12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『伊賀忍法帖』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『伊賀忍法帖』の概要:妖術遣いの果心居士は、松永弾正を利用して天下を奪おうと目論んでいた。果心居士の手下に恋人を奪われた伊賀忍者・笛吹城太郎は、彼女と瓜二つの奥の院・右京太夫を救うため、強大な敵へ戦いを挑む。

映画『伊賀忍法帖』の作品情報

伊賀忍法帖

製作年:1982年
上映時間:100分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:斎藤光正
キャスト:真田広之、渡辺典子、美保純、中尾彬 etc

映画『伊賀忍法帖』の登場人物(キャスト)

笛吹城太郎(真田広之)
伊賀の里の忍者。「忍の夫婦は親方しか決められない」という掟があるため、互いに愛し合っている篝火とは密かに顔を合わせている。果心居士の手下である5人衆によって突如彼女を奪われ悲しみに暮れるが、篝火と瓜二つの右京太夫を救おうと戦いに身を投じる。
篝火(渡辺典子)
城太郎と想いを寄せ合うくノ一。三好義興の妻、右京太夫の双子の妹。キリシタンの母から生まれ、自分だけが捨てられた。弾正が所望する惚れ薬の材料に、自分の処女喪失とそれに伴う涙が必要と聞かされ自害する。
右京太夫(渡辺典子)
時の将軍三好義興の妻。篝火の双子の姉。火事の中城太郎に助けられ、弾正の悪事や妹の死の真相を知り彼に協力する。次第に、城太郎と互いに惹かれていく。
松永弾正(中尾彬)
三好義興の腹心。右京太夫に懸想し、彼女を手に入れるために義興を裏切り果心居士と手を組む。
果心居士(成田三樹夫)
妖術遣いの老人。天河を統べるため弾正に取り入る。羅刹坊を筆頭に5人の弟子を弾正へ預け、義興を陥落させようとする。
柳生新左衛門(千葉真一)
三好家に仕える侍。水呪坊に敗れ倒れた城太郎を見つけ、忍者である彼ならば果心居士を倒せるかもしれないと秘かに手助けする。
漁火(美保純)
弾正の城に仕えていた下女。虚空坊は、自ら首を切り落として自害した篝火を蘇生させるため、漁火の首も切り落とし、二人の首をすげ替え生き返らせた。漁火の首は篝火の体に付けられたが、篝火の魂が体に残っていたため、惚れ薬を作る際に凌辱された。
鬼火(渡辺典子)
篝火の顔を持つ漁火の体。漁火の魂は消え、果心居士に仕える新しい人格となった。妖術を使いこなし、弾正の側で暗躍する。

映画『伊賀忍法帖』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『伊賀忍法帖』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『伊賀忍法帖』のあらすじ【起】

永禄時代。戦乱渦巻く混乱の中、時の将軍三好義興の家臣、松永弾正は、奥の院、右京太夫に岡惚れしていた。ある時、妖術遣いの果心居士が彼の願いを叶えると言い姿を現した。柳生新左衛門は果心居士の言葉に惑わされないよう弾正を諭したが、彼は聞く耳を持たず、右京太夫の心を掌握した者が天河を統べるという占いの結果を妄信した。

弾正は果心居士に言われるがまま彼の手下である妖術僧5人を手元に置くと、右京太夫を手中に収めるため、惚れ薬を作ることに協力した。これに納得のいかない柳生新左衛門は城を後にした。

一方、伊賀の里で修行する城太郎は、共に修行するくノ一、篝火と想いを通わせていた。城太郎が「忍の夫婦は親方しか決められない」という掟を破り、二人が一緒になることを許してもらおうと親方の元へ行こうとした時、羅刹坊を筆頭にした果心居士の手下達が現れ、彼らは篝火を連れ去ってしまった。そこを通りかかった柳生新左衛門は、水呪坊の強力な妖術に敗れ倒れ込む城太郎を見て、彼が忍だと見抜いた。

映画『伊賀忍法帖』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『伊賀忍法帖』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『伊賀忍法帖』のあらすじ【承】

自分の前に連れて来られた篝火を見て、弾正は右京太夫と瓜二つの彼女に驚いた。篝火と右京太夫は、キリシタンの人妻が産み落とした双子の姉妹だったのだ。5人衆は惚れ薬を作るため処女である篝火を凌辱し、その際に流れる涙を平蜘蛛の茶釜で煮詰めると明かした。絶望した篝火は術を使って自らの首を切り落とし自害したが、虚空坊はそこに居合わせた弾正の下女、漁火の首も切り落とすと、それぞれの体に首をすげ替え蘇生させた。5人衆は、顔は漁火だが魂が残った篝火の体を犯して涙を搾取した。片や篝火の顔を持つ下女は、鬼火と名付けられ弾正の側についた。

意識を取り戻した城太郎は、篝火を探して彷徨っていた。そこへ、弾正の城から平蜘蛛の茶釜を奪い逃げ出してきた、漁火の顔をした篝火が現れた。城太郎は彼女が付けていた十字架のネックレスを見て、篝火本人であると気が付いた。そして篝火が城太郎へ真相を語った瞬間、追って来た羅刹坊の鎌が彼女に突き刺さった。篝火は今わの際に城太郎へネックレスを渡し、自分の顔をした女は信じるなと忠告して息絶えた。

弾正は、城太郎が平蜘蛛の茶釜を持っていると知り激昂した。彼は三日後に行われる平安祈願の前に右京太夫を手籠めにし、彼女の痴態を義興に見せつける算段を立てていたのだ。そして三日後、東大寺での平安祈願は予定通り行われた。

映画『伊賀忍法帖』のあらすじ【転】

寺に忍び込んだ城太郎は、右京太夫を見て愕然とした。一方で、果心居士は目くらましの術を使い大勢の僧侶らを出現させ、東大寺へ攻め入った。三好の兵の応戦虚しく寺は焼け落ち、その混乱に乗じて城太郎は右京太夫を連れ出した。騒ぎが治まった後、城太郎は焼け落ちた寺の一角に右京太夫を匿った。

右京太夫は、自分を助けた城太郎と過ごす内「ずっとそなたと居たいのです」と打ち明けた。そんな彼女と篝火の姿が重なった城太郎が形見のネックレスを見せると、右京太夫もまた同じ物を身に付けていた。二人の気持ちが通じ合った時、何者かが「逃げろ」と書いた紙を投げ入れた。5人衆が迫っていると知った城太郎は、右京太夫と共に逃げ出した。

逃げた二人は、すぐに5人衆に追いつかれ囲まれてしまった。しかし、突如現れた黒衣の騎馬隊が煙幕を焚き二人を助けた。城太郎は名前を明かさない黒衣の男を信じて、右京太夫に茶釜を持たせ彼女を城へ送ってもらった。

右京太夫と別れた城太郎は、5人衆の内、水呪坊と虚空坊を倒した。二人の妖術によって自身も深手を負った城太郎は、追って来た鬼火と金剛坊、破軍坊によって弾正の城に捕らえられてしまった。

一方、三好の城に戻った右京太夫は城太郎に命を救われたと説明したが、義興は信用せず、城太郎を打ち首にした上で弾正に茶釜を返すと言った。右京太夫は、城太郎を救うため城を抜け出した。

映画『伊賀忍法帖』の結末・ラスト(ネタバレ)

右京太夫がいなくなったと聞いた鬼火は、彼女に成りすまして義興の城に入り、不慮の事故に見せかけて義興を消すと提案した。さらに彼女は、万が一本物の右京太夫が戻ってきたら首を刎ねると言い城へ向かった。

同じ頃、右京太夫は捕らえられていた城太郎を逃がしていた。彼は番をしていた破軍坊に勝利し、次いで追って来た金剛坊も激戦の末に倒した。

右京太夫に成りすまし京へ戻った鬼火は、目くらましの術によって千鳥という下女を出現させると、義興の心を奪わせた。東大寺陥落について謝罪しに来た弾正は、言動を操られた義興から咎められることなく平蜘蛛の茶釜を受け取った。そこへ右京太夫が戻り、義興は「自分は本物だ」と主張する鬼火を叩き斬ったが、千鳥の術によって錯乱し自刃した。主君の死に混乱する家臣達を前に、弾正は義興に代わって領地を統べると宣言した。

実権を握った弾正は、右京太夫に惚れ薬を飲ませようとした。そこへ駆け付けた城太郎は侍達に囲まれ窮地に立たされたが、またしても黒衣の騎馬隊が現れ城太郎を助けた。しかし、千鳥こそ5人衆の中で唯一生き残った羅刹坊であり、城太郎は宙を舞う鎌に脅かされたが勝利した。

黒衣の男の正体は柳生新左衛門だった。彼が弾正を切り殺した瞬間、嵐と共に果心居士の声が響き渡り、城太郎だけが賽の河原へ飛ばされた。果心居士と対峙する城太郎だったが、果心居士は背後で張り付けにしていた右京太夫へ火を放った。城太郎は「オン・マリシエイ・ソワカ」と愛の呪文を唱え炎の中に飛び込み、二人は口付けを交わし焼け崩れた。

燃え盛る二人の亡骸を前に、果心居士は惚れ薬を捨てた。

映画『伊賀忍法帖』の感想・評価・レビュー

山田風太郎原作の時代小説『伊賀忍法帖』を映画化。戦国時代の史実とファンタジーが融合した作品。

5人の妖術僧による派手な技が目立ち、城太郎の忍術は印象に残らなかった。技術よりも、
情熱と執念で戦っていたように思う。陰ながら城太郎をサポートしていた柳生新左衛門も、もっと派手に正体を明かしてほしかった。

とは言え80年代特有の特撮の空気が色濃く感じられ、私としては非常に心地よい演出が多かったように思う。(MIHOシネマ編集部)


真田広之に中尾彬、千葉真一と豪華スターが勢揃いの今作。中尾彬が演じた中村弾正は左京太夫を自分のものにしようと妖術の使い手に媚薬を作らせるというなんともいやらしい男。これが中尾彬のイメージにものすごく合っていて見応えがありました。
妻の命を奪った妖術使いとの壮絶な戦いを繰り広げるのは真田広之演じる笛吹城太郎。今作の主役であり復讐のために戦う男のはずなのですが、どこか頼りなくて弱っちい雰囲気を持っているのでなんだか応援したくなってしまいます。
終始、迫力のある映像で楽しんで見ることが出来ました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー