映画『アイ・アム・マザー』の概要:人類のほとんどが死滅後、増殖施設にてドロイドに育てられた少女は、非常に高度な教育を施され大切にされていた。そんなある日、外から助けを求める女性が現れ、少女は彼女を助けてしまう。そうして、女性の存在により全ての真実が明らかになる。
映画『アイ・アム・マザー』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:SF
監督:グラント・スピュートリ
キャスト:クララ・ルガアード、ルーク・ホウカー、ヒラリー・スワンク etc
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映画『アイ・アム・マザー』の登場人物(キャスト)
- 女性(ヒラリー・スワンク)
- 外の世界にてたった1人で生きてきたが、施設へと辿り着き助けを求める。ドロイドを敵と認識しており、頑なに拒絶するが、娘と和解し外の世界で暮らそうと誘う。恐らくはドロイドによって育てられ、外の世界へ放たれた人間。
- マザー(ローズ・バーン)
- 人類再生計画を遂行するため、新人類を養育、教育、守護するようプログラムされたドロイド。親しみやすいよう女性の声で話す。基準を満たす人類を育成するため、何度も試しては失敗し、焼却処分していた。
- 娘(クララ・ルアガード)
- ドロイドに育てられた娘。新人類の母となるべく、マザーに高度な教育を施され大切に育てられる。非常に賢く優秀で慈悲深い。マザーには特別な存在と言われている。
映画『アイ・アム・マザー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アイ・アム・マザー』のあらすじ【起】
人類が絶滅して1日目。増殖施設が起動を開始し1体のドロイドが活動を開始した。ドロイドは保存されていた胎児の内、女の赤ん坊を誕生させ生育を始める。赤ん坊は順調に成長し、ドロイドをマザーと呼んで慕った。
娘が物事を理解するようになると、マザーは保存されている胎児を見せいずれ誕生すると告げる。娘が胎児の母となるよう、マザーは常日頃から教育を施していた。
絶滅から13867日目。娘が年頃になった頃、優秀な娘は修理技術にも長け、マザーの修理もできるようになっていた。教育もかなり高度なものとなり、その日は移植問題について議論。
そんなある日、施設の電源が全て落ちる。充電中だったマザーの機能も停止してしまった。娘は暗闇の中、ライトを手に施設内を進み不具合がある箇所を発見し修理を行った。そして、不具合を発生させたネズミを発見。娘は瓶にネズミを捕獲しマザーに提出したが、マザーは娘の制止を聞かず焼却処分してしまう。現在、地表は汚染で人が住めない状態だ。故に、マザーは娘を始め今後、誕生するだろう兄妹たちが住めるようになるまで、外に出てはいけないと言う。
ネズミを焼却処分してから、気が塞いでしまった娘。マザーが充電に入った誕生日の夜、防護服を身に着け外へ向かう内側の扉を開けてしまう。その時、扉の外から助けを求める女性の声が聞こえたため、彼女は防護服を準備し、外側の扉を開けて女性を中へ入れた。女性に防護服を着せたが、外壁を開けたことでマザーが緊急起動。娘はひとまず、防護服を着用した女性に隠れるよう話し、駆け付けたマザーを上手くかわす。マザーがロックの確認に行くと言うため、その隙に女性を迎えに行った。
女性は撃たれて怪我を負っているらしい。更に女性曰く外は汚染していないようだ。マザーには汚染していると教えられていた娘。マザーに見つからないよう、医務室で薬と処置道具を入手し、どうにか見つからずに処理して女性の元へ戻った。
映画『アイ・アム・マザー』のあらすじ【承】
ところが、マザーは女性が持っていた荷物を回収してしまう。鞄には銃が入っていたため、ドロイドを恐れる女性は頑なに銃の返却を求め娘に乱暴を働く。娘は恐ろしくなり、マザーを呼んだ。すぐに駆け付けたマザーは女性を拘束したが、怪我をしているようだったので、医務室で処置を施そうとした。だが、女性は酷く怯えマザーを忌避する。マザーは人間を保護するようプログラムされているため、危害は加えないと言うが、女性は全く信用しないのだった。
マザーでさえ、外に人間がまだ生存しているとは思っていなかったらしく、娘に問われるまま真実を明かす。娘がいる施設はフェイルセーフ施設と言い、人間が絶滅に備え人類再生を目的として設計した場所だった。起動した施設で再生された人類は娘が初めの1人だと言う。マザーはそのための養育及び教育係であると同時に守護者の任を負っていた。
どうやら外で活動しているドロイドは人間を襲うようだ。更にマザーは女性に仲間がいるのであれば、連れてくればいいと言う。娘はこの施設が一番安全なのだと女性を説得すると言うのだった。
医務室にいる女性の元へ向かった娘だったが、女性は疑心暗鬼に駆られており娘に向かって酷い言葉を投げかける。女性は決してドロイドと娘を信じない。
しばらく後、女性の容態が悪化。敗血症になりかけているようだ。彼女の処置を娘が行うことにしたが、女性は麻酔を嫌がる。仕方ないのでそのままの状態で処置することになった。
女性は激痛で意識を失ったが、処置は無事に完了。初めての処置にしては上出来だとマザーに褒められる。意識の戻った女性はようやく態度を軟化させ、提供した食事も食べてくれた。
娘は自分以外の人間とは話したことがないため、非常に興味深く話を聞いたが、女性が一緒に行こうと言い出す。生存者の居場所は鉱山にあり施設からは数日の場所にあった。だが、マザーは問題があるとして娘を女性の元から連れ出す。どうやら、女性が撃たれた銃と彼女が持っていた銃の弾丸が同じものだったらしい。故に、女性はドロイドに襲われたわけではないと言う。
映画『アイ・アム・マザー』のあらすじ【転】
これまでの間、娘を観察していたマザー。娘がテストで過去最高点を叩き出したご褒美として、自分の家族を選ぶよう促す。娘は男の胎児から最初の弟を選び出した。誕生を待つ間、女性を問い詰めた娘。本当に同じ弾丸だったのか確認したのかと言われ、答えられなかった。
そこで、娘は夜中に銃弾を見つけ出し比較。更にこれまでの記録を目にした。マザーは娘を最初の1人と言っていたが、記録を見るにどうやら彼女が最初の1人ではない様子。もしかしてと疑念が過り、焼却炉を確認してみた。すると、中に小さな下顎が燃え残っているのを発見する。衝撃を受けた娘は女性の元へ向かい一緒に逃げようと考える。だが、もう少ししたら弟が誕生する。娘は弟を連れて女性と施設からの脱出を画策するのだった。
翌早朝、逃走用の荷物を準備しているところへマザーがやって来る。いつもより早いため、焦ったものの上手くやり過ごした。ところが、マザーは異変を察して娘をキッチンに監禁。その後、マザーは女性の元へ向かい彼女を詰問する。診察室の音声が録音されており、マザーには全ての画策が見透かされていた。そこで、女性はドロイドを破壊しようと飛び掛かる。だが、マザーは一時的に不具合を起こしただけで、女性を捕縛。これまでにない優秀な娘が劣悪な環境へ向かっては、人類再生計画に支障を来たす。マザーは計画を阻害する者として女性を認定したようだった。
その頃、娘は液体窒素のボンベで扉を冷やして破壊し脱出を図っていた。そして、スプリンクラーを熱して火災検知を起動させる。マザーは危険を察して火元と思われる場所へ向かったが、火災など発生していない。
女性は荷物を手に施設から脱出しようとしており、娘も彼女と合流。共に外へ出ようとしたが、扉へのアクセスが拒否されて出られない。そこへ、マザーが現れたため、女性は娘を人質に取って外への扉を開けさせた。娘はそのまま外へと連れ出されてしまう。奇しくも外へ出ることになってしまった娘だったが、行く宛てもないため、女性の後をついて行く。
映画『アイ・アム・マザー』の結末・ラスト(ネタバレ)
深い霧と砂のような土、不毛平野を進んでいると激しい飛行音と共に巨大な作業機のような飛行機が通り過ぎて行った。女性の話では、何もない場所だったはずが、突如としてコーン畑が出現し精密機械が野菜を栽培していると言う。
更に先へと進んだ娘は、初めて海というものを目にする。砂浜には錆びたコンテナがあり、女性はそこに飼い犬と住んでいるようだった。更に彼女は逃走して以来、生存者とは会ったことがないらしい。ということは、仲間がいるというのは、女性の嘘だったということだ。娘は騙されたことにショックを受け、女性を拒絶。女性は外で娘と暮らしたいと考えているようだが、互いの考えは一致せず。娘はしばし海を眺めて思案に耽った。
そうして、娘はたった1人で来た道を戻る。何せ、施設ではもうじき弟が誕生する。その帰り、彼女は無数のドロイドに銃を向けられる。だが、彼女がマザーと話したいと言うと、ドロイドは警戒を解き娘の言うことを聞いた。
施設へと戻った彼女は斧を手に先へと進む。奥からは誕生した弟の泣き声が聞こえ、マザーが赤ん坊を抱いていた。マザー曰く、女性の種は劣種で娘には悪影響しか与えないが、娘の種は優秀であるため、人類の自己破壊を無為無策で眺められないらしい。そのように育てたのだから当然である。全ては人類を向上させるためだと言う。
娘は警戒を解き、弟を胸に抱いた。マザーは完璧だと言うが、基準を満たさないからと言って子を殺す母がどこにいるのだろうか。娘はマザーを拘束し銃を手にしたが、マザーはすでに全ての機械を自らで統一してしまったらしい。故に、マザーを傷つけようとすれば、外の警護ドロイドが攻撃意思を持つ。そこで、娘はマザーに攻撃をやめるよう説得。すると、外のドロイドは攻撃を止めたが、マザーは娘が持つ銃を自らに向け、自分を破壊してしまうのだった。
一方その頃、女性のコンテナにドロイドが訪れる。どうやら外の警護ロボットと同化したマザーのようだが、ドロイドは女性が生かされた意味を問う。そして、マザーはおもむろにコンテナのドアを閉めてしまった。
施設には娘と弟だけが残り、静まり返っている。娘は幼い頃、マザーが聞かせてくれた子守歌を唄い、母となるべく決意を固め胎児が保存されている部屋へと向かうのだった。
映画『アイ・アム・マザー』の感想・評価・レビュー
評論家から高く評価された作品であり、タイトルには様々に深い理由が込められている。今作は単純に見れば、ドロイドが優れた新人類を育て、人類を再生させるという話。更にそこへ生き残りの女性が現れて、真実が明かされていくという流れだが、実はそこ、ここに周到な伏線と計画が織り交ぜられている。初めに娘が誕生してから約38年が経過しており、不思議に思ったのだが、実はこれも伏線。恐らくは、生き残りの女性が初めの娘だと思われ、彼女は3人目の娘を完璧にするためだけに生かされていたのだろう。高評価を得るのも納得の奥が深い作品だ。(MIHOシネマ編集部)
本作は、アンドロイドに育てられた少女とその世界を描いたSF作品。
最後まで本当の母は一体誰なのかハッキリわからなかったけれど、見方を変えれば登場人物の誰もが母と言える。
たとえ便利で合理的だとしても、アンドロイドと共存すること、ましてやアンドロイドに育てられるなんて考えたくもないし、理解したくない。
しかし、人工知能が発達した近未来の世界ではいつ実現してもおかしくないと思えるほど現実味を感じた。
人間らしさや人の多様性など、いつか滅ぶ人類について考えさせられた。(女性 20代)
Netflix制作の近未来スリラー。人類が大量に滅亡した世界。ある施設でドロイドの母に育てられる一人の娘がいました。そんな彼女の前に別の人間が現れた時、彼女は自分の世界に疑問を持ち始めます。
ドロイドの母という設定に違和感がありますが、その違和感の意味やこの作品が伝えたかったことが後半になるとしっかり分かります。すると、必然的にこの作品のタイトルにもああそういうことか、と納得できるのではないでしょうか。(女性 30代)
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