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映画『アイアン・ジャイアント』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アイアン・ジャイアント』の概要:『Mr.インクレディブル』のブラッド・バードの初監督作品。遠く宇宙から飛来した巨大ロボットと少年との友情を描いたSFアニメ。少しノスタルジックで、少しホロリとさせる、大人の鑑賞に耐えうるアニメ作品。

映画『アイアン・ジャイアント』の作品情報

アイアン・ジャイアント

製作年:1999年
上映時間:86分
ジャンル:SF、アニメ
監督:ブラッド・バード
キャスト:ジェニファー・アニストン、ハリー・コニック・Jr、ヴィン・ディーゼル、イーライ・マリエンタール etc

映画『アイアン・ジャイアント』の登場人物(キャスト)

ホーガース・ヒューズ(イーライ・マリエンタール)
田舎町、ロックウェルで生活している快活な少年。母と二人暮らしをしている。ホラー映画が好きで、冒険心も強い。巨大ロボットと仲良くなり、友情を育むようになる。
アイアン・ジャイアント(ヴィン・ディーゼル)
宇宙から飛来した巨大ロボット。記憶を失っており、何のために、どこから来たのか、憶えていない。壊れても自己再生ができる。銃などを感知すると自己防衛のため、戦闘マシーンへと変形をする。鉄が好物。
アニー・ヒューズ(ジェニファー・アニストン)
ホーガースの母親。夫は何らかの理由でいないらしい。生活のためカフェで給仕の仕事をしていて、帰りが遅くなることもよくある。ホーガースを叱ることも多いが、彼を心から愛している。
ディーン・マッコーピン(ハリー・コニック)
町外れでスクラップ場を営んでいる。スクラップから芸術作品を作るアーティストでもあるが、その作品は認められていない。追われるロボットとホーガースに手を貸し、スクラップ場にロボットを匿ってやる。
ケント・マンズリー(クリストファー・マクドナルド)
政府の捜査官。「空から来るものはすべて敵のソ連からの兵器だ」という考えのもと、ロボットのことをしつこく追いまわす。ホーガースに疑いを持ち、彼の家に下宿をして捜査をする。後先を考えず行動する性格。

映画『アイアン・ジャイアント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アイアン・ジャイアント』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アイアン・ジャイアント』のあらすじ【起】

スプートニクが打ち上げられた1957年の嵐の夜、宇宙から何かが、ロックウェルの沖に落ちてきた。漁師のスタッツはそれを目撃するが、町の人たちは、その話を誰も信じなかった。

ロックウェル郊外に住んでいるホーガースは、母子家庭だった。ある日、母が残業になった夜、ホーガースは一人で過ごしていた。母から禁じられたお菓子を食べながら、これまた禁じられたホラー映画をテレビで見ていると、屋根の方から物音がする。ホラー映画の続きも気になるが、屋根の物音も気になるホーガース。すると、今度はテレビが映らなくなる。ホーガースはアンテナを点検するために屋根に上がる。すると、そこには食いちぎられたようにアンテナが残っていた。屋根から懐中電灯で階下を照らすと、そこも巨大な何かが荒らしたような景色になっていた。昨晩の沖に落ちてきた何かは、火星人の襲来の前触れと確信したホーガースは、モデルガンを持ち、ヘルメットを被り、夜の森へ探索に出かける。

森を抜け、変電所にたどり着いたホーガースはそこで、巨大なロボットに出会う。ロボットは鉄塔を食べ、さらに変電施設に手をかけるが、感電してしまう。電線に絡まり苦しむ巨大ロボット。一度はその場から逃げようとするホーガースだったが、苦しむロボットを見捨てられず、変電施設の電源を両手で掴み、オフにしてやる。

翌朝、猟師のスタッツの通報により、政府の特務機関から調査官、ケント・マンズリーがやってくる。マンズリーはこんな片田舎で、国を揺るがすような事件は起きるはずがないと思っていた。しかし、自分の車をロボットにこっそりと食われ、ロックウェルでの調査を続行することにするのだった。

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映画『アイアン・ジャイアント』のあらすじ【承】

ホーガースは昨晩のロボットを探しに鉄板を持って森の中を歩いていた。そして、ロボットと再会を果たすホーガース。ロボットはホーガースに、変電施設のスイッチを差し出す。助けてくれたことを感謝しているようだった。しかし、ロボットは人の言葉は話せないようだった。ホーガースはロボットに言葉を教えようと試みる。試行錯誤の末、少しずつコミュニケーションが取れるようになり、喜ぶホーガース。日が暮れてきて、家に帰ろうとするホーガースだが、ロボットは家の近くの線路のあるところまでついて来てしまう。そして、ロボットは線路を食べようとレールをつまみ上げてしまう。間の悪いことに、そこへ貨物列車が近づいて来る。慌てて、線路を直すようにロボットに命じるホーガース。しかし、間に合わず、ロボットは列車と衝突してしまう。衝撃でバラバラになったロボットだったが、自己修復を始める。部品たちはロボットの出す電波に引き寄せられ、次々と合体し、元の姿に戻っていくロボット。ホーガースは森に隠しておくことを諦め、慌てて自宅の納屋にロボットを隠すのだった。

そんなホーガースの家にケントがやってくる。本部への連絡のため電話を借りに来ただけだったが、森で拾ったモデルガンの残骸に書かれていた名前がホーガースであることに気がつき、彼を調査対象にする。

映画『アイアン・ジャイアント』のあらすじ【転】

深夜、ホーガースはコミックを持ってロボットを隠した納屋に行く。ロボットにコミックを見せ、「君はスーパーマンのようだ」と話すホーガース。ロボットはその話を聞き、スーパーマンに憧れるのだった。しかし、そんなことよりもロボットはお腹が空いていた。ホーガースはロボットと食料の鉄を探しに出かけ、ディーンのスクラップ場にたどり着く。ロボットの好物、鉄の食べ放題だったが、物音に気がついたディーンに見つかってしまう。ホーガースはディーンにロボットのことを打ち明け、彼を預けて家に帰る。明け方、家に帰り着くと、家ではマンズリーがホーガースを待っていた。マンズリーはホーガースの家に下宿することになっていた。マンズリーはホーガースが何か隠していることを察しているのだった。

ある日、ホーガースとロボットは森で鹿に出会う。しかし、その鹿は猟師たちによって撃ち殺されてしまう。その場に姿を現した巨人に驚き、銃を放置して、逃げ出す猟師たち。その猟師の銃を見たとき、一瞬、巨人の目の色が赤く変わるのだった。ホーガースはロボットに生き物には死があることを教える。そして、魂は死なないことも教えるのだった。

家に帰ったホーガースはマンズリーの尋問を受ける。ロボットの居場所を知りたがるマンズリー。ホーガースは母のことで脅され、ロボットの居場所を話してしまう。翌朝、ディーンのところにマンズリーの出動要請を受けた軍隊がやってくる。ロボットを出せと凄むマンズリーだが、ディーンはロボットをアート作品に見立てて、危機を脱する。

映画『アイアン・ジャイアント』の結末・ラスト(ネタバレ)

軍隊が去った後、ロボットと遊ぶホーガースだったが、おもちゃの銃を向けた瞬間、ロボットの目が赤くなり、光線を発射する。ロボットは自分で何をしているのか解らなかった。ホーガースとディーンに叱られ、憔悴するロボット。森をさまよい、ふらふらと歩いていた。そんなロボットを、軍隊は発見し、攻撃を開始する。戦闘マシーンに変形し、圧倒的な火力で反撃をするロボット。ディーンとホーガースが駆けつけ、ロボットは自己防衛のために、相手を攻撃しているだけだと伝える。しかし、マンズリーはそれに耳を貸さず、核攻撃でロボットを破壊しようと進言する。核搭載潜水艦に連絡を取り、攻撃の準備が着々と整いつつあった。

ホーガースは戦闘マシーンとなったロボットに駆け寄り、声をかける。ロボットはホーガースの声を聞き、我に帰り、その姿を元に戻す。危機は脱したかに思われた。が、次の瞬間、マンズリーは無線機に向かってミサイル発射命令を叫ぶ。沖で待機していた潜水艦からロボットめがけてICBMが発射される。数分後には核ミサイルが落ちてくる。誰もが諦めるしかなかった。そんな町の人たちを見ていたロボットは「スーパーマンになるんだ」と、ホーガースに言い残し、空へと飛び立っていく。大気圏を超えたロボットは、ICBMに体当たりをし、ホーガースたちを救うのだった。

ロボットのおかげで町は救われた。ディーンのデザインしたロボットのモニュメントが建てられ、町は日常を取り戻した。ホーガースは軍提督からロボットのネジを一つ受け取る。それだけしか回収できなかったと、提督からの手紙にはあった。そしてその夜、ホーガースの枕元にあったネジが光りだし、窓の外に出ようと動き出す。ホーガースには分かっていた。ロボットはどこかで生きていて、自己修復を始めたのだと。「待ってるよ」ネジにそう声をかけ、ホーガースは窓を開けるのだった。

映画『アイアン・ジャイアント』の感想・評価・レビュー

映画好きからも音楽好きからも愛される名作。
心あるロボットと寂しい少年の友情を描いているので、よくある話と言われればよくある話なのですが、最後は大号泣です。
話が複雑ではないので小さいお子さんから、大人も楽しめる幅広い層が楽しめる映画です。

ザ・フーのピート・タウンゼントがプロデュースということで、音楽好きな人からはカルト的な人気。
サントラも名盤。50年代のアメリカの田舎町が舞台の映画だけあって、50年代のヒット曲も満載です。(女性 40代)


藤子不二雄の短編漫画とほとんど同内容の作品であることが指摘されている。実際似ているというレベルではなくかなり怪しい。製作者の倫理観は疑われるが、それに反して映画は非常に優しく心温まるストーリー。キャラクターデザインもCG全盛になる前のやさしい色使いがあり落ち着きがある。短編で十分な内容を引き延ばした割には長弛みもなく、あっという間に見終えてしまえる。余計な雑音はシャットアウトしてじっくりと楽しみたい映画である。(男性 30代)


本作の舞台は東西冷戦最中の1957年。とある田舎町の変電所の電線に絡まった巨大ロボットのアイアン・ジャイアントを、少年ホーガースが救出する。後に二人は仲良くなるが、政府捜査官に追われる身となり、ホーガースはジャイアントを守るも、ジャイアントの真の姿が暴かれていくという物語。
右も左も分からないジャイアントに色々なことを教えてあげるホーガース。
この2人の深まっていく厚い友情が感じられ、心が温まった。
また、ジャイアントの正体が判明してからホーガースが終盤にとった行動には涙が止まらなかった。一人の少年がロボットと過ごした一時をノスタルジックに描いている作品。(女性 20代)


「なりたい自分になる」アイアン・ジャイアント、めちゃくちゃ可愛いです。9歳の少年ホーガースは森で金属を食べる巨人「アイアン・ジャイアント」を見つけます。最初は怖かった巨人も少年との仲を深めていくうちに、子供のように好奇心旺盛で可愛くなっていく姿が最高でした。
悪いことに使われようとしてしまうアイアン・ジャイアント。銃や核、メッセージ性も強い作品で考えさせられる部分が沢山ありました。(女性 30代)


小さい頃に何度も見返した作品。一見子供向けのアニメ映画だが、大人も楽しめる。子供のころはロボットがいなくなってしまう寂しさで主人公の少年と同じ気分で悲しくなって泣いていたし、大人になって改めて見ると、自分を犠牲にする決断した彼の思いを想像して涙が止まらなくなる。作中に出てくる「なりたい自分になればいい」というセリフは、いろいろなことと向き合わなければいけない大人にこそ響くのではと思った。自分に子供ができたら一緒に見たい作品だ。(女性 20代)

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