映画『ハングリー・ラビット』の概要:犯罪が多発するニューオリンズでは、法律に従わない組織が代理殺人という手段を使って犯罪者たちの私刑を執行していた。妻をレイプされた主人公はこの謎の組織の陰謀に巻き込まれていく。2012年公開のアメリカ映画。
映画『ハングリー・ラビット』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:ロジャー・ドナルドソン
キャスト:ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ハロルド・ペリノー etc
映画『ハングリー・ラビット』の登場人物(キャスト)
- ウィル・ジェラード(ニコラス・ケイジ)
- ニューオリンズの高校で国語の教師をしている。妻のローラと幸せに暮らす熱血教師だったが、ローラがレイプされたことである組織の陰謀に巻き込まれていく。頭が良く、行動力もある。
- ローラ・ジェラード(ジャニュアリー・ジョーンズ)
- ウィルの妻。オーケストラの演奏家。明るい美人だが、レイプされてから神経過敏になる。防犯のために銃を携帯している。
- サイモン(ガイ・ピアース)
- 2年前に妻を殺され、世直しという名目で代理殺人を行う組織の支部長となる。“空腹の兎は跳ぶ”という暗号を使う。空腹は人間性、兎は理性、跳ぶは正義を意味する。
- ジミー(ハロルド・ペリノー)
- ウィルの同僚で古くからの友人。ローラとも親しい。15年前に弟を殺された。
- ダーガン警部補(ザンダー・バークレー)
- ニューオリンズ市警の警部補。謎の多い人物。
映画『ハングリー・ラビット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハングリー・ラビット』のあらすじ【起】
とあるカフェで極秘の取材を受けた男は“あんたに話したことがバレたら組織に殺される”と怯えていた。その言葉通り、彼は駐車場の屋上から車ごと突き落とされ、自殺に見せかけて殺害される。
ニューオリンズの荒れた高校で国語教師をしているウィルは、馴染みのラフィット・ホテルで妻のローラと結婚記念日を祝っていた。ウィルは愛するローラにルビーのついたネックレスをプレゼントする。
翌日の夜、楽団の練習を終えたローラは帰宅途中で銃を持った男に襲われ、レイプされてしまう。病院へ駆けつけたウィルは痛々しいローラの姿を見て、怒りと悲しみに打ちのめされる。そんなウィルにサイモンと名乗る男が話しかけてくる。
サイモンも2年前に妻を殺された経験があり、正義の組織を代表してローラを襲った犯人に罰を与えてくれると言う。見返りとして簡単な頼みごとをするが、報酬はいらないというサイモンの言葉にウィルの心は揺れる。正義を望むなら病院の自販機でチョコを2つ買えと言われ、ウィルは迷った末にチョコを買う。
ローラを襲った犯人はサイモンとは別の男に銃殺される。犯行後、男はどこかへ電話をかけ“空腹の兎は跳ぶ”という暗号を唱える。警察はこれを自殺と断定し、ウィルのもとには組織から殺された犯人の写真と奪われたローラのネックレスが届けられる。
映画『ハングリー・ラビット』のあらすじ【承】
半年後。ローラはまだ神経質になっており、ウィルには内緒で銃を購入していた。しかしローラにも笑顔が戻り、以前のように2人で外出できるまでに回復していた。そんな時、ウィルの携帯にサイモンから電話が入る。
サイモンがウィルに渡した封筒にはある女と子供の写真、さらにある男の写真と電話番号が入っていた。サイモンはウィルにその女性の尾行をさせ、写真の男が現れたら電話をかけて“空腹の兎は跳ぶ”と言うよう指示を出す。しかし男は現れなかった。
翌日。ウィルの高校にまでサイモンは姿を見せ、写真の男は性犯罪者なので、歩道橋から突き落として自殺に見せかけて殺すよう命令する。
翌朝。ウィルはサイモンの命令に背く。その夜、サイモンはローラの前にも姿を現し、ウィルを精神的に追いつめていく。
次の日。ウィルはローラにも危険が迫っていると感じ、サイモンの命令に従う。高速道路上の歩道橋でウィルと男はもみ合いになり、男は勢い余って自ら道路へ落下して死亡する。同じ頃、ローラは車の中であのネックレスを見つける。ウィルはローラに真実を告げられないまま、アラン・マーシュという男を殺した容疑で逮捕されてしまう。
映画『ハングリー・ラビット』のあらすじ【転】
アラン・マーシュは確かにウィルと歩道橋でもみ合った男だったが、彼は性犯罪者などではなく取材熱心な新聞記者だった。サイモンは現場の防犯カメラは壊したと言っていたが、歩道橋の入り口の防犯カメラにはウィルの姿が映っていた。しかしウィルとアランがもみ合った現場を捉えた防犯カメラのテープは抜かれており、さらにアランの携帯には動物園で女性を尾行中のウィルの動画が残っていた。ウィルはサイモンに騙されていたのだ。
ところが部下とウィルの取り調べを交代したダーガン警部補は、“空腹の兎は?”という質問に“跳ぶ”と答えたウィルに“逃げないと自殺に見せかけて殺されるぞ”と言って手錠を外してくれる。ウィルはローラに伝言を残し、勤務先の高校に身を隠す。
翌日。ウィルはローラと密会し、事情を説明する。警察も信用できないのでラフィット・ホテルに避難するよう、ローラに忠告する。ローラはウィルにお金と銃を渡してくれる。
アランは組織のことを極秘取材していたため殺されたのだと推測したウィルは、サイモンたちの追跡から逃げ延びて、アランの勤務先だった新聞社に潜入する。アランのデスクには「パリス給油所」の領収書が大量に残されていた。
ウィルはパリス給油所の店員を買収して教えてもらったアランの貸し倉庫の中でディスクの入った箱を見つける。指名手配犯にされてしまったウィルは、警察の追跡をかわしながら、真相に迫っていく。
映画『ハングリー・ラビット』の結末・ラスト(ネタバレ)
アランの残したディスクには取材後に殺された男が凶悪犯罪者を対象に私刑の制裁を加える組織について語る映像が残されていた。組織のメンバーの写真の中には同僚のジミーの姿があり、ウィルは自分が組織から声をかけられた理由がわかる。
ウィルはサイモンにこのディスクと自分の正当防衛を証明できる防犯カメラのテープを交換する取引を持ちかける。しかしサイモンの部下であるジミーたちはすでにローラを拉致しており、取引場所でウィルとローラは殺されそうになる。ウィルはサイモンを“イかれてる”と罵るが、サイモンはどこまでも自分は正義のために世直ししていると主張する。サイモンのやり方に疑問を感じていたジミーは、仲間を撃ってローラとウィルのピンチを救う。しかしジミーはサイモンに撃ち殺されてしまう。激しい格闘の末、最後はローラがサイモンを撃ち殺し、現場にいた組織の人間はみんな死ぬ。ダーガン警部補は、4人も射殺された事件を仲間同士で撃ち合った単純な事件として処理してしまう。さらにダーガン警部補はウィルに“私たちの組織へ入らないか”と意味深なことまで言い残していた。
後日。正当防衛で不起訴となったウィルはアランの上司にディスクを渡し、この取材を続行してほしいと頼む。上司は“もちろんだ”と答え、“空腹の兎は空を跳ぶ”と言い残して去っていく。ウィルはその言葉を聞いて唖然とする。
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