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映画『狗神』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『狗神』の概要:世捨て人のようにひっそりと暮らすヒロインの前に、若く快活な青年が現れ、彼と恋仲になるヒロイン。だが、彼女が背負う業が暴かれ、悲劇が訪れる。狗神信仰と近親相姦をテーマに描かれた作品。

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映画『狗神』の作品情報

狗神

製作年:2001年
上映時間:105分
ジャンル:ファンタジー、サスペンス
監督:原田眞人
キャスト:天海祐希、渡部篤郎、山路和弘、深浦加奈子 etc

映画『狗神』の登場人物(キャスト)

坊之宮美希(天海祐希)
坊之宮家当主、隆直の妹。狗神筋で狗神様を守る役目を負っている。過去に実兄と関係を持ち妊娠出産したが、兄とはそれっきり。恋も人生も諦めてひっそりと生きて来たが、晃と出会い若さを取り戻す。
奴田原晃(渡部篤郎)
小学校教師として赴任して来た、若くて快活な青年。美希に惹かれて恋をする。実は美希と隆直の実子。
坊之宮隆直(山路和弘)
美希の実兄。坊之宮家当主で神主の資格を持っている。傲慢で色欲が強く、常に泥酔している。美希に強い執着を持っている。
土居誠二(原田遊人)
土居製紙の長男。美希とは幼馴染のような存在。厳格な祖母と2人暮らしで御曹司。美希の姪と恋仲にあり、祖母に結婚を反対されている。

映画『狗神』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『狗神』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『狗神』のあらすじ【起】

高知県、尾峰。坊之宮美希は紙漉きを生業にひっそりと暮らしていた。紙漉きの工房は山奥にあり日がな一日、そこに籠もって仕事をする。まだ40代前半という若さだが、髪は白髪交じりで色艶もない。息をするだけのような、そんな静かな生活をずっと続けて来た。

坊之宮家は代々続く神主の家系で、その歴史は古い。村で一番の屋敷に住み、親戚も多かった。古い家柄にはしきたりも多い。そのしきたりの1つとして坊之宮家では、じき行われる先祖祭りの準備で親戚中が忙しくしていた。

そんな中、土居製紙の長男誠二に案内されて1人の青年が訪れる。奴田原晃という青年は、近くの小学校に赴任して来た教師だった。誠二に案内されて来た晃だったが、美希の工房へ行く山中で、強い立ちくらみと眩暈に襲われ気絶してしまう。

晃は美希の和紙工房で目を覚ます。誠二は幼馴染である彼女をばあさんと言うが、晃にはまだ若く美しい女性に見えた。

その日の夜中、悲惨な過去を夢に見て飛び起きた美希。その時、家のどこかから母親の声が聞こえて来る。仏間の奥から母親が出て来た。眠れないからと畳の目を数えていたらしい。

次の日の朝、昨夜は悪い夢を見たと言う人が続出する中、晃は再び美希の工房へと来ていた。無心に紙漉きをする彼女を見つめる晃。彼は美希と会話する内に、彼女へと少しずつ惹かれていく。

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映画『狗神』のあらすじ【承】

仕事中、祖母に呼ばれた誠二は、彼女から坊之宮家の話を聞く。坊之宮家は狗神憑きと昔から恐れられていた。中でも特に恐ろしいのは、坊之宮の狗神筋の女。美希もその母親も、美希の姪も狗神筋らしい。誠二は美希の姪と恋仲にある。坊之宮の狗神筋との結婚は、絶対に許さないと祖母は言った。

不思議な事に、美希の容貌は日を追う毎に若返っていった。草木の採取をする為、山へ入った美希は大岩の上に座っている晃を見つける。彼と共に草木の採取をしていると、突然の雨に見舞われた。美希は昔の記憶をなぞるように、巨木の洞へ避難する。

高校生の頃、美希は好きになってはいけない人を好きになり、彼と体の関係を持った。その後、不覚にも妊娠が発覚。気付いた時には既に遅く、産むしかしなかった。だが、生まれた子供は死産。美希はそれを悔やまなかった。好いた男と一緒になれれば、それで良かったのだ。しかし、彼女が家へ戻った時、男はもうその場所から姿を消していた。

美希と晃は強く惹かれ合い、狂おしく体を重ねる。雨が止むまで何度でも。

その日の夜中、母親の声に気付いた美希。母親は仏間で、先祖祭りに使われる壺の中を覗いていた。せっかくだから、この機に話をしておこうと言う母親。彼女は本家から分家に嫁いでくる時に、この壺を大婆様から譲られたのだそうだ。

映画『狗神』のあらすじ【転】

壺の中には坊之宮一族の狗神様が入っていた。狗神様は欲張りな神様で、大事にしなければ悪さをして歩く。狗神様が見えるのは、狗神筋の女で美希と姪だけ。毎日、狗神様を数えるのが狗神筋のお勤めなのだが、母親の言う話ではこの頃毎晩、ぞろぞろと壺から出て行くらしい。信じられない美希だったが、母親に強く促されて壺の中を覗いてみる。彼女は何かを目にして驚愕し、狗神を強く否定するのだった。

時間を見つけては、濃密な逢瀬を重ねる晃と美希。
そんなある日、村の中で悪い事が続出。坊之宮家の者達は狗神のせいだと、村人達から疎まれるようになる。更に、本家の隆直が美希の工房がある杉林を、土居製紙の祖母へ売るという話まで出る始末。美希は我慢ならず、夜中にも関わらず土居製紙へと乗り込んだ。

誠二の祖母と口論の末、美希の昔の相手が実兄である事を明かされ、かっとなって怒鳴り返してしまう。すると、祖母は狗神の祟りにより急死してしまう。

誠二の祖母は心筋梗塞による死亡と診断され葬式が行われたが、村人達は美希が狗神を呼び込んだのだと口々に噂していた。そんな針の筵の中、弔問に向かった美希。その帰り、隆直に絡まれる。隆直は未だに美希へと執着しており、彼女へと襲い掛かった。だが、美希は隙を見て逃れる。

美希と晃の悪い噂が村中で囁かれている。晃は美希の工房で彼女を待っていた。夜半、村人達が突然やって来て、主のいない工房を立ちどころに破壊。朝になって滅茶苦茶にされた工房を茫然と見つめる美希。晃は全てを捨てて、尾峰を出ようと彼女を説得した。

映画『狗神』の結末・ラスト(ネタバレ)

晃と美希は坊之宮を出る為に家へ向かった。だが、兄妹親戚達は反対する。それなら母親に意見を聞こうという話になるが、母親は食堂のいつもの席でずっと話を聞いていると美希が言う。しかし、嫁達にはその姿が見えない。そこにいると叫ぶ美希に詰め寄る嫁。不意に、母親が口を開いた。

狗神様について語る母親だったが、親戚と晃は茫然とその姿を見つめる。母親の席に座って語っているのは美希だった。彼女の覚醒を促す晃だったが、男衆に押さえつけられる。狗神筋というのは、死んだ母親の霊媒師という血筋で、美希の母親は1年前に死んでいると言うのだった。

坊之宮の家を出た晃に、村の猟師が話しかける。美希の母親は死んでから一度も、美希に降りて来なかった。それなのに晃が来てから突然、それが始まったと言う。美希は狗神様を守る役目を厭っており、そのお守を怠った。故に、狗神が悪さをしているのだ。
理由を知った晃は、尾峰を1人で去った。

1カ月後、尾峰には深い霧が立ち込めていた。1週間後には坊之宮の先祖祭りが行われる。
そんな折、坊之宮家に美希が子供を産んだ病院の看護師だった女性が訪れる。当時、隣り合わせで妊婦が2人おり、1人の子は死産だった。美希の母親は子供をすり替える。子供は奴田原の家に引き取られた。晃は隆直と美希の実子だったのだ。しかも現在、美希は晃の子供を身籠っている。美希から生まれる子供は、伝説通りであれば鵺となるだろう。

先祖祭りの前日、晃が尾峰に戻って来た。粛々と準備が進む中、本家に晃が姿を現す。隆直は笑って彼を中に入れた。

翌日、列を成して坊之宮の者共が山へ入って行く。荒涼とした場に築かれた祭壇では、既に美希が座している。一族は盃を交わすが、盃には毒が入れてあった。場は騒然となる。毒を含まない者達を惨殺し始める一族の者達。晃は女子供達を山へ逃がした。

壺を抱いた美希に迫る隆直。美希は祭壇から転がり落ち、正気を取り戻す。辺りを見回すと無残にも一族の死体が転がっていた。美希は怒りに任せ、狗神様の壺を隆直に叩き付ける。生き残りを逃がした晃は祭壇へと戻り、美希を助ける為に父親だと叫ぶ隆直を、斧で殺してしまった。その途端、祭壇から火の手が上がる。

山へ逃れた2人を猟師が狙撃。弾は見事に命中した。猟師は満足して息を引き取る。
頭を撃たれた晃だったが、意識はまだある。美希と晃は山中へと消えていった。

映画『狗神』の感想・評価・レビュー

この作品は天海祐希の美しさを最大限に活かして撮影された映画だといえる。天海祐希が演じる主人公の美希は、最初は普通の中年女性にしか見えない。しかし、物語が進むごとに美しい女性へと若返っていく。その妖艶な魅力は、きっと天海祐希が演じた結果生じたものなのだろう。

この作品では、狗神憑きという土着の信仰に対する恐れが描かれており、その恐怖の間で人の心が揺れる様を悲劇的に描いている。土着の信仰への恐れと平行して描かれるのが、母と息子、兄と妹の禁断の愛である。厳しい信仰と禁じられた恋が混ざる時、悲劇が生まれる。狗神は甘い描写と恐怖描写が上手く融合した官能的なホラー映画だと感じた。(女性 20代)


オープニングの空撮映像がとても美しい。
四国の山の奥にある閉鎖的な集落の古い言い伝え。
血のつながった兄妹で結ばれてしまう狗神一族。養子に出された息子が運命に導かれて戻ってくる。そしてまた結ばれる。狗神の血はどんどん濃くなる。
狗神の血より、それを恐れる村人たちの方が怖かった。

一度観ただけじゃ作品の魅力に浸れずに、二度三度と観なおした。(女性 40代)


イジメとか、差別的な作品が苦手な人にはオススメしません。過激なシーンがあるわけではありませんが作中ずっと暗くてジメジメした雰囲気が漂い、とても気持ち悪いです。今でこそ「部落」なんて言葉を聞くことも少なくなりましたが、地方の田舎ではまだそういった問題が根強く、この作品で描かれるのも生まれた家が「差別される」家系だったお話。
そんな家に生まれてしまったが故に、苦しんで生きてきたのに、更に苦難が待っているという展開は何とも言えず悲しい気持ちになりました。(女性 30代)

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