ラスト(ネタバレ)
そんなある日、ヘラが産気づき家族全員で病院に出かける。
ビョンシクと2人きりになったウニは「産みたい」と強い決意を話すが、外に出るとヘラの母親に命令されていたガードマンがウニを連れ戻し携帯まで隠されてしまっていた。
ヘラが無事に双子を出産した夜のこと。
ヘラに苛つきながら帰って来たフンが風呂の扉を開けると、勝手に風呂に浸かっているウニを見つける。
慌ててビョンシクが走り寄るが、突然ウニが湯船の中で腹痛を訴えた。
みるみるうちに湯船が赤く染まっていく。
そう、いつも飲んでいる漢方ドリンクがヘラ達により中絶を促す薬にすり替えられていたのだ。
結局病院に運ばれ中絶の処理をされてしまったウニ。
やりきれない気持ちの中、見舞いに来たビョンシクに「お前は優しいから未来を考え、家を出るように」と促される。
しかしウニは舞い戻った。
全ては子供を殺された復讐である。
ビョンシクに手伝ってもらいこっそり屋敷に忍び込むと、生まれたばかりの双子を愛おしそうに抱きあげた。
それに気がついたフンは急いで子供を取り返し、ウニに怯える。
家族全員が集まったロビーでウニを何とかしろと言う家族に、ビョンシクは「もう辞めます。自分のことは自分でおやりなさい」と冷たく突き放す。
ウニは2階から下を見下ろし、何か企んでいる表情を浮かべた。
ビョンシクはウニに「一緒に行こう」と言うが、ウニは断りシャンデリアにかけてあった紐に首をかけ2階から飛び降りる。
そしてぶらさがったウニにシャンデリアの火がつき、火だるまになったウニが右に左に揺さぶられた。
家族は子供を連れて急いで屋敷を出る。
その後、屋敷の人間はまた違う大きな邸宅に移り住みナミの誕生会をしていた。
ウニのことなど無かったかのようにいつも通り派手にパーティーする両親に対し、ナミだけが空を見上げ何か物思いにふけっているようである。
映画『ハウスメイド』の感想・評価・レビュー
同じく韓国映画の『下女』をリメイクした官能サスペンス。
経済格差や復讐劇を描いていて、誰もが近年公開された『パラサイト 半地下の家族』を連想するであろう。
結局はそれぞれに悪の面があるが、何と言っても女の執念に怯えずして観ることはできない。
幼いミナを含む目の前でウニが決行した復讐には、何とも哀しい気持ちになった。
その後何事もなかったかのように日常生活を送る一家には、お金持ちの考え方に違和感を抱くと同時に格差社会の闇を感じた。(女性 20代)
ある一つの豪邸で繰り広げられるドロドロサスペンス。
漂うB級感にあまり期待せずに観たものの、最後まで楽しんで観ることができた。旦那様がいない時もメイドに優しい素敵な奥様、その奥様がいる家の中で行われる不倫。全てが衝撃的であるが、発覚後の奥様の変貌ぶりや、なんとかしてもみ消そうとする富豪一家の行動に驚かされる。いわゆる昼ドラのような、男女関係が絡んだドロドロ作品が好きな方にオススメしたい一作である。(女性 20代)
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