映画『ハンテッド(1995)』の概要:名古屋での仕事を終えたビジネスマン・ラシーヌは、キリナという美女に出会い熱い一夜を過ごす。しかし、キリナは突如現れた謎の忍者キンジョーに殺されてしまい、その場面を見てしまったラシーヌも命を狙われることに。
映画『ハンテッド』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:アクション
監督:J・F・ロートン
キャスト:クリストファー・ランバート、ジョン・ローン、ジョアン・チェン、原田芳雄 etc
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映画『ハンテッド』の登場人物(キャスト)
- ポール・ラシーヌ(クリストファー・ランバート)
- NYのビジネスマン。名古屋での仕事を終え、ホテルのラウンジでキリナと出会い一夜の関係を持つ。偶然キンジョーがキリナを殺す場面に遭遇し、彼の顔を見てしまったことで命を狙われることになる。
- キンジョー(ジョン・ローン)
- 現代に潜む忍者軍団マカトの首領。大富豪のネムラに依頼されてキリナを殺害したが、その際ラシーヌに顔を見られてしまい彼を始末しようとする。
- キリナ(ジョアン・チェン)
- キンジョーに殺害された美女。幼い頃に親と死別し、叔父によってソープへ売られた。自分に惚れこむ上客ネムラを利用し身請けさせると、一方的に別れを告げ自由の身になった。
- 武田(原田芳雄)
- 剣術の師範を務める武家の子孫。200年前、敵対していた一族がマカトを雇い武田家を滅亡寸前まで追い込んだ歴史があり、それを知ってからマカトへの復讐を誓う。ラシーヌを助けたヤムラ医師から凶器の手裏剣を見せられ、キンジョーを討つため妻ミエコと共にラシーヌを匿う。
- ジュンコ(夏木マリ)
- キンジョーの腹心。くのいち。キリナの亡霊に捕らわれる彼へ、ラシーヌに彼女の魂が乗り移ったため彼を殺せばキリナの魂も消えると説得する。
- 警部(岡田真澄)
- キンジョーに襲われたラシーヌを保護する名古屋の警部。ヤムラ医師や武田からマカトについて聞かされたラシーヌへ現代に忍者や侍はいないと説得し、警察に監視された病室が一番安全だと説く。
映画『ハンテッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハンテッド』のあらすじ【起】
仕事で名古屋を訪れたラシーヌは、商談の成功を祝おうと言う同僚と別れ、一人滞在先のホテルで飲むことにした。彼はラウンジに居合わせた美女キリナに目を奪われ、彼女と盆踊りを鑑賞した後、彼女の部屋で体を重ねた。一方、キリナの部屋の外では日本刀や手裏剣を忍ばせた3人の忍者が身を潜めていた。
ラシーヌを見送ったキリナの元へ、忍者達が姿を現した。キリナは自分を殺そうとする相手へ「殺す前に顔を見せて」と願い、肝の据わった美しい彼女に見せられたキンジョーは自身の顔を覆う布を取った。そこへ、間違えてキリナの部屋の鍵を持って行ってしまったラシーヌが戻り、キンジョーは慌ててキリナの首を刎ねて手下と逃走した。
胸に手裏剣を受けたラシーヌは緊急搬送され一命は取り留めたが、美しいキリナとの夜やキンジョーの幻影に悩まされていた。一方、ラシーヌの手術を担当したヤムラ医師は、彼に刺さっていた手裏剣に心当たりがあったため、武田の営む道場を訪れていた。武田は、手裏剣はマカトの物だと確信し、首領のキンジョーは取り逃がしたラシーヌを殺しに現れると踏んで病院へ向かった。
目を覚ましたラシーヌは、早々にヤムラ医師から武田とその妻ミエコを紹介され、彼らの本拠地がある島へ避難するよう勧めた。ラシーヌは初対面の日本人夫婦を信用せず、彼の命を心配するミエコは自分達が滞在するホテルの番号を渡して去った。
映画『ハンテッド』のあらすじ【承】
マカトの本山に戻ったキンジョーは、ラシーヌを仕損じた手下スジンとミサトを呼び付け「俺の立場を奪うためにわざとヤツを逃がしただろ」と言うと、見せしめに二人を処刑した。失意のキンジョーはジュンコへ、美しく逞しいキリナを殺したことで神々の怒りをかったと溢し、ジュンコは「ラシーヌを殺せばキリナの霊もいなくなる」と励ました。
ラシーヌの病室を訪れた警部は部屋を出ようとしていた彼へ、警察を配備した病院がどこよりも安全だと説明した。ラシーヌは警部へ忍者について訊ねようとしたが、“キンジョー”とは犯罪組織が一般人を脅すための架空の存在で、マカトはヤムラ医師のでっち上げた作り話だと笑い飛ばした。その時、秘かに病院へ侵入していたマカトの忍者達が病室へ奇襲をかけ、警部は弓矢で射られて絶命、ラシーヌは命からがら繁華街へ逃走した。
大勢の客で賑わうパチンコ店へ身を隠したラシーヌは、武田夫妻に電話をかけて助けを求めた。ラシーヌを追うキンジョーもまたパチンコ店へ忍び込んだが、ラシーヌはわざと騒ぎを起こして彼の追跡を撒いた。
武田夫妻と再会したラシーヌは、彼らと共に三原行きの新幹線へ乗り込んだ。マカトの追手に気付いた武田はラシーヌを匿い、真剣をちらつかせて乗客を避難させると、手下を連れたジュンコを仕留めた。彼は一人残らずマカトの忍者を討ったが、キンジョーは新幹線には乗っておらずアジトに残っていた。
映画『ハンテッド』のあらすじ【転】
マカトへの復讐を果たせなかった武田はラシーヌを武田流総本山へ匿い、三度彼を追って来るであろうキンジョーと勝負をつけるため、酔いどれの刀鍛冶オオシマに新しい刀を作らせた。一方、ラシーヌを追った手下が新幹線で全滅したと聞かされたキンジョーは、キリナ殺害を依頼したネムラの元へ向かった。
高級ホテルにいたネムラを襲撃したキンジョーは、キリナを狙った理由を問い質した。ネムラは大金をはたいて身請けしたキリナから一方的に別れを告げられたことで怒り、感情のまま殺害を依頼したと明かし、その場でキンジョーに殺された。
最初こそ千鳥足のオオシマを心配していたラシーヌだったが、彼はオオシマにいいように使われ、石炭を運んだり掃除をさせられたりと言われるがまま雑用を任された。その内に、錆び付いたなまくら刀が転がっているのを見つけたラシーヌは、オオシマの指導で剣術を学んだ。
オオシマに作らせた新しい刀を受け取りに来た武田は、ラシーヌが剣術を教わったこと、彼がなまくら刀で林檎を一刀両断したことをオオシマから聞かされ、新しく手に入れた真剣で直接稽古をつけると言った。
門下生達に見物されながら武田との真剣勝負に挑んだラシーヌは、自分の居場所を知りようもないキンジョーが何故この島を見つけられると思うのか尋ねた。新幹線でも、新幹線を降りた後も、武田が自らマカトに居場所を告げていたと勘付いたラシーヌは、自分を復讐の道具にしないでくれと訴えた。武田は勝負を切り上げると、キンジョーへ一報を打ちラシーヌを監禁した。
映画『ハンテッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
武田から「一対一で勝負し、自分が負ければラシーヌを渡す」との報せを受けたキンジョーは、残った手下を連れて彼のいる島を目指した。
牢に入れられたラシーヌの元を訪れたミエコへ、彼は「自分がいると皆の命が危ない」と言い脱出を申し出たが、彼女は夫や門下生達と死ぬ覚悟を決めていた。しかし、ラシーヌに別れを告げたミエコは秘かにオオシマの元を訪ねると、酔い潰れて眠りこける彼へ戦いの最中にラシーヌを逃がすよう頼んだ。
夜を迎え、武田の前に現れたキンジョーは自ら顔を覆う布を取り去ると、自分はキンジョーの遣いだと言って武田を怯ませ、その隙に潜んでいた手下達が現れ島は主戦場と化した。
オオシマに連れられ小舟に乗ったラシーヌは、ミエコが心配だと言ってオオシマだけを島から逃がし、キンジョーの元へ向かった。一方の武田は、エミコの助太刀の甲斐あってようやくキンジョーとの一騎打ちに恵まれた。しかし、キンジョーによって腹を切られた武田は無念の内に絶命、ミエコもキンジョーによって追い詰められたが、キンジョーは彼女にキリナの影を見て俄かにひるんだ。そこへラシーヌが現れ一撃をくれ、キンジョーの首を刎ねて戦いは終わった。
深手を負ったミエコと島を出ようとするラシーヌの元へちぐはぐに武装したオオシマが駆け付け、三人は肩を支え合った。
映画『ハンテッド』の感想・評価・レビュー
忍者や侍が現代で暗躍しているという都市伝説をテーマにしているため、舞台となる“日本”はさしずめ中国と台湾と韓国を足して割らずに煮詰めたようなネオ・トーキョーかと思いきや、しっかりと名古屋で撮影していて拍子抜けした。
忍者の首領が日本語を話せないことや、一般人が日本刀を持ち歩いていても警察に止められないことなどはさておいて、キャストの豪華さやそれなりに内容のある脚本のお陰で一概に“とんでも映画”とは言えない作品である。(MIHOシネマ編集部)
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