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映画『袋小路(1966)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『袋小路(1966)』の概要:全財産をかけて孤島にある古城を買い取った中年の男は、年下の若い妻に振り回されながら理想の生活を求めていた。そこへ逃走中のギャングがやって来て、ジョージの生活と人間関係は一変する。

映画『袋小路』の作品情報

袋小路

製作年:1966年
上映時間:112分
ジャンル:サスペンス、コメディ
監督:ロマン・ポランスキー
キャスト:ドナルド・プレザンス、フランソワーズ・ドルレアック、ライオネル・スタンダー、ジャクリーン・ビセット etc

映画『袋小路』の登場人物(キャスト)

ジョージ(ドナルド・プレザンス)
ロブ・ロイ・リンディスファーン島にある、作家ウォルター・スコットの古城を買い取った中年男性。元々持っていた工場を手放し、城の購入で全財産を使い果たした。年の離れた若い妻テレサと共に引っ越すも、結婚10ヶ月目の新婚生活は上手くいっていない。離婚歴がある。自称戦争の英雄。
テレサ(フランソワーズ・ドルレアック)
ジョージの妻。フランス人。彼を訪ねて来た友人夫婦の息子クリストファーの方が歳が近く、ジョージに隠れて二人きりになったりしている。ジョージのことは甘く見ており、日常的に失礼な態度を取る。自家製のウォッカを作っては友人らへ振る舞う。
リチャード / ディッキー(ライオネル・スタンダー)
ギャング。仕事に失敗して負傷し、腹部を撃たれた相棒アルビーを助けるためにジョージの城に辿り着いた。ジョージとテレサを脅し、仲間が助けに来るのを待つ。

映画『袋小路』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『袋小路(1966)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『袋小路』のあらすじ【起】

仕事に失敗し右手を負傷したギャングのリチャードは、相棒のアルビーを乗せた車が故障したため、車を押しながら浜辺を歩いていた。アルビーは腹部を撃ち抜かれており、脂汗をかく彼は背中が痛いと弱音を吐く。リチャードはボスのカトルバックへ助けを求めるため、アルビーと車を置いて電話を探しに向かった。

電柱を辿って歩いたリチャードは、浜辺を抜けた先に古城を発見した。彼は城の側のビーチに横たわる若い男女が去ったのを見計らい城内へ侵入したが、先程の男女が戻って来た上に他にも複数人の話し声が聞こえ慌てて鶏小屋へ身を隠した。

若い女はテレサと言い、城を買い取った男・ジョージの妻だった。彼女と戯れていた若い男はクリストファーという客で、引越し祝いにやって来たジョージの友人夫婦の息子だった。クリストファーの両親はジョージに挨拶をすると、次の日曜日にまた来ると言いボートで帰って行った。リチャードは一部始終を盗み見ていた。

浜辺に残されたアルビーがふと外を見ると、潮が満ちていることに気付いた。車内にも徐々に海水が侵入し、彼は声を荒げてリチャードを呼んだ。

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映画『袋小路』のあらすじ【承】

寝支度をするテレサは、自身のネグリジェをジョージに着せ、彼に化粧を施してふざけていた。遊んでいる内にテラスに人影が見えたと言うテレサは、ジョージと共に確認へ向かった。

リチャードは、鶏小屋からキッチンへ侵入して電話を発見した。カトルバックのいる聖カスバート・アームズ・ホテルへ連絡した彼は、メーブルソープ海岸リンディスファーン11と城の住所を伝えた。そこへ女装したままのジョージと、彼に隠れたテレサが現れ「警察を呼ぶぞ」と脅したがリチャードは相手にせず、1時間後に仲間が迎えに来るからと二人をアルビーの元へ連れて行った。

相棒を助けに海岸へ戻ったリチャードは、上昇する海水に驚いた。アルビーの乗る車へ向かおうとする彼へ、泳げないジョージは「潮が高くて無理だ」と弱音を吐いたが、リチャードは無理やり車を押させ城までアルビーを連れ帰った。

城へ着くと、カトルバックから電話があった。リチャードは慌てて電話に出たが、カトルバックは仕事に失敗した部下二人を見捨てた。「やれるだけやった」と弁明するリチャードの健闘虚しく、カトルバックは電話を切った。怒りに奮えるリチャードは電話線を切断し、最早虫の息のアルビーをダイニングテーブルへ運んだ。

映画『袋小路』のあらすじ【転】

リチャードによって寝室へ閉じ込められたテレサは、抵抗しなかったジョージを腰抜けと罵った。片やジョージは、女装のまま彼の前に出たことを激しく後悔しテレサを責めた。

その夜、目が覚めたテレサは庭に人影を見つけると、部屋の小窓からテラスへ抜け出した。庭ではリチャードが穴を掘っており、テレサがリビングへ戻るとテーブルの上でアルビーが息絶えていた。テレサはリチャードに自家製のウォッカを振る舞い、二人で墓穴を掘った。数時間後、泥酔したリチャードとテレサはジョージを叩き起こし、アルビーの埋葬を手伝わせた。

そろそろ仲間が来ると言うリチャードは、潮の引いた浜辺を走る一台の車を見つけた。運転手はトニーだとはしゃぐ彼だったが、城を訪れたのはジョージの旧友とその友人達だった。

ジョージの結婚祝いに訪れたフィリップ・フェアウェザーは、妻マリオンと幼い息子ホーレス、友人とその妻セシルを連れて城へやって来た。リチャードはジョージとテレサに「俺のことを喋ったら殺す」と脅しをかけ、自分を庭師のジェームズと偽り彼らの動向を監視した。

彼らはジョージの案内でウォルター・スコットの書斎を見学した。ジョージはフィリップから「アグネスはどうだ?」と前妻の話を持ち出され、リチャードの仲間がいつ訪れるか分からない不安の中で無神経な彼にうんざりし「君にはイライラする」と告げた。

映画『袋小路』の結末・ラスト(ネタバレ)

ホーレスは、城内でいたずらの限りを尽くした。テレサが大切にしているレコードを散らかした彼はテレサに耳をつねって怒られ、「アバズレが耳を引っ張った」と喚き散らした。

テラスで昼食を摂る一行へ、リチャードは「紳士淑女なら訪れる前に前もって連絡するはずだ」と小言を言った。フィリップは、電話をしたが繋がらなかったと説明し、ジョージは海岸にいて気付かなかったと誤魔化した。その内に、テレサ目当てのクリストファーがボートに乗ってやって来た。

しばらくして、ホーレスがセシルの夫のショットガンを持ち出して遊びだした。大人達は慌てて銃を取り上げようとしたが、ホーレスは人に向かって発砲、驚いたリチャードも銃を構えた。ショットガンはすぐに取り上げられたが、フィリップはジョージへ「最初から追い出す気だったな」と怒鳴る。キレたジョージもまた「クソガキは我慢ならない。僕を馬鹿にしに来たな、前妻の時と同じだ」と声を荒げ、フィリップ達を追い出した。

その夜、リチャードは電話線を繋ぎ直すと再びカトルバックへ連絡した。彼からの返答は「好きにしろ」の一言のみだった。

リチャードが電話している隙に、テレサは彼の銃をかすめ取った。完全に見放されたリチャードはジョージとテレサを閉じ込めて城から出ようとしたが、ジョージが銃を持っていることに気付き襲い掛かろうとした。ジョージは咄嗟に発砲し、数発撃たれたリチャードは車へマシンガンを取りに向かった。

リチャードは二人へマシンガンを向けたが、地面に倒れ込んで絶命した。テレサはショットガンを取りに戻ったセシルの夫と共に逃げ出し、残されたジョージはアグネスの名前を呼んで泣きじゃくった。

映画『袋小路』の感想・評価・レビュー

ジョージのポンコツ具合が非常に切ないシュールなコメディ映画。彼の呆けた表情は、これまで見たどんなおとぼけキャラより間抜けで哀愁があった。

一方のリチャードの脅し方もどこか抜けている。右手を負傷していることを差し引いても、もっとやり方はあるはずだ。ジョージの間抜けさと、テレサを「女だから」と気を抜いたのかもしれない。リチャードとテレサがウォッカを飲みながら墓穴を掘るシーンは奇妙である。

ジョージの友人にも碌な人間がいない。取り分けホーレスには怒り心頭だった。くれぐれも自分の息子をああはさせないぞと強く誓う。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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