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映画『氷菓』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『氷菓』の概要:数多くの作品を世に送り出している人気小説家、米澤穂信の『古典部シリーズ』の一作目がとうとう実写映画化。原作にもかなり忠実であり、原作ファンでも楽しめる作品に仕上がっている。

映画『氷菓』の作品情報

氷菓

製作年:2017年
上映時間:114分
ジャンル:サスペンス
監督:安里麻里
キャスト:山崎賢人、広瀬アリス、小島藤子、岡山天音 etc

映画『氷菓』の登場人物(キャスト)

折木奉太郎(山崎賢人)
何事も『省エネ』をモットーにしている高校生。姉の命令で廃部寸前の古典部に入部することとなるが、それが『33年前の事件』に繋がることとなる。
千反田える(広瀬アリス)
古典部に入部してきた、好奇心旺盛な女子学生。とある目的のために古典部に入部した。その好奇心で奉太郎を振り回す。
福部里志(岡山天音)
奉太郎の中学時代からの友人。幅広い知識を持ち、自身をデータベースと称している。
伊原摩耶花(小島藤子)
漫画研究会と掛け持ちという形で、古典部に入部。昔から里志に恋心を抱き猛烈なアプローチをしているが、はぐらかされている。

映画『氷菓』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『氷菓』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『氷菓』のあらすじ【起】

この春高校生になる折木奉太郎は、これまで何事にも7割の力で取り組む、『省エネ』スタイルを貫いてきた。そのスタンスはこの春からも変わる予定はなかったが、そんな奉太郎に対して、彼の姉がとある命令を下すのだった。

それは、彼女がかつて所属しており、現在部員不足で廃部の危機に陥っている『古典部』を救うこと。自分と歳が離れ、かつ自分と違い常にエネルギーに溢れている姉にどうしても頭が上がらない奉太郎は、入学後渋々古典部の部活へと向かうことになる。しかし、待てど暮らせど奉太郎以外の入部希望者は現れない。このままいけば部員不足で部として成立しない、と喜ぶ奉太郎。

しかし、そこに一人の女子生徒が「私、気になります!」と声をあげながら飛び込んできた。彼女の名前は千反田える。奉太郎と同じ新一年生であり、好奇心が旺盛で、奉太郎とは異なりエネルギーに満ちている女子生徒だった。そして、奉太郎は面倒くさいことになる前に、と省エネ精神で彼女の疑問を推理し、解決してしまうのだった。

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映画『氷菓』のあらすじ【承】

えるはそんな奉太郎に感銘を受け、そして、なんと古典部に入部したいという。さらにそこに奉太郎の旧友であり情報通、自分をデータベースと名乗る福部里志、そんな里志にかねてより恋心を寄せている男勝りな伊原摩耶花も次々と古典部に入部する。そして、奉太郎の思惑とは裏腹に、古典部はなんと部として成立してしまうのだった。

えるの好奇心に振り回されながらも、奉太郎の学生生活は賑やかに過ぎていく。そして、あまり部活動らしい部活動をしてこなかった古典部は、10月に控えた学園祭、通称『カンヤ祭』に、例年通り部誌を発行することにするのだった。

しかし、その頃、えるが奉太郎にとある相談を持ちかける。実は、彼女はとある理由からこの古典部に入部していた。彼女の叔父である関谷純は長らく行方不明になっており、近々関谷の葬儀が開かれることになっていた。実は、えるには関谷とのとある思い出があった。彼女はかつて、古典部の部長であった彼から古典部に関する何かについて話を聞き、恐怖のあまり泣き出してしまったというのだ。

映画『氷菓』のあらすじ【転】

しかし、その肝心の内容を、えるは忘れてしまったのだという。彼女は叔父を見送る前に、その失われた真実を明らかにするため古典部に入部したのである。えるは奉太郎がこれまでに披露してきた推理力を見込んで、彼に一緒にその真実探しをして欲しいと頼んできたのだ。省エネ主義の奉太郎だったが、なぜか彼女の頼みを断り切れず、それを引き受けることになるのだった。

一方、部誌を作るためにバックナンバーに目を通していた古典部の面々は、とある不可解な文章を見つける。それは、第2号に記述されていた一文であった。そして、その文はなんと、関谷純に関するものだったのだ。それは、『関谷純』と『33年前の事件』について記されていたものの、肝心の事件の内容は分からなかった。

そこで、奉太郎だけでなく里志と摩耶花も加わり、33年前になにが起こったのかを調査し、それを今回の文集の特集とすることにしたのだった。彼らはそれぞれの視点から情報を収集し、えるの家へと集まった。そして、その集まった情報から、奉太郎が一つの推論を組み上げたのだった。

映画『氷菓』の結末・ラスト(ネタバレ)

33年前、それは学生運動が最も盛んな時期だった。それは奉太郎達が通う高校も例外ではなく、学園祭を縮小しようとする学校側に対し、生徒達が強く反発したのである。しかし、その運動は想像以上よりも大きな事態を巻き起こしてしまい、学校はとある生徒を見せしめに処分することにした。それが、実際には学生運動とは関係のなかった関谷純である。そして、全校生徒の責任を一手に負わされた関谷は、学校を退学させられてしまったのである。

奉太郎は、その答え合せをとある人物に依頼する。それは、彼らの学校の司書、糸魚川先生だった。彼女こそが、例の一文を書いた張本人だったのである。奉太郎の推理は、概ね的中していた。退学前に、関谷は半ば無理やり古典部の部誌の名前を『氷菓』に決定していた。そして、奉太郎はその名前に込められた関谷の思いに気がつく。氷菓を英語にすると、「アイスクリーム」。「アイ・スクリーム」、「私は叫ぶ」。全校生徒の盾とされた関谷は、誰にも告げることのできなかった自分の思いを、文集のタイトルに込めたのである。

それを聞いたえるは、関谷との会話を思い出した。関谷は、えるに強くなるように伝えていた。力がなければ、彼女も自分と同じように生きたまま殺される。その言葉を恐れた当時のえるは、恐怖のあまり泣いてしまったのだった。えるの謎は解決し、部誌は無事に発行された。しかし、えるの好奇心はそれからも奉太郎を振り回すのだった。

映画『氷菓』の感想・評価・レビュー

アニメを意識した制服だからなのかキャストの年齢のせいなのか分からないが、登場人物がどうしても高校生には見れず、コメディではないのに少しコメディのような雰囲気になってしまっている気がして、あまりストーリーが話に入ってこなくなってしまって困った。

原作の雰囲気とはまたイメージが違うので原作が好きな人にはあまりおすすめ出来ない作品だが、原作とは別の作品として観るとストーリーは面白かったと思う。(女性 20代)


以前アニメを観ていたため、実写になるとどうなるのかと楽しみにしていました。もともと、何か特別な力を使うだとか、大きな盛り上がりがあるような作品ではなかったため、実写化することに不安があった訳ではありませんでした。しかし、キャスティングは少し大人過ぎたように感じました。千反田えるは、広瀬アリスさんの印象ではなかったため違和感がありました。

ストーリー自体は古典部シリーズの核となる「氷菓」の謎。二時間弱、氷菓についての話で持たすのはかなり無理があったように感じました。普通のミステリーとも違う日常の小さな謎を扱うこの作品は、話としては面白いですが映画にはあまり向いていなかったと思います。(女性 20代)


この実写化はどうなのだろうか。そもそも実写化をする必要があったのだろうか。アニメーションだからこそ出てくる良さというものは確実にある。特にこの「氷菓」に関しては現実ではないアニメの世界だからこそ感動を生んだ作品なのではないだろうか。
京都アニメーションが作るあの美しい映像は、実写化は不可能なのだと思う。今作単体で見ても、どうしても内容が薄いように感じてしまう。出演する俳優のファンでなければ、この作品は退屈かもしれない。(男性 20代)


映画にするには謎の規模が小さすぎて、謎解き部分の面白さやスッキリ感がもの足りなかったです。原作は読んでいないのですが、特に驚くようなトリック等もなく、高校生が学校の歴史を一生懸命調べたという印象で終わってしまいました。折木の謎解き能力が高いという設定が、謎の簡単さのせいであまり活かされていないように感じてしまい、ミステリー作品を期待していたため残念でした。
メインキャストの4人はとても良い雰囲気で、年齢は少し高そうですが、好感度の上がる作品でした。(女性 20代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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