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映画『ガフールの伝説』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ガフールの伝説』の概要:フクロウの世界を描いた勇気と冒険、夢と友情の絆の物語。様々なフクロウの特性や、羽の1本についても緻密に表現されており、フクロウ好きにはたまらない作品。2010年公開のアメリカとオーストラリア合作CGアニメーション。

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映画『ガフールの伝説』の作品情報

ガフールの伝説

製作年:2010年
上映時間:97分
ジャンル:アニメ、アクション、ファンタジー
監督:ザック・スナイダー
キャスト:ジム・スタージェス、ライアン・クワンテン、アビー・コーニッシュ、ヒューゴ・ウィーヴィング etc

映画『ガフールの伝説』の登場人物(キャスト)

ソーレン(ジム・スタージェス)
メンフクロウ。ティト森林王国在住。伝説に憧れる夢見がちな若者だが、勇敢で聡明。オス。
ジルフィー(エミリー・バークレー)
サボテンフクロウ。クニア砂漠王国出身。一回り小型のフクロウで働き者。メス。
ディガー(デビッド・ウェナム)
アナホリフクロウ。穴を掘るのが得意で忙しない性質を持つが、理解力は高い。ダジャレ好き。オス。
トワイライト(アンソニー・ラパーリア)
カラフトフクロウ。戦士で詩人。歌の創作が得意な芸術家。オス。
クラッド(ライアン・クワンテン)
メンフクロウ。ソーレンの兄。弟と反発しており、純血団に取り込まれてしまう。劣等感のせいか、傲慢で卑怯な面がある。
メタルビーク(ジョエル・エドガートン)
ススイロメンフクロウ。純血団総統。過去にガフールの勇者と戦った際に欠けた嘴を隠す為、仮面を付けている。フクロウ世界の征服を企む。
ナイラ(ヘレン・ミレン)
メンフクロウ。聖エゴリウス孤児院の院長。メス。メタルビークの妻。冷血非道。
エジルジブ(ジェフリー・ラッシュ)
ヒゲコノハズク。ガフールの伝説で、最も語り継がれる英雄キースのライズ。神木にて大戦史を執筆中。飛行訓練などの先生もする。オス。戦歴は数知れず、左目とカギ爪がいくつか無い。

映画『ガフールの伝説』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ガフールの伝説』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ガフールの伝説』のあらすじ【起】

メンフクロウのソーレンは両親と兄のクラッド、幼い妹の5羽家族。彼らが住むフクロウの国、ティト森林王国では今も尚、語り継がれる「ガフールの勇者たち」という伝説があった。王国に危機が訪れた際、彼らが活躍した話である。それが本当かどうか定かではないが、少なくともソーレンは真実だと信じている。だが、クラッドは作り話の夢物語だと弟を馬鹿にしていた。ソーレンは普段から、両親が心配するほどの夢見がちな子だった。

ある夜、クラッドとソーレンは空を飛ぶ為の訓練、枝渡りを行う。両親が見守る中、兄は上手く飛べずに苦労するが、ソーレンはいとも簡単に飛んで見せる。兄弟仲はあまり良くなく2羽はいつも競い合って喧嘩ばかりしていた。両親が狩りに行った後、2羽は再び枝渡りを始める。だが、練習中に失敗して地面へ落下。そこへ、タスマニアデビルが現れて彼らを襲う。このままではやられてしまうと思った矢先、どこからか2羽のフクロウが現れて兄弟を攫った。何者なのか聞いても答えてはもらえず、だが明らかに悪そうな奴らだった。

夜が明ける頃、ソーレン達以外にもフクロウを連れた奴らが、数を増やしていた。ソーレンの隣を飛んでいるフクロウが捕まえている子は、体が小さなサボテンフクロウで名前をジルフィーと言う。彼女の故郷はクニア砂漠王国らしい。恐らくは、他のフクロウ達も攫われて来たのだろう。

乱暴に地面へと落とされ、ソーレンはクラッドとはぐれてしまう。連れて来られた場所は聖エゴリウス孤児院。彼らは孤児で保護されたと言うのだ。保護してやったのだから働けと言われるが、戦士として働くか、拾い屋になるかの二択しかない。そして、ティトの総統と純血団にしっかり仕えろと話す。純血団とは何なのか。ソーレンは訝りつつ、小さなジルフィーを自分の羽で隠す。話の途中で3羽のフクロウが現れる。真ん中の止まり木には、純白のメンフクロウが停まった。孤児院の院長ナイラである。純血団総統の妻だ。家に帰して欲しいと叫ぶソーレン。ナイラは彼の元へ近寄り、ジルフィーを目にして下等な種だと蔑む。従わないジルフィーとソーレンは拾い屋にされる。ソーレンは見つけた兄に助けを求めるが、無慈悲にもクラッドは弟を見捨てた。

ソーレンは肩を落としながらジルフィーと共に、拾い屋の現場へと向かう。集められたフクロウ達は、月の光を浴びながら休めと言われる。だが、ジルフィーは眠ってはいけないと警告。月光を浴びながら眠ると、月光麻痺になって自分を忘れてしまうらしい。ソーレンは何とかして、ここから脱出しようと考えた。2羽は麻痺したふりをして列に続く。そこで拾い屋とは何かが明らかになる。拾い屋とはフクロウが吐き出したペリットを拾い続ける仕事だった。ペリットとはフクロウが食べたネズミなどの毛や骨、不要な物を体内で石のような塊にして吐き出した排泄物である。

哀れな拾い屋の集団を上から眺めつつ、戦士候補のフクロウ達にナイルが語る。全てのフクロウ王国を純血団が支配し秩序をもたらす。優れたティト王国のフクロウのみがこの世を支配するのだ。そうしてナイルは子供達に飛べと叫ぶ。クラッドもその中にいて、必死に羽を動かしていた。

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映画『ガフールの伝説』のあらすじ【承】

ペリットの中に時々、金属の欠片が混じっている時がある。奴らはそれを集めているらしい。仮面をつけた純血団の総統は欠片が集まったら、敵を誘い出して一網打尽にしようと画策していた。欠片には磁気があり、それがフクロウの砂嚢に影響を与え、動けなくするのだ。

奴らが何か悪い事を企んでいると察したソーレンとジルフィーは、相談しているところをあるフクロウに見つかってしまう。老年のフクロウは、若い2羽を人気のないところへ連れて行き、飛び方を教えると言う。利口で勇敢な子達が来たら、脱出するのを助けようと思っていたらしい。画して、老フクロウによる特訓が始まる。彼の話では、ガフールの勇者の話は真実らしい。ガフールの神木を見つけられるのは、勇敢で正義感のある者だけと伝えられていた。しかし、そこへクラッドを連れたナイルが現れる。老フクロウは追手を防ぎ、ソーレン達を急いで逃がす。弟は兄へ共に行こうと声をかけるが、兄は純血団に残った。崖から落とされた2羽は、必死に羽をばたつかせる。勇者に知らせろという老フクロウの言葉を受け、ソーレン達は追手を撒いてどうにか逃げ出した。

風に乗って飛ぶ事を覚えた2羽は、ガフールの勇者たちを探す事にする。途中、アナホリフクロウのディガーと、カラフトフクロウのトワイライトと出会う。そこで、ソーレンは偶然にも餌として捕まった子守の蛇と再会。彼女は行方知れずになったソーレン達を探していたと言う。子守の蛇と共に、ディガーとトワイライトの案内で、ソーレン達は神木があるフールミア湖を目指す事になった。

その頃、純血団に残ったクラッドは、若い戦士達と共に純血団の総統と面会。そこにはクラッドの幼い妹も連れて来られていた。純血を重んじるメタルビークは、下等な種は弱い者とし、強い者が弱い者を支配すると言った。

夜行性のフクロウは昼間に休み、夜に活動する。ディガーのダジャレとトワイライトの音楽を聞きながら、ソーレン達は旅を続ける。途中、カラスの集団に襲われるも回避。そして、フールミア湖へ到着した。

映画『ガフールの伝説』のあらすじ【転】

伝説では神木への道は、ハリモグラのハリが導くとされている。言い伝え通りソーレン達の前にハリモグラが現れ、くじらのひれとフクロウの目の間を進めと言われる。その星座から外れてはならない。彼らはシャーマンに送り出され神木へと出発した。

神木へと到達するには、深い霧を越えなければならない。だが、霧の中は視界も悪く方向感覚も狂う。荒れ狂う猛吹雪の中では、羽も凍ってしまいディガーが墜落。ソーレンが助けに向かう。吹雪が舞う海に抜けた先でソーレンはディガーの姿を見失うが、そこで金の仮面をつけた2羽のフクロウに出会い導かれる。ディガーも彼らに助けられていた。仲間と共に後を着いて行くと、美しい孤島へと辿り着く。そこはガフールの神木、王国の中枢だった。

ソーレンとジルフィーは国王陛下の元へ赴き、メタルビークの生存と企みを報告。真実かどうか議論されるも、国王はソーレンの話を信じ即刻、精鋭部隊を送り出して調査を始めた。
神木では勇者の育成がされている。基礎訓練を受けて才能があると、特別な班か部隊に選ばれるらしい。班は様々あるが、それぞれの特殊技術を全員が教わる。ソーレン達は日々を訓練に費やしていく。

その頃、純血団ではメタルビークが軍団の戦士達に演説していた。それを聞いていたクラッドと妹。幼い妹には事の重大さがよく分かっておらず、ソーレンを探して家に帰ろうと言う。クラッドは自分の考えに賛同しない妹を、月光麻痺にしてしまった。

一方、ソーレン達は老フクロウのエジルジブに本当の飛び方を教わるべく、嵐の中を飛んでいた。先生の檄にソーレンは才能を覚醒。雨の一粒一粒を捉え、気流の渦がはっきりと見える。それはほんの一瞬だったが、エジルジブは彼の才能を見出した。訓練終了後、ソーレンだけが先生の元へ呼ばれる。話をしていく内に、エジルジブが伝説の中で最も語り継がれる、英雄キールのライズである事が判明。だが、戦争の激しさを物語るように、老戦士の体はあらゆる所が欠けてボロボロだった。しかし、正義を貫く心だけは未だ持ち続けているようだ。そんな時、調査に出ていた隊が戻って来た。3羽で調査に向かったが、戻って来たのは1羽のみ。しかし、子供のフクロウを2羽救い出してきた。その内の1羽はソーレンの幼い妹だった。

映画『ガフールの伝説』の結末・ラスト(ネタバレ)

隊のリーダーは国王へ調査報告をする。純血団は相当数の戦士を抱えており、他にも捕らわれている子フクロウの数もかなり多い。半端な対応では済まされない状況だった。国王は自分の戦闘爪を研ぐよう指示。自らが先頭に立って軍を率いる決断をする。新たな戦いが始まろうとしていた。

戦闘準備をするエジルジブにソーレンもついて行くと話すが、使い捨てになるか妹の看病をするかの選択肢を述べられ、置いて行かれた。ソーレンは妹の傍に寄り添う。月光麻痺で意志薄弱となった妹に語り掛ける内、意識が回復。月光麻痺にしたのは長兄のクラッドで、妹ともう1羽の子フクロウは隊のリーダーに引き渡されたと言う。隊のリーダーは裏切り者だったのだ。ソーレンは罠を止めるべく、ライズの戦闘爪を装備して仲間達とアジトへ向かった。

王が率いる隊は純血団のアジトへと向かい、子フクロウ達を救い出すべく果敢に戦った。しかし、そこで調査隊のリーダーの裏切りが露呈する。彼らは欠片を集めた場所で捕らえられてしまった。メタルビークは苦しませずにコウモリで始末しろと命令。
その様子を岩場の影から窺っていたソーレン達だったが、様々な状況から国王達を救い出す作戦を立てる。

ソーレン達の出現で信用を失った裏切り者は始末された。ソーレンは油を持って近くの山火事の元へ向かう。心のままに気流の渦を読んで火の中を飛ぶ。油に引火させ、遙か上空から滑空。欠片の元へ向かい上部の装置を破壊。欠片の蓋が閉まり、国王と勇者たちの束縛が解かれる。そうして、純血団とガフールの勇者たちの戦いが始まった。上空では激しい戦いが繰り広げられる。

地面から上空の戦いを見守っていたソーレン。その中に兄クラッドの姿を見つける。彼は飛び上がって兄の元へ向かった。クラッドに痛めつけられるソーレンだったが、反撃開始。兄弟対決は互角に見えた。しかし、兄クラッドは卑怯な手を使い炎の中へ落ちて行った。
その頃、かつての宿敵であるメタルビークへと戦いを挑んだエジルジブは、ナイラの乱入により形勢逆転され追い詰められていた。とどめを刺そうとするメタルビークだったが次の瞬間、松明を持ったソーレンの突撃に弾き飛ばされる。ソーレンはメタルビークと戦い、追い詰められながらも倒す。ナイラは純血団を率いて撤退して行った。

国王率いるガフールの勇者たちと共に神木へ帰ると、ソーレンは回復した妹に抱き着かれる。そして、そこには駆け付けていた両親の姿が。フクロウ王国には再び、平和が戻った。
その後、ソーレンとその仲間達は祝賀と叙任の儀式を受ける。彼らは勇者として認められたのだった。ナイラは逃げ延び、兄クラッドの亡骸は見つからなかった。ソーレンは冒険譚を神木の子供達に話して聞かせる。そうして、師であるエジルジブ、仲間達と共にソーレンは大空を飛び回るのだった。

映画『ガフールの伝説』の感想・評価・レビュー

フクロウ達の世界の中に語り継がれるガフールの伝説を幼い頃から聞かされていたメンフクロウのソーレンが体現し、新たな世代に繋いでいく物語。ソーレンの兄クラッドは、密かにソーレンに劣等感を感じており、それが元となり、フクロウ世界を支配しようと企む純血の騎士団に取り込まれ、弟であるソーレンと対決する事になる。激しい戦いも最後にはソーレン率いるガフールの伝説達が勝利を収め、フクロウ世界に平和がもたらされる。フクロウを題材にしたタイトルだけに、フクロウならではの特徴が多数見てとれるので、新鮮に楽しめる作品であった。(男性 30代)


原作はアメリカの作家キャスリン・ラスキーの同名ファンタジー小説。今作は第3巻までの物語を基に制作されているが、原作にはないキャラクターが登場している。
そもそも、主人公のソーレンには才能があり勇者としての素質があった。ストーリーとしては王道ではあるが、それを上回る映像美と多彩なフクロウの登場や特徴を多岐に渡って描いているため、今作の魅力が増していると思う。フクロウ好きにはたまらない作品となっており、そうでない人にもフクロウの魅力を存分に知らせる作品になっていると思う。(女性 40代)


これだけフクロウが登場するのに、見た目が少しずつ違うのが純粋に凄いなと思った。最初は見分けがつかなくて混乱するかなと思っていたのだが、性格も表情もキャラクターごとに異なるので意外と分かりやすかった。フクロウ達が飛ぶ姿は美しく、大勢で飛ぶ姿は迫力があって素晴らしかった。
ソーレンとクラッド、兄弟で争うことになったことが何よりも悲しかった。クラッドの卑劣なところは嫌いだが、劣等感を抱いて卑屈になる気持ちは理解できた。(女性 30代)


フクロウカフェに行くほどフクロウが好きな私はストーリーはもちろん、美しいフクロウたちのビジュアルにも大満足の作品でした。
主人公はメンフクロウのソーレン。フクロウの中でも特にメンフクロウが好きなのですごく嬉しかったのですが、ソーレン以外のメンフクロウたちは皆冷酷非道な純血団なのが個人的には残念でした。
純血団とガフールの勇者たちの戦いは「フクロウ」の戦いとは思えないほどハラハラドキドキさせてくれてとても面白かったです。(女性 30代)


フクロウの表情や毛並みの質感、水の描写等、全てにおいて丁寧で繊細なタッチです。映像美が群を抜いていて、本物と見間違いそうです。フクロウが主役の映画は、後にも先にも『ガフールの伝説』だけなのではと思います。メンフクロウの他に、サボテンフクロウ等の様々なフクロウが登場するので、一見の価値有りです。癒し効果も期待できます。ストーリーがやけに駆け足な展開ですから、サクッと楽しめました。飛行シーンは、堪らなく爽快な気分を味わえます。(女性 30代)

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