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映画『イングロリアス・バスターズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『イングロリアス・バスターズ』の概要:ナチスドイツの占領下にあったフランス。ユダヤ人は迫害に合い、フランス人はドイツ兵の顔色をうかがって暮らしていた。あるとき、親衛隊の追跡を逃れたショシャナの営む劇場で、ナチスの支配階層が集って映画の上映会をすることになった。それを聞きつけたイギリス軍やアルド率いるバスターズは、ナチス掃討作戦を計画する。

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映画『イングロリアス・バスターズ』の作品情報

イングロリアス・バスターズ

製作年:2009年
上映時間:152分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:クエンティン・タランティーノ
キャスト:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、ミヒャエル・ファスベンダー etc

映画『イングロリアス・バスターズ』の登場人物(キャスト)

アルド・レイン(ブラッド・ピット)
アパッチ族の血を引くアメリカ人。度胸があり部下からの信頼も厚いが、ナチスに対して残虐的な態度を見せる。
ショシャナ・ドレフュス(メラニー・ロラン)
ユダヤ人。一家でラパディットの家に匿われていたが、ランダに見つかり、家族を殺されてしまう。一人生き延びた彼女は伯父と伯母から継いだ劇場を切り盛りしていた。
ハンス・ランダ(クリストフ・ヴァルツ)
親衛隊の大佐。多くのユダヤ人を殺してきたが、ナチスの負けを予感すると早々に連合軍へ寝返ろうとする。

映画『イングロリアス・バスターズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『イングロリアス・バスターズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『イングロリアス・バスターズ』のあらすじ【起】

ナチス占領下のフランス。人里離れた牧草地で慎ましく暮らしていたラパディットの一家の前にランダというドイツ将校が現れる。ランダは総統からの命令でラパディットの近所に住んでいたユダヤ人家族について知っていることはないかと尋ねられた。ラパディットは知っている限りの話をランダにする。ランダはラパディットにユダヤ人を匿っているなら差し出せと脅す。家族を護るため、ランダは渋々、匿っていたユダヤ人の居場所を教えてしまう。ランダはラパディットの目の前で、彼が匿っていたユダヤ人一家を銃殺した。匿われていた一家の娘、ショシャナはただ一人、銃撃を免れその場から逃げ出す。ランダは気紛れからそのショシャナを追わなかった。

連合軍のアルドは、部下をまとめて民間人に偽装し、フランス入りする計画を立てていた。ナチの頭の皮を百枚剥いで来いとアルドは部下に命じた。

自分の部下を次々と殺されたヒトラーは怒っていた。ユダヤの熊と呼ばれるアルドの部下が猛威を振るっている。一刻も早く捕まえて来いと命じるヒトラー。それから、ヒトラーはアルドの隊に襲撃されて生存したブッツという名の兵士に会った。アルドの隊はアメリカに帰化したユダヤ人やナチスに反旗を翻したドイツ人で構成されていた。彼らは死んだ兵の頭皮を剥いだり、捕虜をバットで撲殺したり、惨たらしい殺し方をした。ブッツの報告にヒトラーは怒り狂う。

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映画『イングロリアス・バスターズ』のあらすじ【承】

ナチスによる虐殺を逃れ、フランス人に扮していたユダヤ人のショシャナは、映画館で勤めていた。上映作品の看板を貼り換えていると、若いドイツ人の兵士に話しかけられた。平静を装い、話を切り上げようとするショシャナにドイツ兵は名前を尋ねた。ショシャナはエマニュエルという偽名を使った。ドイツ兵はフレデリックと名乗った。フレデリックはショシャナをユダヤ人だと疑ったわけではなく、異性として興味を持っただけだった。

フレデリックはショシャナにアプローチをかけるが、ショシャナはドイツ人である彼を追い払おうとする。それでも、フレデリックは努めて温和で礼儀正しく振る舞った。二人で話しているとフレデリックを訪ねて将校や身形の良いドイツ人がやってきた。フレデリックはドイツ人から戦争の英雄と呼ばれていた。戦場で何をしたのかとショシャナはフレデリックに尋ねた。彼は狙撃手として窮地を凌ぎ、類稀なる戦果を残していた。殺した人数を自慢げに話すフレデリックに呆れたショシャナは彼の前から立ち去った。

映画『イングロリアス・バスターズ』のあらすじ【転】

映画館の仕事に戻ったショシャナの前に親衛隊の将校が現れ、彼女を連行した。連れて来られた先はドイツ人の集まるバーで、そこにはフレデリックがいた。ショシャナの正体がばれたわけではなく、フレデリックによるパーティへの招待だった。フレデリックはドイツのナンバー2のヨーゼフにショシャナを紹介した。フレデリックはドイツの英雄を語った映画をショシャナの映画館で上映させたいと願っていた。そこに、ショシャナの一家を殺したランダが現れた。ショシャナは絶句する。ランダはショシャナのことを覚えていたが、彼女がユダヤ人であることを周りの者に秘密にした。またもやランダの気紛れに生かされたショシャナは、彼が去った途端緊張が解け、涙を流した。映画館に戻ったショシャナは可燃性であるフィルムを使って、集まったドイツ兵をまとめて焼き殺そうと計画する。

イギリスでは、ショシャナの映画館にドイツの高官が集まるという情報を仕入れ、アルドの隊と協力して映画館ごとドイツの支配階級を爆破しようと計画を立てていた。

ショシャナは雇っていた黒人の映写技師と協力して、ドイツ人の最期に相応しい映画を撮影しようとしていた。完成したフィルムを映写機にセットして準備を整えたショシャナはロビーに集まったドイツ人たちを見下ろす。そこにはイギリスの作戦に乗じたアルドたちの姿もあった。

映画『イングロリアス・バスターズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

続々とドイツ兵が会場入りする最中、イギリスの計画はドイツに筒抜けだった。会場の警備を取り仕切るランダの手により、アルドたちは捕えられてしまう。トラックに乗せられたアルドたちが連れて来られたのはバーだった。ランダはアルドに取引を持ちかける。自分が映画館に報せを入れれば、アルドたちの作戦は失敗する。しかし、このまま見過ごせば戦争は今日で終わるかも知れない。自国の負けを予感していたランダは、アルドに連合国へ投降する代わりに、連合国は戦後の裁判で自分の無罪を下すよう要求した。しかし、アルドは上手すぎるその話を疑っていた。だが、アルドの上司がランダの要求を呑んだため、アルドはランダと協力することになった。

一方、劇場ではショシャナが計画を実行しようとしていた。しかし、またしてもフレデリックに邪魔される。執拗なアプローチを繰り返すフレデリックをショシャナは銃で撃った。フレデリックを瀕死に追いやったショシャナだが、彼女も反撃を受けて死んでしまう。だが、計画そのものは映写技師の手によって実行された。スクリーンは燃え上がり、人々は逃げ惑い、施錠されたドアに縋りつく。館内でドイツ人の悲鳴と映写機が流すショシャナの笑い声が響いた。

アルドと共に国境を越えたランダ。アルドを解放し、降伏を宣言した後、ランダは自ら捕虜になった。銃を返却されたアルドはランダの部下を撃ち殺し、頭の皮を剥いだ。アルドはランダの投稿を受け入れた。だが、彼がナチスだったという事実が消えないよう、ナイフで彼の額に鉤十字の傷痕を残した。

映画『イングロリアス・バスターズ』の感想・評価・レビュー

奇才クエンティン・タランティーノ監督による連合軍特殊部隊がヒトラー暗殺に至るまでを描いた作品。名優ブラット・ピット主演。

第二次世界大戦時の世界を舞台にしているが、史実とはまったく関係の無いコメディ作品といってよい。かと言って荒唐無稽と言うわけではなく当時の時代背景を忠実に再現されているのはさすがタランティーノと言った所。主演のブラット・ピットについても今までに見たことがない三枚目キャラに扮しており彼の新たな一面が垣間見える作品でもある。(男性 20代)


タランティーノ監督の天才っぷりをまた見せつけられた作品。
ブラッド・ピットが堂々と真ん中を陣取っているが、他にも名だたる俳優たちが出演しているところが見もの。特にクリストフ・ヴァルツは完璧にブラッド・ピットを食っていた。

タランティーノ作品のお約束でもある突然始まる殺し合いも、言葉の訛りが原因で勃発する銃撃戦も、不謹慎だがいつもエキサイティングするシーンである。
こちらも2時間半を超える長編だが飽きずに観ることが出来た。(女性 30代)


クエンティン・タランティーノ監督らしい、笑いと皮肉たっぷりの作品でした。
主演はブラッド・ピットですが、クリストフ・ヴァルツの怪演が印象的です。恐ろしさと時折見せるアホさが良いキャラクターとなっています。
ナチス・ドイツやヒトラーといった史実を織り交ぜた、良い意味での悪ふざけ作品です。コミカルだけどシリアスな、漫画を読んでいる様なテンポで観られました。(女性 20代)


ブラッド・ピットが主演を務めていることもあり、興味を持った。笑いや驚きもあり、戦争映画の中では悲壮感があまり感じられない作品。でも、物語の随所で残虐的な描写も見られ、戦争の悲惨さとナチスの恐ろしさを感じることができる物語になっている。家族を殺され、ナチスに翻弄されたショシャナが可哀そうだった。復讐を果たそうとして自分も反撃を受けてしまい亡くなってしまったのが、あまりにも悲しい最期だと感じた。(女性 30代)


第2次世界大戦時のフランスを舞台にしたフィクションのコメディ映画。
クリストフ・ヴァルツ演じるランダ大佐は無垢で優しそうとも言える表情を浮かべ、紳士的な落ち着いた態度で、恐怖と気持ち悪さを掻き立てるはまり役である。落ち着いていて、したたか、そして残酷で気まぐれという気分が悪くなるような悪役要素を見事に演じているのが素晴らしい。

ショシャナがドイツ人兵に気に入られてからのシーンは緊張感があり、ランダ大佐に再会したときは最悪である。本当にあった負の歴史を交えながら作られる本作品はフィクションと分かりながらもリアリティがあって怖かった。(女性 20代)


予告編からかなりぶっ飛んでいるなという印象でしたが、実際見てみると、タランティーノ作品お馴染みの過激な描写に長めの上映時間、チャプター分けされた作りに想像を超える大満足でした。
この作品から強く感じたのは「怒り」からくる「復讐」。怒りという多くのカタルシスを与えてくれる題材のひとつであり、怒りによって人は変わるのだと感じます。その怒りの矛先は「ナチス」。ナチスに対する復讐をハチャメチャに描いたこの作品。とにかくハードな展開で見ていて疲れますが、とても面白かったです。(女性 30代)


ナチスによるユダヤ人迫害という重いテーマを、独特のセンスとユーモアでここまで面白い作品にしてしまう、クエンティン・タランティーノ監督はやはり流石だなと思う。
くせもの揃いの登場人物達も非常に魅力的で、中でもクリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐の存在感はひときわ目を引いた。
5章からなるストーリー展開も、それぞれ違った面白さがあり、飽きることなく観られる。
各所にちりばめられたユーモアと、終焉に向かって交錯していく人間模様、小気味の良いラストが心地よい。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 森田 より:

    2時間半近くある長い作品だが、飽きることなく最後まで楽しめる。ただどこかいくつかの話を切り貼りした印象があり、それぞれ楽しい部分を残しているから飽きないという感じだ。一応全体として一つの筋にはなっているものの、一番のクライマックスで「イングロリアス・バスターズ」が活躍したようには思えなかったせいか、見終わった時のカタルシスが薄い。一体これは誰の何の話だったのだろうと思ってしまったのだ。そういうことを求めずに、ただそれぞれの瞬間を楽しんで見るのが良い1本。

  2. 匿名 より:

    レイン中尉とバスターズたちの部分は、マカロニウエスタンのオマージュのようなシーン、テロップが多く使われ、コメディタッチで描かれている。
    1人につきナチスの頭の皮100枚という謎のノルマ、それを行うシーンのグロさは過激。
    捕まえたナチスは皆殺しだが、生きて帰れる人物には額に「卍」のマークをナイフでつけるなど、極悪非道に描かれている。

    だがヒトラーが激昂するシーンのタイミングや、終始しゃくれ顔のブラット・ピットには笑いが止まらない。
    どちらにも関わってくるナチスのランダ大佐の嫌味っぷりや、ラストでの寝返り方は見事なまでに苛立たせてくれる。

  3. 匿名 より:

    第5章はドイツ占領下のフランスが舞台なので、英語、ドイツ語、フランス語など何ヶ国語も飛び交う作品で、吹き替え版で見ても字幕にせざるを得ないシーンが多くて疲れてしまい、150分という時間の長さにも驚かされる。
    実在した人物たちを登場させているが、史実とは全く違う最期を遂げたり、ヒトラーにいたってはショシャナの復讐の舞台でバスターズに暗殺されるという、歴史を無視した映画となっているのが面白い。
    戦争映画というよりも、戦争という歴史をベースにしたタランティーノ監督の作品になっている。

  4. 匿名 より:

    しゃくれ顔でハチャメチャな事を言うブラピの怪演に笑いが止まらなくなる作品。
    イタリア人のフリをするも、ランダのツッコミによってイタリア語の下手さと正体がバレてしまうシーンも笑いを誘う。
    そんなランダ大佐の、嫌味で憎たらしいキャラクターも笑いを誘う存在のひとりになっている。

    グロテスクなシーンも多く、章によってタッチがころころ変わるために、好みに個人差は出るであろう個性的な作品でもある。
    ヒトラー役のマルティン・ヴトケがヒトラーそっくりなのにもビックリだ。

    歴史上では敗戦を悟って自殺したヒトラーだが、本作中ではショシャナの映画館が彼女の手によって燃やされたとき、逃げようとしたところをバスターズに射殺されるという意外な結末になっている。
    クエンティン・タランティーノ監督作品で最大のヒット作であり、アカデミー賞をはじめ数多くの章を受賞した作品にもなっている。

  5. 匿名 より:

    5つの章仕立てで進む物語で、家族をナチスによって皆殺しにされた過去を持つユダヤ人女性ショシャナの愛と復讐の物語と、アメリカ陸軍レイン中尉率いる秘密部隊バスターズたちの男臭い戦いとが、交互に描かれている。
    ショシャナの部分は緊張感があり、フランス人エマニュエルとしてナチスに近づいたのはよかったが、敵であるランダに引き合わされて正体がばれるのではないかとハラハラさせられる。
    またナチスの英雄と称されるフレデリックにアプローチされるが、映画館の映写技師で黒人のマルセルと、秘密を共有する恋人として最期まで信頼しあっていた様子が見える。