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映画『犬神家の一族(2006)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『犬神家の一族(2006)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『犬神家の一族(2006)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『犬神家の一族(2006)』の結末までのストーリー
  • 『犬神家の一族(2006)』を見た感想・レビュー
  • 『犬神家の一族(2006)』を見た人におすすめの映画5選

映画『犬神家の一族』の作品情報

犬神家の一族

製作年:2006年
上映時間:135分
ジャンル:サスペンス
監督:市川崑
キャスト:石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、富司純子 etc

映画『犬神家の一族』の登場人物(キャスト)

金田一耕助(石坂浩二)
名探偵。頭を掻くのがクセなのだが、その際フケが落ちるため、周りに嫌がられている。古舘法律事務所で働く若林から依頼の手紙を貰い、犬神家を調査していた。
野々宮珠世(松嶋菜々子)
犬神家の恩人の血縁者だと言われていたが、実際は犬神佐兵衛の実の孫。犬神佐清と思い合っている。
犬神松子(富司純子)
犬神家の長女。佐清に遺産を残そうと、殺人事件を起こす。
犬神竹子(松坂慶子)
犬神家の次女。佐武と小夜子という2人の子供おり、竹子の夫の寅之助は犬神製薬・東京支店長として働いている。
犬神梅子(萬田久子)
犬神家の三女。佐智という1人息子がおり、梅子の夫の幸吉は犬神製薬・大阪支店長として働いている。佐智は両親のために遺産の分け前を増やすため、小夜子と付き合っている。
犬神佐清(尾上菊之助)
松子の息子。戦争に出兵していた。自分のミスにより部隊を全滅させてしまい、後悔の念から犬神家に戻れずにいた。
青沼静馬(尾上菊之助)
犬神佐兵衛と犬神家の工場で働いていた菊乃との間にできた子供。9歳の頃に母は病で亡くなっている。松子・竹子・梅子に母が痛めつけられ恨んでいたため、犬神家を乗っ取って復讐しようと画策する。戦争により顔に大きな怪我を負っている。
猿蔵(永澤俊矢)
佐兵衛に頼まれ、珠世の用心棒として働いている。出生は不明。寡黙。体格が良く、力が強い。
犬神佐兵衛(仲代達矢)
犬神家当主。7か月前に亡くなっている。犬神製薬という会社を興す。犬神製薬が買い付けた麻薬を当時の軍部が購入し、兵器として戦争で使用していた。数々の女性と恋仲になり子を生していたが、妻にした女性は1人もいなかった。

映画『犬神家の一族』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『犬神家の一族(2006)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『犬神家の一族』のあらすじ【起】

昭和22年信州那須市。探偵の金田一耕助は古舘法律事務所の若林という人物から手紙を貰い、那須ホテルを訪れた。金田一はホテルから見える犬神家の屋敷を見ながら、女中のはるに詳しい話を聞いた。この辺りに暮らす人々は犬神製薬の恩恵を受けて暮らしており、当主の佐兵衛が7か月前に亡くなった際は、立派な葬儀が執り行われるほどだった。金田一がはると話していると、ボートに乗り込む女性の姿が見えた。その女性は珠世という名で、犬神家の者ではなかったが、恩人の血筋ということで犬神家の屋敷で暮らしていた。

ボートに乗っていた珠世が、助けを求めて叫んでいた。金田一が別のボートに乗って急いで助けに行くと、1人の青年(猿蔵)が湖に飛び込み、珠世の元に向かった。金田一は珠世と猿蔵をボートに乗せて助けると、猿蔵に珠世が乗っていたボートを調べるよう指示を出した。珠世が乗っていたボートの底には、大きな穴が開けられていた。

金田一が那須ホテルに戻ると、金田一を訪ねてやって来た若林が、何者かに殺害され亡くなっていた。金田一は重要参考人として勾留されてしまう。そこに、若林の上司である古館恭三が、金田一を尋ねてやって来る。金田一が若林から貰った手紙を古館に見せると、古館はとても驚愕していた。その後、古館は事務所の金庫にしまってあった佐兵衛の遺言状が、何者かに読まれた形跡があることを金田一に打ち明けた。事務所の金庫を開けられるのは、古館の他に若林しかいなかった。古館は若林に代わり、耕介に改めて仕事の依頼をした。

佐兵衛の遺言状は、血縁者が全員揃わなければ開封できなかった。また、珠世は血縁者ではなかったが、遺言状の開封の場に同席することになっていた。佐兵衛の長女である松子の息子の佐清は、戦争から戻ってきて病院にいるとの便りが届いていた。松子が迎えに行っていたが、なぜか2人とも戻って来ず、現在遺言状を開封できずにいた。

佐兵衛には正式な妻がおらず、母親が異なる3人の娘達がいた。長女の松子。次女の竹子。三女の梅子。竹子には佐武と小夜子という2人の子供おり、竹子の夫の寅之助は犬神製薬・東京支店長として働いていた。梅子は佐智という1人息子がおり、両親のために遺産の分け前を増やすため、小夜子と付き合っていた。梅子の夫の幸吉は犬神製薬・大阪支店長として働いていた。

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映画『犬神家の一族』のあらすじ【承】

松子が佐清を連れて帰って来たが、佐清はなぜか頭巾を被っていた。古館が本人かどうか確認したいと言うと、佐清は頭巾とその下につけられていた白い覆面を外した。佐清の顔は戦争で負った怪我の影響で焼けただれ、本人かどうか判別できない状態だった。だが、母親である松子が息子だと証言したため、古館は遺言状を開封することにした。

遺言状には、犬神家の全財産と全事業の相続を意味する犬神家の三種の家宝、斧・琴・菊を珠世に譲ると書かれていた。だが、それには条件があり、珠世は配偶者を佐清・佐武・佐智から選ぶ必要があった。もしも、佐清・佐武・佐智の3人共が珠世との結婚を拒否した場合、佐清達は相続のあらゆる権利が失われ、珠世は自由に結婚相手を選ぶことができた。そして、珠世がもし相続権を失った場合、佐清→佐武→佐智の順に犬神家の事業を継承、全財産は5等分し、5分の1ずつを3人に与え、残りの5分の2を青沼菊乃の息子である青沼静馬が相続すること。また、珠世・佐清・佐武・佐智が亡くなった場合は、犬神家の全財産は青沼静馬が相続することと書かれていた。松子達はそれぞれ、珠世や静馬に遺産を相続させたくないと喚き取り乱した。静馬とは、佐兵衛が自分の工場で働く菊乃に産ませた子供だった。

佐武・佐智は神社に佐清の手形が奉納されていると神主から連絡をもらい、覆面の佐清と指紋を合わせることにした。そのため、古舘と金田一を呼んで、神社に確かに合ったという証人になってもらった。神主に手形があるのではないかという問い合わせをしたのは、珠世だった。

皆が集まり佐清に手形を押させようとするが、松子が反対したため失敗に終わった。同じ頃、柏屋という宿屋に、襟巻で顔を覆った復員兵が現れる。復員兵は宿帳を書くことを拒否した。宿屋の店主は、部屋の中でも襟巻を外さない復員兵の異様さに恐怖心を抱く。

佐武が殺され、頭部が菊人形の頭と挿げ替えられていた。発見者は猿蔵だった。竹子は狂ったように、息子を失ったことを悲しんだ。その頃、佐清が自ら手形を押すと言ったため、竹子・寅之助・小夜子以外の皆が見守る中、手形が押されることになった。

犯行現場には珠世のブローチが落ちていた。刑事は珠世にブローチを見せ、犯行現場である展望台に行ったのか尋ねた。珠世は内密に話したいことがあったため、佐武を呼び出して会っていたことを話した。話とは、時計につけた覆面の佐清の指紋と、手形の指紋を合わせて欲しいというものだった。だが、佐武に乱暴されそうになり、揉み合っている内にブローチが外れて落ちてしまったのだ。そして、猿蔵が助けに現れたため、事なきを得ていた。

佐武の胴体を運んだと思われる犬神家のボートが、切断に使った鉈が入った状態で発見された。ボートの管理者は猿蔵であり、佐武と最後に会ったのも猿蔵と珠世だった。猿蔵は10年ほど前に佐兵衛がどこからか連れてきた人物で、身元は不明だった。猿蔵は佐兵衛から、命に代えても珠世を守るよう言明されていた。刑事はそれを知り、珠世が猿蔵に殺せと命じたのではないかと考えた。

映画『犬神家の一族』のあらすじ【転】

刑事と金田一は不審な復員兵の情報をもらい、柏屋に向かった。復員兵は昨夜の8時~10時まで部屋におり、そこからふらっと外出をして、12時を回った頃に戻っていた。そして、今朝の5時に宿屋を発っていた。話を聞いた金田一は、宿屋に泊まった復員兵と佐清、2人の覆面を被った人物がいることに着目する。

鑑識の結果、覆面の佐清の手形と奉納されていた佐清の手形が一致した。その日の夜、佐武の葬儀が行われた。金田一は松子と共に部屋を出て行く佐清を、忌々しそうな顔で見ている竹子の顔を見て驚く。その一方で、小夜子は珠世を呼び出し、佐智を結婚相手に選ばないで欲しいと頼んでいた。小夜子は佐智の子供を妊娠していた。珠世が小夜子と別れた後自室に戻ると、復員兵が部屋の中にいた。復員兵は珠世を突き飛ばし、慌てた様子で部屋を出て行った。そのとき、悲鳴が聞こえたため、珠世や他の者達は屋敷の外を捜索した。すると、誰かに殴られ、気絶した佐清が倒れていた。

佐武の胴体部分が湖から発見された。鑑識の結果、死亡推定時刻は午後11時~12時の間。死因は背後から胸部へ刺し抜かれた一突きによるもの。凶器は植木鋏のような肉の厚い鋏だと判明した。刑事は犯人が鋏と鉈の両方を用意していたのだろうと考えるが、金田一は胴体を切った者と殺した者は別の人間の可能性もあると指摘した。金田一が気にしていた時計は佐武の胴体からは発見されなかった。そのことで、刑事は珠世が嘘を吐いたのだと決めつけた。

佐智は嘘を吐いて珠世を連れ出し、薬品を使って気絶させた。人気のないところに連れ込んで乱暴しようとしていると、復員兵が現れ襲われる。

琴糸が首に巻きついた状態で、佐智の遺体が犬神家の屋敷の屋根で発見された。瓦が壊されていないことから、犯行現場は屋根ではなかった。梅子は珠世がやったのだと刑事に詰め寄った。佐智に乱暴されそうになったという証言も珠世の作り話だと決めつけた。古舘が女性の手では屋根に上げることができないと庇っても、猿蔵が手伝ったのだと言って聞かなかった。

竹子は鉈(斧)と琴糸(琴)が犯行に使われていることを知り、菊乃のことを刑事や金田一達に話した。佐兵衛は静馬が誕生すると、犬神家の家宝である斧・琴・菊を菊乃親子に授けてしまう。松子達はそれが許せず、斧・琴・菊を取り返しに行った。そして、菊乃を痛めつけたのだ。竹子達は菊乃が復讐のために佐武達を殺したのではないかと考えていた。菊乃は既に病で亡くなっていたが、静馬が戦争に行ったきり行方不明になっていた。刑事は柏屋に泊まった復員兵が静馬で、財産を独り占めするために殺人を行ったとみて指名手配をすることにした。

映画『犬神家の一族』の結末・ラスト(ネタバレ)

金田一は斧・琴・菊の言葉の中でまだ菊の言葉が残っていたことから、第3の殺人が起きるのではないかと案じていた。そのため、これ以上の惨劇を食い止めるためにも、神主に野々宮家と犬神家の関わりについて話してくれと頼んだ。神主は重い口を開き、珠世の出生の秘密を明かした。それは、珠世が佐兵衛の本当の孫だということだった。

珠世は覆面の佐清が本物の佐清だとは思っておらず、結婚することを拒否した。松子は珠世に対して怒りを見せるが、松子自身も本当は佐清が偽物ではないかと怪しんでいた。そのため、松子は覆面の佐清に確認した。すると、覆面の佐清は珠世が言ったことは本当のことだと認めた。覆面の佐清は青沼静馬だった。母の恨みを果たすために、復讐をしていたのだ。静馬は戦場で佐清に出会い仲良くなっていた。そして、佐清がいる部隊が全滅したことを知り、佐清に成り代わって犬神家を乗っ取ることを思いついたのだ。

湖に逆立ちの状態で放置された遺体が発見される。その遺体は佐清で、斧で頭を割られていた。金田一は遺体の手形を取って、奉納手形と検証してくれと刑事に頼んだ。すると、刑事は驚いた顔で、珠世も同じことを頼んできたことを話した。鑑識が遺体の手形と奉納手形を検証すると、別人の者であることが判明する。金田一は覆面を使い、本物と偽物が入れ替わっていたのだと刑事達に推理を披露した。そして、偽物が静馬であると話した。

復員兵が珠世の前に現れた。彼が本物の佐清だった。佐清は佐武・佐智・静馬の殺害を告白し、涙ながらに珠世と抱き合って別れた。そのとき、佐清は1通の手紙を落としていった。珠世はその手紙を金田一に見せた。その手紙の封筒には“わが告白”と書かれており、殺人を告白する旨が書かれていた。

佐清は逮捕され、犯人だと認めた。だが、金田一は佐清が犯人だとは思っておらず、事のあらましを刑事達に説明した。佐清は自分の偽物が屋敷に入り込んでいることを新聞で知り、一旦柏屋に宿を取った。そして、夜中にこっそりと屋敷に忍び込み、自分に成り代わっている静馬と話し合いを行った。だが、自分の野望を遂げたい静馬と止めたい佐清の間で口論になってしまう。その際、佐武と珠世が展望台に来たため、隠れることになったのだ。そのまま物陰に身を潜めているときに、2人は佐武を殺した真犯人を見てしまっていた。佐清はその真犯人を庇っているのだ。

金田一は松子の元を訪ねた。松子が真犯人であると確信していたのだ。若林に遺言状の内容を探らせていたのも松子だった。だが、遺言状の内容が内容だっただけに、若林は手紙で金田一を呼び寄せていたのだ。松子の母が金をせびりに来たとき、松子が若林に煙草(毒入り)を渡すところを見ていた。松子は殺害を否定していたが、佐武の殺害を佐清が見ていたことを教えると、戸惑い始めた。松子が罪を犯したときから、佐清は静馬の言いなりになっていた。そして、女性の犯行だとばれないように、静馬が犯行の後始末を行っていた。金田一は珠世が佐兵衛の孫娘であることを明かし、佐兵衛の望む通りに犯行を実行していたのだと告げた。

松子が佐清と会うことを求めたため、手錠を嵌めた状態で佐清が犬神家の屋敷に戻って来た。松子は佐清との再会を喜んだ後、犯行を犯したことを涙ながらに謝罪した。その後、皆同じ部屋に集まり、松子が犯行を犯したこと、佐清と静馬が覆面を使って入れ替わっていたことなどが話された。

松子は珠世が佐清の出所をいつまでも待つ気でいることを確認すると、安心したように微笑み煙草を吸った。その煙草には毒が入っており、金田一が気づいたときには既に手遅れだった。佐清は母の遺体を抱き、泣き崩れた。

金田一は古舘から報酬を貰い帰ることにした。はる達が金田一のためにお別れ会をしようと準備していたが、金田一は見送られるのが嫌いなため、こっそりと帰って行った。

映画『犬神家の一族』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

色んな方が金田一耕助を演じられているが、自分は石坂浩二の金田一耕助が一番馴染みがあるし一番印象に残っている。那須ホテル女中役の深田恭子の可愛らしい演技も好きだったし、野々宮珠世役の松嶋菜々子の陰のある美しい雰囲気も好きだった。始め、誰が犯人なのか分からず、ドキドキしながら見たことを覚えている。個人的には、金田一耕助が見送られるのを嫌がりこっそりと帰ったラストが、金田一らしい去り際だと思えて好きだった。(女性 30代)


スケキヨがマスクを剥ぐ瞬間や湖に突き出た両脚など、インパクトのある印象的なシーンが多く、単なる推理だけでなくホラーなところが面白い。
あの主題曲も薄気味悪く、鬱蒼とした不気味さが堪らない。
また、最後まで真犯人が分からずに二転、三転していくところがドキドキさせられて良かった。
これまで数多くのリメイク作品が存在するが、1976年に公開された『犬神家の一族』と同じ監督、主演コンビで再映画化されているので、比べて鑑賞するのもおすすめ。(女性 20代)


これまでも沢山の役者さんによってリメイクされていますが、リメイクの中では個人的に一番好きな作品です。物語の面白さはもちろん、やはり役者陣が素晴らしいです。金田一耕助役の石坂浩二さんの渋さ、犬神家の人々の怪しい感じ、はるを演じる深田恭子さんの初初しさなど魅力は多くありますが、やはり松嶋菜々子さんによる美しく可憐でどこか不気味さを醸し出す珠世が絶品です。
同じ作品を同じ監督がリメイクするというのはなかなかないと思うので、そういう意味でも貴重で興味深い一本だと思います。(女性 20代)


『犬神家の一族』と聞いてまず思い浮かべるのはあの白塗りの面。不気味でCMで流れたりするとすごく嫌な気持ちになったのを覚えています。「金田一耕助」が主人公と言うのは知っていましたが、どんな作品かはよく知りません。そもそも金田一耕助を知っているのも『金田一少年の事件簿』が大好きだったから。なんとも不純な入り方ですが、『犬神家の一族』しっかり楽しめました。
リメイク版ということで、物足りないなどの口コミも目にしましたが、初めて見た私はとても見やすくてストーリーもわかりやすく、大満足でした。(女性 30代)


信州犬神家の遺産相続を巡る陰惨な事件、それを解き明かす金田一耕助の推理劇に引き込まれました。戦勝の帰還者・佐清の仮面の奇怪な姿と、斧・琴・菊をモチーフにした連続殺人の猟奇性は、本当に鳥肌が立ちました。特に珠世が実は佐兵衛の孫であり、佐清の正体が青沼静馬だったと分かった瞬間、全ての謎が一気に氷解するカタルシスがあったと思います。(20代 男性)


30年ぶりのリメイクということで映像の重厚さに期待したのですが、昭和の匂いと緊迫感がしっかり再現されていて嬉しかったです。特に松嶋菜々子演じる珠世の強さと悲しみに満ちた表情が印象的でした。仮面の佐清=静馬の衝撃の正体判明は、原作愛好者にも新鮮に感じられる大胆な演出で驚かされました。(30代 女性)


古館弁護士の助手・若林が冒頭で毒殺されるシーンから緊張感がピークに。金田一がその謎を追い、菊乃が呪いとして遺した言葉「よき・こと・きく」が事件とリンクする構図が見事。遺言状の意図と珠世の出生の謎が絡み合うことで、ミステリーの本質は“血の因縁”にあると強く感じました。(40代 男性)


仮面の佐清=青沼静馬というどんでん返しは、ただのトリックではなく“復讐の物語”としての深さがありました。戦争によって顔を焼かれた男が、犬神家を乗っ取る形で母の呪いを果たそうとする哀しみと狂気の交錯に、胸が苦しくなりました。映像も緻密で、昭和の陰鬱な空気を美しく再現していました。(50代 女性)


テンポよく進む殺人事件の連続と、登場人物全員が怪しい空気感が楽しめました。特に“被害者が家宝を模した方法で殺される”という猟奇的設定が強烈で、不気味でした。最後に金田一が神主から真実を語らせ、珠世が佐兵衛の孫だったと明かされたシーンのドラマ性は圧巻でした。(20代 女性)


戦後の日本を背景に、名誉、嫉妬、相続への執着が渦巻く構図が秀逸。特に“斧・琴・菊”という家宝と殺人の対応構造は、視覚的にも象徴的で古典ミステリーの醍醐味と感じました。尾上菊之助の演じた佐清/静馬の二面性は、怪演の域に達していて忘れられません。(40代 男性)

映画『犬神家の一族』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『犬神家の一族(2006)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

八つ墓村(1977)

この映画を一言で表すと?

血塗られた因縁が引き起こす連続殺人劇――日本ミステリー映画の金字塔。

どんな話?

山間の村「八つ墓村」で発生する連続殺人事件。その謎を追う若者と、金田一耕助の捜査が交差し、村に隠されたおぞましい過去と怨念が暴かれていく。土着信仰、因習、呪われた血筋が絡む重厚な物語。

ここがおすすめ!

『犬神家の一族』と並び、横溝正史原作の傑作。ミステリーでありながらホラー要素も強く、山崎努の狂気に満ちた演技が圧巻。重苦しい空気と不気味な演出が、観る者を圧倒します。

悪魔の手毬唄(1977)

この映画を一言で表すと?

童謡にのせて繰り返される殺人、静かな恐怖が心に染みる。

どんな話?

小さな村で起きた女性の変死を皮切りに、古い童謡の歌詞に沿って連続殺人が起こる。金田一耕助が村に潜む因縁と悲劇を紐解くが、事件はやがて予想を超えた真実にたどり着く――。

ここがおすすめ!

静かな村の景色と対照的な残虐な事件の描写が際立つミステリー。犬神家と同様、遺産相続や血縁の秘密が主軸になっており、哀しみの余韻が強く残る作品。古き日本の情景美も魅力です。

ゼロの焦点(2009)

この映画を一言で表すと?

戦後日本の闇を暴く、女たちの悲劇と真実のミステリー。

どんな話?

新婚1週間で夫が失踪。行方を追って金沢へ向かった妻は、夫の過去に隠された衝撃的な事実と、複数の女性の運命が交錯する壮絶な真相に迫っていく――松本清張原作の社会派ミステリー。

ここがおすすめ!

『犬神家の一族』のように、“誰かが隠している過去”に焦点を当てた濃厚な人間ドラマ。木村多江、中谷美紀、広末涼子の女優陣が魂を削るような熱演を見せ、クライマックスは圧巻です。

羅生門(1950)

この映画を一言で表すと?

一つの事件、四つの視点――人間の本性を暴く心理ドラマ。

どんな話?

山中で起きた武士の殺害事件。目撃者、犯人、被害者、そして第三者――それぞれの語る内容が全く異なる中、人間の“真実とは何か”が問い直される。黒澤明監督による世界的名作。

ここがおすすめ!

真実が人によって変わる構造は、『犬神家』の複雑な家族関係と通じるものがあります。美術や構図も芸術的で、一見の価値あり。人間の業や虚偽をこれほど美しく、鋭く描いた作品は他にありません。

姑獲鳥の夏(2005)

この映画を一言で表すと?

奇怪な謎と陰鬱な世界観が癖になる、新本格ミステリー。

どんな話?

20ヶ月も妊娠したままの女性、密室から消えた夫、語られない過去――。探偵・京極堂が、超常的に見える怪事件の裏に潜む論理と心理を解き明かしていく。京極夏彦の人気小説の映画化。

ここがおすすめ!

犬神家と同じく“家”にまつわる因縁や秘密を扱い、独特の陰鬱さが漂う。堤真一の京極堂は知的で魅力的。トリックの構造も巧妙で、じっくりと謎解きを味わいたい人におすすめの一作です。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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