映画『雷桜』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「雷桜」のネタバレあらすじ結末と感想

雷桜の概要:徳川家斉の血を引く清水斉道は、乱心しては気絶する病を抱えていた。家臣はそんな主君を憂い、療養を勧めた。斉道は天狗が出るという噂がある瀬田村に行くことになり、その山で出会った女性に思いを寄せるようになる。

雷桜の作品情報

雷桜

製作年:2010年
上映時間:133分
ジャンル:ラブストーリー、時代劇
監督:廣木隆一
キャスト:岡田将生、蒼井優、小出恵介、宮崎美子 etc

雷桜の登場人物(キャスト)

清水斉道(岡田将生)
徳川家斉の子供。家斉に捨てられた母から虐待され、悲惨な幼少期を過ごす。幼い頃から“はっかん”という病にかかり度々乱心しては気を失っているため、周りからは病に侵された虚け者と陰口を叩かれている。
雷 / 遊(蒼井優)
瀬田村の庄屋の娘。藩同士の水の争いに巻き込まれ、幼い頃に誘拐されてしまう。育ての親である田中理右衛門を本当の父親だと思っていた。山で暮らしていたため、村の生活や階級について疎い。
瀬田助次郎(小出恵介)
瀬田村の庄屋の子供。遊の兄。清水家の使用人として働いていたが、体を張って斉道の乱心を止めたことで御用人の榎戸角之進に気に入られ、正式に家臣として斉道の傍にいるようになる。
榎戸角之進(柄本明)
清水家の御用人。幼い頃から斉道のことを見守っている。斉道にとって良き理解者。
田中理右衛門(時任三郎)
雷の育ての親 。岩本藩から瀬田村の庄屋の娘の誘拐と殺害を命じられるが、殺すことができなかったため、自分で育てることを決める。

雷桜のネタバレあらすじ

映画『雷桜』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

雷桜のあらすじ【起】

百姓の友蔵は友人の茂次と共に裏山に蕨を採りに出かけるが、そこは天狗が出るという噂がある場所だったため、奥に進んで行くことを嫌がった。しかし、茂次がそんな噂など気にせず進んでいくため、友蔵は嫌々ながらもついて行くしかなかった。友蔵達が蕨を採っていると、突然覆面姿の人物が現れ矢を突きつけられる。友蔵達は天狗が出たと思い、一目散にその場を逃げ出した。その覆面姿の人物は“雷”と言い、人々をからかいながら山を守っていた。

清水斉道は魘されながら目を覚ました。使用人の名を呼ぶが、返事はなかった。斉道が刀を持って部屋を出ると、その使用人は居眠りをしていた。斉道は腹を立て使用人に切りかかるが、別の使用人である瀬田助次郎に止められる。助次郎も殺してしまおうと刀を振り上げるが、そのまま気を失って倒れてしまう。斉道は幼い頃から“はっかん”という病を抱えていた。御用人の榎戸角之進からそのことを教えられた助次郎は、心の病気ではないかと考えた。それは、助次郎が仕えるようになってから、一度も斉道が笑っているところを見たことがなかったからだった。榎戸は体を張って斉道の行いを止めた助次郎を気に入り、清水家の家臣に任命することを決める。

斉道は幼い頃から笑わない子だった。母親はそんな我が子が憎たらしく、“笑え”と強要しながら喚くようになった。そんなことをしても幼い斉道は笑うことはなく、ただ泣き叫ぶだけだった。母はそんな我が子に唾を吐き、疎ましそうにした。大人になった斉道は母のことを夢に見て、魘される日々を過ごしていた。夜、いつものように斉道が魘されていると、心配した助次郎が部屋を訪ねて来た。斉道はそんな助次郎に、何か話をしろと命令した。助次郎は故郷である田舎村の話をするが、斉道が気に入る話はなかった。助次郎はそれでも話を続け、天狗がいるという噂の山の話をした。斉道は出鱈目な話をするなと叱るが、助次郎は真剣な表情で「いてもらわないと困るのだ」と呟いた。

斉道がご乱心したという噂は、斉道の父である徳川家斉の耳にも届いていた。榎戸は老中達から、斉道が手に負えなくなれば殺すよう命じられる。それは家斉の願いでもあった。榎戸はそのことを斉道本人に言える筈もなく、老中達は病の回復を願っていたと報告した。斉道はそんな榎戸に、母のように狂ったまま亡くなるのではないかと、治らない病に恐怖心を抱いている胸の内を明かした。榎戸は斉道を療養させることを決め、助次郎の故郷である瀬田村に行くことにした。

雷桜のあらすじ【承】

斉道は家臣の制止を無視し、天狗が出るという噂の山に入って行った。草原に寝転がって青空を眺めていると、馬が自分の上を駆けていった。斉道が乗っていた人物(雷)に刀を向けると、相手も小刀を向けてきた。斉道は戦い、相手の覆面を取った。戦っていた相手が女だったことに驚きながらも刀を構えるが、そのまま気を失って倒れてしまう。雷は驚き、水を口移しで呑ませた。すると、意識を取り戻した斉道に、少しこのままでいてくれと懇願され抱きしめられる。雷は「二度と森に入るな」と忠告し、その場を後にした。家に帰った雷は、父に斉道のことを報告しなかった。

斉道が雷に会うため山に入ると、男性に刀を向けられ殺されそうになる。2人が相対していると、雷が現れ男を止めた。その男は雷の父親だった。父は雷が斉道を庇っている姿を見て、心の底から驚いていた。雷は体を張って父を止め、斉道を逃がした。父は斉道を庇った理由を尋ねるが、雷には答えられなかった。また、父も斉道の命を狙った理由を、娘に話すことはできなかった。

斉道は山で女の天狗に出会ったことを助次郎に話した。すると、自分の妹かもしれないと告げられる。その頃、雷は父から出生の秘密を打ち明けられていた。20年前、雷の父である田中理右衛門は岩本藩主から、瀬田家の娘を誘拐し殺すよう密命を受ける。しかし、田中は殺すことができなかったため、自分の子として娘を育てていた。雷の本当の名前は遊という名だった。田中は斉道の暗殺と遊の殺害、二度も岩本藩を裏切ったため、山から下りて逃げなければならなかった。田中は雷に瀬田家に戻ることを勧めるが、雷はショックを受け、家を飛び出して行ってしまう。

助次郎は斉道に、島中藩と隣の岩本藩が水のことで長年争っていたことを話した。岩本藩は瀬田村に水路を変えるよう要求して来たのだが、庄屋であった瀬田家の当主がそれを拒んだため、報復として娘が攫われてしまったのだ。それから山に天狗が出るという噂が出たため、助次郎はその天狗こそが妹の遊だと信じていた。一方、雷は父との思い出の木を蹴りつけ、憂さを晴らしていた。だが、自分の家が燃えているのに気づき、急いで引き返した。余りにも火が強かったため、父の安否を確認することはできなかった。家の外には、父が用意した雷の着物と草履が布に包まって置かれていた。雷は着物を抱きしめると、父を思い涙した。

雷桜のあらすじ【転】

雷が瀬田家に戻ると、母親達から好意的に出迎えられる。しかし、瀬田家の娘として綺麗な着物を着たり、お淑やかにしたりすることを求められ、息苦しさを感じていた。雷は会食の席で斉道をもてなすことになるが、好戦的な態度を崩さなかった。斉道はそんな雷の態度を面白がるが、雷の育ての親が亡くなったことを知り言葉を失くす。また、森に行きたがっている雷が母親の目を気にして身動きが取れなくなっていることを知り、自分の案内役として森に行けるようにすることを決める。

斉道は山で育った雷が村に馴染めるはずはないと思っていたため、雷の母の苦労を案じるが、助次郎は子を思う母の気持ちを持ってすれば、いつか雷も変わると信じていた。斉道は親に深い愛情を向けられたことがなかったため、助次郎の言葉が気に障り、刀を抜いてしてしまう。他の家臣達が止めに入るが、斉道は刀を収めることができなかった。場が騒然となる中、雷が馬に乗って現れる。斉道は刀を収め、雷と一緒に森の中へと入って行った。雷は斉道が家臣を切り殺そうとしていたことに気づいており、止めに入ったのだ。斉道は雷の目に、自分がどのように映っているのか気になった。雷はそんな斉道に、殿でも病に侵された虚け者でもなく「お前はお前」だと伝えた。その言葉に、斉道は心が救われる。

雷と斉道が森にいる際、雨が降って来た。雷は雨を浴びながら、育ての父に対しての不満を叫んだ。斉道も雷に倣い、父に対しての不満を叫んだ。2人は笑い合いながら、叫び合った。斉道は雷を江戸に誘うが、山がなければ生きていけないから無理だと断られたため、必ず会いに戻ってくることを約束した。そして、櫛をプレゼントした。雷は嬉しそうに櫛を受け取ると、髪の毛に挿してみせた。斉道は雷を抱きしめ、キスをした。雷は江戸に帰る斉道を、遠くから見送った。

雷桜のあらすじ【結】

季節は春から夏に変わった。雷は山に行き炭を作るようになっていた。村人達の中には粗野な雷を恐れる者もいたが、母のたえはそんな娘を優しく見守った。また、田中理右衛門は生きており、山に来る雷を遠くから見守っていた。一方、生まれ変わったかのように落ち着いた斉道に、紀州藩を継ぐ話が持ち上がる。斉道は将軍である父に対して否を唱えることができず、受け入れるしか他なかった。助次郎も斉道について行くことになり、雷は家に届いた助次郎からの手紙で斉道の現状を知る。雷は会いに来ると言った斉道が約束を反故したことに腹を立て、頭に挿していた櫛を叩き割った。雷には身分の違いがよく分からなかったのだ。たえはそんな娘を優しく諭し、直した櫛を頭に挿し直した。

斉道は雷に別れを告げるため、お忍びで瀬田村に行くことを決める。このことがバレれば、助次郎もお咎めを受けるのは間違いなかった。斉道は助次郎を説得し、自分に命を預けてくれと頼んだ。助次郎は斉道の熱い思いを受け、覚悟を決める。

雷は会いに来た斉道を、自力で直した山小屋に案内した。斉道は雷に別れを告げながらも、諦めることができず苦しんでいた。雷もまた斉道に好意を寄せており、離れることを嫌がった。雷は咎人になることを覚悟しており、斉道と共に逃げようとしていた。斉道はそんな雷の思いに心を打たれ、一緒に逃げることを決める。2人は山小屋の中で体を求め合った。

次の日、山小屋にいた雷達は、曲者達から襲撃される。相手は鉄砲を持っていたため、雷は斉道の手を握り、森の中を走って逃げた。しかし、曲者に追いつかれ、囲まれてしまう。絶体絶命の中、助けに現れたのは田中だった。田中は雷達を庇い曲者達と相対するが、切りつけられてしまう。そこに、榎戸達が駆けつけ、雷達は助け出される。雷は瀕死の父に駆け寄った。すると、田中は雷の人生を歪めてしまったことを、悔いる言葉を呟いた。雷はそんな父に、育てられて幸せだったことを泣きながら伝えた。田中は雷に笑うことを求めると、そのまま息絶えてしまう。雷は殺し合う侍社会を憂い、父と共に森に帰ることを望んだ。

斉道は雷と共に行くことを望むが、榎戸は斉道の目の前で切腹し、それを止めた。そして、後のことを助次郎に託し、息絶えた。斉道は榎戸の亡骸を抱きしめることしかできなかった。斉道は雷に会い、紀州に行くことを告げた。雷は斉道に櫛を返し、別れを受け入れた。だが、雷は斉道と離れることができず、母に別れを告げ、帰る斉道を追いかけた。斉道は籠の中から出ようとするが、助次郎から遊の命のためだと説得され、会うことを諦める。そして、泣きながら遊の名を叫んだ。雷はその声を聞き、泣きながら別れを受け入れた。

18年後。病に伏していた斉道は、雷に返された櫛を握り締め息絶えた。助次郎は櫛を持ち、雷に会いに行った。その道中で、山に暮らす女性のことを母と呼び、斉道によく似た青年と出会う。助次郎がその青年と共に山に行くと、雷がいた。

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